
現在猫と暮らしている方も、これから猫を迎えたいと考えている方も、「愛猫が室内で本当に快適に過ごせるかな?」と心配になることはありませんか。
最近では、猫本来の習性を活かし室内でものびのびと運動できる「キャットウォーク」を取り入れた住まいが、多くの飼い主さんから注目を集めています。
この記事では、キャットウォークの魅力や設置時のポイント、費用、実例までをわかりやすく解説します。
ぜひ参考にして、家族の大切なペットと一緒に理想の暮らしを叶えましょう。
目次
1.リフォームでキャットウォークをつくるメリット
出典:https://freshhouse.co.jp/case/28270/
一般的に「キャットウォーク」とは、室内の高い場所に設ける猫専用の通り道のことを言います。
ここでは、リフォームでキャットウォークを設置する3つのメリットをご紹介します。猫が心地よく過ごせる住まいづくりのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
メリット1:運動不足解消
キャットウォークを設置すれば、高低差を活かした上り下りの動きが自然と生まれ、猫の運動不足解消につながります。
室内で暮らす猫は、どうしても運動不足になりがち。毎日10分〜30分の運動が必要とされますが、運動量が足りないと肥満やストレスの原因にもなりかねません。
キャットウォークがあることで、遊びながら運動やストレスが発散できるようになり、健康が維持できるでしょう。
メリット2:ストレス軽減
キャットウォークは猫にとって安心できる居場所となり、ストレス軽減に効果があります。
猫は外敵から身を守ったり周囲を見渡したりする本能的な習性により、高いところ好む動物。部屋の高い位置にキャットウォークを設置すると、この本能的な欲求を満たせるため安心して過ごせる環境が整います。
メリット3:イタズラや爪とぎなどの防止
キャットウォークの設置は、猫の爪とぎやイタズラを軽減させる効果が期待できます。
猫は爪が伸びたときだけでなく、ストレスを感じた際にも爪とぎをする習性があります。また、退屈さからイタズラをして飼い主の注意を引こうとする猫も少なくありません。
キャットウォークは猫のストレスや退屈さを和らげる場所となり、困った行動を減らす助けとなります。
2.リフォームでキャットウォークをつくる費用相場
出典:https://freshhouse.co.jp/case/21773/
シンプルなキャットウォークの設置費用は一般的に5〜10万円程度が目安です。
部屋の広さやデザインによって変わりますが、二部屋をつなぐような広がりのあるプランでは20万円以上かかることもあります。
また、猫用の出入り口を壁に設けるなど、工夫を加えたリフォームも人気ですが、その分だけ費用は高くなります。
大切なのは、愛猫の性格や暮らし方にあったプランを立てること。快適な環境づくりのために、予算と相談しながら納得のいく形を選びましょう。
3.おすすめのキャットウォーク設置場所
出典:https://freshhouse.co.jp/case/18686/
キャットウォークは、猫が安心してくつろげる場所に設置するのがポイントです。
設置する部屋によって、使い方や得られる効果が変わるため、猫の性格や暮らし方に合わせて選びましょう。
以下に、おすすめの設置場所とそれぞれの理由をご紹介します。
3-1.リビング
猫と飼い主が長い時間一緒に過ごせるため、リビングはキャットウォークの設置場所として第一候補になる場所です。
猫のリラックスした様子や遊ぶ姿を間近で見られるので、飼い主にとっても癒しのひとときとなるでしょう。
また、日当たりがよく窓から外が見えるリビングは、猫にとっても快適な場所。外の景色を眺めたり、ひなたぼっこを楽しんだりと、心地よく過ごせる環境が整っています。
さらに、リビングからほかの部屋へキャットウォークをつなげれば、猫が家族の気配を感じながら自由に移動できる、安心で楽しい空間づくりが実現できます。
3-2.廊下
廊下にキャットウォークを設置すると、猫が家の中を自由に遊びながら移動できるようになり行動範囲が広がります。
リビングから猫トイレへの移動や来客時に静かな場所へ避難するなど、猫にとってストレスが少ない動線を確保できるでしょう。
とくに、普段はドアを閉めている部屋につなげる場合は、猫用ドアの設置がおすすめ。猫が好きなタイミングで行き来でき、自分のペースで過ごせる安心感が生まれます。
3-3.猫用部屋
広さにゆとりがあれば、キャットウォークを備えた猫専用の部屋を設けるのもおすすめです。
猫は本来、縄張り意識の高い動物。日本獣医師会の報告書(※)にも、『新たに家族が加わったり、同居動物との摩擦は、犬猫にとってストレスとなることがあります』と明記されています。また、『ストレスが猫下部尿路疾患に悪い影響を与えることが知られています』とも。ストレスなく猫だけで過ごせる静かで落ち着ける場所を設けることは、猫の健康を守ることにつながるでしょう。
他にも、専用の部屋であれば、電化製品や薬、アクセサリーなど猫にとって危険なものを排除できるため、安全な環境を保てることもメリットです。
さらに、猫専用の部屋は飼い主にとってのメリットも。掃除の範囲を狭めることができたり、排泄物や臭いの管理がしやすくなったり、猫によるイタズラを軽減したりすることができ、衛生面を保ちながらストレスなくお世話ができるでしょう。
※公益社団法人 日本獣医師会|療法食の適正使用に向けた課題と対応 より引用
4.リフォームでキャットウォークをつくるポイントや注意点
出典:https://freshhouse.co.jp/case/reno300403/
せっかくキャットウォークをつくっても、安全性に不安があったりお手入れが大変だったりすると、猫にも飼い主にも負担になってしまいます。
ここでは、リフォームでキャットウォークを設ける際に押さえておきたいポイントや注意点についてまとめました。
