
「和室を子供部屋にしたい」「和室を洋室にして、リビングダイニングを広げたい」など、ライフスタイルや家族の成長、人数の変化にともない、和室を洋室にリフォームすることを検討される方は多いのではないでしょうか。
和室を洋室にリフォームする場合、ご予算と目的に合わせてどこまでリフォームするかを決める必要があります。
今回は和室を洋室へと変更するリフォームを5パターンに分け、費用とともに詳しく解説します。実際の事例や知っておくべき注意点も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1.和室を洋室にリフォームする5パターンと費用相場
和室を洋室へとリフォームする際には大きく分けると以下の5パターンに分けられます。それぞれの費用は以下の通りです。
リフォームパターン | 費用相場 |
---|---|
畳をフローリングへ変更 | 9万円〜20万円台前後 |
床・壁・天井を張替えて洋室へリフォーム | 25万円〜40万円台前後 |
和室全体を解体して完全な洋室へリフォーム | 75万円〜100万円台前後 |
和室を隣接するLDと一体化させるリフォーム | 30万円〜120万円台前後 |
押入れをクローゼットへリフォーム | 20万円〜25万円台前後 |
以降でそれぞれのパターン別に費用を紹介いたします。
「和室を子供部屋にしたい」「和室を洋室にして、リビングダイニングを広げたい」など、ご自身のケースと併せて読み進めてみてください。
①畳をフローリングへ変更【約9万円〜20万円台前後】
畳をフローリングにするリフォームの相場は9万円〜20万円台前後です。
このリフォームは、和室の建具(襖やドア)や、壁はそのままに、文字通り畳だけをフローリングへと張り替える床面のみのリフォームとなります。 工事内容としては、畳と畳寄を撤去した後、フローリングを張っていきます。
畳の厚さとフローリングの厚さには差があるので、床の高さの仕上がりを他の部屋と同じにするために、畳撤去後には下地工事が必要になります。
使用するフローリング材の性能や強度などでも費用が変わってきます。
たとえば、カーペットなどフローリング以外の床材を選ぶ場合は、おおよそですがフローリングよりも安価で、3万円〜4万円ほど安くなります。
事例【19万円】畳をフローリングにするリフォーム(7.5畳)
出典:http://www.infield-gr.jp/case_interior/detail0009.php
▼以下の記事では、畳からフローリングへのリフォームについて詳しく解説しています。


②床・壁・天井を張替えて洋室へリフォーム【約25万円〜40万円台前後】
和室の床や壁・天井も洋室へリフォームする相場はおよそ25万円〜40万円台前後です。
このリフォームは、床だけでなく壁や天井もフローリングの雰囲気に合わせるリフォームです。一般的に、天井や壁にクロスを貼るなどして、統一感のある洋室に仕上げます。
予算を抑えつつ、畳からフローリングへの変更とあわせて、壁や天井も洋室に合うようリフォームしたいとお考えなら、このリフォームがおすすめです。
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事例【97万円】和室の床や壁をリフォーム(6畳)
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/110
③和室全体を解体して完全な洋室へリフォーム【約75万円〜100万円台前後】
和室全体を解体して洋室へリフォームする相場は、およそ75万円〜100万円台前後です。
このリフォームは、雰囲気ではなく部屋を完全に洋室にするリフォームです。工事内容は、床・天井・押し入れを解体し、和室特有の真壁(柱が露出している壁)から洋室の大壁(柱は壁の中に隠れて見えない)に変更するという大がかりなリフォームになります。
(真壁と大壁については【完全な洋室にする場合、壁補修が必要な場合がある】でも解説していますので、合わせて確認してください。)
「和室の雰囲気が多少残ってもいい」、「土壁・砂壁がボロボロ落ちてくるのをきれいにできればいい」というだけであれば、上記のようにクロスを貼るリフォームで十分です。ですが、「和室の名残を完全に払拭したい」場合は、解体して洋室化するリフォームがおすすめです。
事例【122万円】和室全体を解体して洋室へリフォーム(8畳)
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/156
④和室を隣接するLDと一体化させるリフォーム【約30万円台〜120万円台前後】
和室をLDと一体化させるリフォームの相場はおよそ30万円〜120万円台前後です。
このリフォームは、隣接するリビングダイニングと和室を一体化させることで、空間が広く使えるようになる人気のリフォームです。
工事内容は、和室の畳やリビングとの間を仕切る壁を撤去し、床の下地補修をしてLDと和室を一体化させます。
費用は、どこまで自然にLDに一体化させるかによって変わります。
リビング側の床も同時に張替えて一続きの床にする場合、高さ調整のための下地工事や、リビング側の床工事も必要になるため費用が100万円以上と高くなる傾向にあります。
リビング側まで手を付けず、リビングとの間仕切り壁を取り払い補修、和室の畳をフローリング、壁をクロスにする程度のリフォームであれば、50万円以下で可能なことが多いです。
事例【148万円】和室を隣接するLDと一体化させるリフォーム
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/339
▼リビングと和室をつなげるリフォームの費用について、こちらの記事でくわしく解説しています。


