
「せっかくリフォームしたのに前より住みづらくなった…」
「こんなリフォームになるはずじゃなかったのに…」
リフォームが終わってからこんなこと言いたくありませんよね。
リフォームは金額が大きく、工事中はたくさんの人が出入りしてストレスを感じることも多いかと思います。様々な面で苦労し、快適な生活が手に入ると期待して行ったリフォームです、絶対に成功させたいところです。
一方で、希望通りにリフォームしたはずなのに意外と住みづらかったというケースも少なくありません。今回は、箇所別の失敗事例と、リフォームを失敗せずにすむコツを解説いたします。
目次
1.リビングの失敗例と失敗しないポイント
1-1.リビング階段が部屋を圧迫してしまい、リビングが狭くなってしまった
リビング階段にする場合、スペースが十分に確保できていないと、無理やり押し込めたような印象になり、狭く居心地が悪く感じます。
お子様とのコミュニケーションを増やすことを目的にリビング階段を作られる方も多くいらっしゃいますが、居心地の悪いリビングはコミュニケーションを減らしてしまうのかもしれません。
1-2.窓が大きすぎて視線が気になり、陽射しが暑い
たくさんの光が差し込む、明るい家を目指して窓を大きくしたいと思っていらっしゃる方は窓の位置をしっかりと確認しましょう。窓から見える景色を想像することは難しいと思いますが、ご近所とのトラブルを避けるためにもきちんとシミュレーションしておきましょう。
また、窓を作る方角にも気を配りましょう。南側に大きな窓を作ると部屋の温度が暑くなりすげてしまうことがあります。窓を断熱仕様にするなど工夫をしましょう。
1-3.リビングに間仕切りを設置したら、奥まで光が差し込まなくなった
光の入り方を事前に考えておくことは非常に大切です。間取り図を見て時間帯によってどこから光が差し込むのか確認しておきましょう。間仕切りを選ぶ際には実物を確認しましょう。
写真だと質感や色合いなどが違って見えることも多いです。後悔しないリフォームにするためには、やはり実際に見て確認しましょう。
2.キッチンの失敗例と失敗しないポイント
2-1.大きなシンクで調理スペースが狭くなってしまった
大きなシンクは粗いものがしやすく便利ではありますが、その分作業スペースが少なくなってしまい使い勝手が悪いキッチンになってしまいます。キッチンをリフォームする際は実際に使う場面を想像して料理がしやすい配置を意識しましょう。
2-2.床をタイルにしたら油で滑るようになった
床材は、空間の雰囲気を作るために非常に大切なものです。しかし場所に合わせて使いやすい床材を選ばないと、せっかくリフォームしたのにかえって使いづらくなってしまいます。
キッチンの床材を選ぶ際には以下の点を意識して選びましょう。
- 滑りにくい
- 水や汚れに強い
- 摩耗に強い
- 衝撃に強い
キッチンの床は様々な汚れがついたり、食器などを落としてしまったりする危険があります。掃除がしやすく、傷がつきにくい床材を選びましょう。
2-3.冷蔵庫の位置が悪く食材を取りに行きづらい
キッチンのレイアウトを考えるときは実際の動きを想像して決めましょう。
①冷蔵庫から食材を取り出す
②シンクで洗う
③切る、刻む
④鍋に入れる
このように実際料理する、①~④の流れで動作を考えると、
1.冷蔵庫
2.シンク
3.作業場所
4.コンロ
この順番で動けるようにレイアウトすると作業がしやすく効率的です。
縦長キッチンの例
U字型キッチンの例
3.寝室の失敗例と失敗しないポイント
3-1.東側に大きな窓がある部屋を寝室にしたら、朝日が眩しい
リビングと同様に、寝室もその方角に窓を作るかは非常に大切な問題です。東側ですと朝日が差し込んでくるので早朝に目が覚めてしまいます。また、西側だと夕日が差し込み、夕方から室内の温度がぐっと上がります。ライフスタイルに合わせて窓の位置を考えましょう。
朝ゆっくりと起床したい方は東側を避け、夜早く寝たい方は西側を避けて窓を作ると良いでしょう。どうしても窓の位置を動かせない場合は遮光カーテンや内窓をつけて遮光・遮熱対策をしましょう。
3-2.寝室の隣にリビングがありテレビの音や話声が聞こえる
寝室とリビングが近いと眠れないだけでなく、リビングにいる人も寝室に気を使いくつろいで過ごせません。夫婦で生活時間が違うご家庭も多いと思います。寝室でもリビングでも気持ちよく過ごせるように部屋の配置を考えましょう。
