「浴室のドアが壊れて閉まらなくなってしまった。費用はあまりかけたくないけど、どれくらい交換費用にかかるのか」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
リフォームガイドにも、浴室のドア交換の問合せはたくさん寄せられます。しかし、実際に見積りをとってみると、多くのお客様が「意外に高くついた」と思われているようです。
そこで、ここでは、浴室ドアの交換費用の相場や見積り例を通じて、その費用感をお伝えします。また、開き戸や折れ戸など浴室ドアの種類ごとのメリット・デメリットもご説明します。これを読むことで、浴室のドア交換にどれくらいの費用がかかるか分かるだけでなく、どのドアを選ぶべきか判断できるようになります。
目次
1.浴室ドアの交換タイミング・平均耐久年数
一般的にお風呂のドアの平均耐久年数は、約15~25年といわれています。そのため、新築から約15~25年が交換のタイミングといえるでしょう。
しかし、使用頻度が高く湿気の多い浴室ドアは、カビや石鹸類、洗剤などの影響で劣化の度合いが早まることも少なくありません。適切なタイミングで交換するには、お風呂のドアの劣化具合の把握が大切です。
浴室ドアの交換サインを詳しく見てみましょう。
1-1.劣化・交換のサイン
お風呂のドアの劣化サインとして、主に以下が挙げられます。
- ドアの開け閉めがしにくい
- パッキンが外れている
- 脱衣所まで水が漏れている
- 樹脂部分やゴム部分がひび割れている
- ドアの隙間にカビが溜まっている
- ドアが変色している
- アクリルドアにひびが入っている
浴室ドアが劣化すると、水漏れが脱衣所だけでなく他の部屋にまで広がってしまいます。室内全体の湿度上昇の原因になり、結露やカビの発生につながるため注意が必要です。
2.浴室ドア選びのポイント
浴室ドアと一口に言っても、開き戸、折れ戸、引き戸といくつか酒類があります。ここでは、浴室ドアの選び方にについてご説明します。ドア選びにお困りの方は是非参考にしてみて下さい。
2-1.使う人のことを一番に考える
子どものいるご家庭やお年寄りのいるご家庭など、家族構成を考慮して選びましょう。段差のないものを選ぶ、指を挟みにくい構造のものを選ぶなど、家族が安全に使えるよう配慮が必要です。
狭い浴室に子どもと入ることになるなら、ドアの開閉スペースが小さいタイプが使いやすいでしょう。介護の必要なご家庭にも同じことが言えます。
このように、入浴の仕方も考慮する必要があります。
2-2.掃除のしやすさを考える
毎日使い、家の中で最も湿気のこもる場所でもある浴室は日頃のお手入れが大切です。
そこで、お手入れしやすい素材や構造のものを選ぶということもポイントです。
カビが発生しにくい素材や構造のものを選ぶと、毎日のお手入れが最低限で済むだけでなく清潔に保つことを可能にしてくれます。
3.浴室のドアの種類
浴室ドアの種類は大きく3つあります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、ここで確認しましょう。ぜひ、ドア選びの参考にして下さい。
メリット | デメリット | |
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開き戸 |
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折れ戸 |
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引き戸 |
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4.浴室ドアの素材
次にドアの素材です。素材は掃除のし易さや、使い勝手を考慮して選びましょう。使用されている素材によって、費用が変わってきます。
浴室のドアでよくみられる素材は樹脂パネルです。お洒落な雰囲気を作りたい方にはガラスのドアもお勧めです。以下で特徴を確認してみて下さい。
樹脂パネル(開き戸・中折れ戸・引き戸に多い)
- 衝撃に強い
- コストが安い
- 軽量である
- 水が気にならない
ガラス(開き戸に多い)
- お洒落な雰囲気に仕上がる
- 種類によっては自動で曇りガラスになるものがある
- 強化ガラスなど衝撃に強いものは多いが、割れることも十分考えられる
- 透明ゆえコストがかかる
- プライバシーが気になる
5.浴室ドアの交換方法はカバー工法が基本
お風呂のドアの交換には、主に以下の3つの方法があります。
- ドアのみ交換する
- ドアとドア枠を交換する
- 古いドア枠の上から新しいドア枠を設置する(カバー工法)
ドア枠に劣化がなく、現在使っているドアと同規格・同じタイプの製品が手に入る場合は、ドアのみ交換します。
ドアとドア枠の両方に劣化がみられる場合、どちらも撤去し、新たなドアとドア枠を設置します。撤去費用や工数が余分にかかるため、費用が高くなる傾向にあります。
既存のドア枠の上に新しいドア枠をかぶせ、そこに新しいドアを取り付ける工法はカバー工法と呼ばれ、広く採用されています。
ドア枠ごと交換する必要がないため、費用を抑えられ、施工期間も短く済む点がメリットです。現在使っているドアと異なる規格の製品も利用できるという長所もあります。一方で、既存のドア枠に新しいドア枠を設置する分、間口が狭くなることです。数cmほどの小さな違いですが、気になるようならリフォーム会社との打ち合わせ時に、どれくらいの差がでてくるか確認しておきましょう。
6.浴室ドア交換の費用相場
浴室ドアの交換費用の相場を、ドアの種類別に表にしました。費用相場は、カバー工法を採用した場合を想定しています。
ドアの種類 | 費用相場 |
---|---|
開き戸 | 約5万円 |
折れ戸 | 6~7万円程度 |
引き戸 | 約10万円前後 |
