
窓の断熱リフォームとは、熱気・冷気の出入りが最も多い窓の断熱性を高める工事です。
断熱と聞くと冬のイメージが強いですが、夏の暑さにも効果が期待できます。
実は夏に室外から入り込む熱のうち約7割(※)は窓から。
暑さを根本から解決することで窓際のジリジリした熱を抑えたり、室内の温度を快適に保つ効果があります。
今回はそんな夏の窓断熱リフォームの効果や具体的な方法・費用・選び方までご紹介します。
目次
1.夏の窓断熱リフォームの効果
窓の断熱リフォームは夏の暑さにどれぐらい効果があるのか日射熱や室内の快適性の角度からご紹介します。
1-1.夏の窓際のジリジリ感がなくなる
窓の断熱リフォームをすることで窓際のジリジリ感がなくなります。
夏に窓際でジリジリと熱を感じることはありませんか。この熱のことを日射熱といいます。
一般的なガラスはこの熱を通してしまいますが、断熱リフォームで使われるLow-E複層ガラス(遮熱タイプ)には、日差しを跳ね返す特殊な加工がされています。
このガラスを取り入れると日射熱を約6割カットできます。
窓の断熱リフォームで遮熱性を上げることで西日や夏の日差しのジリジリ感をなくして、快適に過ごせるようになります。
1-2.快適な室温が保たれる
窓の断熱リフォームをすると快適な室温が保たれます。夏に外から入ってくる熱の約7割が窓からです。
窓の断熱性能が上がると外からの熱が入りにくくなり、冷房の効きが良くなります。
さらに、断熱効果によって冷やされた室内の空気が外へ逃げにくくなるため、少ない電力で1日中涼しく快適に過ごせるでしょう。
1-3.光熱費を抑えられる
窓の断熱リフォームをすると冷房の使用が抑えられ、光熱費の節約につながります。
LIXILが内窓インプラスを利用し4人家族で冷房:27℃・暖房:20℃で設定した場合のシミュレーションでは、1か月あたりの冷暖房費が約1,670円も節約できるというデータがあります。年間だと約20,000円もの費用を抑えることが出来ます。
窓の購入や設置費用がかかったとしても長期的に見ればお得になるでしょう。
出典:LIXIL Webサイト(内窓インプラスの設置、購入ガイド)
シミュレーション地区:東京
●熱負荷計算プログラム「AE-Sim/Heat」((株)建築環境ソリューションズ)を用いて算出した年間暖冷房負荷を、「平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法および解説Ⅱ住宅」((一財)建築環境・省エネルギー機構)に基づきエネルギー消費量、暖冷房金額に換算。 ●住宅モデル:2階建て/延べ床面積120.08m²/開口部面積:32.2m² 「平成25年省エネルギー基準に準拠した算定・判断の方法および解説 Ⅱ住宅」標準住戸のプラン ●想定家族:4人家族 ●想定暖冷房機器:エアコン、暖房:20℃/冷房:27℃・60% ●運転方法:間歇運転 ●計算地域:拡張アメダス気象データ2000年版(標準年) ●住宅断熱仕様:昭和55年省エネ基準適合レベル ●開口部仕様:居室の9窓にインプラスを設置 ●遮蔽物:居室の8窓にレースカーテン、和室にインプラスを併用 ●ガラスの性能値は、JIS R3106:1998、R3107:1998に基づき求めた値を使用しております。 ●電気料金単価:27円/kWh(税込み) ※1年間のシミュレーションを12か月で割った平均値 ※住宅の大きさや間取り、機器類、生活者人数、生活パターン、地域によって数値は異なります。目安としてご利用ください。
冬も快適に過ごせる
窓の断熱リフォームは、夏だけでなく冬も部屋の温度を快適に保つ効果があります。
特に冬場は暖房の効いたリビングと冷え切った廊下や脱衣所の間で急な寒暖差がうまれ、ヒートショックがおこる原因となります。
窓の断熱化をすることにより部屋ごとの寒暖差が少なくなります。家全体が暖かく快適に過ごせるようになり、命に関わるヒートショックの予防としても有効です。
2.窓の断熱リフォーム|3つの方法と費用相場
続いて、窓の断熱リフォームの3つの方法と費用相場を見てみましょう。
2-1.内窓(二重窓)の設置
内窓(二重窓)設置とは、今ある窓の内側にもう1枚窓を取り付ける方法です。
古い窓と新しい窓の間に空気の層ができ、外からの熱が伝わりにくくなります。
この方法は壁を壊さないため、工事時間は1窓あたり約30分〜1時間程度で終わります。
注意点は、洗濯物を干すときや換気をするときなどに窓を2回開け閉めする手間が増えることです。窓の開け閉めが増えることが手間に感じる方は開閉の少ないトイレや洗面所で内窓を設置しましょう。
