事前に知っておきたい窓の寒さ対策の全手法まとめ

寒い季節になると気になるのが、お部屋の寒さ対策ですね。寒さを和らげるためには、ずばり窓の防寒対策が最も効果的です。せっかく暖房などで温めた部屋の空気の約58 %は窓などの開口部から逃げてしまうと言われています。
ここでは、窓の寒さ対策について、自分で出来るやり方から、プロにお願いしてリフォームしてもらうものまで、対策方法を幅広くご紹介致します。ご自身に合った寒さ対策を実践してみてください。
1.窓から部屋が寒くなる原因について
部屋が寒くなる原因は色々ありますが、最も影響の大きなものは窓などの開口部です。窓の寒さ対策をする上で重要なのは、原因ごとに対策を立てるということです。
具体的に言うと、隙間風のように直接的に熱が逃げてしまう場合は気密性を高め、窓自体の冷気から部屋の温度が下がってしまう場合は断熱性を高める必要があります。
1-1.窓の気密性を高めるには
気密性を高めるためには、サッシや窓の隙間を埋める必要があります。外気が直接部屋の中に入ってくるのを防ぐことで部屋を寒さから守ります。
1-2.窓の断熱性を高めるには
窓自体から冷気が伝わってくるので、窓の冷気が直接部屋に流れ込んでこないよう対策をとります。具体的には二重窓にしたりカーテンを敷いたりという方法です。
2.自分で出来る窓の寒さ対策
まずは手軽に自分で出来る寒さ対策についてご説明いたします。ご自宅にすでにあるものを利用してできる対策から、ホームセンター等で購入して取り付けるようなものまで、様々な対策方法があります。防寒の効果や費用について以下の表でまとめていますので、選ぶ際の参考にしてみてください。
対策方法 | 防寒対策 | 手間 | 費用 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|
窓に断熱シートを貼る | 平均 | 多い | 1,000~3,000 | A |
窓にプチプチを貼る | 低い | 多い | 無料 | B |
窓際にボードを立てる | 低い | 少ない | 800~3,000 | B |
厚手のカーテンをかける | 平均 | 平均 | 3,000~14,000 | C |
隙間にガードシールを貼る | 平均 | 多い | 400~1,600 | C |
窓下用ヒーターを利用 | 高い | 少ない | 12,000~21,000 | C |
簡易内窓を取り付ける | 高い | 多い | 8,000~24,000 | A |
カーテンの隙間を埋める | 低い | 少ない | 無料 | B |
費用:単位(円) |
窓に断熱シートを貼る
最も手軽な防寒対策のアイテムが断熱シートです。窓に貼るだけで、窓を通じて部屋の中に伝わる冷気を防ぐことが出来ます。取り付け作業は両面テープで固定して、余った部分を切り取るだけなので、5分~10分で行えます。価格もホームセンター等で2,000円から3,000円で購入できるので手軽さが嬉しいアイテムです。
◆ワンポイント! 貼ると窓が暗くなるものもあるので、クリアタイプを選びましょう。
窓にプチプチを貼る
お金を掛けずに防寒対策を行うならば、梱包などに使う気泡緩衝材(プチプチ)を利用するのも一つの手です。空気がシートの層を作り、窓の冷えがお部屋に直接伝わるのを防いでくれます。養生テープを利用するとはがすときにも跡がつかないのでお勧めです。プチプチは厚みがあるので、貼っても窓が開くかどうかはあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
◆ワンポイント! シートの厚みが窓の開閉を妨げないか確認して貼りましょう。
窓際にボードを立てる
窓際に立てるだけで外気をカットして、部屋を暖かく保ちます。窓際の足元は特に冷えやすいので、手軽で嬉しいアイテムです。このボードを窓のサイズに合わせてカットし、立てるだけの手軽さの人気の秘密です。
◆ワンポイント! 隙間が出来ると効果が薄いので、購入前に確認しましょう。
厚手のカーテンを掛ける
長めで厚手のカーテンを掛けるだけで、窓の寒さ対策にはとても有効です。冷気は下の方から室内に侵入するので、カーテンの裾は床につき余るくらい長めの方が防寒の観点からすると優れています。
◆ワンポイント! 新たに購入すると費用がかさむので、既存のものを利用しましょう。
隙間ガードシールを貼る
手軽に貼れて隙間風対策に効果的なのが隙間ガードシール。窓以外に玄関などにも使えます。水にも強いうえ、窓の開閉の妨げになりにくいアイテムです。手軽に使えるので、窓からの隙間風が気になるようであれば、ぜひ利用してみてください。
◆ワンポイント! 隙間が狭すぎると利用出来ないので幅を確認してください。
