省エネリフォームの基礎知識|工事の種類・補助金について

省エネリフォーム

家をリフォームして、月々の光熱費を安く抑えられたら嬉しいですよね。
近年は物価の高騰により、各家庭の光熱費の負担がどんどん重くなっています。
「どこの家庭も値上がりしているからしょうがない」と思って諦めていた光熱費も、省エネリフォームを実施すれば負担を軽くできるかもしれません。

この記事では省エネリフォームの種類と費用目安、補助金などをまとめました。
省エネリフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

※この記事は、2024年4月時点の情報です。


省エネリフォームとは

省エネリフォームとは、快適に過ごせる室内環境を維持しながらも、冷暖房や給湯器などのエネルギー消費を抑えることを目的としたリフォームです。

省エネリフォームをする一番のメリットは、光熱費を削減できることです。省エネ住宅にすると節約できる年間光熱費を見てみましょう。

温暖地(例:東京) 寒冷地(札幌)
従来の住宅 28万3,325円 39万3,191円
一般的な省エネ住宅 22万2,317円
6万1,008円削減
33万3,174円
6万0,017円削減
高度な省エネ住宅(ZEH基準相当) 15万9,362円
6万2,955円削減
20万8,323円
12万4,851円削減

出典:省エネ住宅消費者普及ワーキンググループ「快適・安心なすまい なるほど省エネ住宅]

温暖地・寒冷地のどちらにお住まいの場合でも従来の家を省エネ住宅にリフォームすると、光熱費が年間6万円以上も節約できる可能性があります。
回答

省エネリフォームの種類

省エネリフォームには、リフォームする場所や導入する設備によっていくつか種類があります。ここでは4種類の省エネリフォームとその内容を、具体的に見ていきましょう。

[1]断熱性を上げるリフォーム

断熱リフォームは、冬は室内の暖かい空気が外に漏れるのを防ぎ、夏は外の暖かい空気が室内に入ってくるのを防ぐリフォームです。断熱リフォームの具体例を表にまとめました。

リフォーム箇所 リフォーム例
内窓を取り付けて二重窓にする
複層ガラスに交換する
天井 天井裏に断熱材を敷き詰める
柱と間柱の間に室内用断熱材を充填する
家の外側から外張り用断熱材を施工する
床下から断熱材を充填する

断熱リフォームは外から施工したり、内側に断熱材を入れたりするため、施工範囲や工法によってかかる日数が大きく異なります。

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[2]日射遮蔽性能を上げるリフォーム

日射遮蔽性能を上げるリフォームは、窓からの熱を遮断するリフォームです。窓から日差しが入り込むと、床に跳ね返った反射熱によって室内温度が上昇します。そこで、窓からの熱を遮ることで、エアコン効率が向上して、室内の温度を快適に保てるようになります。

窓のリフォームで行う内容は主に、遮熱性の高いペアガラスへの交換です。日射遮蔽性能を上げるリフォームと同時に、オーニングやシェードを設置すると、さらに遮蔽性能がアップします。

オーニング

[3]高効率な設備機器を導入するリフォーム

高効率な設備機器を導入するリフォームは、給湯器やトイレなどの住宅設備を高性能なものに替えることです。

例えば、現在ガス給湯器や電気温水器などの給湯器を使用している場合は、家庭用ヒートポンプ給湯器に変えると、エネルギーの消費量を大幅に削減できて、光熱費も節約できる可能性があります。また、トイレも節水トイレに変更すると、少ない水でも便器全体をまんべんなく洗浄できるため、年間の水道代を削減可能です。

省エネ給湯器・節水トイレの導入について、詳しくはこちらの記事をご確認ください。

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[4]自家発電システムを導入するリフォーム

自家発電システムを導入するリフォームは、自宅で作り出したエネルギーで家庭の消費電力をまかなえるようにすることです。よく一般家庭に取り入れられているのは、太陽光発電システムです。

家の屋根に太陽光発電システムを設置して電気を作り出すと、日中に使用する電気を太陽光でまかなえます。蓄電池も併せて設置すると、夜間の電力も自家発電した電力で補えて、電気代をゼロにできる可能性もあります。


省エネリフォームの種類別費用目安

省エネリフォームの費用は、工事内容によって異なります。相場は100〜200万程度です。

費用が高額なのは、例えば断熱性を挙げるリフォームをする場合は、一部の設備を工事するだけでは効果が実感できないからです。断熱性能をしっかりと上げたい場合は、一箇所だけでなく窓や壁、天井など全体を工事して、はじめて効果を実感できます。