| 小窓サイズ (トイレ・洗面台) |
腰高窓サイズ (寝室・子供部屋 |
大窓サイズ (リビング) |
|---|---|---|
|
約5~10万円 |
約8~20万円 |
約10~30万円 |
2-2.ガラス交換
ガラス交換とは既存のサッシはそのまま、アタッチメントという専用の金具をつけて複層ガラス(Low-Eガラス)や真空ガラスなどの高性能ガラスに交換する工法です。
ガラスとガラスの間の真空の層が、外からの熱を伝えにくくします。工事時間は、30分〜1時間程度。
施工前と見た目はほぼ変わらず、内窓設置と比べて窓の開け閉めも今まで通り1回で済みます。
注意点はガラス部分のみの交換なのでアルミサッシ自体の熱さは防げないことです。
予算重視で手軽に工事したい方におすすめですが、しっかりとした効果を求める方はほかの工法を検討するとよいでしょう。
| 小窓サイズ (トイレ・洗面台) |
腰高窓サイズ (寝室・子供部屋) |
大窓サイズ (リビング) |
|---|---|---|
| 約0.8~3万円 | 約1~3万円 | 約2~5万円 |
2-3.外窓交換(カバー工法)
外窓交換(カバー工法)とは、既存の窓枠を残したまま、その上から新しい窓枠とガラスを被せ、窓ごと最新のものに一新する方法です。
最新のサッシと遮熱効果の高い複層ガラス(Low-Eガラス)を設置することで断熱性が高まります。この方法は工事に半日〜1日かかります。
古いサッシはすべて取り外し窓ごと新しいものに交換するので、窓のがたつきも一緒に直すことができます。
注意点は、内窓設置やガラス交換と比べて費用が高くなる傾向があります。
内窓設置と比べて窓を2回開閉する手間がなく、窓が二重にならないので見た目を重視する方におすすめです。
| 小窓サイズ (トイレ・洗面台) |
腰高窓サイズ (寝室・子供部屋) |
大窓サイズ (リビング) |
|---|---|---|
| 約5~10万円 | 約10~15万円 | 約10~20万円 |
2-4.窓の工法・サイズ別費用表
窓の断熱リフォームにかかる費用は選ぶ工法と窓のサイズのかけ合わせで決まります。
まずは、リフォームしたい窓が以下の3つのうちどれに当てはまるか確認してみましょう。
予算と照らし合わせながら、リフォームの計画を立てる際にご活用ください。
| 工法/窓の大きさ | 小窓サイズ (トイレ・洗面台) |
腰高窓サイズ (寝室・子供部屋) |
大窓サイズ (リビング) |
|---|---|---|---|
| 内窓(二重窓)の設置 | 約5~10万円 | 約8~20万円 | 約10~30万円 |
| ガラス交換 | 約0.8~3万円 | 約1~3万円 | 約2~5万円 |
| 外窓交換 (カバー工法) |
約5~10万円 | 約10~15万円 | 約10~20万円 |
このように窓のサイズや選ぶ工法によって費用は大きく変わります。
予算に合わせて様々な選択肢があるからこそ我が家にはどの工法が合うのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで次の章では、お悩みに合わせた選び方をご紹介します。
3.【悩み別】窓の断熱リフォーム方法の選び方
窓断熱リフォームは今あなたが解決したい悩みによってベストな方法が違います。
ここからは、今の状況に合わせたおすすめのリフォーム方法をご紹介します。
3-1.断熱の効果を最優先にしたい場合
断熱の効果を最優先にしたい場合は、内窓設置や外窓交換がおすすめです。
断熱効果を高めるポイントは、熱を伝えにくい樹脂製のサッシと遮熱効果のある複層ガラス(Low-E複層ガラス)に交換することです。
内窓設置と外窓交換であれば樹脂製サッシと複層ガラスへ変更可能です。
断熱の効果を最優先にしたい場合は内窓設置か外窓交換を検討してみてください。
3-2.使い勝手や見た目を損ないたくない場合
使い勝手や見た目を損ないたくない場合は外窓交換がおすすめです。
外窓交換はサッシとガラスを新しいものに交換するので内窓設置と比べてすっきりとした見た目になります。
また窓が新しくなるため劣化による開閉のしづらさや隙間風などが解消します。断熱性に加えて使い勝手や見た目を損ないたくない場合は外窓交換を検討してみてください。
3-3.迷ったら内窓設置を検討するのがおすすめ
どの方法がよいか迷った時は、内窓設置を検討するのがおすすめです。
