耐震リフォームは住みながらできる?工事内容や注意点を詳しく解説

耐震リフォームを考えたとき、「住みながら工事ができるのか」という部分が気になっている方も多いのではないでしょうか。

耐震リフォームは、工事箇所や範囲によっては仮住まいが必要になることもありますが、部分的な工事ならば住みながらでも施工できます。

そこで本記事では、住みながら行う耐震リフォームの方法や注意点などを、詳しく説明します。耐震リフォームをお考えの方は、ぜひ参考にしてください。


1.耐震リフォームは住みながらできる?

冒頭でもお伝えしたように、耐震リフォームは住みながらでも行えます。
ただし工事箇所や範囲によっては仮住まいが必要になるケースもあるので、まずは判断基準を見てみましょう。

工事内容 住みながらできるか
基礎の補修・補強工事
(軽度、または部分的な補修であれば〇)
壁や柱の補強
屋根の葺き替え(軽量化)
内装+耐震リフォーム
(フルリフォームの場合は×)

仮住まいの必要性を判断するポイントは、「居住空間が確保できるか」という部分です。

たとえば居住スペースに影響しない屋根の葺き替えや、部分的な壁・構造の耐震リフォームであれば、住みながらでも工事を行えます。
一方で内装をフルリフォームする場合や、居住スペースを確保できないほど広範囲にわたって床や壁を解体するのなら、仮住まいが必要です。

次のようなケースに当てはまるときには、仮住まいを検討したほうがよいでしょう。

仮住まいを検討したほうが良い耐震リフォーム

  • 壁や床の大半を解体し、耐震補強を行う
  • 腐食した構造部分やシロアリによる食害の修繕と予防を行う
  • 内装とともに、水まわり設備をすべて入れ替える
  • 同居家族に小さなお子さんや高齢者がいる

物理的に仮住まいが必要になるケースもあれば、仮住まいの判断が施主に委ねられるケースもあるので、リフォーム会社と相談しながら検討することをおすすめします。


2.住みながらできる耐震リフォーム

小学校や中学校などで授業を行いながら耐震補強工事が行えているように、住宅の耐震リフォームの多くも、住みながらの施工が可能です。
具体的に、次のような工事ならば仮住まいをすることなく行えるでしょう。

以下に詳しく説明します。

①壁や柱の耐震補強

壁や柱の耐震補強イメージ

木造住宅で行う耐震リフォームでは、壁や柱の補強工事を行うのが一般的です。

柱と柱の間に斜めに取り付ける『筋かい』や、『耐力面材』などの耐力壁を追加したり、柱の接合部に金物を設置したりすることで耐震性を確保します。

費用相場と工期は以下のとおりです。

工事内容 費用相場 工期
筋かいによる補強 5~20万円/箇所 10日前後
耐力面材による補強 9~15万円/箇所
金物の設置 5~20万円/箇所

部分的な耐力壁の追加や金物の設置のみならば、住みながらの工事も十分可能です。

しかし耐力壁は量とバランスが重要になるため、住宅の複数箇所に追加する場合は仮住まいが必要になるでしょう。

②屋根の葺き替え(軽量化)

軽量な屋根材イメージ

重量がある屋根材は頑丈ではあるものの、揺れが起こった際に構造部分に大きな負荷がかかります。
もし既存の屋根材が和瓦や洋瓦のように重たいものになっているのなら、軽い屋根材へと交換することで耐震性を高められるでしょう。

費用相場と工期は以下のとおりです。

軽量な屋根材 費用相場(30坪) 工期
スレート 70~200万円 7~10日
ガルバリウム鋼板 100~200万円
アスファルトシングル 90~190万円

屋根材の葺き替えは屋外での工事になるため、仮住まいは不要です。

ただし屋根材を軽量化しただけでは耐震性を十分に確保することは難しいので、他の部分と合わせて耐震リフォームを行うことになるでしょう。

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③基礎の部分的な耐震補強

床を剥がした時の内部の構造材のイメージ

1981年(昭和56年)5月31日以前が建築確認日となっている旧耐震基準の家は、基礎に鉄骨が入っておらず、耐震性が不十分なことが多々あります。

その場合は壁や柱の耐震補強に加えて、基礎部分に鉄筋やプレートの追加やコンクリートを充填する増し打ち工事も必要です。

床を剥がしてみて構造材の腐食やシロアリの食害が見つかれば、駆除と予防も同時に行います。

費用目安と工期を見てみましょう。

工事内容 費用目安 工期
基礎の増し打ち 5万円/1m前後
(全面で40~60万円)
2~3日/箇所
(全面の場合は1か月前後)
シロアリ駆除、予防 それぞれ3,800~1万円/坪 半日程度

