
マンションでの生活、快適なはずなのに気になる音があって悩んでいませんか。上の階からの足音、隣の部屋からの生活音、外からの騒音……。
自分の家から発する音が、上下左右の家に迷惑をかけているかもしれないと心配な方もいらっしゃるでしょう。
実はこういった音の悩みは、適切な対策を講じることで大幅に軽減できる可能性があります。
今回はマンションで起こりがちな音の問題に焦点を当て、音の種類別に効果的な対策方法から気になる費用相場まで、詳しくご紹介します。
目次
1.【音の種類別】マンションにおける防音リフォームの方法
マンション生活で気になる音を大きく分けると、
- 床へ伝わる衝撃音
- 壁から伝わる生活音
- 外から聞こえる騒音
- 楽器やオーディオの音漏れ
の4種類があります。それぞれ音の伝わり方が異なるため、音の特性に合わせた対策をとることが重要です。
1-1.床へ伝わる衝撃音の対策をする
まず気になるのが、足音、物を落とした音、ドアを閉める音、家具を引きずる音など、下階へ伝わる衝撃音。
「下階から子供の足音に関して苦情がきたが、ラグを敷いても改善しない」
「上階から椅子を引く音や洗濯機の振動が響いてくるので、自分も下階へ迷惑をかけているのでは」
など悩んでいる方も多いのではないでしょうか。近隣住民とのトラブルにもつながりやすく、優先度の高い防音対策のひとつといえます。
対策方法1:防音性の高い床材に交換する
今の床材がフローリングで音が響いている場合、裏面にクッション材が付いた防音性の高いフローリングに交換するリフォームで緩和できる可能性があります。
床の張り替えを検討している方や、模様替えがしたい方にもおすすめです。
対策方法2:床材の下に遮音マットや吸音材を敷く
床材の下に専用の遮音マットや、グラスウールの吸音材などを敷くことで、音を吸収して下階への伝わり方を軽減する方法もあります。
無垢フローリングなどの好きな床材を選びたい場合におすすめです。
対策方法3:天井に防音材を取り付ける
上階からの音が気になる場合は、天井に防音材を取り付けることで音が軽減できる可能性があります。
同時に、上階への音漏れ対策としての効果も期待できるリフォームです。
1-2.壁から伝わる生活音の対策をする
「子供の声が隣家に響くと苦情がきたが、静かに過ごすのが難しい」
「リビングにいる家族の会話やテレビの音が書斎に伝わってきて、在宅ワークに集中できない」
などの悩みを抱えている方も多いでしょう。壁の防音リフォームをすることで、このような悩みが軽減されるケースもあります。
対策方法:壁の内側に吸音材や遮音シートを入れる
壁の内側に吸音性のあるグラスウールなどを充填すると、音を吸収して小さくしてくれます。
また、音を跳ね返す遮音シートを一緒に使うとより効果が高まります。
壁を剥がす工事になるため、間取り変更などの壁を解体する際に行うと効率的です。
ただし、隣の家との間にある戸境壁は、共用部分のため壁の内側の工事はできません。
隣家からの音漏れについては、窓ガラスなどから伝わっている場合もあるため、専門家に相談して音の原因を特定することが重要です。
1-3.外から聞こえる騒音への対策をする
近くの大きな道路から伝わる車の音、近くを走っている電車の音など、屋外からの騒音が快適な暮らしを脅かすことも。
また工事現場や近隣の生活音など、さまざまな外部騒音に悩まされることもあります。
外からの音が最も伝わりやすいのが窓なので、窓を優先的に対策しましょう。
対策方法1:遮音カーテンを付ける
ちょっとした音が気になる程度であれば、遮音カーテンを使うのが手軽です。
通常のカーテンよりも生地が厚いものを取り付けることで、窓からの音の侵入をある程度抑えられます。
対策方法2:内窓を設置する
外からの音を防ぐには、窓への防音対策をするとよいでしょう。
既存の窓に加えて、内側に新たな窓を設置することで、音が侵入しにくくなります。既存の窓を交換できないマンションでも実施しやすいリフォームです。
対策方法3:防音タイプの換気口に交換する
2003年以降はすべての建物に24時間換気が義務付けられ、各部屋に空気が入ってくる換気口が設置されています。
音の通り道にもなるため、防音タイプの換気口に交換するのもおすすめです。