4-1.安全な素材を使用する
キャットウォークには、滑りにくく耐久性のある素材を選ぶことが大切。無垢材や表面がざらついた木材は猫の歩行や爪とぎに適しており、杉やヒノキ、オーク、ブナなどが向いています。
パイン材は柔らかいため、仕上げの工夫をしましょう。仕上げには、無塗装や自然塗料、VOC(揮発性有機化合物)を含まない安全な塗料を選ぶのがおすすめです。
また、長毛種や大型の猫は滑りやすいため、布を貼って爪がかかるようにすると安心。
さらに、猫は定期的に毛玉を吐き戻す動物のため、棚板は水拭きできる素材を採用し清潔に保てるようにするのがおすすめです。
4-2.日当たりや眺めのいい場所を確保する
室内飼いの猫にとって、窓辺はリラックスできる貴重な場所。鳥の動きや風に揺れる木々を眺めながら過ごす時間は、猫のストレス軽減にもつながります。
日当たりのよい場所にキャットウォークを設けると、ひなたぼっこをして気持ちよく休憩できるため、猫のお気に入りのスポットになるでしょう。
4-3.行き止まりをつくらないように設置する
キャットウォークは、行き止まりのない設計にするのがベストです。
猫は方向転換が得意ではないため、高い場所で行き止まりになっていると、無理に飛び降りてケガをしかねません。
そのため出入口を2つ以上つくったり、ぐるりと回遊できるレイアウトにしたりすると、より快適に動き回れるようになります。
とくに複数の猫を飼っている場合には、キャットウォーク上で小競り合いが起きたときに逃げられる道があるように設置しましょう。
また、猫同士がすれ違えるように幅は30cm以上が目安となります。
4-4.高齢になっても使用できるか考える
猫も年を重ねると、ジャンプ力やバランス感覚が少しずつ衰えていきます。若い頃は軽々と上っていた棚板も、間隔が広すぎると届かなくなることがあるかもしれません。
無理なく移動できるよう、棚の高さや距離には気を配りましょう。
また、トンネルや隠れ家などのギミックを取り入れる場合は、動きやすさを優先して複雑になりすぎないように注意が必要です。
5.キャットウォークはDIYできる?
市販のキャットタワーのほか、ウォールシェルフのようにDIYでキャットウォークをつくることもできます。
ただし、猫が勢いよく飛び乗ることを想定すると、見た目以上に強度が求められる点には注意が必要です。
とくに壁や天井へ設置するなら、下地の有無がポイント。下地のない場所に取り付けると、棚板が揺れたり落下したりする危険があるため危険です。
猫も飼い主も安心できるキャットウォークにするなら、建物に関する知識の豊富なリフォーム業者に依頼するのが良いでしょう。
6.キャットウォークの施工事例
ここからは、プロならではの工夫が詰まった施工事例をご紹介します。
素材選びやレイアウトの工夫など、参考にしたくなるアイデアが満載なので、理想のキャットウォークを考えるヒントにしてみてください。
6-1.愛猫と快適に暮らすマンションリノベ
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中古マンションを愛猫との快適な住まいにリノベーションした事例です。
リビングに設置したキャットウォークの壁には、爪とぎ対策としてレッドシダーの化粧合板を使用。
脱走対策として、リビングのドアは外側から鍵がかけられるようになっています。
また、猫のお世話はしゃがみ作業が多いため、ごはんとトイレスペースの横には縦型の手すりを取り付けました。
出典:https://freshhouse.co.jp/case/24641/
6-2.猫もくつろげるアーバンスタイルのお家
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戸建ての全面改装に伴い、寝室と子供部屋にキャットウォークを設置した事例です。
施主様がお好みの落ち着いたアーバンスタイルの内装にも馴染む、猫の遊び場が完成しました。
また、床も滑りにくい床材を採用。ペットが過ごしやすく快適なお家になりました。
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=3638
6-3.消臭機能付きエコカラットとキャットウォークのある暮らし
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マンションを、猫も快適に過ごせるようにリフォームした事例です。
リビングの壁や天井付近にキャットウォークを設置しました。
また、消臭機能を備えたエコカラットをアクセントウォールとして施工し、機能性やデザイン性も向上。猫も飼い主も快適に暮らせる部屋になりました。
出典:https://freshhouse.co.jp/case/27010/
6-4.柱を活かしたキャットウォークで楽しいリビングに
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戸建てリビングをリフォームする際に、構造上抜けない柱が残ってしまうことに。その柱を活かして、キャットウォークを設置した事例です。
うまく柱を使いながら間取りや内装を一新し、キャットウォーク付きの明るく広いLDKを実現。猫も家族も嬉しいリビングが完成しました。
出典:https://freshhouse.co.jp/case/16566/
7.まとめ
猫との快適で安全な暮らしを叶えるなら、キャットウォークを設置するリフォームがおすすめです。
猫の特性にあった遊び場によって、楽しく健康的な生活をサポートできるだけでなく、飼い主も自然体な猫の姿に癒されるでしょう。
安全性と快適さをしっかり確保するためには、専門家のアドバイスを受けたり、経験豊富なリフォーム会社へ相談したりすると安心です。
リフォームガイドでは、信頼できる経験豊富なリフォーム会社をご紹介しています。
猫も飼い主も安心して暮らせる空間づくりに、ぜひリフォームガイドをご活用ください。