窓下用ヒーターを利用する
部屋の中が寒くなる原因の多くは、窓からの冷気です。足元にとどまりがちな冷気の対策として有効なのが、窓下用ヒーターです。窓からの冷気を防ぐだけでなく、部屋全体を足元から温めてくれます。結露の防止にも効果を発揮します。
◆ワンポイント! 購入費だけでなく、利用時の光熱費も考えて選択しましょう。
簡易内窓を取り付ける
簡易内窓はプラスチックで自作することが可能ですし、ホームセンターなどで内窓セットを購入することもできます。ご自身でちょっとしたDIYが出来れば、費用を掛けずに手軽に出来るうえ、防寒の効果も優れています。少し手間をかけてでも防寒対策をしたい場合はお勧めです。
◆ワンポイント! 防寒効果は高いのですが、大きな窓には利用しにくいです。
カーテンの隙間を埋める
手間もお金も掛けずに出来る寒さ対策としては、両面テープや洗濯ばさみでカーテンの隙間を埋めてしまう方法があります。大きな窓だと、思った以上に冷気が室内に入り込んでいます。隙間を埋めるというちょっとした工夫だけで、部屋の温度が1度~2度は変わってくるのでぜひ試してみてください。
◆ワンポイント! マジックテープ等でとめるようにすると開閉時にも便利です。
3.プロにお願いする窓の寒さ対策リフォーム
本格的に寒さ対策を行うのなら、窓のリフォームもおすすめです。特に1999年以前に建てられた家は、同年3月に施工された「次世代省エネ基準」に沿っていない場合も多いので、省エネの観点で考えると結果的に割安な場合もあります。ご自宅の状態とご予算を踏まえて検討してみてはいかがでしょうか?以下では代表的な窓の寒さ対策のリフォームについてご説明いたします。
3-1.内窓設置のリフォーム
二重窓にリフォームすることで窓から出入りする暑さや寒さを抑制して、冷暖房の効きやすい快適な住空間を作り上げることができます。リフォームに掛かる時間もたったの1時間程度です。
年間を通して快適で省エネ効果も高まるので、近年人気は高まっています。窓の形や大きさにもよりますが、小さな窓であれば7万円程度からリフォーム可能なので、省エネと合わせて考えると良いでしょう。
3-2.外窓設置のリフォーム
古いサッシごと取り外し、断熱性の高い窓に交換するリフォームです。リフォームにかかる時間も2時間程度、長くても半日で終わる手軽さがあります。窓の大きさによって値段は異なりますが、小さな窓であれば5万円程度から出来る手軽なリフォームです。
寒さ対策の点では二重窓にする方が効果は高いですが、窓をすっきり保ちつつ、防寒対策を行うには良いでしょう。
3-3.断熱ガラスへのリフォーム
現状のサッシはそのままで、窓ガラスだけを断熱窓に入れ替えるリフォームです。断熱性の高い複層ガラスや二重窓に変えることで外気の影響を受けにくくし、暑さや寒さから部屋を守ってくれます。
リフォームにかかる時間も早ければ30分程度で行える、手軽なリフォームになります。内窓のように見た目が変わってしまうこともないので、こちらを選ばれる方も多いです。
4.費用対効果で見る寒さ対策の窓リフォーム
窓のリフォームも規模が大きくなるとそれなりに費用はかさんできます。ここでは省エネの観点も含めて窓のリフォームを考えてみます。
少し大きめの戸建て住宅で、東京の気候でシミュレーションした場合の数値が以下の表のようになっています。リフォームの前後で光熱費が約26.3%削減され、金額ベースでは年間で約3万円もの節約になります。
リフォーム後の10年間や15年間のスパンで考えると30万円から45万円の削減効果が期待できそうです。ご自宅の大きさや居住エリアによって期待できる削減効果は変わってきますが、リフォームを考える際には一つの目安としていただければよいでしょう。
リフォーム前 | リフォーム後 | 差額 | 低減率 | |
---|---|---|---|---|
暖房費 | 64,568 | 64,568 | 29,845 | 31.6% |
冷房費 | 21,053 | 21,053 | 732 | 3.4% |
計 | 85,621 | 85,621 | 30,577 | 26.3% |
出典:樹脂サッシ普及促進委員会(単位 円/年) |
5.まとめ
窓の寒さ対策は、自分で手軽にできるものからプロのリフォーム会社にお願いするものまでさまざまな種類があるのはご理解いただけたかと思います。
比較的新しい家であれば、自分で出来る対策で問題ないと思いますが、築年数の古い家では思い切ってリフォームをするのもよいでしょう。最近は性能の良い窓ガラスも出てきているので、光熱費を考えると決して高い買い物ではありません。
お住まいの状況に合わせて対策を取られるとよいでしょう。