外壁の凍害を放置すると起きるトラブルとは?ケース別補修方法と予防策も解説

冬の寒さが厳しい地域では、外壁に「凍害」が起きてしまうことがあります。
外壁の表面が剥がれたり、ひび割れが広がったりして「このまま放置して大丈夫?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

凍害は見た目の問題だけでなく、建物の耐久性や雨漏りリスクにも直結するため、早めの対応が欠かせません。
この記事では、外壁に凍害が起きる原因や症状から、補修方法・火災保険や保証の適用範囲、さらには予防策までわかりやすく解説します。


1.外壁の凍害で起きる症状と原因

まずは、凍害の具体的な症状や発生のメカニズムについて理解しましょう。

1-1.外壁の凍害とは?

「凍害」とは、外壁に染み込んだ水分が、凍ったり溶けたりを繰り返すことで膨張し、表面にひび割れや剥がれを引き起こす現象です。寒暖差が激しい地域や、冬場に氷点下が続くような寒冷地で発生しやすい傾向があります。

1-2.凍害の症状

凍害には以下のような症状があります。下にいくに従い、症状が重くなります。

ポップアウト

表面の一部が小さく皿状に盛り上がって剥がれる、凍害の初期に見られる代表的な症状です。

ひび割れ

外壁表面に細かい亀裂が入る症状です。最低気温がマイナス2度以下になると発生しやすくなります。

スケーリング

外壁の表面が薄く剥がれ落ち、見た目や防水性が低下します。こちらも最低気温がマイナス2度以下になると、発生しやすくなります。

崩落・爆発

外壁の一部が崩れ落ち、内部が見える状態です。建物の腐食や劣化の大きな要因となります。

1-3.外壁の凍害が起こる原因

外壁の凍害の原因としてもっとも一般的なのは、塗料の膜が経年劣化により防水性が低下して、水分が外壁内部に浸透しやすくなるケースです。
これは、とくに吸水性の高い窯業系サイディングで起こりやすいことが特徴です。

さらに、外壁のつなぎ目にあるコーキングが劣化した箇所や、窓サッシの周りなど、隙間になる箇所からも水分が侵入しやすくなります。

また、サイディングの裏に空気が通る道がない「直張り工法」と呼ばれる方法で施工されている場合も、湿気の逃げ道がなくなるので凍害が起こる要因となり得ます。

1-4.凍害を放置するとどうなる?

凍害を放置すると、外壁の見た目が悪くなるのはもちろん、建物全体の寿命にも深刻な影響を及ぼします。

初期段階ではポップアウトやひび割れなど軽微な変化に見えますが、それらが進行することでより大きな劣化につながり補修工事が大掛かりになります。

また、外壁の内部に湿気がたまることで、室内にカビや結露が発生し人体に影響が出たり、シロアリの発生につながったりすることも。

最悪の場合、建物の構造体までダメージを受け、家の安全性にまで関係してくるため放置するのは危険です。
外壁の異変を発見したら、早めに業者に相談することが大切です。


2.外壁凍害の補修方法と費用の目安

凍害が発生した場合、症状の重さに応じて適切な補修方法が異なります。ここでは、軽度から重度までのケース別に、外壁の補修方法と費用の目安を紹介します。

2-1.軽度のケース

凍害が軽度の場合は、塗装と部分補修で対処できるケースが多くなります。

たとえば、外壁のごく一部の表面に軽微なひび割れや塗膜の剥がれがある場合、該当部分をパテなどで補修し、再塗装することで見た目と防水性を回復できます。
施工内容によりますが、5万円程度を見込んでおけばよいでしょう。

一方、軽度であっても外壁全体など広範囲に及ぶ場合は、100万円程度かかることもあります。

2-2.中度のケース

中度の凍害では、外壁材そのものに傷みが出ていることが多く、部分的な張り替えが必要になります。

具体的には、目立つ剥がれが外壁の一部に確認される場合、その範囲を切り取って新しい外壁材と差し替える方法がとられます。費用の目安は20〜50万円程度ですが、症状の範囲によってはそれ以上かかることも少なくありません。

2-3.重度のケース

外壁の広範囲に深刻なダメージが見られるなど凍害が重度になると、全面的な張り替えが必要になります。

たとえば、外壁の広い範囲で剥離や崩落が発生していたり、内部構造が露出したりしているような場合には、劣化部分だけでなく外壁全体の張り替えが推奨されます。放置していると建物の構造にまで影響を及ぼすこともあるため、早急に対応しましょう。

全面張り替えは高額になりがちで、費用は200万円以上かかることも少なくありません。凍害は、放置するほど修繕規模や費用が増えるため、早めの対応が何よりも重要です。

2-4.DIYで補修できる?

小さなひび程度なら、市販の補修材で修復することも可能です。ホームセンターなどで外壁用の補修剤やパテを使えば、軽微な劣化は一時的に目立たなくできます。

ただし、DIYでの補修はあくまで応急処置に過ぎず、内部の浸水や構造的な問題までは対処できません。
表面上の補修に留まるため、見た目がよくなっても凍害の再発や悪化につながるリスクがある点は理解が必要です。

根本的に解決するためには、業者に見てもらった方が安心です。


3.外壁の凍害は火災保険の対象になる?

