
「トラブルなしで何事もなくリフォームを終えたい」「トラブルにあったけどどうすればいいのかわからない」
このような疑問をお持ちではないでしょうか。
リフォームのトラブルは年々増加しており、リフォームに関する国民生活センターへの問い合わせは年間10,000件を超えています。
というのも、リフォームの過程においてトラブルにつながる場面が多くあることに大半の人が気付いていないため、リフォームのトラブルが多く起こってしまうのです。それは、リフォーム業者ではなく、リフォームを依頼するみなさんも意識しなければトラブルにつながりかねないことが多くあります。つまり、みなさんが意識していけばほとんどのリフォームのトラブルは防いでいけるのです。
そこで、今回はみなさんがトラブルなく平穏にリフォームを終えることができるために、リフォームのトラブルに絶対にあわない予防法を取り上げました。それに伴い、リフォームのトラブルの事例、それにつながる原因と予防法をお伝えします。
また、もうトラブルにあってしまった方もいらっしゃると思います。その方は対処法を5章で説明していますのでそちらのみお読みください。
この記事をお読みいただければ、「リフォームトラブルにあわないために何をしていくべきか?、もしくはトラブルにあった際に何をしていくべきか?」が理解できます!
目次
1.リフォームのトラブルは何が原因で起きる?
リフォームのトラブルはどのような原因で起きてしまうのでしょう。大きく次の3つの原因に分けられます。
それでは、それぞれの解説と予防法について説明していきます。
2.「依頼主と業者のコミュニケーション不足」によるトラブル事例と詳細原因、予防法
2-1.「依頼主と業者のコミュニケーション不足」によるトラブル事例
実際、「依頼主と業者のコミュニケーション不足」によって引き起こされたトラブルにはどのようなものがあったのでしょう。そのトラブルをいくつか見ていきます。
- 完成を楽しみにしていたが、予想していたイメージと全然違うデザインに仕上がってて非常にがっかりした
- リフォ―ム業者から急に工期を延長すると言われ、生活に困った
- リフォーム施工中に口約束で「サービスしておきます」と言われたにも関わらず、支払い時に見積書より多くの金額を請求された
- 「設備はこっちに変えてほしいと言ったはず」と主張するも、リフォーム業者は「聞いていません」の一点張りでもめた
- 引き渡し後に不具合が発見されたにも関わらず、修繕するなら追加費用がかかると言われた
このように業者側と依頼主側の間でコミュニケーションが不足していることでトラブルにつながっていきます。では、なぜこのようなトラブルは起きてしまうのでしょう。それにつながる背景を含めたより詳しい原因を説明していきます。
2-2.「依頼主と業者のコミュニケーション不足」によるトラブルの詳細原因
施工を依頼するみなさんと施工する業者との間でコミュニケーションが不足していることによって起こるトラブルは多くあります。なぜなら、みなさんと施工業者の間で様々な勘違いや思い込みが発生してしまうからです。この勘違いや思い込みというのは、みなさんとリフォーム業者の間でイメージの一致ができていない、決めたことを記録せず口約束で済ませたなどが根本となってトラブルにつながっていきます。
2-3.「依頼主と業者のコミュニケーション不足」によるトラブルの予防法
依頼主と業者のコミュニケーション不足によるトラブルにならないための予防法は次の通りです。
これらの予防法について詳しく説明していきます。
■業者とイメージを一致させる(打ち合わせ時)
業者とイメージを一致させることはコミュニケーション不足をなくすために非常に重要です。なぜなら、みなさまのイメージの要望は伝えにくいからです。口ではうまく伝えたつもりなのにリフォーム業者の頭には別のイメージがあったということが多く、お互いのイメージが食い違ったまま施工されてしまいます。業者とのイメージを一致させるうえで次の4つのことを実行することをお勧めします。
4つのすべきことについて詳しく説明していきます。
□スクラップブックを作り、打ち合わせ時に担当者に見せる
雑誌やカタログから自分のイメージに近い写真を切り抜いてまとめるスクラップブック。そのスクラップブックを使って、理想のリフォーム像を担当者にプレゼンするような形で伝えることでイメージを一致させやすくなります。なぜなら、みなさんのイメージを伝えるには担当者の視覚と聴覚の両方に訴えることが最も効果的だからです。そのため、スクラップブックの製作をおすすめします。
□ショールームの訪問
