
マンションや戸建ての間取りでよく見かけるリビング横の和室。「今ひとつ使い道がわからない」「いらないかも……」と思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、リビング横の和室のメリット・デメリットを解説します。和室には意外なメリットもあるので、和室はいらないと結論付ける前にメリットも確認しておきましょう。
また、リビング横の和室がいらない場合の対処法まで解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.リビング横にある和室のメリット
リビング横にある和室は、子どもの遊び場や客間、ワークスペースなど、多用途に使えることがメリットです。
1-1.子どもの遊び場やお昼寝スペースに最適
リビング横にある和室は目が届きやすく、家事をしながら子どもを見守れるので、子どもの遊び場にピッタリの空間です。何かあっても気が付きやすいので、安心して遊ばせることができます。
また、畳はフローリングよりもやわらかい素材なので、転倒した際にケガを防げるというメリットもあります。他にも、おむつ交換やお昼寝のスペースとしても使うことができます。
1-2.来客時に客間・寝室として使える
来客はリビングに通すこともありますが、和室があれば客間として重宝します。
リビングに来客を通す場合でも、不要な物を一時的に片付ける場所として和室を利用することができます。
また、和室はベッドを用意しなくても、布団さえあれば寝室として使うことが可能ですので、ゲストルームとしても活用できるでしょう。
1-3.一時的な休憩やワークスペースとして使える
気軽に寝転がったり、ごろごろとくつろいだりできるのは、和室ならではの魅力です。暑い日には、畳のひんやりとした感触が心地よく、い草の香りはリラックス効果も期待できます。
プライベートな空間として使えるので、ヨガやストレッチを楽しんだり、テーブルを置いて仕事や趣味に集中したりすることもできるでしょう。
リビングにいる家族と程よい距離感を保ちながら、それぞれの時間を過ごすことができます。
1-4.アイロンがけ・洗濯物をたたむ時に便利
和室が一部屋あると、アイロンがけや洗濯物をたたむ「家事スペース」としても便利です。庭やベランダなど、物干し場に近ければ、洗濯家事の動線がスムーズになります。
また、畳には適度なクッション性があるので、正座して家事を行う場合に足への負担が和らぎます。
詳しくは、以下の記事でも紹介していますのでぜひ参考にしてください。


