
神奈川県では自治体ごとに、住宅の耐震診断・耐震改修、省エネ化、バリアフリーなどに対する補助金制度をいくつか実施しています。
この記事では、補助金制度が利用できるリフォーム内容、各自治体の制度内容について、具体的な要件、補助額などをわかりやすくまとめています。
補助金申請を行う流れまで解説していますので、ぜひご参考にしてみてください。
神奈川県全域で使えるリフォームの補助金・助成金
神奈川県全域で実施しているリフォーム補助金制度には、下記の3つがあります。
- 「既存住宅省エネ改修事業費補助金」
- 「神奈川県ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金」
- 「神奈川県市町村地域防災力強化事業費補助金(耐震診断・耐震改修)」
それぞれご紹介していきます。
神奈川県既存住宅省エネ改修事業費補助金
神奈川県既存住宅省エネ改修事業費補助金は、2050年脱炭素社会の実現に向け、既存住宅の省エネ改修工事を補助し、家庭部門における省エネを促進する目的で行われている事業です。
補助内容
指定する補助対象製品を用いた、県内の既存住宅の改修工事
対象要件
- 神奈川県内にある既存住宅
- 申請者が居住し、所有または区分所有していること
- 耐震性能を確保した住宅であること
- 補助対象製品を使用すること
補助対象製品について
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業の補助対象製品(公益財団法人北海道環境財団)
- 住宅省エネ2025キャンペーンの補助対象製品(先進的窓リノベ2025事業、子育てグリーン住宅支援事業)
補助金額
補助対象経費の1/3(上限20万円)
申請期間
令和8年3月31日までに事業完了するもの
神奈川県ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金
神奈川県ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金は、2050年脱炭素社会の実現に向け、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の導入を促進する目的で行われている事業です。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)とは
断熱+省エネ+創エネで、住まいで使うエネルギーをゼロ以下にした家を示します。
補助内容
- 県内にZEHを新築する事業
- 県内の新築建売のZEHを購入する事業
- 県内の既存住宅をZEHに改修する事業
対象要件
交付決定を受けた後に事業に着手すること
補助金額
補助対象住宅の種類 | 補助額 |
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ZEH(Nearly ZEH+ 含む) | 90万円/戸 |
ZEH(Nearly ZEH含む) | 55万円/戸 |
ZEH Oriented | 50万円/戸 |
※再生可能エネルギーを除いた、基準一次エネルギー消費量削減率が「35%以上」の場合は20万円/戸を加算
申請期間
令和7年4月25日〜令和7年12月26日
神奈川県ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金|神奈川県
神奈川県市町村地域防災力強化事業費補助金(耐震診断・耐震改修)
神奈川県は、令和7年度からスタートする「地震防災戦略」に掲げる死者数の半減、「水防災戦略」に基づく風水害対策の推進、消防防災力の強化、地域防犯力の強化などの取り組みを進めています。
補助内容
- 住宅揺れ対策事業
- 津波対策事業
- 消防団等強化対策事業
など
対象要件、補助金額、申請期間
各市町村の補助金制度をご確認ください。
神奈川県の自治体のリフォーム補助金例
各自治体のリフォームに関する補助金制度をいくつか抜粋してご紹介いたします。補助内容、要件、補助金額、申請受付期間等をまとめています。
横浜市|脱炭素リノベ住宅推進補助制度
概要 | 最高レベルの断熱性能を備えた省エネ住宅への改修に要する費用の一部を補助します。 |
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補助内容 | 断熱改修工事 |
補助対象となる要件 | ・外壁、屋根・天井、床いずれかの躯体の断熱改修工事(必須工事) ・リノベーション工事後に、断熱等性能等級6または7の省エネ性能を有していること ・リノベーション工事後に、耐震等級1以上の性能を有していること ・太陽光発電、太陽熱発電のいずれかの再エネ設備を備えていること |
補助金額 | 対象世帯ごとに要件あり(上限150万円) |
申請受付期間 | 令和7年6月2日〜令和7年9月30日 |
参考URL | 脱炭素リノベ住宅推進補助制度|横浜市 |
※補助金申請は、共同事業者が行い、補助対象者が直接申請することはできません。
川崎市|木造住宅耐震改修助成制度
概要 | 木造住宅の所有者等が耐震改修等を実施する際、費用の一部を助成します。 |
