省エネ給湯器とは?比較や設置のメリット・デメリット

省エネ給湯器

毎月の光熱費を節約したいと思っている方におすすめなのが、効率よくお湯を沸かせる省エネ給湯器です。省エネ型の給湯器には、燃料代の節約に加え、CO2を削減して環境保護にも役立つなど、さまざまなメリットがあります。本体価格や工事費など初期投資は高額になるものの、国や地方自治体が設けている補助金制度を利用すれば、お得に設置できるため事前に確認しておくと良いでしょう。

今回は、省エネ給湯器のメリットやデメリット、各機種の特徴・費用などの比較、利用できる補助金制度、選ぶ際のポイントなどを紹介します。省エネ給湯器の設置を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

※この記事は、2024年4月時点の情報です。


1.省エネ給湯器とは?

省エネ給湯器は、従来型の給湯器よりも熱効率が良く、少ない燃料でより多くのお湯を沸かせる高効率な給湯器です。

省エネ給湯器を設置すれば、毎月のガス代や石油代、電気代などの光熱費を節約できます。さらに、排出CO2の削減など地球環境への配慮にもつながる、家計と環境のどちらにも優しい設計。交換時に省エネ型を選ぶ人が増加しているほか、各自治体でも設置を推奨しており、今後の普及が期待されている給湯器です。

給湯省エネ事業」をはじめとして、省エネ給湯器を導入する工事には補助金制度も用意されています。
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2.省エネ給湯器の設置のメリット

省エネ給湯器を設置すると、毎月の光熱費を節約できるだけでなく、環境にも優しいメリットがあります。ここからは、省エネ給湯器を自宅に設置するメリットについて詳しくみていきましょう。

2-1.毎月の光熱費が安くなる

熱効率が高く、毎月の光熱費を削減できるのが省エネ給湯器の大きなメリットです。給湯器はお湯を沸かす際に、ガスや石油、灯油、電気といった燃料を使用しており、消費量に応じてガス代や石油代などがかかります。
省エネ型なら、同じだけお湯を沸かすのに、従来型より使用する燃料が少なくて済むため、導入すれば、お湯の使用量が同じでも以前と比べて月々のランニングコストが安くなるのです。

通常型給湯器と省エネ給湯器の光熱費比較
通常の給湯器 省エネ給湯器
1ヶ月の光熱費 約9,700円 1ヶ月の光熱費 約8,200円
1ヶ月で約1,500円、年間約1万8,000円の節約!

※エコジョーズと従来タイプの給湯器を使用した場合のガス代の比較。
年間給湯負荷18.3GJ(給湯16.6GJ、追い焚き1.7GJ)、ガス料金/LPガス:5.1円/MJ(石油情報センター平成27年度月次平均価格(50m3)データの単純平均より算出)により計算。
※参考:リンナイ「教えて給湯器!

お湯の使用量が多い家庭ほど節約効果が高くなり、さらに、最近では使わない間の待機電力を抑えられる機種も出ています。

2-2. 環境にも優しい

光熱費を節約して家計に優しいだけでなく、CO2排出量を削減できて環境にも優しいのも省エネ給湯器のメリットです。燃料消費を抑えられるため、同じ量のお湯を作っても従来型より排出するCO2が少なくて済みます。

熱効率の高さで削減を行うため、家事や入浴での使用量を節約せずに、環境保全にも貢献できるのが利点です。家庭におけるエネルギー消費の約27.8%は給湯が占めており、省エネ型給湯器を導入すれば、高いCO2削減効果が期待できるでしょう。


3.省エネ給湯器の設置のデメリット

光熱費節約や環境保全などのメリットをもつ省エネ給湯器ですが、本体代や工事費用、お湯の使用量などによってはデメリットが生じるケースもあります。続いては、省エネ型給湯器を設置するデメリットをみていきましょう。

3-1.本体代・工事費用が高い

省エネ型給湯器を設置する大きなデメリットが、本体代・工事費用などが高額になりやすい点です。省エネ型は、効率よくお湯を沸かせるよう、内部の機構が複雑になっていたり、最新機器が備わっていたりするため、一般的に従来型よりも本体が高価格です。

さらに、専用ユニットや貯湯タンクなど取り付ける設備が多かったり、ドレン排水処理などの追加工事が必要になったりするため、取替・設置工事費用も高くなる傾向があります。そのため、設置の際には従来型よりも全体的なコストが高くなりがちです。