基本的に、凍害は経年劣化とみなされるため、火災保険の対象外となるケースがほとんどです。
ただし、落雪などの自然災害が凍害の直接の原因と認められた場合には、火災保険の対象になることもあります。

また、サイディング材などにメーカーや施工会社の保証がついている場合、保証期間内であれば補償が受けられることも。
補償内容は素材やメーカーによって異なるため、加入中の保険会社や施工会社に確認してみましょう。


4.外壁凍害の予防方法

ここでは、凍害リスクを軽減するための具体的な予防策を3つの視点から紹介します。

4-1.凍害に強い外壁材にする

外壁の凍害を防ぐには、そもそも凍害に強い素材を選ぶことが効果的です。

とくにおすすめなのが「金属サイディング」です。アルミやガルバリウム鋼板などの金属素材は防水性に優れ、水分が内部に染み込みにくいため、凍害のリスクが大幅に軽減されます。
さらに、金属系は軽量で建物への負荷も少なく、耐久性にも優れている点が特徴です。

ただし、初期コストはやや高めになる傾向があるため、費用と性能のバランスを考慮した選定が大切です。

4-2.外壁通気工法に変える

外壁を張り替える場合、施工方法を見直すことも、凍害対策には有効です。

とくに効果的なのが「外壁通気工法」への変更です。これは外壁材と建物の構造体との間に通気層を設け、湿気や水分がこもらないようにする施工方法です。
外壁内部の乾燥状態を保ちやすくなるので、凍害の原因となる水分の滞留を防げます。

4-3.定期的な点検とメンテナンス

凍害を防ぐうえで、もっとも確実かつ継続的な対策が「定期的な点検とメンテナンス」です。

外壁は年数の経過とともに塗膜の防水性が低下し、水分が染み込みやすくなります。
そのため、7〜10年を目安に外壁塗装をおこない防水性能を維持すると、凍害のリスクを軽減できます。

軽度なポップアップやひび割れなど、凍害の初期症状を早期に発見し、塗装メンテナンスをおこなえば、被害の拡大を防ぐことも可能です。
外壁の様子に少しでも違和感を覚えたら、早いうちに専門業者に点検を依頼しましょう。


5.失敗しない業者の選び方

外壁の凍害補修は専門性が高いため、業者選びが仕上がりの質に直結します。ここでは、信頼できる業者を見極めるためのチェックポイントを4つに分けて紹介します。

5-1.外壁の施工実績が豊富

信頼できる業者を選ぶうえで、外壁リフォームの施工実績が豊富かどうかは重要な判断基準です。

とくに、凍害のような地域特有の劣化症状に対応するには、素材や症状に応じたノウハウが必要です。
過去にどのような外壁材や症状に対応してきたのか、具体的な事例や施工写真を確認することで、その業者の対応力や仕上がりの傾向がわかります。

公式サイトや口コミだけでなく、現地調査時に直接質問してみるのも有効です。

5-2.保証やアフターサービスがしっかりしている

外壁補修は工事後のトラブルが起こることもあるため、保証内容やアフターサービスの有無は必ず確認しておきたいポイントです。

たとえば、施工後に塗膜が早期に剥がれたり、ひび割れが再発したりした場合でも、保証期間内であれば無償で対応してもらえることがあります。
また、定期点検の有無や、万が一の不具合時の対応スピードなども、施工後の安心感につながります。

契約前には、保証書の有無や内容をしっかり確認し、口頭ではなく書面で明示してもらうことが大切です。

5-3.現地調査がわかりやすく丁寧

外壁の状態は建物ごとに異なるため、正確な診断ができるかどうかが補修の成否を左右します。

信頼できる業者は、現地調査の際に外壁の劣化状況を丁寧に確認し、写真や図を用いながらわかりやすく説明してくれます。また、補修の選択肢やそれぞれの費用感についても、専門用語を避けて具体的に伝えてくれるかが重要です。

一方で、調査が短時間で終わったり、説明があいまいだったりする場合は注意が必要です。ヒアリングの丁寧さと説明の明確さを基準に選びましょう。

5-4.複数社に見積もりを取る

業者選びで失敗しないためには、必ず複数社から見積もりを取って比較することが大切です。

1社だけの見積もりでは、価格や施工内容が妥当かどうか判断しにくく、不必要な工事や過剰な料金を見逃してしまうリスクがあります。複数社の提案を比較することで、相場感がわかるだけでなく、それぞれの対応力や説明の丁寧さなども見極めやすくなります。

とはいえ、「どの会社に見積もりを依頼すればいいかわからない」と悩む方も多いでしょう。そのようなときには、複数のリフォーム会社から見積もりを取れるサイトの利用が便利です。

たとえばリフォームガイドでは、信頼できる会社だけを専任コンシェルジュが厳選し、無料でご紹介しています。まずは気軽にお問い合わせください。

訪問営業の業者に注意

塗装業者の訪問営業によるトラブルが多く報告されています。
「すぐに工事しないと危険」と不安をあおり、相場より高額な契約を迫るケースも報告されているため注意が必要です。

そもそも腕のいい業者は、訪問営業しなくても顧客が集まります。訪問営業の業者は避け、自分でサイトをチェックしたり、見積もりサイトを利用したりして、信頼できる会社を探しましょう。

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6.まとめ

外壁の凍害は、寒冷地や寒暖差の大きい地域で起こりやすく、建物の美観や耐久性に大きな影響を及ぼします。

初期段階であれば軽微な補修で対応できますが、放置すると補修費用が高額になるだけでなく、建物全体の劣化につながるおそれも。
被害を抑えるためには、早期の対応や予防メンテナンスが重要です。

リフォームガイドでは、凍害補修の実績が豊富な優良業者を、専任コンシェルジュが無料でご紹介しています。「どこに相談すればいいかわからない」という方も、まずはお気軽にお問い合わせください。
適切な対応と信頼できる業者選びで、大切な住まいを長く守りましょう。

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