実際には上記の費用のほかに、材料費や人件費、作業費に古いドアの処分費用などが上乗せされます。リフォーム業者によって細かな費用感は変わるものの、お風呂のドア交換は総額で約10万円ほどかかると考えておくと良いかもしれません。
参考に、実際の見積り書を見てみましょう。
上記の見積り書は、開き戸を交換した際のものです。撤去・処分費用や、室内の養生費用、諸経費もかかっているため、総額は10万円より少し高くなっています。また、ドアの在庫状況や物価の影響で費用が上下する可能性もあります。
7.浴室ドアの交換工事を安く抑える方法
お風呂のドアの交換費用を抑える方法として、主に以下の4つが挙げられます。
- 最小限の工事で交換する
- 同じタイプのドアに交換する
- 介護保険や自治体の補助金を利用する
- 相見積もりを取る
それぞれ見ていきましょう。
7-1.最小限の工事で交換する
ドア枠を再利用したり、パッキンのみ交換したりなど、必要最低限の工事で浴室ドアを交換すれば、費用は大幅に抑えられます。
工法は、「カバー工法」や「アタッチメント工法」が安価です。カバー工法は先に説明している通り、既存のドア枠の上に新しいドア枠を被せてドアを交換する方法で、アタッチメント工法は既存のドア枠を再利用しドア部分のみ交換します。
リフォーム業者と相談して、最適な方法を選びましょう。
7-2.同じタイプのドアに交換する
引き戸から引き戸、開き戸から開き戸といったように、現状使っているドアと同じタイプのドアに交換する方法も、費用を抑えられます。
同タイプのドアであれば既存のドア枠をそのまま使うことができるほか、サイズが合うドアがないなどのトラブルが発生する心配もありません。ドアのサイズ違いは交換費用やドア枠の工事費がかかってしまうため、極力避けたいトラブルです。
7-3.介護保険や自治体の補助金を利用する
介護保険の「住宅改修」の補助金や、自治体の補助金を利用して費用を抑える方法も有効です。
介護保険では、要介護者等が介護目的の住宅改修を行う際、最大18万円の補助金を支給しています。補助金支給の対象となる住宅改修の工事には、手すりの設置や段差の解消のほか、引き戸などへのドアの交換も含まれています。
また、自治体によってはリフォームの補助金を利用できるケースもあります。例えばさいたま市は、介護予防高齢者住環境改善支援事業として住宅改修を行う高齢者に一定の条件下で補助金を支給しており、「引き戸などへの扉の取替え」も対象となっています。
自治体の場合補助金制度がそれぞれ異なるため、住んでいる地域の情報を事前によく確認しておきましょう。
こちらの記事で詳しく解説しておりますので、ぜひ合わせてご覧ください。
7-4.相見積もりを取る
複数のリフォーム業者で相見積もりをする方法も効果的です。
3~4社を目安にリフォーム業者から見積りをもらい、大体の相場を把握しましょう。相見積もりをする際は、総額だけでなく費用内訳の確認も重要です。用途不明の費用が入っていた場合、何のための費用なのかよく確認しておきましょう。
見積りを依頼する場合は、お風呂場のリフォームが得意な業者を選ぶのがおすすめです。例え費用が安くても、浴室リフォームに慣れていない業者だと、工事が不十分で後々追加費用がかかってしまうリスクがあります。
8.浴室のドア交換の際の注意点
ここでは、浴室のドア交換を行う場合にそのほか注意してほしいいことをいくつか挙げます。いずれも要注意ですので、ぜひ参考にしてください。
8-1.素人によるDIYでの浴室ドア交換はおすすめできない
DIYでカバー工法する方向けにネット販売されていることがあります。しかし、この方法は極めて難しいといえます。まず、ご自宅の浴室ドア枠やドアの大きさを正確に測れるかどうかという問題があります。また、設置する技術も高度なものですので専門の業者に任せることをおすすめします。
実際、リフォームガイドに問い合わせがあったお客様の話です。この方はご自身でインターネットで購入したものの、設置できず困ってリフォームガイドに問い合わせてきたとのことでした。その際は、なんとか設置業者を見つけましたが、基本的に、多くのリフォーム会社が施主支給での浴室のドア交換を「保証ができない」という理由で嫌がります。
このような点を考慮して、自分でやりきる自信があるのみ、DIYでの浴室ドア交換にチャレンジしましょう。
8-2.ユニットバスの入替えも検討しましょう!
浴室のドアが傷んでいるということは、遅かれ早かれ、浴槽や床・壁もリフォームが必要になることを意味しています。数年後、結局ユニットバスへの入替えを行うとなると、今回のドア交換は無駄になってしまうということにもなりかねません。総額としては損したとならないよう、浴室ドアの交換を検討する時点で、ユニットバスへのリフォームも合せて検討しましょう。
見積りに来た業者には、「比較検討するために、浴室ドア交換のみとユニットバスへのリフォームの場合と両方見積りを作ってください」と一言お伝えください。その際、比較のためにも、複数の業者(2、3社)から見積をとることをおすすめします。
なお、ユニットバスへのリフォームについては以下の記事で、費用相場など詳細をご説明していますので、ぜひご参照ください。
9.まとめ
浴室のドア交換の方法、費用、注意点を中心にお伝えしました。浴室の外枠とドアの両方を交換する場合、手軽にできるカバー工法が主流になっていますが、ドアや外枠のサイズを正確に測り、注文するためにも業者に任せてリフォームすることをおすすめします。
浴室のドアの交換は部分的なリフォームではありますが、現在の浴室の状態やどんなドアに変えるかによって、費用に差が出てきます。浴室リフォームが得意な会社に相見積もりを取って、お得に納得できるプランを提案してくれる会社を選びましょう。
リフォームガイドでは、お客様のご要望にぴったりのリフォーム会社を選んで紹介し、相見積もりの手配を代行するサービスです。無料でご利用いただけますので、お気軽にご相談ください。