2.リビング横にある和室のデメリット
リビング横の和室は、ライフスタイルによっては不要なケースも少なくありません。
デメリットについても確認しておきましょう。
2-1.リビングとの統一感が損なわれる
リビングのインテリアは洋風のご家庭が多いため、続き間として和室がレイアウトされていることに違和感を覚えるケースも少なくないようです。
建具や壁の色、明るさなどがリビングと和室では異なるので、統一感の無さが気になる方も。
どうしても統一感のある空間にしたい場合は、和室をなくして洋室にしたほうがリビングと合わせた空間のトータルコーディネートはしやすいでしょう。
リビングとコーディネートしやすい和のアイテムもある
最近では、和のインテリアも多様化しており、カラー畳や縁なし畳、洋風引き戸、デザインが施された障子紙など、おしゃれな和室を演出できるものがたくさん出ています。
和室のままであっても、取り入れるアイテムを工夫することで、ある程度リビングと統一感を持たせることができますので、リビングとの統一感が気になる場合は、このようなアイテムの活用も検討してみましょう。
2-2.畳や襖などメンテナンスに手間がかかる
畳や襖などのメンテナンスの手間がかかるのも和室のデメリットのひとつです。
畳は定期的に、畳表を剥がして裏側を表に張り替える「裏返し」や畳表を交換する「表替え」などのメンテナンスが必要で、襖も定期的な張り替えが欠かせません。
また、畳に食べこぼしや飲みこぼしがあると、カビ・ダニの原因になるので、畳の目に沿って丁寧に掃除機をかけたり、固く絞った雑巾で拭き上げたりする必要があります。カビを防ぐためには、こまめな換気も必要です。
このようなメンテナンスの手間を面倒だと感じる方にとっては、和室を設けないほうが生活スタイルに合っているかもしれません。
素材選びを工夫すればメンテナンスの手間は軽減できる
和室で使われる素材はメンテナンスに手間がかかりますが、素材選びを工夫すれば負担を軽減することも可能です。
例えば、襖は洋風の引き戸にしたり、畳は「い草」ではなく「樹脂製」や「和紙製」を選んだりすることで、メンテナンスはかなりラクになります。
2-3.ペットには向いていない
家族の一員であるペットは、リビングで過ごすことも多いものです。
しかし、畳や襖は傷つきやすいので、ペットが走り回ったりいたずらしたりするとすぐに破れたり擦れたりしてしまうこともあるでしょう。
また、臭いもつきやすいため、和室の衛生面や空気が悪くなる恐れもあります。
どちらの場合であっても、補修や掃除には手間も費用もかかりますので、ペットがいるご家庭やこれから飼う予定がある場合は、和室はないほうが良いかもしれません。
3.リビング横の和室はどんな家庭におすすめ?おすすめじゃない?
リビング横の和室は、おすすめできるご家庭もあれば、ライフスタイルと合わないご家庭もあります。
以下のチェックポイントを参考に、和室の必要性を判断してみてください。
おすすめな家庭
「和」の空間が好きで取り入れたい方、気軽に寝転がれる空間が欲しい方は、和室をおすすめします。和室は布団を敷くだけで寝室として使えるので、親や友人がよく泊まるご家庭でも重宝するでしょう。
また、小さなお子さんがいるご家庭では、遊び場としてお昼寝スペースとして大活躍します。
おすすめしない家庭
一方で、リビングを広々と使いたい、統一感のあるリビングにしたい場合は、和室をなくしてリビングと一体化するリフォームがおすすめです。
また、畳や襖はメンテナンスに手間がかかります。ペットを飼っているご家庭や、お手入れの手間を最小限にしたい方は、洋室へのリフォームが適しているでしょう。
4.リビング横の和室がいらないときの対処法
リビング横の和室がいらない場合の対処法として、洋室にリフォームする方法と、リビングと和室を一体化する方法があります。
4-1.和室を洋室にリフォーム
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/156
リビングと統一感を持たせた空間にしたいが、個室として使いたいという方には和室を洋室にリフォームする方法がおすすめです。
可動式の建具を仕切りとして取り入れれば、普段は建具を開放して広々リビングに、必要な時にだけ仕切って個室にするといった柔軟な使い方もできます。
工事内容は、畳をフローリングへ変えるだけの工事から、和室を解体して完全に洋式化する工事まで様々です。費用は工事内容によって変わり、9〜100万円前後と幅があります。
和室を洋室に変えるリフォームの詳細は、以下の記事を参考にしてください。


4-2.リビングと和室を一体化して広い空間に
出典:https://www.daiken-rs.jp/case_reform/slug-31257d97478c039620b5b25899298266
リビングを広々と使いたい、開放的なリビングが欲しいと思っている方には、和室とリビングと一体化してリビングを拡張する方法があります。
工事内容は、畳からフローリングへの変更、壁の部分撤去、天井・壁クロスの貼り替えなどがあり、費用は約45〜90万円が目安です。
また、LDK側とフローリングや壁紙を合わせたい場合は、全体的な内装工事が必要になり、約105〜190万円程度の費用が見込まれます。
リビングと和室の一体化リフォームの詳細は、以下の記事を参考にしてください。


5.まとめ
リビング横の和室がいらないかどうかは、ライフスタイルや好みによって変わります。
和室を残す場合には、和モダンを意識した内装にリフォームすると、リビングと調和の取れた空間になります。
和室がいらないと判断した場合は、洋室へリフォームしたり、和室とリビングを一体化して広くしたり、使用目的に合ったリフォームを行うと良いでしょう。
ご紹介したメリットやデメリットを参考に、和室を残したほうが良いか、なくした方が良いか判断してみてください。