
日々の生活を送るなかで、屋外から聞こえる騒音や、自分たちが日常的に立ててしまう『生活音』が気になる方も多いのではないでしょうか。
とくに、子どもの声やテレビの音などが思った以上に響き、近隣住宅に迷惑をかけていないかと考えたことがある方も多いはず。
そんな悩みの解消に役立つのが、防音リフォームです。
生活音を抑える程度なら15万円〜20万円程度で工事できるので、家計に大きな負担をかけず、快適な住環境に整えられます。
そこで本記事では悩み別の防音リフォームの方法や、費用について解説します。
DIYの方法や補助金の説明もしますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.3つの悩み別|防音リフォームの内容・費用
『防音リフォーム』と聞くと、部屋全体を大がかりに防音するイメージがありますが、実際には、悩みや目的に合わせたいろいろな方法があり、費用も大きく変わってきます。
まずは、防音の目的ごとに必要な対策と費用の目安を見てみましょう。
| 悩み | 費用目安 |
|---|---|
| 外からの騒音・外への生活音の漏れを防ぎたい | 5万円~300万円 |
| 室内の気になる生活音を防ぎたい | 10万円~80万円 |
| 楽器の演奏や映画鑑賞の音漏れを防ぎたい | 50万円~400万円 |
表を見てわかるように、防ぎたい音の種類や方法によって、費用が大きく変わります。
以下に悩み別の防音対策と費用を説明しますので、自分たちの悩みに一番近い対策はどれかをイメージしてみてください。
1-1.外からの騒音・外への生活音の漏れを防ぎたい

家の外から聞こえる話し声や、電車や車の騒音、自宅から外へと漏れ出る生活音。
これらの多くは窓と壁から侵入します。
そのため、内外部音を防ぎたいなら、壁と窓の防音が不可欠です。
それぞれの方法と費用を見てみましょう。
1-1-1.壁の防音リフォーム・費用
外から入ってくる音を軽減したいときには、外壁をリフォームして遮音性を高める方法があります。
費用目安は以下のとおりです。
| 防音方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 外壁全体に防音効果がある塗料を塗る | 100万〜 |
| 断熱性が高い外壁材をカバー工法で施工する | 150万円~200万円 |
| 断熱性が高い外壁材に張り替える | 200万円~300万円 |
| 防音換気口にする | 2万円~5万円 |
防音効果を高めるためには、遮音性・断熱性が高い外壁材を選ぶのが基本です。
ALCパネルや金属系サイディング、モルタルなどが選択肢に挙がります。
ただし、外壁リフォームは施工面積が広いので、どの方法を選んでも費用は100万円を超えることがほとんど。その分効果も実感しやすいですが、1部屋だけを防音室にしたいときは、室内側で別の方法を検討したほうが費用対効果がよいケースもあります。
また、防音換気口については、
- 屋外キャップのみの交換
- キャップ交換+室内側の換気口本体の交換
- ダクト内部の吸音材の入れ替え
などの方法があり、それぞれ以下のように費用が異なります。
| 防音方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 屋外キャップのみ | 約7,000円 |
| 屋外キャップ+屋内換気口 | 約14,000円 |
| 防音パイプ | 約1,500円 |
本体価格は上記のとおりですが、施工費用をあわせると2万円〜5万円が目安となります。
予算や既存の換気口の種類や状態に合わせて、最適な方法を選びましょう。
以下の記事では外壁リフォームの費用について、詳しく解説しています。


1-1-2.窓の防音リフォーム・費用
窓からの音の侵入と漏れを防ぐためには、隙間をなくして気密性を高めることが不可欠。
とくに効果が高いのは、内窓の設置と防音ガラスへの交換です。
- 内窓の設置:既存窓との間にできる空気層が音を吸収する
- 防音ガラスへの交換:複層ガラスの中間膜が音の振動を抑える
どちらも防音効果だけではなく断熱効果も高いので、「冬に結露する」「部屋が寒い」などの悩みがあるときにも有効です。
費用目安を見てみましょう。
| 防音方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 内窓を取り付ける(二重窓) | 8万円~15万円/1か所 |
| 防音ガラス(複層ガラス)に取り換える | 5万円~15万円/1か所 |
内窓の設置や防音ガラスへの交換は、犬の鳴き声や子どもの声、生活音など高音の対策に効果的です。
ただし、スピーカーで重低音の音楽を楽しみたいときには、気密性が高い樹脂サッシを選ぶなど、素材にもこだわりましょう。
【マンションでできるのは内窓の設置のみ!】
マンションでは管理規約によって、窓やサッシの交換が禁止されていることがほとんど。
窓の防音リフォームを行うときには、内窓の設置になると考えておきましょう。
内窓の設置について、詳しくは以下の記事でも解説しています。