省エネリフォームの事例と費用目安を表にまとめました。

[1]断熱性を上げるリフォーム
  • 内窓を取り付けて二重窓にする:8〜15万円前後/箇所
  • 複層ガラスに交換する:3〜10万円以上
  • 天井裏に断熱材を敷き詰める:4,000〜8,000円/㎡
  • 柱と間柱の間に室内用断熱材を充填する:4,000〜3万円/㎡
  • 家の外側から外張り用断熱材を施工する:4,000〜3万円/㎡
  • 床下から断熱材を充填する:4,000〜3万円/㎡
  • 住宅全体の断熱リフォーム:300〜600万円
[2]日射遮蔽性能を上げるリフォーム
  • 遮熱性の高いペアガラスに交換する:2〜4万円程度/㎡
[3]高効率な設備機器を導入するリフォーム
  • 家庭用ヒートポンプ給湯器(エコキュート)を導入する:35〜60万円
[4]自家発電システムを導入するリフォーム
  • 太陽光発電システムを設置する:84〜140万円
  • 蓄電池を設置する:100〜250万円
省エネリフォームは施工範囲が家全体に及んだり、比較的高額な設備を導入したりと大掛かりになる傾向があります。リフォームすることで光熱費のランニングコストがどう変わるかと、工事の補助がどこまで受けられるかを事前にしっかりシミュレーションして検討しましょう。
回答

省エネリフォームに使える補助金一覧

省エネリフォームをする際は、条件に当てはまると補助金制度の対象になります。省エネリフォームに利用できる補助金の種類とその金額、概要を表にまとめました。

<子育てエコホーム支援事業>
最大補助額 原則1戸あたり20万円
概要
  • 開口部の断熱改修や外壁・屋根・天井または床の断熱改修、エコ住宅設備の設置に利用できる
  • 子育て世帯や若者夫婦世帯は条件に当てはまると補助上限が引き上げられる
  • 交付申請期間は2024年4月2日~2024年12月31日まで(予算が上限に達すると早期終了する可能性あり)
<先進的窓リノベ事業>
最大補助額 1戸あたり5〜200万円
概要
  • 既存住宅の窓のリフォーム工事に利用できる
  • 製品の性能などに応じて子育てエコホーム支援事業と併用できる
  • 工事請負契約日が2024年12月31までの工事が対象
  • 交付申請期間は2024年3月29日~2024年12月31日まで(予算が上限に達すると早期終了する可能性あり)
<給湯省エネ事業>
最大補助額 家庭用燃料電池:15万円/台
電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器:5万円/台
ヒートポンプ給湯器:5万円/台
概要
  • 戸建てや集合住宅に関わらず、エネファームやエコキュートを設置する際に利用できる
  • 交付申請期間は2024年3月29日~2024年12月31日まで(予算が上限に達すると早期終了する可能性あり)
<既存住宅における断熱リフォーム支援事業>
最大補助額 1戸あたり15〜120万円(条件により異なる)
概要
  • 戸建てや集合住宅に関わらず、既存住宅の断熱リフォームに利用できる
  • 補助対象の製品が決まっている
<次世代省エネ建材の実証支援事業>
最大補助額 125〜400万円(条件により異なる)
概要
  • 外張り断熱や内張り断熱、窓断熱のリフォームに利用できる
  • リフォームの種類によって改修必須の製品と任意の製品が決められている
<長期優良住宅化リフォーム推進事業>
最大補助額 100〜250万円(条件により異なる)
概要
  • 戸建てや集合住宅に関わらず住宅性能向上のリフォームを行う際に利用できる
  • リフォーム工事の前にインスペクション(現況調査)を実施する必要がある

補助金について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

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省エネリフォーム工事の補助金等で迷った際の相談先一覧

省エネリフォーム工事の補助金などで迷った際は、以下の場所に相談できます。

  • (一般社団法人)住宅リフォーム推進協議会
  • 市役所の担当課
  • 「補助金事業に登録している」リフォーム業者

ただし、補助金を使ってリフォームするときには、契約前にリフォーム会社に相談しましょう。
補助金制度のなかには登録事業者が実施した工事しか補助金の対象にならないものもあるため、業者選びの際は登録業者かどうかを確認しておく必要があります

リフォームガイドでは、リフォーム会社各社の得意工事や補助金事業の登録状況も把握しているので、あなたの希望するリフォームに対応でき、補助金申請もスムーズに対応できるリフォーム会社に見積もり手配することができます。リフォームの要件を伝える際に「補助金を使ってリフォームしたい」とお伝えください。
回答

まとめ

省エネリフォームとは、省エネ性能を向上させて、住宅のエネルギー消費量を抑えるためのリフォームです。省エネリフォームを実施すると、光熱費削減が期待できます。住宅のリフォームにはさまざまな補助金が用意されているので、実施できるものがないか各補助金の要件を確認してみると良いでしょう。

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