ベランダ(バルコニー)をサンルームにする費用と注意点!後付けやDIYも可能?

「天候や花粉を気にせず、いつでも洗濯物を干したい」
「ペットや子供が安心して遊べるスペースがもう一部屋ほしい」
「趣味のガーデニングができる空間が欲しい」

このような希望を叶える方法として、ベランダやバルコニーのスペースを有効活用する「サンルームリフォーム」があります。

サンルームは、屋根と壁をガラス張りにした部屋のことで、日光をたっぷりと取り込める開放的な空間です。

この記事では、ベランダへのサンルーム設置を検討している方のために、設置にかかる費用相場と安く抑えるコツ、法律や税金など事前に知っておくべき注意点、実際のリフォーム事例などを専門家の視点から分かりやすく解説していきます。

目次


1.既存のベランダをサンルームにできる?

現在あるベランダを、サンルームにリフォームすることは可能です。
ただし、ベランダが「造り付け」か「後付け」かによって、工事の方法や費用が異なります。

1-1.【造り付けのベランダ】ガラス囲いを後付けで設置してサンルームに

住宅の建設時に建物と一体で造られた「造り付け」のベランダの場合、既存の床や壁を活かしてガラス囲いを後付けし、サンルームにリフォームするのが一般的です。

ベランダの形状によって、設置できるタイプは主に以下の3つです。

  • ベランダの床に設置するタイプ
    ベランダの床の上に直接柱を立て、既製品のサンルームユニット(テラス囲い)を設置する方法です。多くのベランダに対応しやすいのが特徴です。
  • 躯体に固定するタイプ
    ベランダの腰壁(手すり壁)を利用し、その上に屋根とガラス囲いを取り付ける方法です。床から設置するタイプよりもスッキリとした見た目になります。
  • サッシを取り付けるタイプ
    ベランダの上に既に屋根が伸びている場合、その側面と前面にサッシ(窓)を取り付けて室内化する方法で、最も簡易的な工事で済みます。

どのタイプが最適かは、ベランダの広さや形状、壁の状態によって変わるため、専門家による現地調査が必要です。

1-2.【後付けのベランダ】解体してサンルームを新たに設置

アルミ製などで建物本体の外壁に取り付けられた「後付け」のベランダは、多くの場合、サンルームの重量を支える強度を持っていません。
そのため、一度既存のベランダを解体・撤去し、サンルームとして設計された製品を新たに設置する必要があります。

この方法は、既存ベランダの解体工事や、サンルームを支えるための基礎工事、支柱の新設などが必要になるため、「造り付け」のベランダに後付けするケースに比べて費用が高くなり、工期も長くなる傾向があります。


2.ベランダをサンルームにリフォームする費用相場

ベランダをサンルームにリフォームする際の費用は、工事の方法やサンルームの大きさ、追加するオプションによって大きく変動します。

4畳以下の比較的コンパクトなベランダを、ガラスやポリカーボネートパネルで囲ってサンルームにする場合の費用は、30〜55万円が目安です。

一方、既存のベランダを撤去して新たにサンルームを設置する場合は、解体費や基礎工事費が加わるため、45〜100万円程度が相場となります。

【サンルームリフォームの費用相場】

リフォーム内容 費用相場 工期(目安)
既存ベランダ(バルコニー)に後付け 30〜55万円 1~3日
既存ベランダを解体し、サンルームを新設 45~100万円 4~5日

既製品のサンルームは、大きさ(サイズ)によって価格が大きく変わります。以下は、サイズ別の費用相場です。

【サイズ別:既製品サンルームの費用相場】

幅 × 奥行 畳数の目安 費用相場
1.5間 × 3尺 1.5畳 45~60万円
1.5間 × 6尺 3畳 60~80万円
2間 × 3尺 2畳 50~70万円
2間 × 6尺 4畳 80~100万円

※ 1間(けん)=約1.8m、1尺(しゃく)=約0.3m

オプション工事で追加できる機能と費用相場

サンルームをより快適で便利な空間にするために、様々なオプションを追加が可能です。
代表的なオプション工事を下記に整理しましたので、用途に合わせて必要なものを選びましょう。