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補助内容 | 基礎や壁、屋根工事等の耐震工事 |
補助対象となる要件 | ・昭和56年5月31日以前に建築工事に着手したもの ・木造2階建て以下のもの ・木造在来工法のもの |
補助金額 | <全体改修> 補助対象経費の4/5(工事上限:110~160万円) <部分改修> |
申請受付期間 | 受付中 |
参考URL | 木造住宅耐震改修助成制度|川崎市 |
相模原市|子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業
概要 | 子育て世帯等が中古住宅を購入する費用や、子世帯が親世帯と同居するために、親世帯が所有する住宅を改修する際の費用の一部を補助します。 |
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補助内容 | 居住誘導区域または中山間地域の災害ハザードを除いた区域にある親世帯が所有する住宅の改修工事 |
補助対象となる要件 | ・39歳以下の妊婦、39歳以下の夫婦または18歳以下の子と同世帯の親 ・市内の施工業者を利用 |
補助金額 | 補助対象経費の1/5(上限40万円) ※各種加算条件あり 最大補助金額80万円 |
申請受付期間 | 令和7年4月1日〜令和8年2月27日 |
参考URL | 子育て世帯等中古住宅購入・改修費補助事業|相模原市 |
藤沢市|藤沢市既存住宅断熱改修補助金
概要 | 地球温暖化対策として二酸化炭素の排出量を抑制するため、住宅に高性能建材を使用した断熱改修をする方に費用の一部を助成します。 |
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補助内容 | 断熱改修工事 |
補助対象となる要件 | 市内の施工業者を利用 |
補助金額 | 補助対象経費の1/3(上限30万円)※戸建て住宅 補助対象経費の1/3(上限15万円)※集合住宅 |
申請受付期間 | 令和8年1月30日まで |
参考URL | 藤沢市既存住宅断熱改修補助金|藤沢市 |
横須賀市|2世帯住宅リフォーム等補助金
概要 | 市外に住む子ども家族の市内転入を促進するため、親世代と子ども家族の2世帯同居または近居するためのリフォーム費用を補助します。 |
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補助内容 | 浴室、窓等、各種住宅リフォーム工事 |
補助対象となる要件 | ・市内に居住する親世帯もしくは市外から転入予定の子ども家族 ・申請年度内にリフォーム工事および、同居または近居を完了すること |
補助金額 | 補助対象経費の1/2(上限30万円) |
申請受付期間 | 受付中(先着順) |
参考URL | 2世帯住宅リフォーム等補助金|横須賀市 |
平塚市|既存住宅断熱リフォーム補助金
概要 | 地球温暖化対策の一環として、既存住宅の断熱リフォームに係る費用の一部を補助します。 |
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補助内容 | 既存住宅の断熱リフォーム工事 |
補助対象となる要件 | ・国もしくは神奈川県が行う断熱リフォーム補助事業の交付を受けている、または交付申請予定であること ・令和8年3月31日までに対象事業が完了すること |
補助金額 | 補助対象経費から、国や県の補助金交付金額を差し引いた金額の1/3(上限8万円) |
申請受付期間 | 令和7年4月15日〜(先着順) |
参考URL | 既存住宅断熱リフォーム補助金|平塚市 |
茅ヶ崎市|木造住宅耐震改修促進事業補助金
概要 | 住宅補強により、今後発生しうる大地震に対して命を守るため、木造住宅の耐震診断および耐震補強に対して補助金を交付します。 |
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補助内容 | 耐震補強工事 |
補助対象となる要件 | 市の補助金を利用して耐震診断を行い、評点が1.0未満と診断された住宅 |
補助金額 | 補助対象経費の1/2(上限50万円) ※65歳以上の高齢者世帯等は、20万円加算 |
申請受付期間 | 受付中 |
参考URL | 木造住宅耐震改修促進事業補助金|茅ヶ崎市 |
大和市|既存住宅の断熱改修工事への補助
概要 | 人にも環境にも優しい持続可能なまちづくりを進めていくことを目的とし、既存住宅の断熱性能を高める改修工事に係る費用を一部助成します。 |
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補助内容 | 既存住宅の断熱改修(窓・玄関ドアなど) |
補助対象となる要件 | ・新品の設備を用いた、既存住宅の断熱改修 ・居間を中心とした改修 |
補助金額 | 補助対象経費の1/3 (戸建て住宅:上限120万円/戸、集合住宅:上限15万円/戸) |
申請受付期間 | 令和7年12月26日まで |