また、騒音が気になりトラブルになりがちですので、隣家近くに寝室を配置することも避けましょう。
3-3.ベッドサイドのスペースを確保できず使いにくい
二人でベッドを使用するケースでは、下の図のように片側からしか入れないようなレイアウトにしてしまうと、すでに一人が就寝している場合などにもう一人が非常に使いづらいベッドになってしまいます。また、片方にしかスペースがないとベッドメイキングの際も大変です。ベッドの両サイドに人が通れるスペースを確保しましょう。
サイドスペースの基本寸法は以下の通りです。しかし、通路に収納などを置く際は、扉を開けた時にベッドにぶつからないようにしましょう。
ベッドメイキングできるスペースが最低300㎜、ベッドに入るためのスペースが最低450㎜必要です。
4.トイレ・洗面所の失敗例と失敗しないポイント
4-1.ショールームで実際にみて選んだ便器だったが、思ったより大きくトイレが狭くなったように感じてしまった
ショールームに行って実物を見て選ぶことはとてもよいことです。しかし、ショールームのような広くて開放感のある空間に置かれている時の印象と、住宅のトイレに置いた時の印象は全く異なります。寸法を確認した上で、家のトイレでメジャーなどを使ってシミュレーションしてもると良いでしょう。
4-2.内開きにしたらスリッパが引っかかるようになった
内開きの扉は外の空間に影響しないので便利ですが、トイレの扉にはあまり適していません。もともと広くないトイレ空間を扉の開閉スペースでさらに狭くしてしまうと使いづらくなります。
また、トイレの中で人が倒れてしまった際など、扉が開かなくなってしまう恐れもあります。高齢者の方と一緒にお住いの方は注意しましょう。
4-3.洗面台の高さが高すぎて、肘から水が伝ってしまう
洗面所は毎日必ず使う場所です。収納スペースを重視する方も多くいらっしゃると思いますが、収納よりも先に高さの確認をしましょう。高さの目安は以下の通りです。
洗面台は家族皆が使いやすい高さを考えましょう。家族で身長に大きな差があるという場合はスタンダードな80㎝にするか、身長の小さい方に合わせると良いでしょう。
一度ショールームなどで高さやサイズなどを確認することをお勧めします。ショールームで確認する際には靴底約5㎝分身長が高くなっていることを忘れないようにしてください。
5.玄関・収納の失敗例と失敗しないポイント
5-1.玄関にコンセントを付け忘れ、掃除がしづらくなった
実は、玄関は照明や防犯カメラ、電動自転車の充電など様々な電化製品を使うところです。その上、他の部屋からコードをのばすことが難しいケースが多い場所です。できれば掃除のしやすさなどを考えて両サイドにコンセントを付けておくと良いでしょう。
5-2.靴箱をホールに設置したら、靴の出し入れの度に床が汚れてしまう
靴箱は玄関の使い勝手・見た目を決める重要なポイントです。靴箱の位置は、たたきに置くパターン・ホールに置くパターン・どちらにもまたがるように置くパターンの3つの種類があります。
たたきに靴箱を置くと床が汚れる心配はありませんが、靴を取る時にたたきを通らないといけないので足の裏が汚れてしまいますスペースに余裕があるならまたがって置くことをお勧めします。また、収納が小さいとたたきに靴があふれて見た目が悪くなってしまうので、特に人数が多いご家庭は大きな収納スペースを確保しましょう。
5-3.収納扉の開閉スペースのせいで空間を有効活用できない
収納はどこにどのようなものを置くかよく考えましょう。ベッド脇のような狭いところには引き戸タイプの収納にしましょう。デスク廻りはA4サイズが入るくらいの引き出し・棚を置くと便利です。また、キッチンなどは常に使う物を吊るしておける細いパイプなどを設置すると、使いやすくてすっきりと片付いているキッチンになります。
用途に合わせて収納を選びましょう。実際に使う時のことをイメージしながら考えてみてください。
6.業者選びの失敗例と失敗しないポイント
1~5章で見ていただいたようにせっかくリフォームしたのに前より住みづらくなってしまったということが多くあります。そうならないためにも業者選びは慎重に行いましょう。
