マンションの窓リフォームは可能?リフォームの費用&方法を解説

お住まいのマンションで「窓の周辺がひんやりと寒い」「窓にびっしりと結露がつくのが気になっている」という方は多いのではないでしょうか。窓の断熱性が低いと、エアコンが効きにくくなり、光熱費も上がってしまいます。

そこで検討したいのが窓リフォーム。寒さや結露対策として効果が高く、また補助金などもおりやすいため注目されているリフォームです。
しかしマンションで窓リフォームはできるんだろうかと、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、マンションで窓リフォームが実施できるかどうかについて解説します。マンションでも実施しやすいリフォームの方法や工事費用もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。


1.マンションの窓はリフォームできる?

窓リフォームができるかどうかは、各マンションの管理規約の内容によって異なります。
ほとんどのマンションで窓は「共用部分」に含まれており、許可なく交換することはできません。しかし内窓の設置であれば、リフォームできる場合が多いでしょう。

1-1.管理規約に書かれているため要確認

マンションには管理規約というルールがあり、ルールを守ってリフォームを実施しなければなりません。

基本的には管理組合が修繕積立金を使ってまとめて窓リフォームをしますが、理事長からの許可をとれば個人でもリフォームできるというのが一般的なルールです。

以下は標準的な管理規約の例です。

第22条 共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。

2 区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。

引用:マンション標準管理規約(単棟型)

なお上記ルールはあくまでも標準的な内容で、マンションによって管理規約の内容は異なります。必ずお住まいのマンションの管理規約の内容を確認しましょう。

1-2.内窓の設置なら実施しやすい

窓リフォームといってもさまざまな種類があり、その中でも大抵のマンションで許可がおりるのが内窓設置リフォームです。今ある窓はそのまま残し、室内側にもう1枚の窓を設置することで、断熱・防音・防犯性を高めます。

なぜ内窓の設置が実施しやすいかというと、多くのマンションで「室内側=専有部分の工事」と見なされるからです。ただし室内側といっても必ず管理規約の内容は確認し、リフォーム前に必要な申請手続きがあれば行いましょう。

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2.マンションの窓リフォームの方法と費用

マンションで最も実施しやすいのは内窓設置ですが、管理規約によっては「ガラス交換」や「外窓交換(カバー工法)」というリフォームができるケースもあります。いずれも断熱性や防音性を高めることができるリフォームです。

【マンションの窓リフォームの方法は3種類】

  • マンションでも実施しやすい「内窓設置」
  • 使い勝手は変わらず断熱性が上がる「ガラス交換」
  • サッシの断熱性も上げられる「外窓交換(カバー工法)」

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.マンションでも実施しやすい「内窓設置」

リフォーム費用 1窓あたり約6〜15万円
メリット ・マンションでも実施しやすい
・リフォーム費用が比較的安い
・サッシの色で部屋の印象を変えられる
デメリット ・開閉の手間がかかる
・掃除が大変になる

マンションで最もよく実施される窓リフォームは、内窓設置です。今ある外窓の内側にもう1枚の内窓を設置することで、外窓と内窓の間に空気の層ができて、外からの暑さや寒さ、騒音などが伝わりにくくなります。既存の窓を壊さずにすみ、1窓あたり1時間程度と短時間で取り付けることができます。

それぞれの窓にロックがつくので防犯効果も高まりますが、その一方で窓を開け閉めする手間が2倍になるというデメリットも。あまり開閉しない窓なら問題ありませんが、バルコニーにつながる掃き出し窓など出入りの多い窓では面倒に感じるかもしれません。

事例:冷暖房効果を高める内窓を設置

※横にスクロールできます

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/80

マンションの角部屋で寒さ対策として、LIXILの内窓「インプラス」を設置したリフォーム事例です。リビングと洋室すべてを二重窓にすることで、外気温の影響を受けにくく、冷暖房が効きやすい住まいになりました。内窓の枠は明るい色やウッド調など、それぞれの部屋の雰囲気に合わせて選んでいます。

リフォーム費用 27万円
築年数 30年
リフォーム内容 リビング・洋室のすべての窓にインプラスを新設

2-2.使い勝手は変わらず断熱性が上がる「ガラス交換」

リフォーム費用 ガラス1枚あたり約4〜15万円
メリット ・窓の開閉が1回ですむ
・リフォーム費用が比較的安い
デメリット ・断熱性や防音性は上がるが効果は限定的
・サッシの結露や隙間風には効果なし

冬の寒さや結露が気になる窓の多くは、単板ガラスという一枚ガラスが採用されています。そのため複数枚のガラスの間に空気層が閉じ込められた「複層ガラス」や、真空になっている「真空ガラス」などに交換するリフォームでも、断熱性や防音性がアップします。ガラスのみを交換するので、内窓のように見た目や使い勝手が変わってしまうことはありません。

注意点は、他のリフォームと比較して効果が限定的なこと。断熱性や防音性を高めたいなら、なるべく性能のいいガラスを採用するのがポイントです。また窓のサッシ部分に結露があったり隙間風があったりする場合は、それらを解消できない可能性があります。