内窓の設置は、外窓交換と比べ工事の規模が小さく、ガラス交換と比べ断熱効果が高いため費用を抑えつつ断熱効果を得られます。
リフォームガイドが実際に窓の断熱リフォームをした方を対象に行ったアンケートでは、約6割の方が内窓の設置を選んでいました。

出典:【調査レポート】窓の断熱リフォームの実態と効果に関する調査|きっかけは「寒さ」「結露」、9割以上が効果を実感
また、内窓の設置のみを行った方のアンケートでは約9割の方がとても満足・満足という回答をしていました。

内窓の設置は、大がかりな工事が不要で手軽に始められ、満足度も高いようです。
どの方法がよいか決められないときは、一度内窓の設置を検討してみてください。
4.窓の断熱リフォーム費用を抑えるコツ
窓のリフォームも規模が大きくなると費用がかさんでいきます。
ここでは、費用を抑えるコツを2点紹介します。
費用を抑えながら断熱のリフォームをしたい方はぜひ参考にしてください
4-1.①優先箇所を決めて暑い部屋から工事をしよう
窓の断熱リフォーム費用を抑えるなら、部屋単位で優先順位を決めてから工事をしましょう。
家全体を一度にリフォームするのは高額になりがちです。
まずは「西日がきついリビング」など困っている部屋からスタートするのがおすすめです。
このとき、リビングにある1窓だけを断熱するのはおすすめできません。
1部屋の中に工事をした窓と、していない窓が混在していると、工事をしていない窓から熱が出入りしてしまうため、せっかくリフォームをしても効果が感じづらくなってしまいます。
費用を抑えつつ、効果を実感するためにもまずは優先する部屋を決めて工事をしましょう。
4-2.②相見積もりを取ろう
窓の断熱リフォーム費用を抑えるなら、複数業者から相見積もりを取りましょう。
同じように窓の断熱リフォームを依頼しても、会社によって価格や提案内容に差がでます。
どの提案が最適かは家の状態や窓の形状によって変わるため、1社の意見だけで判断するのはおすすめできません。また、適正価格を知ることで無駄な出費を抑えることができます。
窓の断熱リフォームをするときは、相見積もりを取りましょう。
4-3.③補助金をうまく活用しよう
窓の断熱リフォームで費用を抑えるなら、補助金の活用も検討しましょう。
補助金制度を利用することにより自己負担額を抑えられるだけでなく、予算をそのままワンランク上の高性能な窓へグレードアップできる可能性があります。
次の章で詳しくご紹介します。
5.窓の断熱リフォームに使える補助金・助成金制度
窓の断熱リフォームに使える補助金(助成金)をご紹介します。
5-1.先進的窓リノベ2026事業
先進的窓リノベ事業は、既存住宅の省エネ化を目的として、窓のリフォームに対して補助金を支給する事業です。
| 対象工事 | ・ガラス交換 ・内窓設置 ・外窓交換 |
|---|---|
| 補助金額 |
最大の補助額:100万円/戸 |
| 補助要件 |
・窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、窓リフォームをすること |
| 申請期間 | 2026年3月31日~遅くとも2026年12月31日まで ※予算に達し次第終了予定 |
5-2.みらいエコ住宅2026事業(Me住宅2026)
みらいエコ住宅2026事業は、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、国が実施する省エネ住宅補助金制度です。
| 対象工事 |
①開口部の断熱改修 |
|---|---|
| 補助金額 |
最大の補助額:100万円/戸 |
| 補助要件 |
・みらいエコ住宅2026事業の登録事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をすること |
| 申請期間 | 2026年6月30日~遅くとも2026年12月31日まで ※予算に達し次第終了予定 |
5-3.既存住宅の断熱リフォーム支援事業
北海道環境財団が主体となって行う「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では高性能な断熱材や窓・ガラスを用いた以下2つのリフォームが支援対象です。
| 対象工事 |
・トータル断熱 ・居間だけ断熱 |
|---|---|
| 補助金額 |
最大の補助額:120万円/戸 |