1-2.室内の気になる生活音を防ぎたい

外から入ってくる音だけではなく、家族の足音や生活音、子どもの声など室内で発生する音も日々のプチストレスにつながります。
こうした「家の中の音」を軽減するために効果的なのが、ドア・床・壁の3つの防音対策です。
1-2-1.室内ドアの防音リフォーム・費用
室内で音が伝わりやすい原因の多くは、ドアの気密性の低さにあります。
一般的な室内ドアは隙間が多く生活音が漏れやすいので、隙間ができにくい防音仕様のドアに変更するのが効果的です。
| 防音方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 室内のドアを防音ドアに交換する | 10万円〜35万円/1か所 |
比較的リーズナブルな商品なら10万円前後で交換できますが、より遮音性能が高いドアになると35万円近くかかることも。
さらに周辺の壁紙の張り替えが必要になると、費用は高くなっていきます。
1-2-2.床の防音リフォーム・費用
床から伝わる音は、音の種類によって対策が異なります。
- 重量衝撃音(子どもが走り回る音、飛び跳ねる音など)
→吸音材を敷く、または防音フローリングへの張り替え - 軽量衝撃音(スリッパで歩く音、軽くて小さな物を落としたときの音など)
→遮音マットやカーペットの敷き込み
それぞれの費用目安を見てみましょう。
| 防音方法 | 費用目安(6畳) |
|---|---|
| 吸音材を敷き詰める | 35万円~80万円 |
| 防音フローリングへの張り替え | 30万円~ |
| 遮音マットを敷く | 30万円~60万円 |
| 遮音カーペットの敷き込み | 4.5万円~12万円 |
子どもが走り回ったり飛び跳ねたりしたときの強い重量衝撃音には、防音だけではなく『防振』も求められます。
その点も加味して、方法を選ぶのがポイントです。
しっかりとした対策が必要なときには、床スラブの上に支持脚を立てて新しい床をつくり、厚みを持たせる二重床(置き床)が効果的。
下に防音材・遮音材を敷けば、より高い防音性が期待できます。
ただしとても大規模な工事になりやすく、住まいの構造や床下状況によって金額が大きく変わるため、明確な相場はありません。
リフォーム会社に相談して、見積もりを取るのが確実です。
【マンションでは管理規約に要注意!】
マンションでは多くの場合、遮音規定(L値等)を満たす床材への交換が求められます。
さらに事前に管理組合への申請や、下の階や隣の住人からの了承が必要なケースもあります。事前に管理規約に目を通し、ルールに沿った方法を検討しましょう。
こちらの記事では、マンションの床リフォームについて詳しく解説しています。


1-2-3.室内壁の防音リフォーム・費用
隣の部屋から聞こえてくる生活音を軽減したいときには、壁の防音リフォームが効果的です。
まずは、方法と費用目安を見てみましょう。
| 防音方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 遮音シートを貼る | 10万円~20万円 |
| 吸音材を充填する | 15万円~35万円 |
| 二重壁にする | 30万円~60万円 |
もっとも手軽なのは、遮音シートを使って音を伝わりにくくする方法です。簡単かつ安価でありながらも、効果を実感しやすいので人気です。
音の反響を抑えたいときには、壁内部に吸音材を充填する方法もあります。グラスウールやロックウールなどを壁内に充填したり、吸音パネルを壁面に取り付けたりして、音響環境を改善します。
より防音効果を実感したいときには、二重壁がおすすめです。
既存壁の上に新たな壁をつくり、間に空気層と吸音材を設けることで音を遮断・吸収して防音効果を高めます。
ただし、費用が高額になりやすく、壁の厚みが増えることで部屋が狭くなってしまう点がデメリットです。
【費用対効果を重視するなら、壁一面だけを防音する方法も】
費用目安を見てわかるように、壁の防音リフォームは高額になりやすく、施工面積が増えるほど費用も高くなっていきます。
費用を抑えたいなら、防音したい壁(隣の部屋に面している部分)だけに防音材を入れるなど、施工箇所を絞るのがポイントです。
1-3.楽器の演奏や映画鑑賞の音漏れを防ぎたい

