外壁塗装のトラブルで裁判は起こすべき?裁判になりうる例や回避策を紹介

「外壁塗装の業者が対応してくれないので訴えたい」
「業者相手に裁判を起こしたら勝てるの?」
こういった疑問を持っている人もいるかもしれません。

この記事では、外壁塗装で裁判を起こして勝てそうな例、負けそうな例を紹介します。

具体的には以下の内容を解説します。

  • 外壁塗装の問題で裁判を起こして勝てる可能性がある例
  • 外壁塗装の問題で裁判を起こして負ける可能性がある例
  • 裁判であなたが訴えられかねない外壁塗装のトラブル
  • 裁判になる外壁塗装のトラブルを防ぐための回避策

裁判を起こしても、負けてしまっては無駄な時間と費用を使うだけです。記事を読んで、裁判をするメリットがあるのかを十分に検討しましょう。


1.外壁塗装で裁判を起こして勝てる可能性がある例

外壁塗装に関するトラブルで裁判を起こしても、必ず勝てるとは限りません。過去に似たような事例で勝訴したケースがあったとしても、状況が少し違えば結果が変わることもあります。

以下でご紹介するケースは、あくまで参考としてご覧ください。

1-1.工事中に塗料が隣家や車に飛び、業者が賠償に応じない

外壁塗装の際、風や作業ミスにより隣家や車に塗料が飛んでしまうことがあります。ほとんどの業者は何らかの補償をしてくれるものですが、中には「自社には責任がない」と主張し、支払いを拒否するケースもあるようです。

このような場合、以下のような状況が考えられます。

  1. 養生が不十分だったことで塗料が飛散した
  2. 実際には以前の工事による汚れだった

    前者のように、明らかに今回の工事による不手際で塗料が付着したと判断できる場合は、裁判でも認められる可能性があるでしょう。

    一方で、汚れの原因が今回の工事によるものと断定できない場合、裁判での主張が難しくなることもあります。

    飛散した塗料が今回のものであるかどうかは、色や付着場所、さらには塗料の成分などから推定することができます。必要に応じて、専門の業者に塗料の成分分析を依頼するのもひとつの手です(費用は数十万円ほどかかるでしょう)。

    ただし、もし仮に勝訴したとしても、得られる賠償額が5万円〜10万円程度である場合、裁判にかかる時間や労力を考えると、気持ちがスッキリする以外のメリットはあまり無いと考えられます。

    なお、塗料が飛散した場合は、すぐに補修などせず、必ず写真などで証拠を残しておきましょう。証拠がない状態では、クレーム目的と誤解される可能性もあるため注意が必要です。

    1-2.工期が予定よりも大幅に延びて金銭的な損害が生じた

    契約上の工期を大きく超えて工事が行われ、かつその結果として明確な金銭的損害が発生した場合には、裁判で請求が認められる可能性があります。

    たとえば、下地処理のために外壁が剥き出しのまま長期間放置され、雨や雪の影響で外壁の素材が劣化してしまった場合などが該当します。

    ただし、契約書に「工期が延びる可能性がある」といった記載がある場合や、金銭的な損害を証明するのが難しい場合は、裁判での主張が認められにくくなることもあります。

    契約書に工期や遅延に関する明確な記載がない場合などは、早めに弁護士に相談することをおすすめします。


    2.外壁塗装の裁判で訴えても負ける可能性がある例

    ここでは、外壁塗装に関するトラブルで裁判を起こしたとしても、認められにくい可能性があるケースを紹介します。ただし、これらの事例も状況次第で判断が変わることがありますので、参考程度にご覧ください。

    2-1.隣家の足場から泥棒が侵入した

    たとえば、隣家で塗装工事が行われており、その足場を利用して空き巣が自宅に侵入したようなケースでは、隣家や施工業者に責任を問うのは難しいとされる可能性があります。

    特に、足場が隣家の敷地内で完結しており、業者や隣家に過失がないと認定された場合、裁判でも認められない可能性が高くなります。

    こういったリスクを減らすためにも、隣家に足場が設置されているときは2階の窓もしっかり施錠しておくなど、通常以上に防犯意識を高めることが大切です。

    2-2.口頭で「サービスする」と言っていた工事が請求書では有料になっていた

    「この部分はサービスでやっておきますよ」と言われていたにもかかわらず、最終的に請求書にはその作業費用がしっかりと記載されていた、というケースもあります。

    このような場合、契約書に明記されていないと、裁判では「有料であるのが当然」と判断されることがあります。特に、その工事が一般的には無料ではない場合、商慣習に則って有料が適切だと裁判で判断されかねません。

    工事の内容や費用については、後々のトラブルを避けるためにも、必ず契約書に明記するようにしましょう。


    3.外壁塗装の裁判で、あなたが訴えられてしまう可能性があるケース

    外壁塗装を行う際、状況によってはあなた自身が訴えられてしまう可能性もあります。

    たとえば、DIYで外壁塗装を行った際に、誤って隣家の壁や車などに塗料を付けてしまい、適切な対応や賠償を行わなかったというケースが考えられます。

    このような場合、塗料を飛ばした責任があなたにあると判断されれば、損害賠償責任を問われ、裁判で不利になる可能性もあります。

    一方で、最初から業者に工事を依頼していれば、塗料飛散などのトラブルが発生した場合でも、通常は施工業者がその責任を負います。

    こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、外壁塗装は信頼できる専門業者に依頼するのが安心です。余計なリスクやストレスを避けたい方には、業者への依頼をおすすめします。