| 補助要件 | ・個人の所有者、個人の所有予定者、賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらでも可)、管理組合等の代表者 ・常時居住する専用住宅であること ・賃貸住宅(社宅を含む)も対象 ・店舗・事務所などとの併用でないこと ・交付申請後に所有を予定している場合は、完了時に登記事項証明書の写しを提出すること |
| 申請期間 | 2026年6月22日~2026年8月21日まで ※予算に達し次第終了予定 |
5-4.自治体の補助金事業
ここまでは国による補助金事業をご紹介しましたが、自治体によっては独自の補助金制度を設けている可能性があります。
補助金額や対象となる改修工事は自治体により異なりますので、窓の断熱リフォームを検討している場合は一度お住いの自治体のHPや以下HPで詳細をご確認ください。
5-5.実際いくら安くなる?補助金シミュレーション例
先進的窓リノベを利用した際のシミュレーションです。
断熱性の高さと価格の手ごろさのバランスが取れた、Sグレードの内窓を設置する場合を想定しています。
| 窓サイズ | 商品代 | 補助額 | 自己負担額 | 補助率 |
|---|---|---|---|---|
| 大窓サイズ(幅1,600mm×高2,000mm) | 93,900円(※) | 52,000円 | 41,900円 | 約55% |
| 腰高窓(幅1,000mm×高1,800mm) | 85,800円 | 34,000円 | 51,800円 | 約40% |
| 小窓(600mm×600mm) | 31,400円 | 22,000円 | 9,400円 | 約70% |
出典:2026年6月時点のウチリモ 内窓 部材標準販売価格表
補助金を活用することで、自己負担額を軽減することができます。
補助金制度には予算枠や申請期限が設けられており、年々金額が少しずつ下がっています。
利用に悩まれているのであれば、早めに動き出すとよいでしょう。
以下の記事で各補助金制度の詳しい内容を解説しているので、ぜひ参考にしてください。


6.窓断熱リフォームでよくある質問
最後に、窓の断熱リフォームについてよくある質問にお答えします。
Q1.一部の窓だけの断熱リフォームでも効果はありますか?
例えば一部屋に複数の窓がある場合、一部の窓だけ断熱リフォームをしても工事をしていない窓から熱が入って来て、室温が上がる原因となります。
せっかくリフォームをしたのに効果が感じにくくなってしまうでしょう。
そのため、窓の断熱リフォームをする際は、一窓だけリフォームをするのではなく一部屋の窓すべてをリフォームするのがおすすめです。
Q2.工事の当日までにやっておくべきことはありますか?
工事当日は、職人さんが部屋の出入りを頻繁に行います。廊下や玄関から工事をする窓までの通路を確保しましょう。
窓から半径1メートルほどの作業スペースを確保してください。
カーテンやブラインドは事前に取り外しておきましょう。
窓の断熱リフォームをする際は、当日までに片づけをしておきましょう。
Q3.一部屋あたりどれぐらいの時間がかかりますか?
内窓設置は、1窓あたり約30分〜1時間かかります。
1部屋に3つの窓がある場合だいたい3時間ほどを想定しておくとよいでしょう。
Q4.マンションの場合戸建てのように自由にリフォーム出来ますか?
多くのマンションで窓は共用部分に該当し、個人の判断では交換が出来ません。
リフォームをする場合は、管理組合に相談・申請を出して、事前に了承を得る必要があります。
また、管理組合ごとに管理規約は内容が異なるため、個別に確認が必要です。
なお、内窓設置のように室内側のリフォームであれば専有部分の工事とみなされるので承認が降りやすい傾向にあります。マンションで窓の断熱リフォームをする場合は、自由にリフォームができない可能性があるので、マンション管理規約を確認しましょう。
マンションの窓リフォームについては、以下記事で詳しい内容を解説しているので
参考にしてください。


7.まとめ
最後に窓の断熱リフォームについて振り返ってみましょう。
窓の断熱リフォームは主に内窓の設置・ガラス交換・外窓交換といったリフォーム方法があります。費用相場は、1窓あたり約0.8〜30万円で工期は1窓あたり約30分〜1日です。
本記事で紹介した窓の断熱リフォームの種類や選び方を参考に、ご自身の目的に合わせたリフォームを計画してみてください。
会社選びで悩んだときは、ぜひリフォームガイドをご活用ください。
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