「夜中に響くクラクションの音」「隣の家からいつも聞こえるピアノの音」いつまで我慢できますか?
「思いっきり好きな音楽を楽しみたいけどご近所に迷惑かな…」 「夜中に子供の泣き声が響いてるかも」 「マンションだから足音が気になって子供の友達を呼べない」ずっと心配しながら生活するのは疲れませんか?
近隣の生活音は一度意識すると、ずっと気になってしまいます。また、お子さんのいるご家庭は足音や泣き声などが周囲の迷惑になっていないか特に心配だと思います。
防音リフォームをして、近隣の生活音に悩まされたり、ご家庭の生活音を心配したりせずに毎日を過ごしませんか?
こちらでは目的にあった防音リフォームの費用について分かりやすく解説します。防音リフォームで音に悩まされない快適な生活を始めましょう。
目次
1.目的によって防音リフォームの方法や費用は変わる!
防音のためのリフォーム工事は、防音の「目的」によって方法や費用が変わります。
目的ごとの費用は上の表の通りです。下にいくにつれて防音レベルを高くしなければならないのでその分費用も高くなります。
6の楽器に対する防音は、楽器の種類によって防音の程度が変わります。楽器ごとの費用は「5.防音室を作るリフォーム費用」で解説しています。
【防音リフォーム箇所ごとの費用まとめ】
リフォームする箇所 | 方法 | 費用 |
---|---|---|
床 | 防音機能のある床材に変える | 25~30万円 |
遮音マットを敷く | 30~60万円 | |
吸音材を敷き詰める | 35~80万円 | |
遮音カーペットを敷く | 1~5万円 | |
壁 | 吸音材と遮音シートを入れる | 18~25万円 |
防音換気口に変える | 2~5万円 | |
窓 | 防音機能のある窓ガラスにする | 5~13万円 |
内窓を付ける | 7~15万円 | |
遮音カーテンを付ける | 0.8~1.5万円 | |
防音室 | 一室丸ごとリフォームする | 160~700万円 |
組み立て式防音室を設置する | 50~300万円 |
▲それぞれの箇所をクリックすると費用の詳細解説に移ります。
2.床の防音工事・リフォーム費用
床の防音リフォームの方法は3つあります。それぞれの費用と方法について詳しくご紹介します。
さらに、お手軽に床を防音したいとお考えの方のために防音カーペットについてもご紹介します。
2-1.防音機能のある床材に張り替える《25万~30万円》
今の床材を防音機能のある床材に張替える方法です。防音機能のある床材は様々なメーカーが出しています。
代表的な2つのメーカーの商品と見積もりの一例です。(商品価格は1㎡あたり)
見積一例(6帖)
2-2.床材の下に遮音マットを敷く《30万~60万円》
遮音マットを敷くことで、スプーンを落とした際などの衝撃音が緩和されます。こちらも様々なメーカーから出ており、遮音マットと吸音性のある素材を組み合わせ、より防音効果を高めたものもあります。
ここでは遮音マットのみの商品と具体的な見積の一例をご紹介します。
見積一例(6帖)
2-3.床材の下に吸音性のある素材を敷き詰める《35~80万円》
防音機能のある素材を床材の下にいれる方法です。断熱材としてもよく使われているグラスウールという素材を使用したと仮定します。グラスウールには音を吸収する吸音性があります。
具体的な商品と見積もりの一例をご紹介します。(商品価格は1㎡あたり)
見積一例(6帖)
2-4.お手軽に防音したい方へ!防音カーペットを敷く方法《1万~5万円》
お手軽に床の防音をしたいとお考えの方には防音カーペットがお勧めです。防音カーペットの下に遮音マットを敷くとさらに防音効果が期待できます。防音カーペットは以下のような種類があります。
- 低反発素材カーペット…16,724円(200cm×250cm)
- タイルカーペット(静床ライト)…40,368円(6帖あたり)
- コルクマット…10,584円(6帖あたり)
クッション性のあるものはしっかりと音を吸収してくれます。しかし、カーペットだけでは防音効果に不安があるという方は、カーペットの下に防音シートを敷く方法がお勧めです。
タイルカーペットの中でも防音効果が高いと評判なのが、日東紡マテリアルの静床ライトです。
それぞれの種類ごとに様々な色や柄が揃いますので、好みの商品が見つけやすいと思います。ぜひお好みの商品をお探し下さい。
3.壁の防音工事・リフォーム費用
壁の防音リフォームの方法は2つあります。それぞれ順番に費用と方法を解説します。
3-1.壁に吸音材と遮音シートを入れる《18万~25万円》
これは、壁の中に吸音材と遮音シートを入れる方法です。石膏ボードを二重にすると更に防音効果が高まります。
具体的な見積りと商品の例をご紹介します。
遮音シート
吸音材
見積一例(16㎡)
3-2.防音換気口にする《2万~5万円》
換気口を防音仕様のものに取り換える方法です。屋外のキャップだけ変えるケースと、屋内の換気口も一緒に取り換えるケースがあります。さらに、ダクトの中に防音パイプと呼ばれる吸音材を入れるケースもあります。費用はどんなタイプの防音換気口にするかによって異なりますが、相場は2~5万円です。本体価格は以下の通りです。
ご予算やご自宅の換気口の状態によってご検討ください。具体的な商品をご紹介します。
4.窓の防音工事・リフォーム費用
窓の防音リフォームは2つの方法があります。それぞれについて費用と方法を詳しく紹介します。さらに手軽に窓の防音をしたい方のために遮音カーテンについても紹介します。