楽器の演奏や映画鑑賞の音は、一般的な生活音よりも音量が大きく音域も広いので、部屋全体の防音リフォームが必要になります。
とくにドラムやピアノ、スピーカーの低音や振動は壁や床を伝って隣家まで響く可能性があるため、トラブルを防ぐためには、遮音・吸音・防振を組み合わせての対策が不可欠です。
まずは、防音室にするときの費用目安を見てみましょう。
| 防音方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 防音室にする | 170万円~760万円 |
| 組み立て式の防音ボックスを設置する | 50万円~250万円 |
部屋全体を防音室にリフォームする場合、防ぎたい音(Dr値)が大きくなるほど費用も高くなります。
以下に楽器ごとの防音室リフォームの費用をまとめました。
| 防音したい音 | 防音室の広さ | ||
|---|---|---|---|
| 4.5畳 | 6畳 | 8畳 | |
| ピアノ・ボーカル・木管楽器 (Dr-50以上) |
170~330万円 | 190~360万円 | 230~390万円 |
| エレキギター・金管楽器 (Dr-55以上) |
180~380万円 | 200~410万円 | 300~430万円 |
| ドラム (Dr-60以上) |
220~450万円 | 230~680万円 | 400~760万円 |
※表内の遮音性能(Dr値)は戸建ての場合の数値です。
また、木造住宅の方が音が伝わりやすいため、鉄骨造に比べて防音リフォームの費用は高くなります。
さらに、わずかな音漏れでも苦情につながりやすい集合住宅では、戸建てよりも高い防音性能を求められる傾向にあります。その分費用もかかりますので、集合住宅にお住まいで防音リフォームを考えている場合は予め注意しておきましょう。
部分的な設置でコンパクトにはなりますが、移設ができるので引っ越しや不要になった際の撤去も可能です。
以下の記事では、防音室リフォームについて詳しく解説しています。


2.DIYで手軽にできる防音リフォームは?

まずは自分ができる範囲で防音対策を試してみたいときや、費用をできるだけ抑えたいときには、DIYで簡易的な方法からはじめてみてもいいかもしれません。
方法と費用目安は以下のとおりです。
| 防音方法 | 費用目安 |
|---|---|
| 床に防音カーペットを敷く | 1万円~6万円 |
| 防音・遮音カーテンに取り換える | 1万円~ |
| 壁に防音パネルを取り付ける(壁一面) | 10万円~20万円 |
| 気密テープで隙間を埋める | 500円~ |
| 換気口内に防音パイプを詰める | 500円~1,000円 |
DIYなら施工費がかからないため、業者に依頼するよりも大きく費用を抑えられます。
上記のなかでも効果を実感しやすいのは、
- 防音カーペットの敷き込み
- 遮音カーテンへの取り換え
- 防音パネルの設置
の3つの方法です。
生活音が気になる程度であれば、まずこれらの方法から試してみるのもよいでしょう。
ただし、1章で紹介したような方法を希望するなら、リフォーム会社への依頼が安心です。
3.防音リフォームで使える補助金はある?
リフォームにはさまざまな補助金制度がありますが、防音目的だけでは対象外となるケースがほとんどです。
ただし、住宅の省エネ性や断熱性を高める工事とセットで行えば、次のような補助金制度を利用できる可能性があります。
- 国の省エネ補助金
- 各自治体や地域独自の補助・助成制度
国の省エネ補助金は補助額が多く、対象工事の範囲が広いのが特徴です。
ただし、年度ごとに対象工事や補助額も変わるので、必ず最新情報をチェックしましょう。
また、地域は限られますが、騒音区域内では自治体が独自に防音工事に対する補助金制度を用意しているケースもあります。
たとえば千葉県成田市では、成田国際空港周辺の一定の騒音区域内の家が防音工事を行った場合に、その費用の一部または全額が補助されます。
参考:成田市『民家防音工事補助制度』
防音リフォームで利用できる補助金について詳しく解説した記事がありますので、ぜひこちらも参考にしてください。


