
冬は暖房を付けて快適に過ごしたいものですが、暖かさを保つために付けっぱなしにしておくと、気になるのが光熱費。上手に省エネをしながら快適に過ごすには、暖房の設定温度を何度にすると良いのでしょうか。
この記事では暖房の設定温度の目安や、暖房での電気代の節約方法などについて解説します。暖房による電気代がかさみがちな方はぜひ参考にしてください。
目次
1.家の暖房にエアコンが良い理由
エアコンは省エネ性が高く効率が良いため、家で使うにはおすすめの暖房器具といえます。冬場に重宝する暖房器具として、エアコン以外にも複数の種類のヒーターがありますが、いずれもエアコンに比べると光熱費は高めの傾向です。以下に、主な暖房器具の消費電力を表でまとめました。
暖房器具 | 消費電力量(W) |
---|---|
エアコン(6~10畳用) | 450~660(立ち上がり時:2000) |
ファンヒーター | 200~1300 |
ハロゲンヒーター | 500~1200 |
オイルヒーター | 300~1500 |
電気カーペット(3畳用) | 400~1000 |
部屋の気密性や暖房器具の機種、外気温によって左右されますが、エアコンの暖房運転で消費される電力は、10畳用で660Wです。立ち上がり時の消費電力量は高めですが、暖める範囲が広いうえに室温が上がれば出力が調整されるため、自動で節電できます。
一方、ファンヒーターやハロゲンヒーターなどは消費電力量が高いわりに暖められる範囲が狭く、全体を暖めるには時間がかかるほか、お部屋の広さによっては室内で温度ムラができてしまう可能性があります。暖める範囲の広さやスピード、電気代を考えるとエアコンが最も暖房器具として適しているといえるでしょう。
2.暖房の設定温度の目安は「室温20度」
暖房の設定温度は、「室温が20度になるくらいに調節する」のが目安です。環境省は、2005年から暖房に必要なエネルギー使用量を削減し、CO2の発生を減らして地球温暖化を防止することを目的とした「ウォームビズ」を呼びかけており、快適に過ごすために暖房時の室温の目安として20度を推奨しています。
なお、光熱費の面で見ると、家庭でにおけるエアコンの設定温度別のエネルギー消費量を見ると、21度と20度の間で大きな差ができているのが分かります。
出典:令和3年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査資料編 令和5年3月環境省
上記のグラフのように、暖房は設定温度を1度低くするだけで、約10%もの消費電力を削減できる場合があります。地球温暖化対策としてはもちろんのこと、光熱費の削減という観点からも設定温度をできるだけ抑えたいものです。同指針で暖房中の室内温度について「19度を目処に過度にならないように」とも言及されています。このあたりを目安にして、設定温度を決めましょう。
3.暖房の電気代を節約する8つの方法
暖房の電気代を節約する方法は、設定温度の調整だけではありません。ここでは、暖房に関するさまざまな電気代の節約方法を紹介します。
3-1 自動運転で運転する
自動運転機能の付いたエアコンであれば、自動運転を使うことで電気代を節約できます。自動運転では風量や風向・出力を機械が自動で調整し、効率良く室内を暖められます。逆に手動で風量や風向を設定していると、室内温度にムラが発生したり、部屋が暖まっても出力が落ちなかったりすることで余分に電気代がかかることがあるのです。
こまめに調整するよりも、自動運転のほうが効率良く節約できるでしょう。
3-2 風向を下向きに設定する
エアコンの風向は下向きに設定すると、暖かい空気のムラを少なくできます。
暖かい空気は軽く上に上がる性質があるため、床部分よりも天井付近が暖まりやすい傾向にあります。風向を下向きに設定することで、室内全体を暖められるでしょう。
3-3 サーキュレーターを使う
サーキュレーターを使うことでも、電気代を節約できます。
サーキュレーターの特徴は、強めの風が直線的に遠くまで届くことです。室内の空気を効率良くかき混ぜることで温度ムラがなくなり、暖房の出力を落とせるため節電につながります。
エアコンの対角線上にサーキュレーターを置き、エアコンに向けて回すと効果的です。
3-4 こまめにフィルター清掃を行う
エアコンのフィルター清掃はこまめに行うと暖房効率が上がり、電気代を節約できます。フィルター清掃は2週間に1度行うのが理想的です。環境省によると、フィルター掃除をこまめに行うことで暖房時の消費電力が約6%も抑えられることがわかっています。
参考:環境省「みんなでできる節電アクション ③エアコンで節電」
3-5 頻繁に電源をON・OFFしない
電気代を節約したいのであれば、エアコンの電源を頻繁に付けたり消したりしないことも大切です。
エアコンは運転開始の際に大きなエネルギーを使って設定温度まで近づけようとしますが、設定温度を保っている場合は余分な電力消費が生じません。こまめに電源をON・OFFするほうが節約しているように見えますが、かえって電気代が上がってしまう場合があるため、30分席を外す程度であれば電源を入れたままにしておきましょう。
3-6 室外機も掃除する
見落としがちなエアコンの室外機も汚れを落としておくことで、暖房効率が上がり電気代の節約につながります。室外機は、室内にある本体と屋外の空気との間で、熱をやりとりする役割を担うものです。室外機に汚れが溜まっていると熱交換器の働きが鈍くなり、余分な電力を消費してしまいます。
清掃の際は室外機の上や周りに付いたほこりを取り、排水ホースが詰まっていないか確認しましょう。また、室外機周りに物を置いていると暖房の運転効率が下がってしまうため、物を置いている場合は片づけておくと安心です。
3-7 湿度ケアを行う
暖房をかけるときは、室内の湿度を適切に保つことで節電できます。快適に感じる温度設定を行うには、温度だけでなく湿度の調整も重要な要素です。
暖房をかけたまま加湿しなければ、水分量を変えずに温度が上がることで室内の飽和水分量だけが上がり、湿度が下がっていきます。湿度を上げれば体感温度も上がるため、加湿することで暖房の設定温度を無理に上げる必要はなくなるでしょう。
3-8 リフォームで住まいの断熱性を高める
断熱リフォームを行うことで住まい全体の断熱性が高まり、節電につながります。暖房をかけていても、すきま風や壁・窓などから伝わる冷気が入ってくると、室温を保つためエアコンが電力を消費してしまいます。断熱リフォームで家の断熱性が高まれば、外気温の影響を受けにくく、室内の温度を一定に保ちやすくなるでしょう。
リフォームする際は、窓や床など部分的に行うこともできますが、壁や天井、屋根も含めた全体に行うと効果的です。
断熱リフォームについて、詳しくは下の記事も参照してください。


4.まとめ
暖房の設定温度は、適切に設定することで電気代を抑えられます。設定温度を適度に保ちながら暖かく快適な部屋で過ごすには、フィルターや室外機をこまめに掃除する、加湿する、といった方法が効果的です。根本的な冷えを改善したい場合は、断熱リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。断熱リフォームを行えば、暖房だけでなく冷房の効率もアップして、日々の節電に大きく役立つでしょう。
断熱リフォームをご検討の際は、リフォームガイドへ一括見積をご相談ください。断熱リフォームの経験が豊富なリフォーム会社を、優良会社からコンシェルジュが選んでご紹介します。申し込みは匿名でできますので、お気軽にご利用ください。