
省エネ性能の高さから、エコキュートを導入する家庭が増えてきました。しかし、エコキュートは本体だけでも数十万円はする大きな買い物。種類や容量もいくつかタイプがあり、「何を基準に選んでよいかわからない」「結局いくらかかるの?」と悩まれる方も多いでしょう。しっかりと検討して、自宅に合った製品をできるだけ安く設置したいですよね。
今回はエコキュートの導入にかかる、本体価格と工事費用の相場を解説します。設置の際に利用できる補助金制度もありますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
1.【本体+工事費】エコキュート設置・交換にかかる費用相場
まずは、エコキュートを設置や交換にかかる費用の相場を知っておきましょう。
業者に依頼してエコキュート本体を取り付ける場合、本体代と工事費を併せて、30万~60万円程度費用がかかるとされています。
内訳としては、本体代が15万~50万円程度で、そこに取り付けや交換の工事費として、10万~20万円ほどかかるイメージです。設置・交換工事には、基礎工事や配線工事といった作業が含まれます。
ただし、ハイグレードタイプのエコキュートを設置する場合や、設置場所の状態により追加工事が必要な場合には、さらに費用が高額になる可能性もあります。
2.【本体価格】エコキュート本体の値段相場
エコキュートにはさまざまな種類があり、本体価格もさまざます。
本体価格はタンクのサイズと給湯タイプを選ぶと決まってきます。
2-1.貯湯タンクの容量は家族の人数で決まる
エコキュートの貯水タンクの容量は、以下の表のように、家族の人数に合わせて選びましょう。
家族人数 | タンク容量の目安 | 価格 |
---|---|---|
1~2人 | 200L未満 | 安い ↑ ↓ 高い |
2~3人 | 300L | |
3~5人 | 370L | |
4~7人 | 460L |
日中に湯切れしないようにと、あまり大きなタンクを選んでしまうと、本体代も維持費も必要以上にかかり、かえってコストがかさむ原因になります。
かといってタンクの小さい製品を選ぶと、日中に湯切れを起こしてしまう可能性があります。そうなると、せっかく電気料金の安い夜間にお湯を沸かせるエコキュートを購入したのに、日中にお湯を沸かさなければならないことになりかねません。
家族の人数に合わせた容量を選ぶことで、初期費用もランニングコストも下げることが可能です。
2-2.給湯タイプは給湯器の使い方で決める
エコキュートには3つの給湯タイプがあり、価格帯もそれぞれ異なります。
給湯タイプ | 概要 | 価格 |
---|---|---|
給湯専用 | 最もシンプルな給湯タイプ。 湯張りや足し湯を手動でする必要があるぶん、価格もリーズナブル。 |
安い ↑ ↓ 高い |
オートタイプ | 自動の湯張り・足し湯機能がついているタイプ。中間の価格帯で購入しやすい。 | |
フルオートタイプ | オートタイプの機能に、自動の保温・追い炊き機能がついたタイプ。 価格は高いものの、家庭用エコキュートの中でも特に人気。 |
上記の表をご覧いただくとわかるとおり、エコキュートはついている機能が多いほど価格も高くなります。
最もシンプルな給湯専用タイプは、本体価格が安く初期費用を抑えられる反面、湯張りや足し湯を自分でしなければいけないという手間が発生します。
逆にフルオートタイプは、自動の追い炊きや保温機能がついていて利便性が非常に高いですが、そのぶん本体価格も高くなります。
家族構成やライフスタイル、予算に合わせて選びましょう。
2-3.本体価格の相場まとめ
上記で解説した、エコキュートのタンク容量・給湯タイプごとの相場をまとめると、以下の表のようになります。
給湯タイプ | タンク容量 | 価格相場 |
---|---|---|
給湯専用 | 300L | 25~35万円 |
370L | 35~43万円 | |
460L | 37~46万円 | |
オートタイプ | 300L | 30~40万円 |
370L | 38~44万円 | |
460L | 41~47万円 | |
フルオートタイプ | 300L | 30~55万円 |
370L | 36~60万円 | |
460L | 39~61万円 |
ここでご紹介した価格はあくまでも一例で、より便利なハイグレードタイプを選んだり、保証年数を延長したりすると、相場よりも高くなる可能性があります。
また、設置する場所によっては追加工事費用も発生する可能性がありますので、あらかじめしっかりと予算を決めておくことも大切です。
3.エコキュートをお得に設置するには?使える補助金も
エコキュートをお得に設置する方法は、大きく分けて以下の3つがあります。