事例:真空ガラスで断熱性を向上

※横にスクロールできます

出典:http://cube-renovation.co.jp/works/5813/

こちらもマンションの角部屋で窓が多く、光熱費の高さや結露によるカビが気になっていたそう。当初は内窓設置を検討されていましたが、窓を二重に開閉する手間がかかることや、内窓が室内へ出っ張ってしまうことが気になり、ガラス交換をすることになりました。

使用したのは真空ガラス「スペーシア」。2枚のガラスの間に真空層を設けることで、一般的な複層ガラスの約2倍の断熱性能を実現しています。国道が交差する立地でしたが、リフォーム後は騒音が気にならなくなったという効果も実感されたそうです。

リフォーム費用 110万円
築年数 15年
リフォーム内容 複数の窓ガラスを真空ガラスに交換

2-3.サッシの断熱性も上げられる「外窓交換(カバー工法)」

リフォーム費用 1窓あたり約10〜25万円
メリット ・開閉しやすい
・古い窓のがたつきや隙間風も改善できる
・ガラスとサッシの性能アップができる
デメリット ・マンションでは実施できないことが多い
・リフォーム費用が比較的高い
・リフォーム費用相場

そして最後にご紹介するのが、窓をサッシから丸ごと交換するリフォームです。既存の枠の上からかぶせる「カバー工法」がよく採用され、外壁を壊さず室内側から施工することができます。

外窓交換のメリットは、ガラスだけでなくサッシの断熱性も上げられること。アルミサッシを樹脂サッシなどの断熱性が高いものに交換することで、寒さや暑さを防ぎ、結露もしにくくなります。内窓設置のように使い勝手が変わることもありません。

カバー工法による外窓交換のデメリットは、建物全体の見た目や性能に影響するため、内窓がガラス交換に比べると許可がおりにくいこと。ただし最初は「管理規約上、窓の交換は難しい」といわれていても、管理組合に交渉することで管理規約が改正され、交換ができるようになったケースもあります。リフォーム会社に力を借りながら、管理組合に交渉してみるのもよいでしょう。

<マンションの窓リフォームで使える補助金>

マンションの窓リフォームでは一箇所の窓あたり10万円前後かかり、一枚の窓をリフォームしただけだと大きな効果は見込めないので、よく使うリビングや寝室など複数の窓をリフォームするか、家全体の窓をリフォームすることになるでしょう。

ある程度まとまったリフォーム費用がかかるため、必ずチェックしたいのが補助金事業です。2024年2月現在、窓リフォームに関して国や自治体からの補助金が豊富なので、うまく活用してお得にリフォームしましょう。

【2024年2月時点で実施されている補助金事業】
先進的窓リノベ事業:最大200万円の補助金がもらえる
子育てエコホーム支援事業:窓以外にも豊富なリフォームが補助金の対象に


3.マンションの窓リフォームの流れ・期間

マンションの窓リフォームは、次のような流れで進めます。

3-1.業者選び(約3日~1週間)

まずはリフォーム会社選びからスタート。マンションの窓リフォームの実績が豊富なリフォーム会社を選ぶのがポイントです。マンションの管理規約に合わせて、最適な窓リフォームを提案してもらえます。また部材の大量仕入れにより、安くリフォームできる可能性もあるでしょう。

もしリフォーム会社に心当たりがなければ、一括見積もりサービスを使うのがおすすめです。近隣のリフォーム会社のなかから、あなたにぴったりの会社を紹介してもらうことができます。

3-2.現地調査・見積もり(約1〜2週間)

どんなリフォームが適しているかを判断するために、リフォーム会社に現地を見てもらいましょう。住まいに感じている不満や改善点のヒアリング、窓まわりの状態の確認や採寸などをしてもらいます。

現地調査から数日たつとプランと見積もり金額が提示されるので、工事内容やスケジュールについて詳しく聞いてみましょう。お互いに内容をすり合わせて、納得できたら契約へと進みます。

>>リフォームの現地調査とは?

3-3.工事(約1〜2日)

リフォームが決まったら、マンションの管理組合に工事の申請をします。承認がおりるまでに時間がかかるので、余裕をもって申請しておくとよいでしょう。

内窓設置やガラス交換は1ヶ所あたり約1時間、カバー工法は1ヶ所あたり約2時間〜半日で終わる作業です。窓のみのリフォームであれば、家全体の窓を施工したとしても1〜2日程度の工期ですみます。ほとんどの場合は、仮住まいも必要ありません。


4.まとめ

基本的にマンションでは窓は共用部分に該当しますが、管理組合からの許可がおりれば個人でリフォームすることも可能です。内窓設置・ガラス交換・カバー工法と3種類のリフォームがあり、適切に実施すると断熱性・防音性・防犯性などがアップします。

マンションで最も実施しやすいのは内窓設置ですが、開閉の手間や見た目を気にする方もいらっしゃいます。その場合、管理規約を守ったうえでどのような工事ができるか、リフォーム会社に相談してみましょう。

どこのリフォーム会社に相談していいかわからない場合、リフォームガイドを活用するのがおすすめです。近隣のリフォーム会社のなかで、窓リフォームの施工が豊富な会社を紹介してもらえます。

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