    4.第三者機関へ相談する

    業者との交渉が難航した場合は、まずは専門機関へ相談しましょう。

    ここでは相談できる第三者機関を紹介します。

    <住宅住まいるダイヤル>

    「公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が運営する国土交通大臣指定の公的相談窓口です。建築士の資格を持つ相談員が、見積書のチェックや工事の可否判断、契約内容に関する相談に対応します。電話相談は通話料のみで利用でき、弁護士や建築士による対面相談も1時間まで無料です。

    特に重要なのは、中立的な立場からの専門的なアドバイスが受けられる点です。工事の技術的な問題から法的な課題まで、幅広い観点からの助言が期待できます。

    住まいダイヤル|公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター

    <国民生活センター>

    リフォームで問題が発生した場合、「国民生活センター(消費生活センター)」への相談がおすすめです。消費生活全般のトラブルに関する公的な相談窓口で、リフォーム工事の相談も受け付けています。

    各地域に窓口があるため、お住まいの近くの相談窓口を利用できます。電話相談に加え、必要に応じて裁判外紛争解決手続(ADR)も利用可能です。ADRでは、専門家が仲介役となり、業者とのトラブル解決をサポートしてくれます。

    独立行政法人 国民生活センター

    <消費者ホットライン>

    『消費者ホットライン』は、すべての市区町村に消費生活相談窓口が設置されています。悪質商法による被害、訪問販売による事業者との契約トラブルなど、消費生活に関する相談ができます。

    消費者ホットライン


    5.外壁塗装で裁判を回避する対策

    外壁塗装で裁判を起こされるのが嫌だという人は多いでしょう。裁判を回避するために外壁塗装で行うべき対策が2つあります。

    1. 契約内容は細部まで契約書に明記する
    2. 悪徳業者に依頼しない

     上記を守らないと、外壁塗装で裁判を起こそうか悩むことになるでしょう。

    5-1.契約内容は細部まで契約書に明記する

    外壁塗装では、細かい工事まで契約書に明記しておきましょう。工期が延長した場合の支払いはどうなるか、塗料が飛散した場合の賠償責任は誰になるのかなどを契約書で必ず確認してください。

    工事する部位も詳しくチェックすることで、言った言わないという無用なトラブルを避けられます。

    5-2.悪徳業者に依頼しない

    外壁塗装は悪徳業者が多い業界です。このため、トラブルを防ぐためには悪徳業者かどうかを見抜く必要があります。悪徳業者を見抜く対策には以下の3つがあります。

    相見積もりで業者を選定する

    相見積もりとは、2社以上に同じ条件で見積もりを依頼することです。2社で判断できない場合は3社、4社と増やしていくとよいでしょう。相見積もりをすることで各社の価格や工事内容を比較できます。

    見積もりを比較する場合は、以下の2つに注意しましょう。

    1. 他社との価格差がありすぎないか 
    2. 塗装面積は具体的に記載されているか

    他社より安すぎると手抜き工事の可能性が、高すぎると詐欺の可能性があります。また、塗装面積を「一式」と記載するような業者は危険です。 塗装面積は業者にとって売上を決める重要な項目です。優良な会社は塗装面積を平方メートル単位で細かく出してくれます。

    一式で表記する業者は、実際の面積より数量を大きく見積もって自社が損をしないようにしているケースが多いでしょう。

    依頼するあなたからしてみれば損をしやすい業者と言えます。

    訪問営業をしてくる業者は避ける

    自宅に唐突に訪問してくる営業マンは危険です。訪問営業をしている業者は多くがトラブルを招きます。

    なぜなら、優良業者が訪問営業をすることはないからです。優良業者なら広告で宣伝したり紹介で仕事を獲得したりしています。もし仕事が不足したとしても、単価が安い個人住宅よりも法人を相手に営業するでしょう。

    個人住宅を無差別に訪問するような業者は、悪評が立っていて仕事が獲得できない可能性が高いのです。

    悪徳業者は「外壁がボロボロのため、塗装をしないと雨漏りの危険があります」などと言って訪問してくるため、その場で依頼せずに他の業者にも現場調査をしてもらいましょう。

    複数の業者に調べてもらうことで家の本当の劣化状態が判明します。

    「請負業者賠償責任保険」に加入しているかどうか確認

    外壁塗装業者が「請負業者賠償責任保険」に加入しているかを確認しましょう。

    万が一、隣家の車や建物、または依頼主自身の家に損害を与えてしまった場合でも、業者が「請負業者賠償責任保険」に加入していれば、保険から補償されるため、迅速に対応してもらえる可能性が高くなります。
    安心して任せられる業者かどうかを見極めるためにも、契約前に加入の有無を確認しておきましょう。


    6.まとめ

    外壁塗装で裁判を起こす例は少ないです。しかし、トラブルが起こっているのに業者が対応してくれなかったり、隣家の足場から泥棒が侵入したりすれば訴えようと考えることもあるでしょう。

    ただ、外壁塗装で起こるトラブルを事前に把握しておけば、起こりそうな問題を防ぐことが可能です。

    よく起こる住民とのトラブル例や対策を知りたい場合は外壁塗装で起こりやすい5つの近所トラブルと対処法&相談先をチェックしてみましょう。

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