給湯器の交換費用の相場についてはこちらの記事を参考にしてください。

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3-2.お湯の使用量・使う期間によっては元が取れないこともある

消費するお湯の量によっては節約効果が小さく、すべての人にとってお得といえない点も省エネ給湯器のデメリットといえるでしょう。省エネ型給湯器は少ない燃料で多くのお湯を沸かせるのがメリットのため、基本的には、たくさんのお湯を使用する世帯ほど、より多くの光熱費を節約できます。

しかし、もともとお湯の使用量が少ない単身世帯などでは、光熱費の削減効果が薄く、設置費などの初期投資をなかなか回収できずに損をしてしまう可能性があるのです。省エネ給湯器を選ぶ際は、普段どれくらいお湯を使用しているかも考えるようにしましょう。

お湯の使用量が少ない場合は、省エネ給湯器を導入することでトータルコストが上がってしまうこともあります。給湯器の交換時期は一般的に10年前後と言われますので、現在のお湯の使用量から10年間で元が取れるかどうか計算してみましょう。
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4.省エネ給湯器の種類と比較

省エネ型給湯器にはさまざまな種類があり、エコジョーズやエコフィール、エコキュート、エネファームなど多様な製品が発売されています。ここからは、省エネ給湯器を選ぶ際の参考として、各機種の特徴や性能、光熱費、設置費用などの比較をみていきましょう。

エコ給湯器の名称 エコジョーズ エコフィール エコキュート エネファーム
熱源 ガス 石油(灯油) 電気 ガス
特徴・性能
  • 給湯熱効率95%
  • ガス使用量15%カット
  • お湯を沸かした排熱を回収して再利用
  • 風呂の追い炊きも高効率
  • コンパクトで省スペース
  • マンションにも設置可能
  • 給湯熱効率95%
  • お湯を沸かす際の排熱を再利用
  • 貯湯タンクが要らずコンパクト
  • 待機電力も節約
  • 大気中の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ給湯器
  • 給湯時の電気使用量を約3分の1に削減
  • 貯湯タンクの設置が必要
  • 停電時も貯湯タンクのお湯は使用可能
  • エネルギー利用率85~97%
  • 発電と同時にお湯も沸かせる
  • 給湯に加え、電力会社からの購入電力を減らして節電可能
  • 機種によっては停電時も電気を利用可能
  • マンションにも設置可能
交換・設置の費用 本体価格:30万~60万円程度
工事費:10万~20万円程度
本体価格:25万~50万円程度
工事費:10万~20万円程度
本体価格:80万~120万円程度
工事費10万~20万円程度
本体価格:200万円程度
工事費用:30万~80万円程度
補助金制度
  • 子育てエコホーム支援事業:3万円/戸

※同じ対象で重複利用は不可。
ほかに自治体によっては補助金有

  • 子育てエコホーム支援事業:3万円/戸

※同じ対象で重複利用は不可。
ほかに自治体によっては補助金有

  • 給湯省エネ事業:8万円/台(戸建2台、共同1台まで)
  • 子育てエコホーム支援事業:3万円/戸

※同じ対象で重複利用は不可。
ほかに自治体によっては補助金有

  • 給湯省エネ事業:18万円/戸(戸建2台、共同1台まで)

ほかに自治体によっては補助金有

上記の表の中で、エネファームは給湯だけでなくガスで発電も行うコージェネレーションシステムで、他の給湯器とは役割が少し違います。発電の機能分、本体価格や施工費用が高くなっています。
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5.省エネ給湯器を選ぶ際のポイント

ひとくちに省エネ給湯器といっても、いろいろな種類があり、性能や価格も異なっているため、どれを選べばいいのか迷ってしまう方もいるかもしれません。そこで、ここからは、自分に合った省エネ給湯器を選ぶ際のポイントを解説します。

5-1.①自身の環境にあわせて選ぶ

給湯器を選ぶ際は、設置してから使いにくさを感じたり、問題が起きたりしないよう、自分の生活環境やライフスタイルに合わせて選択するのが大切です。上記の表で紹介した4種の省エネ給湯器は、それぞれの以下のような方におすすめです。

エコジョーズ:4人家族以上の人やプロパンガスを使っている人におすすめ

世帯人数が多くガス代が高額になりやすい人や、都市ガスよりも高いプロパンガスを利用している人には、ガス代を今よりも節約できるエコジョーズをおすすめします。

エコフィール:寒冷地に住んでいる人や石油給湯器を使っている人におすすめ

灯油代を節約できるエコフィールは、寒い地方にお住いの方や現在、石油給湯器を使っている人におすすめです。
エコフィールなら、年間6,500~9,000円程度灯油代を節約できます。

