
画像出典:http://www.8044.co.jp/gallery/381
「築年数が経過した古い家をリフォームしたい!」
「古い家のリフォームに費用はいくらかかるんだろう?」
「自分の家の築年数なら、どんなリフォームをすればよいのか分からない」
このようにお考えではないでしょうか?
築年数が古い家でもリフォームして快適に住むことはできます。ただし、家の状態によっては費用が大きくかかり、場合によっては建て替えたほうが安いことも。大事なのは費用対効果を考えることです。
この記事では、築年数別のリフォーム内容や費用、注意点などを解説します。
事例も合わせて紹介していますので、実際の価格とリフォームの完成形も分かります。
記事を読めば、ご自宅の築年数に合ったリフォームプランが具体的に組めるようになります。
古い家をリフォームしたいと思っている方は、この記事を参考にリフォームを行ってください。
1. プロがおすすめする築年数別古い家のリフォーム内容
1章では、検討すべきリフォームついて、費用や内容などを詳しく解説します。
1章を読んでご自宅に必要なリフォームを想像しながら2章以降を読み進めると、より注意点や費用を抑えるためのコツなどが分かりやすくなります。
1-1.築30年以上はスケルトンリフォームがおすすめ
築30年以上の物件はいずれもスケルトンリフォームがおすすめです。
スケルトンリフォームとは、骨組みだけを残して住宅を解体し、内装をすべて新しく作り直すリフォームのことを指します。戸建ての場合は外装まで解体する場合もあります。
古い家となると劣化が進んでいる場合が多く、家の内部に様々な問題があるからです。
スケルトンリフォームについてさらに知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


図・築年数30年以上の物件が抱える5つの課題
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/372(外装)
上記の図にあるような課題は、スケルトンリフォームを行うことで解決できます。
ですが、実際の劣化状態によってリフォーム内容は変わってきますので、スケルトンリフォームを行わなくても良いこともあります。築年数の古い家であれば、スケルトンリフォームは検討しておきましょう。
下ではさらに築年数に分けてリフォーム内容について解説しています。
築30年の場合は2種類のスケルトンリフォームを検討
築30年で行われるスケルトンリフォームには種類が2つあります。
内装のみのスケルトンリフォームと、スケルトンリフォームで内装と外装を一新する工事の2つです。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/381(内装・外装ともにスケルトンにする場合)
上記のようにリフォーム費用も変わってきます。どちらのリフォームが適切かはリフォーム会社と相談してしっかり決めましょう。
また、スケルトンリフォームを行わないという方法もあります。その場合の費用は以下の通りです。
予算の関係上、スケルトンにまでせず、必要な部分のみリフォームを行うことも多いです。その場合は1-2で解説するように、耐震補強工事や断熱工事を中心に行うことがおすすめです。費用面や実際の家の状態と合わせながら、リフォーム会社と話し合いましょう。
築30年以上のリフォームについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて参考にしてください。


築40年の場合は内装・外装共にスケルトンリフォーム
築40年であれば、リフォームをする際は内装・外装共にスケルトンリフォームを行うことをおすすめします。
40年を経過していると、耐震基準(1981年制定)以前の建築になりますので、耐震性に問題がある可能性が高いです。
それ以外にも家全体の腐食などの劣化が激しいことも考えられますので、スケルトンリフォームで根本的な解決をすることをおすすめします。
その場合の費用は以下のようになります。
もしも以前にリフォームを行っていて損傷部分が少なれば、スケルトンリフォームをする必要はないかもしれません。
部分的なリフォームでも解決できる可能性があります。その場合は1-2で解説するように、耐震補強工事や断熱工事を中心に行うことがおすすめです。そうでない場合は、スケルトンリフォームを行うことを検討しましょう。
築40年以上のリフォームについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて参考にしてください。