ショールームに行って製品を選ぶことでみなさん自身、さらにはリフォ―ム業者とのイメージの違いをなくすことができます。なぜなら、実際の製品を見ることや触ることで大きさや機能を身をもって体験することができるからです。また、専門の係員に質問することができ、わからないことをなくすこともできます。
リフォーム業者とのイメージの一致以前に、設備が搬入されてからの「こんなものだった?」という自分の中のイメージの違いを防ぐ点で有効になってきます。また、リフォーム業者と一緒に訪れることで両者のイメージの違いをなくすことにもつながります。
□過去の施工事例を見せてもらう
過去の施工事例を見ることでもイメージの違いの解消につながります。なぜなら、リフォーム業者にはそれぞれデザインの癖があり、みなさんのイメージと異なるテイストをもつリフォーム業者ではイメージ通りの施工ができないからです。みなさんの好むデザインがそのリフォーム業者でできるか判断し、イメージの違うリフォームをしないようにする点で効果的です。
□3D図(パース図)を作ってもらう
リフォーム後の実際の形をCGによって提案してもらう3D図(パース図)。将来の自宅の姿を明確に把握することができ設計図だけではわからないこともイメージをつかむことができます。なぜなら、平面空間でなく立体空間まで再現させてあるため、みなさんの将来の自宅の姿を明確に把握することができるからです。そのため、3D図(パース図)もイメージを一致させる上で効果的です。
■打ち合わせシートの作成を打ち合わせごとに依頼する(打ち合わせ時)
決めた内容を口約束ではなく、書面に記録していくことも大切になってきます。なぜなら、決めた内容を記載しておくことで、一方がその内容を忘れていたとしても、証明するものがあるためトラブルにつながらないからです。そういう意味でも打ち合わせ時の内容を記録するために「打ち合わせシート」の作成を依頼することは効果的になってきます。
リフォームの大小によるものの、打ち合わせの回数は多くあります。そのため、打ち合わせした内容すべてを事細かに記録する必要はありません。打ち合わせシートには一度決めた内容からの変更事項や追加事項だけを記録しておくといいでしょう。注意すべき点は、いくら作成してもらっても、決められたことがきちんと書かれてなければ意味がないことです。そこで、最低限次のようなことが記載されているか確認してください。
■工事請負契約書の作成を依頼する(契約時)
先ほどの「打ち合わせシート」と同様、決めた内容を証明するうえで書面に記録しておくことは大切です。
契約時においては、いい加減なリフォーム業者や価格が小さなリフォームの場合は契約書が作られないままリフォームを始めてしまうことがあります。それを防ぐためにも、リフォーム日程や請負代金、支払期日等が記載された「工事請負契約書」の作成を確認し、それに目を通しておいてください。また、契約書を受け取っただけではコミュニケーション不足によるトラブルが起こる可能性があります。リフォーム業者によって書式はことなるものの、最低限次のことが記載されているかを確認してください。
また、工事請負契約書だけでなく、そこに添付される見積書にもきちんと目を通しておく必要があります。なぜなら、詳細な費用は見積書に記載されており、万が一トラブルが起こった際に費用に関する契約面で有効な書類となるためです。見積書では、最低限このような項目があるか、その項目にあわせてきちんと記載されているかを確認してください。
■違約金の取り決めを行う(契約時)
工事請負契約書とともに、契約時に違約金の取り決めをしておくことは大切です。なぜなら、予定通りに工事が終わらなかった際にリフォーム業者の不手際にもかかわらず、みなさんの出費が増えるのを防ぐことでトラブルにつながらないようにするためです。
予定完了日より遅れると、仮住まいの期間が長引いて無駄な費用がかかる、余計なストレスがかかるなどでトラブルにつながりやすいものです。それにさらに出費がかさむと分かればトラブルにつながる可能性が非常に高くなります。そのような意味でも違約金の取り決めを行っておくことは大切です。
取り決めの際には、
- 契約書に着工日と竣工日(建築工事が完了した日)を
- 契約約款に遅れた場合の違約金の取り決めを
明記されているか確認してください。着工日と竣工日が記載されていないと実際に遅れたかが不明確になり、違約金が支払われないため注意が必要です。
■工事契約変更合意書を内容変更ごとに作成を依頼する(施工中)
先ほども説明しましたが、変更が決まった内容を書面に記録していくことは変更内容が明確になり、トラブルを避けるうえで大切です。
リフォーム施工中にも工事内容の変更は起こります。施工中は慌ただしいため、変更内容が正しく伝達されずそこからトラブルにつながるケースが後を絶ちません。それらを防ぐために当初の施工内容から変更がある場合は「工事内容変更合