
防犯カメラの設置や防犯性の高い窓への交換など、防犯のためのリフォームで使える補助金がないかと考えている方は多いでしょう。
防犯リフォームで使える補助金は、主に「お住まいの自治体の防犯補助金」と「国の省エネ(断熱)補助金」の2種類です。
防犯目的だけで使えるのは自治体の補助金で、補助額は数万円が中心です。国の補助金は金額が大きい一方、窓やドアを断熱性能の高いものにすることが条件になります。
また、業者に工事を頼む場合は、頼み方によって自治体の補助金を受けられなくなることがあります。
この記事では、やりたい防犯対策にどの補助金が使えるか、そして業者に頼むときに補助金を取りこぼさないための注意点を解説します。
※記事内の制度内容は、2026年10月時点の各公式サイトの情報です。補助金は年度ごとに内容が変わり、予算に達すると受付が終了します。申請前に必ず最新の情報をご確認ください。
1.防犯リフォームで使える補助金は「自治体」と「国」の2種類
防犯対策だけを考えているなら、使えるのは自治体の補助金です。
国の補助金は「断熱」が目的の制度なので、防犯だけでは使えません。ただし、窓やドアを断熱性能の高いものに替える工事なら、防犯性能と両立できる場合があります。
やりたい防犯対策ごとに、主に使える補助金を整理すると次のとおりです。
| やりたい防犯対策 | 使える可能性がある 補助金 |
ポイント |
|---|---|---|
| 面格子・防犯シャッターの取り付け | 自治体 | 対象になるかは自治体ごとに異なる |
| 防犯カメラ・カメラ付き インターホン・センサーライト |
自治体 | 設置工事費が対象外の自治体もある |
| 防犯フィルム・補助錠・ 防犯性の高い鍵への交換 |
自治体 | スマートロックは対象外の例がある |
| 防犯ガラスへの交換・内窓の設置 | 自治体 または 国 | 国は断熱性能の基準を満たす製品が条件。 同じ窓で両方は受けられない |
| 玄関ドアの交換 | 窓と同時の場合…国 一部の自治体 |
国の窓の補助金は、ドア単独の工事は対象外 |
| 壁・床・天井の断熱を含む 大がかりなリフォーム |
国 |
防犯性能の高い窓・ドアを選ぶと 国の補助金の対象になる |
補助額の目安は、自治体が1世帯あたり1万〜3万円程度、国の窓の補助金は1戸あたり最大100万円です。
防犯対策だけを検討している方は、次の章から読み進めてください。窓やドアの交換も考えている方は、国の補助金を解説する4章もあわせてご覧ください。
2.自治体の防犯補助金:対象・金額・申請のタイミング
自治体の防犯補助金は、防犯設備の購入・設置費用の2分の1(上限1万円)程度が一般的です。
東京23区では、費用の4分の3・上限3万円とする例もあります。
2-1.補助の対象と金額は自治体ごとに違う
対象になる設備や補助額は、自治体によって大きく異なります。窓やドアまわりの工事が対象になるかどうかも、自治体次第です。
以下に自治体での防犯リフォームへの補助金の例をまとめました。
| 自治体 | 補助額 | 窓・ドアまわりで対象になる主な設備 | 申請のタイミング |
|---|---|---|---|
| 東京都品川区 | 費用の3/4 (上限3万円) |
防犯ガラス、防犯フィルム、面格子、防犯シャッター、 防犯性の高い錠、カメラ付きインターホン |
設置後に申請 |
| 東京都町田市 | 費用の1/2 (上限1万円) |
面格子、防犯フィルム、防犯性の高い錠・補助錠、 カメラ付きインターホン |
購入・設置後に申請 |
| 愛知県扶桑町 | 費用の1/2 (上限1万円) |
玄関・勝手口の扉の交換、防犯ガラス、格子、 防犯フィルム、テレビ付きインターホン |
実施後、同じ年度内に申請 |
| 広島県廿日市市 | 費用の1/2 (上限1万円) |
防犯ガラス、防犯フィルム、防犯性の高い錠・補助錠、 録画機能付きインターホン |
購入後1年以内に申請 ※持ち家のみ |
| 愛知県岡崎市 | 購入費の1/2 (上限3万円) |
なし (防犯カメラ・センサーライトなどの用具の購入費のみ) |
購入後に申請 |
※2026年10月時点の各自治体の公式ページより。年度ごとに内容が変わります。
自治体の補助金は、防犯用品の購入に対する補助がほとんどです。防犯ガラスや面格子などの施工も補助対象に含まれる自治体もあります。
お住いの自治体に住まいの防犯にかかわる補助があるかどうかは、自治体の窓口に問い合わせるか、下記のサイトで検索して確認してみましょう。
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
同じ「シャッター」でも、品川区では防犯シャッターは対象ですが、雨戸(防犯性能が高くないシャッター)は対象外です。スマートロックを対象外とする自治体もあります。
購入や工事の前に、対象になるかを自治体に確認しておくと安心です。
2-2.申請は「工事の後」が基本
自治体の防犯補助金は、設備を設置してから、領収書と設置後の写真を添えて申請する「事後申請」が基本です。