築50年以上の場合も内装・外装共にスケルトンリフォーム
築50年以上の場合も、40年同様にリフォームをする際は内装・外装共にスケルトンリフォームを行うことをおすすめします。
50年を経過していると、耐震基準(1981年制定)以前の建築になりますので、耐震性に問題がある可能性が高いです。またそれ以外にも家全体の腐食などの劣化が激しいことも考えられますので、スケルトンリフォームで根本的な解決をすることをおすすめします。
その場合の費用は以下のようになります。
もしも以前にリフォームを行っていて損傷部分が少なれば、スケルトンリフォームをする必要はないかもしれません。
部分的なリフォームでも解決できる可能性があります。その場合は1-2で解説するように、耐震補強工事や断熱工事を中心に行うことがおすすめです。そうでない場合は、スケルトンリフォームを行うことを検討しましょう。
築50年以上のリフォームについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて参考にしてください。


1-2.スケルトンリフォームをしない場合のおすすめリフォーム
古い家のリフォームには施工が必要になる工事箇所が多いですが、費用の関係でスケルトンリフォームまでできない場合もあります。
スケルトンリフォームをしないのであれば、ここだけでもやっておくべきというリフォームがいくつかあります。ここでは、実際に必要になってくるリフォームとその費用を解説していきます。
耐震補強工事
古い家のリフォームで何よりも重要になってくるのは、耐震工事です。耐震基準が1981年に変わったのでそれ以降の家は耐震性が低い場合が多いからです。
スケルトンリフォームを行う場合は並行して耐震工事も行いますので、スケルトンリフォームを検討している方はこの工事を別途追加する必要はありません。
スケルトンリフォームを行わない方は、築古の家こそ耐震補強工事は必須です。下の図は築年数と床面積ごとの耐震リフォーム費用です。
出典:https://www.mokutaikyo.com/
比較的高額な費用ですが、補助金などを利用すると費用が抑えられる可能性があります。そちらについては2章で解説していますので、ご確認ください。
断熱工事
築30年を越える家では、断熱工事も重要になってきます。古い家だと断熱材が入っていなかったり、入っていたとしても非常に性能の低いものであったりする場合があるからです。
断熱リフォームは冬場の寒さを抑えるだけでなく、夏場に温度が上がり過ぎるのを防ぐ効果もありますので、快適な家にするには欠かせないリフォームです。
断熱工事には天井や床、窓など様々な施工場所があります。その費用と工期をまとめると以下の通りです。
図・断熱工事の費用と工期まとめ
こちらもスケルトンリフォームを行う際は並行して施工されます。費用によって振れ幅があるのは、断熱材のグレードや家の状態によって左右されるためでです。
断熱工事を行う際は場所やグレードなどをリフォーム会社と相談して、よく検討してから行うようにしましょう。
また、断熱工事は下の記事でもまとめていますので合わせて確認してください。


外壁工事
外壁がもろくなりはがれてしまっている部分がある方や、昔ながらの外壁のデザインを変えたいと考えている方向けです。


水回り設備交換工事
水回りの設備はおよそ20年で寿命を迎えます。その期限を過ぎている方、もしくは期限が近い方は交換工事が必要になります。それにあてはまらない方も、水回りは劣化しやすいですので交換工事を検討しておきましょう。


壁・床の張替え工事
築年数が経過している家だと畳を使用しているお家も多いため、リフォームの際にフローリングに張り替える方もいます。
また床の下地が傷んでいると、床がフカフカと下に沈む、ギシギシと音が鳴るなど劣化のサインがあります。この場合は床の張り替えをおすすめします。特に水回り付近の床は水漏れにより床下の木が腐っている、シロアリが発生していることも多く、この場合は張替えが必須です。
壁や床の張替え工事を検討している方はこちらの記事を参照してください。


間取り変更の工事
昔ながらの部屋の多い間取りに不満がある方もいらっしゃると思います。そのような時は間取り変更のリフォームを行えば、今風のデザインの家に模様替えが出来ます。