基礎の増し打ちは部分的な施工も可能ですが、構造材の腐食やシロアリの食害が見られるのなら、根本からしっかりと修繕するために全面をリフォームしたほうが安心です。
しかしその場合は大がかりな工事になるため、仮住まいが必要になります。

ここまで、住みながらできる耐震リフォームを3つ紹介しました。
ただし、実際の工事がどのくらいの規模になるかは、住宅の見た目だけではわかりません。
ご自宅の耐震性と必要な工事を把握するためにも、まずは耐震診断を受けましょう。
回答

以下の記事では、耐震診断の費用や内容について詳しく解説していますので、ぜひこちらも参考にしてください。

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3.住みながら耐震リフォームする前に注意したい3つのポイント

ここでは、住みながら耐震リフォームをする前に確認したい3つの注意点を紹介します。

住宅の耐震リフォームは住みながらでも行えますが、工事中に「仮住まいを用意しておけばよかった」と後悔する方も少なくありません。

ストレスなく耐震リフォームを行うためにも、これから挙げる注意点を踏まえて仮住まいの必要性を考えてみてください。

①リフォーム中は荷物を移動させる必要がある

耐震リフォームでは壁や床を一部解体するので、作業スペースの確保や家財の損傷を避けるために、工事を行う部屋にある物はすべて移動させなくてはなりません。

工事を複数箇所で行う場合はその都度移動が必要になるため、とても手間がかかります。

さらに物を一時的に置いておく部屋や居住スペースの確保も必要になるので、荷物や世帯人数が多い家庭は、仮住まいを検討したほうがよいでしょう。

②生活スタイルが大きく変わる場合がある

耐震工事が始まると、食事をする場所や寝る場所が変わったり、都度荷物の移動が必要になったりするため、暮らしにくさを感じる可能性があります。

そのうえ、工事中は多くの職人が家を頻繁に出入りするため、違う部屋にいたとしても落ち着かないことも。

このように生活スタイルが変わると、工事期間が10日前後であってもストレスや負担を感じる恐れがあるので、生活スタイルの変化が心配な方や、小さなお子さんや高齢者がいる家庭などは、仮住まいを用意することをおすすめします。

③リフォーム中の音やホコリへの対策を考える必要がある

耐震工事では壁や床の解体をともなうため、工事の際には音が発生し、工事箇所周辺にはホコリや木くずが舞ってしまいます。

ホコリや木くずなどは工事が終わった際に掃除をしてもらえますが、生活しているスペースに入り込んでしまう可能性もあります。
ハウスダストアレルギーを持っている方や呼吸器系が弱い方がいる場合は、仮住まいを用意したほうが良いでしょう。

また、工事の音は避けることができないため、こちらも大きい音が苦手な場合は仮住まいの用意を検討するか、工事中は外出して影響が出ないようにするといった対策を考えておきましょう。


4.仮住まいを用意する場合におすすめの方法

工事内容や注意点を見て、仮住まいを用意したほうがいいと感じた方も多いでしょう。
耐震工事の工期は数日〜1か月前後が目安なので、その間に暮らせる場所として、次のような候補があります。

  • 実家や親族の家
  • ホテル、民泊
  • ウィークリー、マンスリーマンション

仮住まい先として一般的なのは賃貸物件ですが、敷金・礼金・数か月分の前家賃が必要になるため、1か月前後の工期であれば、上記の中から決めたほうが費用負担を抑えられます。

リフォーム会社の中には、仮住まい先を提携で用意していたり、提案してくれる会社もあります。
どんな場所が仮住まい先として良いか悩んでいる場合は、詳しい会社に相談してみましょう!
回答

5.まとめ

耐震リフォームは、部分的な工事であれば住みながらの施工も可能です。

ただし、住みながら行う場合は荷物や生活スペースの移動が伴う上に、工事音やホコリなどへの対策も必要になるため、工事内容や範囲、世帯状況によっては仮住まいを用意したほうが、ストレスなく工事を行えるかもしれません。

本記事で紹介した内容を参考に、ご自宅の工事の規模、家庭の状況に合わせてどちらでリフォームを進めるのか検討してみてくださいね。

また、ご自宅に必要な耐震リフォームの内容や規模がわからないという方は、まずは耐震診断を受けるところから始めましょう。

どこに相談したらよいかわからない場合は、リフォームガイドをご活用ください。

リフォームガイドでは、専属のコンシェルジュがお客様のご要望を伺ったうえで、お住いの地域に合わせた会社をご紹介しております。

耐震リフォームに詳しい会社をご紹介することでもできますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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