申請から振り込みまでは、品川区で1〜1.5か月程度、町田市で3か月程度とされています。
多くの自治体は先着順で、予算に達すると受付が終わります。年度の後半は受付が終了している場合もあるため、早めに確認しましょう。
3.業者に頼むときに、自治体の補助金を取りこぼさない3つの注意点
自治体の防犯補助金には、業者に工事を頼むと、頼み方によって補助が減ったり受けられなくなったりする条件があります。工事を依頼する前に、次の3点を確認しておきましょう。
3-1. 設置工事費が補助の対象外になる自治体がある
補助の対象を「防犯用具の購入費」に限り、設置工事費を対象外としている自治体があります。
たとえば岡崎市は、防犯用具の設置工事費を補助対象外としています。
この場合、業者に取り付けてもらっても、補助の計算に入るのは本体の購入費だけです。工事費を含めた総額で補助額を見積もらないよう注意しましょう。
3-2.設置費が対象になるのは「専門業者が取り付けた場合」が多い
設置費を補助の対象に含める自治体でも、条件が付いていることがあります。
町田市では、設置費用を請求できるのは専門業者が設置した場合に限られます。
また、領収書の宛名は申請者本人であることが求められます。家族の名前で契約・支払いをすると申請できない場合があるため、契約する人と申請する人をそろえておきましょう。
3-3. 見積書・領収書は「防犯設備ごと」に金額を分けてもらう
リフォームの見積書は、「〇〇工事 一式」のように、複数の工事をまとめて金額を書くことがあります。
この書き方のままだと、自治体の補助金を申請できない場合があります。
町田市では、領収書に「防犯機器ごとの購入金額(設置金額を含む)」が記載されていることを申請の条件にしています。
品川区では、リフォーム工事の一部として防犯設備を取り付けた場合は原則として補助の対象外です。ただし、対象の防犯設備だけの領収書がある場合は、例外として対象になる可能性があるとしています。
外壁塗装のついでに面格子を付けるなど、他の工事とまとめて頼む場合は特に注意が必要です。
見積もりを依頼する段階で「〇〇市の防犯補助金を使いたい」と伝え、防犯設備の分を別の項目や別の見積書・領収書に分けてもらいましょう。
4.国の補助金を防犯リフォームに活かせるケース
国の補助金(住宅省エネ2026キャンペーン)は、住宅の断熱・省エネを目的とした制度です。
防犯だけを目的とした工事には使えませんが、窓やドアを断熱性能の高いものに替える工事なら、防犯性能を高める工事と両立できる場合があります。
4-1.先進的窓リノベ2026事業:窓の工事だけで使える
先進的窓リノベ2026事業は、窓の断熱改修を対象とした補助金です。ガラス交換、内窓の設置、外窓の交換が対象で、窓の工事だけでも申請できます。
| 対象 | 断熱性能の基準を満たし、事務局に登録された製品を使う工事 |
|---|---|
| 補助額 | 製品の性能とサイズで決まり、1戸あたり上限100万円。補助額の合計が5万円以上であることが条件 |
| 玄関ドア | 窓の工事と同じ契約で同時に行う場合のみ対象(ドア単独の交換は対象外) |
防犯ガラスでも、断熱性能の基準を満たす登録製品であれば対象になりえます。
防犯と断熱の両方の性能を持つ製品を選べるかどうかは、リフォーム会社に相談しましょう。対象製品は公式サイトの製品検索でも確認できます。


4-2.みらいエコ住宅2026事業:大がかりな断熱リフォームと組み合わせる場合
みらいエコ住宅2026事業では、「防犯性の向上に資する開口部の改修」が補助対象工事の一つになっています。対象は、防犯性能の高い建物部品(CPマーク付き)の窓・ドアです。
ただし、補助を受けるには、1つの居室で「窓などの断熱改修」と「壁・床・天井の断熱改修」を組み合わせて行うことが必須です。
壁・床・天井の断熱改修は、断熱材を入れるために内装をはがすことが多く、防犯対策だけの工事とは規模が大きく異なります。
防犯のためだけに使う制度ではなく、断熱を中心とした大がかりなリフォームを予定している方が、窓やドアに防犯性能の高い製品を選ぶと補助の対象になる、と考えるとよいでしょう。


4-3.国の補助金を防犯リフォームに使うときのよくある質問
防犯リフォームを国の補助金に使うには、いくつか注意点があります。
よく聞かれる質問をまとめました。
[Q1]リフォーム業者の条件はある?
A.補助金事業に登録した事業者(住宅省エネ支援事業者)に依頼する必要があります。
[Q2]いつまでの工事が対象?
A.両事業とも、着工は遅くとも2026年12月31日までで、予算に達した時点で受付が終了します。
なお、契約前に着工した工事は対象外なので、年末までに契約して着工する必要がある点にも注意しましょう。
また、みらいエコ住宅2026事業は、交付申請の予約も遅くとも2026年11月16日までです。2027年度以降の制度は、公式サイトで最新の情報をご確認ください。
[Q3]申請は自分でするの?