2. 古い家リフォームの費用を抑えるためのコツ3つ
1章では古い家リフォームの内容と費用を解説しました。古い家のリフォームは劣化が進んでいることや全面的な改装が必要なため、費用が高額になりがちです。
2章ではその費用を抑えるためのコツを3つ紹介します。コツを抑えて予算内で満足のいくリフォームを行いましょう。
2-1.補助金を利用する
補助金を利用すれば費用が抑えられる場合があります。耐震工事などはほとんどの自治体や公共団体などが補助金制度を整えています。
断熱工事も補助金の対象となることが多いので、どちらか片方でも施工を考えている方は必ず確認するようにしましょう。
耐震工事と断熱工事が使用できる主な補助金は以下の5つになります。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
高性能建材を用いた断熱改修工事をおこなった場合に補助金を受けられる制度です。
次世代省エネ建材の実証支援事業
既存住宅のリフォームにおいて、次世代省エネ建材の効果の実証を支援する事業です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存住宅の長寿命化・省エネ化など性能を向上させるリフォームや、子育て世帯向けリフォームに対する補助金制度です。
介護・バリアフリーリフォーム補助金
自宅をバリアフリー改修するときに、介護保険を活用して国から補助金を受け取れる制度です。
各自治体のリフォーム関連助成金
各自治体が独自に実施しているリフォームに対する助成金制度です。
それぞれ対象となる条件や補助金額は変わってきます。これらの補助金は以下の記事にまとめてありますので、確認してみてください。
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2-2.減税制度を利用する
減税制度を利用して費用が抑えられる場合もあります。特に断熱工事や耐震工事は、補助金だけでなく減税制度も利用できることが多いです。
申請書類なども必要になりますので、抜けの無いように確認しましょう。主な減税制度は以下の3つです。
- リフォームによる所得税の特別控除
- 固定資産税の減税制度
- 贈与税の非課税措置
補助金額と同じように、対象となる条件や減税金額は変わってきます。以下の記事にまとめてありますので、対象の方はチェックしましょう。


