
「ドアが閉まりづらい」「閉めるときに壁や床にぶつかる」などドアの不調を感じたとき、自分で対処できる場合もあれば、リフォーム会社に修理依頼をしたほうがいいケースもあります。
そこで本記事では、ドアが閉まらないときの対処法やリフォーム会社に修理依頼するときの費用目安を説明します。無理矢理ドアを閉め続けると破損の恐れがあるので、本記事を参考に、症状から正しい対処法を考えてみてください。
目次
1.ドアが閉まらないときの修理手順
ドアが閉まらない、または閉まりづらいときにはまず原因を突き止め、そこから対処法を考えます。ドア不調でよくある原因は、以下のとおりです。
- 丁番(ヒンジ)のネジの緩み
- ラッチ(ドアノブと連動して飛び出す部品)またはストライク(ラッチを受け止めるプレート)がずれている
- スライドレールに汚れが溜まっている
- 鍵の滑りが悪くなっている
- ドア本体またはドア枠が歪んでいる
- 建物自体が歪んでいる
ここでの用語はこちらの画像でご確認ください。
なお、丁番にはヒンジ、蝶番(ちょうつがい)などいくつか呼び方がありますが、本記事では丁番の英語名である『ヒンジ』で統一します。
これらの中で自分で修理できる可能性があるのは、上から4つ目までです。
ドア枠が歪んでいるときや建物自体の歪みが考えられるときには、自分で対処しようとせず、すぐにリフォーム会社への相談をおすすめします。
以上の点をふまえて、修理手順を見ていきましょう。
1-1.一般的なドア(開き戸)の修理手順
一般的なドア(開き戸)が閉まらない、または閉まりづらいときに自分で修理できる可能性があるのは、ヒンジ、またはラッチとストライクのいずれかに問題がある場合のみです。
故障箇所の確認方法と、修理手順を見てみましょう。
故障箇所の確認方法
- ドアを開けてヒンジのネジに緩みがないか確認する
→【ヒンジの修理方法】に - ラッチを手で押して正常に動くか確認する
- ラッチを閉めた状態のままマスキングテープで固定して、ドアが閉まるか確認する
→正常に動くなら【ラッチの修理方法】に
→ドアが閉まらないならリフォーム会社に相談
ヒンジのネジが緩んでいる場合は、ヒンジの修理方法を確認してください。
ラッチを手で押したり、マスキングテープで固定したりしてみて正常に動くのなら、ラッチとストライクのどちらかに問題がある可能性があるので、以下の方法で修理できる可能性があります。
しかし、ラッチを手で押したりマスキングテープで固定したりしたときに閉まらないのなら、ドア自体が歪んでいるかもしれません。
自分で修理せず、すぐにリフォーム会社に相談したほうがよいでしょう。
【ヒンジの修理方法】
- ドアがどこにぶつかっているのかを調べる
- プラスドライバーでヒンジの固定ネジを緩める
- 左右の調整ネジを締める
- 上下の調整ネジに緩みがないか確認し、あれば締める
- 固定ネジを締める
ヒンジの調整ネジを締めるときには、必ず先に固定ネジを緩めてください。固定ネジを締めたまま調整ネジを締めてしまうと、ネジが歪んでしまう恐れがあります。
また、今回紹介したのは一般的なヒンジの修理方法です。方法はメーカーによって異なることがあるので、念のためメーカーや品番などから修理方法を調べてみてください。
【ラッチの修理方法】
ラッチが原因でドアが閉まりづらいときは、金属部分の滑りが悪くなっている可能性があります。滑りをよくするために、以下の方法を試してみてください。
- ラッチに硬度B以上の鉛筆を擦りつける
- ラッチに潤滑スプレーを吹きつける
上記の方法で改善しないときには、ストライクがずれているかもしれません。ストライクにはネジを調整できるものとできないものがあり、ネジを外したり緩ませすぎたりすると金具が落ちてしまう恐れがあります。
ストライク側に問題がある可能性があるのなら、リフォーム会社に相談したほうがよいでしょう。