4-1.窓のガラスを防音機能があるものに取り換える《5万~13万円》
既存の窓ガラスを取り換える方法です。防音機能のある窓ガラスには、違う厚さのガラスを2枚合わせた異厚複層ガラス、または防音機能のある特殊な中間膜を用いた防音合わせガラスがあります。具体的な商品と見積の一例は以下の通りです。
見積り1(掃き出し窓 170㎝×180㎝)
※掃き出し窓:一般的には外部に人が出入りできる大型の窓で、窓の下枠は室内の床の高さと差がない窓のこと。
見積り2(腰窓 180㎝×90㎝)
※腰窓:壁面の中ほどから上、ほぼ腰の高さにある窓のこと。
4-2.内窓をつける《7万~15万円》
既存の窓の上から新たに内窓をつける方法です。
内窓を取り付けることで、既存の窓との間に空気の層ができ、音を吸収してくれます。また、気密性が高くなるので、音の通過を防ぐことができます。
さらに、先ほどご紹介した防音機能のあるガラスを使用すれば、防音効果が更に高まります。
各メーカーが様々な商品を出しています。それぞれのメリットとデメリットをまとめましたので、内窓を選ぶ際の参考にしてください。見積の一例を併せて紹介します。
見積り1(掃き出し窓 170㎝×200㎝)
見積り2(腰窓 170㎝×110㎝)
4-3.手軽に壁の防音をしたい方へ!遮音カーテンにする《0.8万~1.5万円》
カーテンを遮音仕様のものに変える方法です。遮音カーテンは、赤ちゃんの泣き声や女性の高い声などは防音できますが、電車の音や工事の音などの振動を伴う低い音に対しては効果が期待できませんので注意しましょう。また、隙間があると防音効果が低くなってしまいます。しっかり採寸してご自宅の窓にぴったり合ったカーテンを選びましょう。
具体的な商品をご紹介します。
5.防音室を作るリフォーム費用
防音室を作る方法は、自宅の一室を工事して防音室に作り替える方法と、市販の組み立て式防音ボックスのようなものを部屋に置く簡易的な方法があります。それぞれ費用と方法を詳しく説明します。
5-1.自宅の一室を防音室にする方法《160万~700万円》
部屋全体を工事して浮いている空間を作り、音が伝わらないようにしています。
防音室の費用は防音の程度と部屋の広さ、家の造りによって変わります。以下の表を参考にしてみてください。
木造住宅の方が音が伝わりやすいため、防音リフォームの費用が高くなります。防音のグレードごとの詳しい費用は次で説明します。
5-2.市販の組み立て式防音ボックスを部屋に置く方法《50万~300万円》
組み立て式の防音室を部屋に置く方法もあります。部屋が狭くなってしまいますが、大規模な工事をしないというメリットがあります。
組み立て式防音室の費用について、管楽器や弦楽器などにお勧めな0.8畳~1.7畳の小型タイプとトロンボーンや小さめのピアノにお勧めな2.0畳~3.5畳の中型タイプ、大きいグランドピアノやシアタールームにお勧めな3.7畳~4.3畳の大型タイプと、3つの大きさに分けて以下の表にまとめました。
防音のグレードなどによっても費用が異なります。グレードごとの詳しい料金は次でご紹介します。
代表的な商品をご紹介します。
※業者に組み立てを依頼するタイプの防音室の他に、自分で組み立てる簡易防音室というものもあります。簡易防音室は小型タイプのみです。商品と費用を紹介します。
防音リフォームの費用について、リフォームする箇所と方法別に紹介しました。防音リフォームの費用を考える際の参考にしてください。
楽器によって必要な防音レベルや費用が違う!
楽器に対する防音は、楽器の種類によって防音の程度が変わります。組み立て式防音室の場合は必要な大きさも変わります。楽器ごとの費用は以下の通りです。
【楽器別・防音室にリフォームする費用】
組み立て式防音室を購入する方が費用を安く抑えられます。
組み立て式防音室の設置をお考えの際は以下の楽器別のお勧めサイズと防音の程度の表も参考にしてください。
【楽器別・組み立て式防音室のお勧めサイズと防音レベル】
※Dr:Drとは遮音性能をあらわす指標です。音を何dB遮音できるかを表わしています。
例えば、90dBの音をDr-40の遮音性能の防音室の中で出すと、防音室の外で聞こえるのは50dBの音になります。(90dB-40dB=50dB)
6.防音リフォームをする際の費用に関する注意点
防音リフォームをする際に知っておきたい費用についての注意点をご紹介します。
6-1.安すぎる料金を提示してくる業者は危ない
費用が安くなるということは、その分材料費などが削られ防音性能の低い工事にされる可能性があります。値引きなどをしてきた時はどこの費用をどんな風に削減するのかしっかり確認しましょう。
6-2.ハウスメーカーの紹介は割高になってしまうことも
ハウスメーカーから紹介された業者は安心できるのでハウスメーカーに紹介の依頼をしようと思っている方もいらっしゃると思います。
しかし、ハウスメーカーに紹介料を払わなければないないので、費用が割高になってしまうことがあります。
7.まとめ
様々な防音リフォームの費用を紹介しました。自分の家はどんな防音リフォームをしたらよいか分からないという場合はリフォーム会社に相談してみましょう。その際には
- 今、どのような事で悩んでいるか
- リフォーム後どのような状態にしたいか
の2つの点をしっかりと伝えましょう。
ご自身にあった防音リフォームをして周りの音に煩わされることなく、音漏れを心配することもない快適な生活を送りましょう。
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