事例:内窓工事で電車の騒音を抑えるリフォーム
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| リフォーム費用 | 40万円 |
|---|---|
| 工期 | 5日 |
線路沿いのマンションで、電車の騒音を抑えるためにリフォームした事例です。
複層ガラスの内窓を取り付けて、防音性を高めました。内窓を付けるには窓枠の奥行き寸法が足りなかったため、ふかし枠を造作して必要な寸法を確保しています。
1-4.楽器・オーディオの音漏れ対策をする
楽器演奏、大音量での音楽・映画鑑賞など、趣味や娯楽に関連する音もマンション生活では大きな課題となります。
「ピアノ教室を開きたい」「趣味の楽器や映画鑑賞を思いっきり楽しみたい」といった方は、ぜひ以下の防音リフォームを検討してみてください。
対策方法:防音室を設置する
最も効果的なのが、防音室の設置です。外部への音漏れを最小限に抑えつつ、気兼ねなく楽器演奏や音楽鑑賞を楽しめます。
組み立て式の防音室なら大掛かりな工事が不要で、部屋全体を防音室にするよりも低コストで実施できます。
事例:ピアノ教室をするための防音室リフォーム

| リフォーム費用 | 約166万円 (※その他リフォーム費用も含む。 防音ユニットの費用は別途) |
|---|---|
| 工期 | 約10日間 |
マンションでピアノ教室を開くため、ヤマハの防音ユニットを使って防音室をつくったリフォーム事例です。
もともと和室だった部屋をグランドピアノが入るサイズに縮小。出入口以外の壁を囲んでユニットを入れ、内装工事や建具入れ替えなども実施しました。防音ユニットはヤマハへの分離発注のため、リフォーム費用に加えておそらく200万円前後の費用がかかっているそうです。
その他にもキッチンや洗面室などの部分的なリフォームを実施しています。
2.マンションの防音リフォームにかかる費用相場
では、マンションの防音リフォームにかかる費用を、対策箇所ごとに見ていきましょう。
※費用は、記事作成時点の参考価格です。現在、中東情勢の影響による資材価格の高騰に伴い、実際のリフォーム費用が異なる可能性もございます。
最新の費用については、お見積もり時にご確認ください。
2-1.床の防音リフォーム
マンションの床では、管理規約で定められた遮音等級をクリアした床材のみが使われています。
それ以上の防音性を求める場合は、今使われている等級以上の防音フローリングに張り替えるリフォームが必要です。
リフォーム費用は、使用するフローリングのグレードによっても変動します。
| 工事内容 | 費用相場 (6畳) |
|---|---|
| 防音フローリングに張り替え | 約25〜30万円 |
2-2.壁の防音リフォーム
壁内にグラスウールなどの吸音材や遮音シートを入れると、遮音性が高まります。
屋外の車や工事の音などが換気口から入ってくる場合は、吸音材が付いた防音タイプの換気口に交換する方法があります。
| 工事内容 | 費用相場 (16㎡) |
|---|---|
| 壁内に吸音材や遮音シートを施工する | 約18〜25万円 |
| 防音タイプの換気口に交換する | 約2〜5万円 |
2-3.窓の防音リフォーム
マンションの窓の防音リフォームで、効果が高く手軽なのが内窓の設置です。
断熱効果も上がるので光熱費節約にもつながり、補助金が利用できる場合もあります。
リフォーム費用は窓のサイズや枚数、グレードによっても異なります。
| 工事内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 内窓を設置する | 1窓あたり約6〜15万円 |
| ガラスを交換する | 1窓あたり約4〜15万円 |
2-4.防音室の設置
自宅に本格的な防音室をつくるには、床・壁・天井・窓・ドアなど全ての箇所に工事が必要となり、まとまったリフォーム費用がかかります。
リフォーム費用は防音室の広さや性能の高さなどによっても異なりますが、費用を抑えたい場合は、市販の組み立て式防音ボックスの設置を検討してみてもよいでしょう。
| 工事内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 一室丸ごと工事して防音室をつくる | 約160〜700万円 |