オプション工事 費用相場(目安)
物干し金物の設置 1~3万円
換気扇の設置 1~3万円
照明、コンセントの設置 3~5万円
日よけ(シェード)の設置 5~10万円
床材の変更(ウッドデッキ、フローリング、タイルなど) 5~20万円
遮熱・断熱性の高いガラスや屋根材への変更 5~20万円

3.後悔しないために!ベランダにサンルームを設置する際の注意点

サンルームの設置は、単なる設備の追加とは異なり法律や建物の構造に関わる専門的な知識が必要です。思わぬトラブルを避けるために、以下の点に注意しましょう。

3-1.サンルーム・テラス囲い・ガーデンルームの法令上の違い

一般的に、ガラスなどで「囲われた空間」を総称してサンルームと呼ぶことが多いですが、建築基準法上では仕様や用途によって扱いが異なる場合があります。

種類 用途の例 建築基準法上の扱い
サンルーム セカンドリビング
カフェスペース
居室
テラス囲い 洗濯物干し
収納
非居室
ガーデンルーム ガーデニング 非居室

例えば、リビングの一部として利用するようなサンルームは、人が生活する空間とみなされ、建築基準法上の「居室」となる可能性があります。
その場合は、採光や換気に関する厳しい規定が適用される場合があり、リフォームにあたっては慎重な検討が必要になります。

一方、洗濯物干しを主な目的とする簡易的な「テラス囲い」は、「非居室」扱いとなることが多く、規定が緩やかになります。
この分類は、後述する「建築確認申請」が必要かどうかの判断にも関わってくるため、リフォーム会社と相談しながら、希望する用途に応じて慎重に検討する必要があります。

3-2.サンルームは「増築」扱いになる?建築確認申請が必要なケース

屋根があり、三方を壁やガラスで囲まれたサンルームは、原則として建築基準法上の「増築」にあたります。
そのため、以下のケースでは、工事を始める前に「建築確認申請」を提出し、許可を得る必要があります。

  • 防火地域・準防火地域に家が建っている場合
  • 増築するサンルームの面積が10㎡(約6畳)を超える場合

また、敷地に対して建てられる建物の面積には、「建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)」と「容積率(敷地面積に対する延床面積の割合)」という制限があります。
サンルームの増築もこの面積に含まれるため、設置によって規定の割合を超えてしまうと違法建築となってしまうため、注意が必要です。

建築確認申請は専門的な知識が必要なため、通常はリフォーム会社が代行してくれます。経験豊富な会社に依頼しましょう。

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3-3.固定資産税は上がる?課税対象となる条件

前述の通り、「居室」とみなされるサンルームは、固定資産税の課税対象となる可能性があります。課税対象となる条件は、一般的に以下の通りです。

  • 屋根があり、三方以上が壁やガラスで囲まれている
  • 基礎などで土地に固定されている
  • 居住、作業、娯楽などの目的で利用できる

増える税額は建物の評価額や地域によって異なりますが、年間で数千円から1万円程度が目安です。

3-4.2階ベランダに設置する場合の耐荷重

2階のベランダは、元々サンルームのような重量物を設置することを想定して設計されていない場合があります。
サンルーム本体の重量に加えて、積雪の重みなども考慮する必要があるため、設置前には専門家による耐荷重の診断が必須です。

万が一、耐荷重が不足している場合は、補強工事を行うか、より軽量な製品を選ぶ必要があります。

3-5.積雪・強風への耐久性は大丈夫か

お住まいの地域の気候に合わせて、十分な強度を持つ製品を選ぶことも非常に重要です。
特に、積雪地域や台風が多い地域では、耐積雪量や耐風圧強度が高いモデルを選ぶことが安心に繋がります。

これらの性能はメーカーのカタログなどに「積雪~cm相当」「風速〜m/s相当」のように記載されているので、リフォーム会社と相談しながら必ず確認しましょう。


4.ベランダのサンルームリフォーム施工事例

実際にベランダをサンルームにリフォームした事例を3つご紹介します

事例1:突然の雨でも安心!バルコニーにサンルームを設置

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新築から20年経った住宅のバルコニーを、サンルームへとリフォームした事例です。
リフォーム前は屋根がなかったため、床材の劣化がとても進んでいました。

そこで、リフォームを機に紫外線や雨風を防ぐためにテラス囲いの方法でサンルームを設置。
紫外線や赤外線を通しにくいサンルーム『晴れもようⅢ(三協アルミ)』を採用し、二重サッシやカーテンを取り付けて、断熱性も向上しています。