2-3.優良な会社を選び相見積もりを取る
リフォーム費用を抑えるには優良会社を選び相見積もりを取る必要があります。
相見積もりをとることで実際の費用感が分かり、自分に合った適切なリフォーム会社を選ぶことが出来るので、費用が高額なリフォーム会社と契約することを避けられるからです。
相見積もりをしないと、高額な費用を提示されても気付くことが出来ません。古い家のリフォームのような、価格の高くなりやすいリフォームであれば複数社から見積もりを取ることはとても大切です。
また、見積もりをとる会社選びも重要です。優良会社から見積もりをとることで、安全かつ適切な価格でリフォームを行うことができるからです。悪質な業者に施工を依頼してしまうと、莫大な費用になったりリフォームの質が悪かったりと、トラブルになりかねません。
リフォームガイドでは、皆様の希望を聞いてコンシェルジュが適切な優良会社を複数紹介致します。見積もりをもらってその中から会社を選ぶことで、費用を抑えた安全なリフォームができます。ご自身で探すよりも簡単で優良に安全な会社を選ぶことが出来ます。
リフォームをご検討中の方は、是非ご利用ください。
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3. 古い家リフォーム事例3選
3章では、実際の築古リフォーム事例を紹介していきます。
築古の物件はスケルトンリフォームを行うことが多いですが、ここで紹介する事例はスケルトンリフォームを行ったものもそうでないものもあります。
この章を読んで、実際の費用感などを確認しましょう。
3-1.スケルトンリフォームなしの築30年の事例 470万円
壁付けキッチンから対面キッチンへ、クロス・床張り替え、廊下の一部をLDKに取り込むなどLDKを大きくリフォームしました。
洗面台交換、在来浴室からユニットバスへのリフォームも行って水回りを一新させ清潔感がアップしました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/337
3-2.築30年のスケルトンリフォーム事例 940万円
内装のスケルトンリフォ―ムで3LDKから2LDKへの大規模な間取り変更を行い、水回り設備と階段の取り替えリフォームをしました。古い和室スタイルから、今風のフローリングに変わりました。
耐震補強工事も行い、安全性も高まっています。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/380
3-3.築40年のスケルトンリフォーム事例 1,854万円
こちらの物件は、解体してみると基礎が建坪の半分程度にしか存在せず、土台もほとんど腐っている状態でした。そこからスケルトンリフォームを行い、大幅な耐震性のアップに加え、広いダイニングキッチンや洋室を増やすことで生活がしやすくなっています。
出典:https://suikoubou.co.jp/works/home-renovation6417ktkm
3-4.築50年のスケルトンリフォーム事例 2,344万円
木造とブロック造りの混合構造の建物で老朽化が激しかったお家。耐震補強と、現在のライフスタイルに合わせた間取り変更を目的にリフォームを行い、築50年とは思えないキレイな家へ生まれ変わりました。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/381
4. 古い家をリフォームする際の注意点
4章では、古い家をリフォームする際の注意点をご紹介します。
古い家だからこそ気を付けなければいけない点がありますので、しっかりと把握しておきましょう。
4-1.間取りや開口部の変更が出来ない可能性がある
古い家だと間取りや開口部の変更が出来ない可能性があります。家の劣化により、新たに窓などを設置したり柱を抜いたりしてしまうと家の強度に問題が出る可能性があるからです。
開口部とは窓や玄関のことで、屋外と繋がっている部分になります。開口部の追加や間取り変更をすると元々支えていた壁や柱を取り払う必要があります。そのため、開口部を追加する際はご自宅の耐震構造と合わせて検討しましょう。
もしも新たに拡張したり位置を変更したりしたい場合は、現在の耐震性などと合わせて考える必要があります。希望のリフォームが可能かどうか、リフォーム会社に相談してください。
4-2.家の建て替えが出来ない可能性がある
あまりにも古い家であれば建て替えも検討しなければいけませんが、建て替え自体が出来ない可能性があります。築年数が経っている物件だと、法律の改正によって現在では建て替えが禁止されている場合があるからです。
そのような物件を、再構築不可物件といいます。再構築不可物件とは、現在ある建物を解体するとその土地に新しく建物を建てられない物件のことです。
例えば、接道義務をはたしていない物件等が当てはまります。接道義務とは、「幅4m以上の道路に2m以上接していないといけない」という義務のことです。この義務により、家の敷地が道路に2m以上接していない場合、再建築が認められない敷地となるのです。
これに関連した建築基準法は1950年に制定されたため、それより以前に建てられた物件はその義務が果たせていない場合があります。※「敷地が道路に2m以上接しているが、道路の幅が4m以内の場合」は、道路の幅を広げるために敷地を後退(セットバック)することで建築することが可能です。(ただし敷地面積が小さくなり家も小さくなる可能性がある)
上の図は接道義務を果たせていない物件の例です。これにあてはまると、建て替えが出来なくなってしまいます。1950年以前の物件であれば、ご自宅が当てはまっていないか必ず確認しましょう。
それ以外でも、建て替えとリフォームに悩んでいる方は以下の記事も参考にしてください。


4-3.予期せぬリフォーム工事が発生することがある
古い家だと予期せぬリフォーム工事が発生し、追加費用がかかることがあります。家の構造や内部の劣化など、解体しないと分からなかった状態によりプランを立て直した結果、以前よりも費用が高くなってしまうなど思わぬ形で費用がかかることがあるからです。
工期が伸びてその分の仮住まいや預け荷物の費用がかかることもあります。ある程度余裕を持った見積もりや予算設計をしておくことが重要です。
築年数が経過しているからこそ補強部分が多いですので、目に見えない部分のリフォームも視野に入れておきましょう。
5. まとめ
1. プロがおすすめする古い家のリフォーム内容と費用相場
古い家ほど、耐震性や断熱性、目に見えない配管など内部の補修に費用がかかります。
築30年以上であればスケルトンリフォームがおすすめです。
2. 古い家リフォームの費用を抑えるためのコツ3つ
・補助金を利用する
・減税制度を利用する
・優良な会社を選び相見積もりを取る
3. 古い家をリフォームする際の注意点
・間取りや開口部の変更が出来ない可能性がある
・家の建て替えが出来ない可能性がある
・予期せぬリフォーム工事が発生することがある
ここまでで、古い家をリフォームする際の費用や注意点、事例などを解説しました。
築年数が経過している家は目に見える部分だけでなく裏側の補修も必要になるため、大規模工事になる可能性が高いです。ですので、費用やプランなどは妥協しすぎず、ご自宅に合った適切で安全なリフォームを行いましょう。
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