以下の失敗例を参考にしてご自身にあった業者を選びましょう。
6-1.地元の工務店では経験が少なく、細かな相談に乗ってもらえなかった
地元の工務店を選ぶ方もいらっしゃいますが、人それぞれ良い会社というものは違います。自分のしたい工事にあった会社を選びましょう。
生活導線を考慮しなければならないリフォームは設計事務所系リフォーム会社がお勧めです。社内に建築士を抱えているような設計事務所系リフォーム会社は、生活スタイルや生活導線を考慮したリフォームを得意としています。キッチン全体のレイアウトや、窓を設置する向きなどについて相談したい場合は建築士がいるリフォーム会社を選びましょう。
6-2.営業の人柄が良くて決めたが、職人の愛想が悪かった
実際に施工を担当する職人との関係が上手くいかないと要望をうまく伝えられずに後悔することもあります。しっかりと職人の人柄も確認しておきましょう。
会社の社長が職人の場合、社長の育て方が抱えている職人の質に大きく影響します。実際に施工する職人が誰になるか分からないので、職人の質を見極めるポイントは社長の考え方や人柄を確認することです。
また実際に聞けるのであれば、どのような職人が施工するのか聞いてみても良いでしょう。
6-3. 希望通りだが、想像と違い、使い勝手が悪くなった
自分の思い通りの家が本当に使いやすい家とは限りません。要望をヒアリングした上で新たな提案をしてくれる業者に依頼することをお勧めします。ご自身が望んだ通りにリフォームしてもらってもリフォーム後の家が使いづらかったらそのリフォームは失敗です。
なぜそのようなリフォームがしたいのかきちんと確認し、プロの目線からアドバイスをくれるような会社に依頼しましょう。実際に会社に行って直接担当者と話してみることをお勧めします。ヒアリングしているだけで新たな提案をしてこない会社は避けた方が良いでしょう。
7.工事中にやらなければならない3つのこと
リフォームの失敗は、依頼者とリフォーム会社との認識の差によって生まれます。リフォーム会社とコミュニケーションをとり、リフォームを成功させましょう。
7-1.追加工事の理由・費用をしっかりと確認する
- なぜそのような工事をしなければならないのか
- それによってどのような材料が増えるのか
- 費用はいくら追加になるのか
上の3つの点をその都度チェックしましょう。そして口頭での説明だけでなく、必ず文書で残しておきましょう。業者がよかれと思ってやってくれた工事でも自分のイメージに合わずに不要な工事だということもあります。なるべく細かく工事の内容について質問しましょう。
7-2.工事中に変更して欲しい点があれば早めに申し出る
工事中に内容を変更することは費用の追加・工期延長を招きます。しかし、数年後に追加工事を依頼するより費用を抑えられるでしょう。一度気になってしまうとずっと気にかかりストレスを感じることもあります。変更して欲しい点あったら迷わずに相談しましょう。
その際には7-1でも説明した通り、具体的に費用がいくら追加になり、どのぐらい工期が伸びるのか確認しておきましょう。
7-3.職人達へのお茶だしにも心遣いを
リフォーム会社に気持ちよく仕事をしてもらうのが成功への近道です。お茶出しでもこちらの気持ちを相手に伝えることはできます。
ポットに、夏場だったら冷たい麦茶、冬場だったら暖かい緑茶などを入れて職人の人数分のコップを用意しておけば職人は好きなタイミングで飲むことができますし、こちら側もずっと気を使ってタイミングをうかがう必要もありません。
もしくは、親方か責任者に一日の飲み物代を渡すのも良いでしょう。職人1人当たり1日200~300円ぐらいで計算すると良いです。お互いがストレスなく過ごせるように考えましょう。
8.まとめ
いかがでしょうか。想像と実際に使うのだと、かなりギャップがあります。ショールームなどで実際に見て、さらに細かいことをリフォーム会社に相談しましょう。親身になってくれる業者を見つけるために以下の3点を実行しましょう。
- リフォーム会社の得意分野を見定めて依頼をする
- 過去のお客の評判がどうか見定める
- どのようなリフォーム実績が豊富な会社かを確認する
少し手間かもしれませんが、いいリフォーム会社が選べるとリフォームでの失敗は圧倒的に少なくなります。リフォームを成功させて快適な暮らしを手に入れましょう。