⑤和室の押入れをクローゼットへリフォーム【約20万円台〜25万円台前後】
畳をフローリングにするリフォームの相場はおよそ20万円〜25万円台前後です。
このリフォームは、和室独自の良さは活かしながら、収納スペース(押入れや天袋)のみをクローゼットなど洋風に変更するリフォームです。工事内容は、収納スペースの扉や内装を一新し使い勝手をよくさせるリフォームが多いです。
クローゼットの素材は、収納の扉を物の出し入れがしやすい折れ戸タイプにしたり、クローゼット内の湿気対策として調湿材を使用してみるなど、一工夫すると、リフォーム後の使い勝手が格段に良くなるのでおすすめのポイントです。
和室を洋室にする際、同時にリフォームするとさらに使い勝手が高まります。
▼押し入れをクローゼットにするリフォーム費用についてはこちらでくわしく解説しています。


【完全な洋室にする場合、壁補修が必要な場合がある】
完全な洋室にリフォームする際、下地補修が必要なことがあります。元々の和室の壁と、洋室の壁では構造が大幅に違うことがあるからです。
柱が見えない和室の壁構造は「大壁」というのに対し、梁や大柱などが見えるようになっている壁構造は「真壁」と言います。昔ながらの木造戸建ての和室は真壁であることが多いです。
完全に構造を洋室にリフォームする際は、大壁に合わせる必要があります。
真壁を大壁に変更するリフォームは、約50万円~かかります。さらに完全な洋室にするということは、押し入れも解体しクローゼットにしなければ違和感が出てしまいます。完全な洋室にリフォームするには一気に費用がかさみがちですので、ご予算と必要性を考慮しどこまでリフォームするのかを判断しましょう。
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2.和室を洋室にリフォームする3つのポイント
ここでは、それぞれに使用するクロスやフローリング材を選ぶ際に抑えておきたいポイントや価格、注意点などを紹介させていただきます。
壁のクロスは使用用途を考えて選ぼう
クロスとは、住まいやオフィスなど室内に張る壁紙のことです。耐久性に優れ掃除など手入れがしやすく、色やデザインも豊富です。
さらに、クロス自体に様々な機能を持たせた商品も豊富に揃っています。シックハウス対策はもちろん、ペット対応用に表面強化をしたもの、防カビ・抗菌、抗ウィルス・抗アレルゲン、吸放湿、防カビ、防臭・防汚加工など。
クロスのサンプル
出典:https://www.sangetsu.co.jp/
具体的な選び方については、リフォーム後の和室の主な使用目的に合わせて考えて選びましょう。
例えば子供部屋なら、子供の年齢によって、表面強化タイプや防汚加工、抗菌・抗ウィルスを選択。大人だけの暮らしであるなら、住まい自体をケアする目的の防カビや吸放湿を、そしてペットのいる暮らしならペット対応の表面強化をといったイメージです。
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フローリング材は違いを知って好みの床にしよう
フローリングには、大きく分けて2種類あります。
それぞれに異なるメリット、デメリットがありますので、下記の記事なども参考にしながら、どの床材にしたいかを考えておきましょう。


複合(合板)フローリング
一般的なフローリングで、単層(無垢)フローリングに比べて価格やメンテナンスの楽さなどにおいて優れています。豊富な種類があり、さまざまなデザインの中からお気に入りの商品が見つかるはずです。
単層(無垢)フローリング
天然の木から取り出した1枚の板を加工したもので、自然素材ならではのナチュラルさや温もりある肌触りが魅力です。複合(合板)フローリングと比較して高価ですが、肌触りや時間を重ねるごとに風合いが増す点などで根強い人気があります。
様々な色調が揃うフローリング材
フローリングの色一つで室内の印象は大きく変わります。機能性はもちろん、室内の家具や壁の色も考慮して選びたいものです。
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マンションの場合はフローリング選びに注意!
マンションにおける和室リフォームでは、フローリング選びに注意が必要です。
多くのマンションにおいては、近隣、特に階下住民への生活音の配慮としてマンションの管理規約で「防音規定」が定められています。
そのため、マンションで和室の畳をフローリングに張り替える際は、この防音基準を満たす必要があります。一般的なフローリングであれば、各メーカーからこの基準に対応する製品が出ているので問題ないと言えるでしょう。
注意が必要なのは、グレードや天然素材にこだわる方に人気のある「無垢のフローリング」です。無垢フローリングは、フローリング自体に防音性能が認められていません。ご希望のフローリング材が防音基準を満たしてない場合は、畳を剥がしたあと、フローリングの下に防音対策用の下地を張るため、費用が高くなります。
マンションにおける和室リフォームの場合は、マンションのリフォーム経験の豊富な会社を選ぶと安心です。
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3.介護のためのリフォームであれば、補助金が使える場合も
水回りやリビングの出入り口や、リビングに隣接する和室との間に段差はありませんか?
段差を解消するためのリフォームであれば、介護保険の住宅改修費の支給や、各自治体の介護リフォームに関する補助金を受けられる可能性があります。
▼該当する場合はこちらの記事を参考にしてください。


4.まとめ
和室から洋室へのリフォームを費用やフローリング材などの項目別に紹介させていただきました。和室と洋室の一番の差は、なんといっても床面になるでしょう。 先にも紹介しましたが、床面がフローリングやカーペットへと変わることで、「もと畳の部屋」の使用範囲はぐっと広がりそうです。
費用の面でも負担の手軽な和室リフォームだと思います。フローリングは、畳やカーペットの部屋と違って掃除や手入れが比較的簡単な点も人気の理由なのではないでしょうか。費用別に紹介しておりますので、ご自身のニーズや予算と併せて参考にしていただければと思います。
▼相場を見てリフォーム内容がある程度かたまったら、見積もりを取ってみましょう。下記の記事では、リフォームの見積もりを取るうえで必ず知っておきたいことがまとまっています。