4.防音リフォームは住みながらできる?
防音リフォームの多くは、住みながらの工事が可能です。
防音室化する部屋は一時的に使えなくなりますが、個室単体の工事なら、生活に大きな支障が出る心配はありません。
工事方法別の工期は以下のとおりです。
| 防音方法 | 工期 | |
|---|---|---|
| 外壁の防音リフォーム | 塗装 | 10日~2週間 |
| カバー工法 | 2週間~3週間 | |
| 張り替え | 約1か月 | |
| 窓の防音リフォーム | 内窓の設置 | 半日~1日 |
| ガラスの交換 | ||
| 室内ドアの防音リフォーム | 1日 | |
| 床の防音リフォーム | カーペットの敷き込み | |
| フローリングの張り替え | ||
| 室内壁の防音リフォーム | 遮音シート | 1日~2日 |
| 二重壁 | 3日~5日 | |
| 吸音材充填 | 2日~3日 | |
| 防音室 | 部屋全体を防音室化 | 1週間~2週間 |
| 防音ボックスの設置 | 半日~1日 | |
短ければ半日、長ければ1か月におよぶ工事になり、その間は職人の出入りがあります。
また、床や壁の施工では一時的に家具の移動が必要になるケースが多いので、工事期間中に家具を置いておくスペースの確保も必要です。
さらに、壁や床を解体しての工事では粉塵やホコリが舞うため、空気清浄機を稼働させる・作業中は極力部屋から出ないなどの対策まで考えておきましょう。
5.防音リフォームで失敗しないために注意したいポイント
防音リフォームの効果は、仕上がりを見ただけでは防音効果が判断できません。
そのため、実際に使ってみて「高額な費用をかけたのに、思ったほど効果がなかった」と後悔してしまうケースもあります。
防音リフォームで失敗しないためにも、次のようなポイントを意識しましょう。
5-1.マンションで防音リフォームできるのは専有部分のみ
マンションでリフォームができるのは、基本的に専有部分(室内)のみです。
そのため「1-1-2.窓の防音リフォーム・費用」で説明したように、マンションでは管理規約によって窓やサッシの交換は禁止されているケースがほとんど。
フローリングの張り替えについても、「1-2-2.床の防音リフォーム・費用」で述べたとおり、マンションの遮音規定を満たす必要があります。
5-2.ハウスメーカーの紹介は割高になってしまうことも
注文住宅での困りごとやリフォームは、家を建てたハウスメーカーに相談しようと考える方が多いのですが、ハウスメーカー経由は割高になる可能性があります。
理由は、防音リフォームはハウスメーカーが自社施工することなく、下請けのリフォーム会社への外注になるケースがほとんどだからです。
中間マージンが上乗せされるため、どうしても割高になってしまいます。
そのため、防音対策を目的としたリフォームなら、はじめからリフォーム会社に相談するのがおすすめです。
5-3.最適な防音リフォームは自宅によって違うことを理解する
「外から入ってくる音が気になる」「生活音が漏れていないか心配」など、悩みは同じでも、最適なリフォームの方法は建物の構造や状態、周辺環境によって変わってきます。
それらを把握せず「なんとなく」で工事箇所を自己判断してしまうと、十分な効果が得られないまま費用だけがかかってしまう恐れがあります。
自宅に合う方法で工事を行うためには、リフォーム会社の現地調査を受け、見積もりを取りましょう。
5-4.防音リフォームに詳しい会社を選ぶ
防音リフォームにはさまざまな方法があるため、防音の目的や住宅の状態、周辺環境を踏まえた提案が欠かせません。また、防音性能を高めるうえで重要な気密性は、職人の技術力によって仕上がりが大きく変わるポイントでもあります。
効果をしっかりと実感できるリフォームを行うためには、防音リフォームの実績が豊富で、専門知識と技術力も高い会社への相談することが重要です。
6.まとめ
記事内でも説明してきたように、ひとくちに「防音リフォーム」といっても、その方法や費用は目的によってさまざまです。
まずは「どこから音が漏れ(入っ)て」「どんな音が気になるのか」を整理したうえで、適した対策を把握しておきましょう。
ただし、最終的な工事内容を判断する際には、リフォーム会社による現地調査と、複数社での相見積もりが欠かせません。
最低でも2~3社には相談できるように、まずは地域のリフォーム会社を探しましょう。
会社探しでお困りの際には、ぜひ『リフォームガイド』をご活用ください。
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