エコキュート:太陽光発電を設置している人におすすめ

電気でお湯を沸かすエコキュートと太陽光発電を組み合わせれば、よりお得に使えるようになります。

エネファーム:電気代を節約したい人におすすめ

お湯を沸かしながら発電もできるエネファームなら、ガス代とともに電気代も節約できます。また、停電時に利用できる機種を選べば災害時にも安心です。

5-2.②補助金の有無を確認する

省エネ給湯器では、導入費用を抑えるための補助金を活用できる場合があるため、設置する際は、使える制度がないかをよく確認しておきましょう。省エネ給湯器が利用できるのは主に、経済産業省の「給湯省エネ事業」による補助金と国土交通省の「子育てエコホーム支援事業」の2種類です。どの機種で、どちらの補助金が利用できるか、詳細は上記の表を参考にしてください。

給湯省エネ事業は高効率給湯器の設置を支援するための補助金制度で、機種によって金額が変わり、最大で給湯器1台につき18万円が交付されます。「子育てエコホーム支援事業」は子育て世帯や若年夫婦を対象にした補助金で、給湯器なら機種にかかわらず金額が決まっており、一世帯につき3万円です。

どちらも事業に登録している事業者による工事が対象で、申請も施工業者が行う制度になっているため、依頼するリフォーム業者選びにも注意してください。

また、ほかにも地方自治体ごとに独自の補助金制度を設けている場合があり、たとえば、東京都東村山市ではエネファームを導入すると3万~5万円の補助を受けられます。自分の住んでいる地域で利用できる補助金がないか調べてみると良いでしょう。

リフォームで使える補助金制度について、さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【2024年度】リフォームで使える補助金8種類!申請方法も解説
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5-3.③相見積もりをとる

給湯器の交換・設置工事を行う際は、必ず複数の業者から見積もりをもらうようにしましょう。省エネ給湯器の本体価格・工事費用は依頼する施工業者ごとに大きく異なるため、1社だけの見積もりで決めると損をしてしまう可能性もあるのです。

省エネ給湯器の設置価格は、ガス会社や家電量販店、給湯器専門業者など、任せる会社の種類によっても変わってきます。なかには、工事費込みでメーカーの小売価格よりも割引してもらえる場合もあるため、適正な価格で導入できるよう相見積もりをとってください。

5-4.④信頼できる業者にお願いする

省エネ給湯器の設置を依頼する際は、価格だけをみて決めるのではなく、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。給湯器の設置には、専門的な知識と経験、技術が必要とされます。特に省エネ型の給湯器は、従来型よりも構造が複雑で工事にも手間がかかるため、信頼できる業者を見つけるべきです。良い業者を見つけるため、事前に口コミやネットの評判などは必ずチェックするようにしておきましょう。

また、給湯器に関する補助金は、消費者ではなく各制度の登録業者が申請する制度になっている場合が多く、補助金事業に登録しているリフォーム業者を選ぶのも重要です。各補助金のサイトで事業者が検索できますが、複数の事業者の情報を把握しているリフォームポータルサイトなども活用してみると良いでしょう。

リフォームガイドは、専任のスタッフがご希望に沿って、あなたにぴったりのリフォーム会社を紹介してくれるリフォームポータルサイト。紹介するのは厳しい審査基準に合格した優良なリフォーム会社のみで、相見積もりによる複数社の比較・検討や補助金制度を利用できる事業者の紹介も可能です。
登録は無料で、住宅のエリアやリフォーム箇所などを入力するだけで申し込みも簡単に行えます。自宅に省エネ給湯器を設置する際は、ぜひリフォームガイドの無料相談してみてください。


6.まとめ

省エネ給湯器を設置すれば高い熱効率により、ガスや石油、電気代などを節約できるうえ、CO2も削減できて環境保全につながります。今なら補助金を利用してお得に交換・設置できるケースもあるため、光熱費を節約したいとお考えの方は、ぜひ導入を検討してみてください。

省エネ給湯器を取り付ける際には、信頼できる業者選びが大切になります。自宅に省エネ給湯器の設置を考えているけれど、どの業者に任せていいのか悩んでいる方は、ぜひリフォームガイドにご相談ください。

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