費用 159万円(床材の修繕、二重窓工事も含む)
工期 2週間
施工面積 14.8㎡
築年数 20年

出典:山商リフォームサービス

事例2:安全性を考慮しバルコニーを交換

※横にスクロールできます

外壁塗装に合わせて老朽化し腐食したバルコニーの架け替えを行いました。既存バルコニーを撤去し、新しいバルコニーとテラス屋根を設置することで、急な雨にも対応できるようになりました。

費用 127万円(屋根板金工事、電気工事、衛生設備工事も含む)
工期 1.5ヶ月
施工面積
築年数 12年

出典:山商リフォームサービス

事例3:エクステリア3点同時リフォーム

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老朽化した木製ウッドデッキとバルコニーを、メンテナンス性に優れた樹脂製ウッドデッキとアルミ製バルコニーに交換し、テラス屋根も設置した事例です。雨にも対応できる仕様になり、安全で快適な空間が実現しました。

費用 170万円(ウッドデッキ工事も含む)
工期 1週間
施工面積
築年数 10年

出典:山商リフォームサービス


5.ベランダのサンルームリフォームに関するよくある質問

ここでは、ベランダ(バルコニー)をサンルーム化するリフォームを検討する際によくある疑問点について解説します。

Q. マンションのベランダにもサンルームは設置できる?

A.原則として設置は難しいとお考え下さい。

マンションのベランダやバルコニーは、個人の所有物ではなく「共用部分」にあたります。そのため、個人の判断でリフォームすることはできません。

また、ベランダは火災時などの避難経路として定められていることが多く、安全上の観点からも、サンルームのような障害物の設置が認められないケースがほとんどです。
まずは管理規約をよく確認し、必ず管理組合に問い合わせて許可を得る必要があります。

Q. 戸建てならベランダへのサンルーム後付けは可能?

A. ほとんどの戸建てで後付けは可能です。

現在のベランダの形状や外壁の状態に合わせて、様々なタイプの製品から最適なものを選べます。
ただし、建物の強度や構造、ベランダの劣化状態によっては、設置が難しい場合や補強工事が必要になるケースもあります。

Q. 3階のベランダにサンルームを設置できる?

A. 3階への設置はできません。

3階部分は1階や2階に比べて風が非常に強く、サンルームが破損・飛散する危険性が高いため、メーカーの既製品は1階または2階への設置を前提としています。
万が一、規格外の工事で設置してくれる業者があったとしても、メーカー保証の対象外となり、非常に危険です。

Q. サンルームはDIYでも設置できる?

A. 専門的な知識と技術が必要なため、DIYはおすすめできません。

サンルームのDIY設置は推奨されません。強度計算不足による倒壊・破損、防水処理の不備による雨漏り、建築確認申請の怠りによる違法建築など、重大なリスクが伴います。

また、自己責任となるため、施工不良や製品の不具合に対する保証も受けられません。
大切な住まいと家族の安全のためにも、専門知識と技術を持つプロの業者に依頼することが不可欠です。

Q. サンルーム内の夏の暑さ・冬の寒さ対策は?

A. 遮熱・断熱効果のある屋根材やガラスを選ぶことが最も効果的です。

その他、換気扇や窓を設置して風通しを良くする、日よけ(シェード)を取り付けるといった対策が有効です。
リフォーム会社と相談し、ご自宅の環境やサンルームの用途に合った対策を取り入れましょう。

Q. ベランダをサンルームにする際、エアコンの室外機はどうする?

A. 移設が必要です。

エアコンの稼働中は室外機から冷風や温風が排出されるため、置いたままにするとサンルーム内にその空気が充満し、夏はより暑く、冬はより寒くなってしまいます。
リフォーム会社によって室外機の移設対応の可否や費用が異なるため、見積もりの段階で事前に確認しておきましょう。


6.まとめ

ベランダへのサンルーム設置は、日常の家事である物干しを便利にするだけでなく、趣味や憩いの場として、暮らしに新たな価値を生み出してくれる魅力的なリフォームです。

一方で、快適な空間にするためには、暑さ・寒さ対策や、ご自身の使い方に合ったオプションの選択が重要になります。
また、建物の強度や法律が関わる専門的な工事であるため、信頼できるリフォーム会社に依頼することが成功の絶対条件です。

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