3-1.「給湯省エネ2025事業」や自治体の補助金を利用する
エコキュート設置工事では、資源エネルギー庁が進める「給湯省エネ2025事業」という補助金制度を利用できます。
同事業では、1台あたり6万円の補助が受けられます。上記でご紹介したとおりエコキュートは本体価格だけでも数十万円する大きな買い物ですので、ぜひ積極的に活用したいところです。


また、自治体によっては、エコキュート設置工事を対象とした独自の補助金制度を用意している場合もあります。詳しくは市区町村の窓口で確認しましょう。
3-2.自社施工の販売店に依頼する
自社施工とは、中間業者や下請け会社を使わずに、販売店自らが設置工事を行うことを指します。
エコキュートの販売店の中には、自社では販売のみ行い、設置はほかの業者に委託しているというケースも少なくありません。表面上のサービスは変わらないように見えますが、設置のためにもう1社関わっているだけで、マージン費用がかかってきます。
自社施工の販売店に依頼すると、中間業者・下請け会社に支払う費用がないぶん、安い費用で設置してもらえる可能性が高くなります。
3-3.複数の施工会社から相見積もりを取る
エコキュートを設置・交換する場合は、必ず複数の施工会社から相見積もりをとりましょう。
複数社から見積もりをとって比較することで、正しい相場感を把握したうえで、安く設置してくれる施工業者を選ぶことができます。このとき、安すぎる業者を選ぶと手抜き工事になったり、あとから追加費用を請求されたりといったトラブルになる可能性もあります。相場に合った業者の中から、納得できる費用感・工事内容の会社を選びましょう。
見積もりの見方や会社の選び方は、こちらの記事を参考にしてください。


4.エコキュート購入・設置前の確認ポイント
エコキュートを設置する際、施工業者に発注する前に確認しおきたいポイントが5つあります。
- 設置場所に十分スペースがあるか
- 見積もりが工事費込みの価格になっているか
- 標準工事から追加費用がかかる可能性はないか
- 付属品の費用も見積もりに入っているか
- 交換まで対応できる保証期間・保証内容になっているか
4-1.設置場所に十分スペースがあるか
エコキュートを設置予定の場所に、十分なスペースがあるかは必ず確認しましょう。通常の給湯器と比べて、エコキュートは貯湯タンクがある分広いスペースが必要です。
また、タンクの形状も様々ありますので、自宅の設置スペースに合った商品があるか、業者に現地を見てもらいながら相談するのがおすすめです。
4-2.見積もりが工事費込みの価格になっているか
施工業者から提示される見積もりを見る際は、工事費を含んだ価格になっているかを確認しましょう。
ほとんどの施工業者は本体価格と工事費を合わせた金額を提示しますが、なかには見積額を安く見せるために、本体価格のみを記載してる会社もあります。
あとで工事費を追加されて予算オーバーにならないよう、見積もり時に支払総額を確認しましょう。
4-3.標準工事から追加費用がかかる可能性はないか
見積もりに記載される「標準工事(基本工事)」の範囲と、追加費用が発生する可能性がないか、あればどんな費用になるかを確認しておきましょう。
標準工事に含まれる作業範囲を確認せずに当日を迎えてしまい、いざ設置する段階で追加費用が必要となってしまっては、例え予算オーバーでも断りづらくなります。
見積もりの際は必ず現地調査をしてもらい、正確な費用を算出してもらいましょう。
4-4.付属品の費用も見積もりに入っているか
エコキュートを便利に使うためのオプションは、別料金扱いとして見積書に記載がない場合があります。
特にリモコンはエコキュートには欠かせない設備の1つ。リモコンにもさまざまなグレードがあるので、料金に含まれているのか、どのようなリモコンがついているのかも確認しておきましょう。
4-5.交換まで対応できる保証期間・保証内容になっているか
エコキュートを購入する際には、10年保証がついている業者を選ぶのをおすすめします。エコキュートの寿命は10~15年ほどで、10年を経過した頃から経年劣化により不具合が出てくると言われています。10年前後で交換することを考えて、それまで保証をつかって修理するのがおすすめです。
また、保証内容も施工会社によって異なります。2回目以降の修理は有償、出張費や部品代が別請求など、保証内容には幅があります。見積もり確認時にしっかり確認して比較しましょう。
5.まとめ
エコキュートは製品のタイプやサイズ、グレードによって価格が異なります。ご自宅に設置できるかどうかをご自身だけで判断するのは難しいので、適した商品を専門会社に提案してもらいながら決めるのがおすすめです。