1-2.スライドドア(引き戸)の場合の対処法
スライドドア(引き戸)が閉まらない、または閉まりづらいときに自分でできる対処方法は、以下の3つのみです。
- スライドレールの掃除
- シリコンスプレーを吹きかける
- 鍵のメンテナンス
スライドレールにホコリやゴミが溜まっているとドアが閉まりづらくなるので、掃除機で吸い取ったり拭き掃除をしたりして、汚れを取り除いてください。滑りが悪いときには、シリコンスプレーを吹きかければ解決することもあります。
また、引き戸の玄関ドアが閉まらないときには、鍵に問題があるケースも。鍵穴や鍵の掃除、潤滑スプレーを吹きかけてみてください。
これらを試しても改善しないときには、別の部分に問題がある可能性がありますので、修理会社やリフォーム会社に相談しましょう。
2.業者に修理依頼をしたほうがよい場合
ドアが閉まらない、または閉まりづらいとき、どのような状態ならリフォーム会社に相談すべきなのでしょうか。業者依頼をしたほうがよいケースを3つ説明します。
2-1.上記の修理で対処できないとき
1つ目が、前章で挙げた方法で対処できないときです。
特に、ドア枠やドア本体、建物が歪んでいる場合は、自分で修理するのは不可能です。無理矢理直そうとすると、建具がずれたり部品が破損したりして、かえって状態が悪化してしまう恐れがあります。
2-2.住宅の保証期間内のとき
2つ目が、住宅の保証期間内のときです。
新築後や中古住宅購入後、リフォーム後なら、メーカー保証や瑕疵保証が適用される可能性があります。保証が受けられれば、修理をリフォーム会社に依頼しても自己負担はありません。保証期間や内容については契約書類に記載されていますが、住宅会社や不動産会社、リフォーム会社などに相談してみるとよいでしょう。
2-3.ドアの耐用年数を過ぎているとき
3つ目が、ドアの耐用年数を過ぎているときです。
ドアの耐用年数はメンテナンスの有無や使い方によって多少の差はあるものの、室内ドアで20年程度、玄関ドアで20〜30年、浴室ドアで10〜20年程度となっています。修理してもすぐにまた閉まりづらくなるのなら、ドア本体を交換したほうがよいでしょう。
3.室内ドアの修理・交換費用の相場
最後に、ドアの修理や交換をリフォーム会社に依頼するときの費用相場を確認しておきましょう。
修理・リフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|
ヒンジの調整 | 15,000~30,000円 |
ヒンジの交換 | 15,000~40,000円 |
ラッチの修理 | 8,000円~ |
ラッチの交換 | 15,000円~ |
ドアの歪み修理 | 20,000~60,000円 |
ドア本体の交換 | 67,000円〜358,000円 |
ドアの種類や状態によっても費用は変わってきますが、部分的な調整や部品の交換ならば4万円以内で修理できる場合がほとんどです。
しかしドア本体を交換するとなると、ドアのグレードや種類、ドア枠の交換有無によって、費用が大きく変わります。リフォーム方法や費用の詳細は以下記事で詳しく説明しておりますので、ぜひこちらも参考にしてください。


4.まとめ
ドアが閉まらないまたは閉まりづらいという症状はよくあるので、「それくらいで修理依頼するのはもったいない」と考えるかもしれません。しかしドアの不調を放っておくと、完全に閉まらなくなってしまう可能性があります。
そのため今回紹介した対処法で改善しないときや、ドア本体やドア枠、建物に問題がありそうなときには、すぐにリフォーム会社に相談したほうがよいでしょう。
住宅購入やリフォームの直後や保証期間内なら、保証を使って修理できる可能性もあります。
リフォームガイドでは、お客さまのドアの状態をもとに、コンシェルジュがドアの修理実績が豊富な優良会社のみを選定いたします。ぜひご活用ください。