A.申請は登録事業者が行い、補助金は事業者を通じて施主に還元されます。
[Q4]自治体の補助金と併用できる?
A.同じ設備について、国と自治体の両方から補助を受けることは原則としてできません。町田市は、国・都・他の自治体の補助を受けた防犯機器は申請できないとしています。
一方で、窓は国の補助金、面格子は自治体の補助金というように、設備ごとに使い分けられる場合があります。ただし、他の補助金を受けると申請自体ができない自治体もあるため、事前に自治体に確認しましょう。
国の省エネ補助金の全体像は「省エネリフォームの補助金ガイド」、玄関ドアの補助金は「玄関ドアリフォームの補助金」で詳しく解説しています。
5.補助金を使った防犯リフォームの進め方
自治体の補助金と国の補助金では、申請のタイミングが逆です。自治体は「工事の後に自分で申請」、国は「工事の前に登録事業者と契約し、事業者が申請」が基本です。
両方を使う場合は、どの設備にどの補助金を使うかを最初に決めておきましょう。
5-1.自治体の補助金を使う場合
- 自治体の公式ページで、対象設備・申請期限・設置費の扱いを確認する
- リフォーム会社に「〇〇市の防犯補助金を使いたい」と伝えて見積もりを依頼する(防犯設備ごとの内訳を出してもらう)
- 契約し、工事をしてもらう
- 申請者名義で、防犯設備ごとの金額が分かる領収書を受け取り、設置後の写真を撮る
- 自治体に申請する(窓口・郵送・オンラインなど)
- 交付が決まると、補助金が振り込まれる
5-2.国の補助金を使う場合
- 登録事業者のリフォーム会社に相談し、対象製品で見積もりを出してもらう
- 補助額と、補助の条件を満たしているかを確認する
- 着工前に工事請負契約を結ぶ
- 工事をしてもらう
- リフォーム会社が交付申請を行う
- 補助金がリフォーム会社を通じて還元される
6.補助金に対応できるリフォーム会社の選び方
補助金を確実に使うには、補助金の手続きに慣れたリフォーム会社に頼むことが近道です。
ただし、自治体の補助金は数万円程度のことが多いため、補助金だけで会社を決めるのではなく、工事の内容と価格を比べたうえで、補助金を取りこぼさない会社を選びましょう。
6-1.会社選びで確認したい3つのポイント
[1]国の補助金を使う場合:住宅省エネ支援事業者に登録しているか
国の補助金は、登録業者(住宅省エネ支援事業者)に工事を依頼する必要があります。
検討している会社が登録業者かどうかは、公式サイトの事業者検索で確認できます。
[2]自治体の補助金を使う場合:防犯設備ごとに分けた見積書・領収書を出してもらえるか
自治体の補助金は、機器ごとの購入金額や設置金額が領収書に記載されていることが申請条件になっている場合があります。
そのため、「〇〇工事 一式」のように、複数の工事をまとめた金額ではなく、明細を記載した領収書や見積書を出してもらえるか確認しましょう。
見積もりを依頼する段階で「〇〇市の防犯補助金を使いたい」と伝えて対応できるかを確認しておくと安心です。
[3]補助の条件を踏まえた提案ができるか
自治体の補助金の場合、申請してもらえる金額は数万円程度です。
補助を受けるための要件を満たす施工内容に調整する※ことで、補助額を超える追加費用が発生する可能性があります。
※商品選び・工事の方法・申請書類の用意など
補助金を使いたいという意向は組んだうえで、その補助金の要件をしっかり理解したうえで現実的な提案ができる会社を選ぶのが、結果的にお得なリフォームが実現できる方法です。
補助金利用のリフォームはリフォームガイドにご相談を
補助金を利用するリフォームを進めるには、自治体や国の制度への理解や書類手続きなど、リフォームの内容以外の知識が業者には必要です。
この点に意識しないで依頼先を決めると、予定していた通りの補助金を受け取れないという事態に陥りかねません。
リフォームガイドでは、リフォーム会社の特徴を知り尽くした専門のコンシェルジュが、補助金事業への登録状況や、過去に自治体のリフォームに対応したことがあるかどうかといった情報まで加味して、あなたのリフォームに最適な会社をご紹介します。
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7.まとめ
防犯のみの目的のリフォームで使える補助金は、自治体の補助金で補助額は1~3万円程度が中心です。
国の補助金であれば上限100万円規模の補助(先進的窓リノベ2026事業の場合)が受けられますが、断熱目的の工事を含むことが条件となります。そのため、窓やドアを断熱性能の高い製品に変えるときに防犯性も高めるというリフォームであれば活用できます。
同じ設備のリフォームで国と自治体の補助を同時に受けることはできないので、国と自治体両方の制度に詳しく、補助を受けることで本当に費用を抑えられるかどうかも含めて判断できる業者を選ぶことが重要です。
条件をみたす業者を自分で探すのは難しいため、補助金制度に詳しいリフォーム会社選びには、リフォームガイドをぜひご活用ください。







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