参考URL | 既存住宅の断熱改修工事への補助|大和市 |
厚木市|省エネ住宅導入促進奨励金
概要 | 市内の省エネ住宅を増やすために、LCCM住宅の導入、ZEHの導入、断熱窓改修に対し、補助金を交付します。 |
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補助内容 | LCCM住宅、ZEHの導入、もしくは断熱窓改修 |
補助対象となる要件 | ・令和7年2月16日〜令和8年2月15日に省エネ住宅を導入した方 ・国補助金制度を活用していること ・断熱窓改修において、居室部分の窓改修(必須) |
補助金額 | 補助対象経費から国県補助金額を控除した額の1/2(上限20万円) |
申請受付期間 | 令和8年2月16日まで |
参考URL | 省エネ住宅導入促進奨励金|厚木市 |
小田原市|地域経済循環型住宅リフォーム支援事業
概要 | 市内の消費を促し、地域経済の活性化を図ることを目的として、住宅リフォームを実施した方に地場産品等を助成します。 |
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補助内容 | 各種住宅リフォーム |
補助対象となる要件 | ・令和7年12月24日までに工事を完了かつ報告書の提出 ・工事費が20万円以上 ・市内の施工業者を利用 |
補助金額 | 3万円分相当の商品カタログギフト |
申請受付期間 | 令和7年6月2日〜令和7年10月31日(抽選) |
参考URL | 地域経済循環型住宅リフォーム支援事業|小田原市 |
3.神奈川県のリフォーム補助金制度を申請するときのポイント
リフォーム補助金は、自治体によって細かい要件などが指定されていますので、それぞれの公式ホームページや窓口でしっかりと確認するようにしましょう。
3-1.補助金の申請タイミングは「工事前」がほとんど
補助金の申請は、工事内容と見積書を事前に提出し、補助金が下りるかどうかの決定通知が来てから契約・工事を行う場合がほとんどです。
工事後に申請を行なっても、補助金が交付されませんので注意しましょう。
そのため補助金制度に詳しく、申請サポートも行なっている施工会社に相談するとスムーズに申請を行うことができます。どのような工事が対象なのかを把握し、申請に必要な見積書や写真を用意してくれるので安心です。
3-2.予定より早く打ち切られることも!早めの準備が大切
申請受付期間が設けられていますが、予算に達したら終了してしまうこともあります。
先着順で受付が行われますので、すでにリフォームの予定がある場合は、なるべく早めに準備を行いましょう。
3-3.国の補助金制度の利用や併用も検討する
国リフォームに関する補助金制度と、神奈川県の補助金制度を併用することができる場合もあります。
ただし、併用できないものや、工事種が同じ場合には併用不可など、制度によって条件がありますので事前に確認しましょう。
▼国の補助金に関しては、こちらの記事でまとめて解説しています。
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4.千葉県のリフォーム補助金の申請の流れ
流れ | 備考 |
---|---|
1.見積もり依頼 | このタイミングで、工事着手前に申請が必要かどうかを確認しましょう。 |
2.見積書の受け取り、事前申請書の作成・提出 | |
3.交付決定通知の受領 | |
4.契約、工事開始 | 工事前・中・後の写真撮影、実績報告のための資料作成が必要な場合あり。施工業者に補助金申請の経験があるとスムーズです。 |
5.工事、支払い完了 | |
6.交付申請および実績報告の作成・提出 | 工事完了後に補助金申請をする補助金制度の場合は、このタイミングで申請と報告を同時に行います。 |
7.補助金交付決定、確定額通知書の受領 | 補助金制度を併用する場合には、その補助金確定通知書類が必要な場合もありますので、書類は大切に保管しておきましょう。 |
8.交付額の入金 |
補助金を利用したリフォームは、下記のポイントに注意する必要があります。
補助金を利用するリフォームの注意ポイント
- どの工事が補助金対象か
- 申請のタイミングはいつか
- 申請のための見積書・写真・申請書の準備
- 他の補助金制度との併用可否
これらのポイントを理解してスムーズに進めるにはリフォーム会社の協力が不可欠なので、補助金制度に詳しいリフォーム会社を選ぶようにしましょう。
また、申請の際も「見積書」や「工事前写真」などが必要なため、リフォーム会社の協力が不可欠です。補助金申請に慣れている会社であれば、申請のサポートも安心できますので、リフォームがスムーズに進みます。
まとめ
神奈川県では、リフォームに関する補助金事業を多く実施しており、うまく活用すると快適な暮らしをお得に実現できるかもしれません。
補助金制度によって、対象工事や併用の可否、登録事業者による工事が必要など細かい要件があります。そのため、補助金制度について詳しく、申請サポートを行っている施工業者を選ぶことが、スムーズに工事を行うために不可欠です。