| 組み立て式防音ボックスを部屋に置く | 小型(0.8〜1.7畳):約55〜140万円 中型(2.0〜3.5畳):約85〜180万円 大型(3.5〜4.3畳):約125〜250万円 |
工事を依頼する際は、音にも詳しい会社を選ぶとよいでしょう。
>>【お悩み別】防音リフォームの費用相場を解説!DIYできる方法や補助金情報も
3.マンションの防音リフォームで注意すること
マンションの防音リフォームをする際には、いくつか重要な注意点があります。
3-1.管理規約を確認する
マンションのリフォームで重要なのが、管理規約の確認です。
マンションには共用部分と専有部分があり、共用部分は原則としてリフォームできません。外壁に面する窓は共用部分となるため、窓自体の交換は難しいケースが多いでしょう。
また、床材や壁材の防音性能に規定が設けられている場合があるので、必ずチェックしましょう。フローリングには「遮音等級」という音の伝わり方を示す指標があり、数字が小さいほど遮音性が高くなっています。
マンションの管理規約では遮音等級L-45以上と規定されていることが多く、人が走り回ったときや飛び跳ねたときの音が聞こえても、意識することはあまりないレベルといわれています。
| 遮音等級 | 足音、物の落下衝撃音など | マンションの生活状態 |
|---|---|---|
| L-40 | ほとんど聞こえない | 気にせずに生活できる |
| L-45 | サンダルで歩く足音は聞こえる | 少し気をつける |
| L-50 | スプーンを落とす音は聞こえる | やや注意する |
| L-55 | スリッパで歩く足音は聞こえる | 注意しないといけない |
| L-60 | 箸を落とした音は聞こえる | 何とか我慢できる程度 |
| L-65 | 硬貨を落とした音は聞こえる | 我慢できない |
3-2.マンションリフォームが得意な会社を選ぶ
次に、マンションリフォームの経験が豊富な業者を選ぶことが大切です。
マンションのリフォームは一戸建ての場合と異なり、さまざまな制約や特殊な工法が必要となることがあります。
そのため、マンション特有の事情に詳しい業者を選ぶことで、スムーズな工事進行と高品質な仕上がりを期待できます。
自分の手間や負担を軽減したい場合は、会社選びから工夫してみましょう。
3-3.工事期間中の生活について考える
工事期間中の生活について事前に考慮することも重要です。
一部屋分のフローリングの張替えや内窓設置などの小規模な工事であれば、1日~数日で工事が完了するので工事期間中の予定を調整するだけですむでしょう。
一方で、全部屋のフローリングの張替えや間取り変更を伴う本格的な防音室の設置など、大規模な防音リフォームの場合は一時的な仮住まいが必要になることもあります。
以下の工期の目安を参考に、工事期間中の過ごし方を検討してみてください。
| 工事内容 | 工期 |
|---|---|
| 防音フローリングの張り替え | 1〜2日程度 |
| 内窓設置リフォーム | 1日程度 |
| 防音室の設置 | 1週間〜1ヶ月程度 |
また、工事中は騒音や振動が発生するため、近隣住民へ配慮して事前に挨拶をしておきましょう。
>>マンションは住みながらリフォームできる?メリット・デメリットや生活への影響は?
4.まとめ
防音リフォームは、騒音源をしっかりと把握して、適切な対策をすることが大切です。
どこの防音性が不足しているのか明確であれば、家全体の防音工事はせず、部分的な工事で改善する場合もあります。
まずはどんな音が気になるのか、何を改善したいのかを考えて、リフォーム会社に相談してみましょう。
マンションの防音リフォームには管理規約が大きく関わってくるため、マンションリフォームの実績豊富な会社がおすすめです。
どのような工事が可能なのか的確に判断し、管理組合ともスムーズにやり取りをしながらリフォームを進めてくれるでしょう。
リフォームガイドでは、マンションのリフォーム実績が豊富な会社をご紹介しています。
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