
フローリングの一部に汚れや傷があって、部分的に張り替えたいと考えているものの「そもそも部分張り替えはできるのだろうか」「費用はどのくらいかかるのか」などの疑問や悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、フローリングを部分張り替えするときの方法や費用をくわしく解説します。部分張り替え以外の選択肢も紹介するので、ご自宅に最適な方法でフローリングをきれいにしましょう。
目次
1.フローリングの部分張り替えはできる?
フローリングの部分張り替えは、基本的に可能です。ただし、張り替えた部分が既存のフローリングと色が違って違和感が出てしまうケースが多いため、見栄えを考えて一部屋全面を張り替えるようにすることが多いようです。
また、マンションでは、階下への騒音を低減するために遮音等級の規約が設けられている場合が多く、選べるフローリング素材が限られます。管理規約を確認したり管理組合に問い合わせたりしておくとよいでしょう。
なお、賃貸物件の場合は、管理会社や大家さんの許可が必要です。
2.フローリングの部分張り替え方法
フローリングを部分的に交換する場合の張り替え方法は、おもに以下の2つがあります。
- 「さね」を切り落とす方法
- 「さね」を残す方法
「さね」とは、フローリング同士をつなげて高さを揃えるなどの目的で設けられた凸凹部分のことです。凸部分をおざね、凹部分をめざねといいます。
この部分を切り落とすか残すかで、部分的な張り替え工事の難易度や施工後の状態が変わってきます。
①さねを切り落とす
1つ目は、フローリング同士をつないでいるさねを切り落として交換する方法です。新しいフローリング材を張る際は、接着剤を使います。
さねを切り落とすため、どの場所でも交換しやすいメリットがあります。一方で、フローリング同士は分離しているので浮きやすくなり、段差ができる可能性あります。段差ができるとつまづきやすくなったり、掃除がしにくくなるなど問題がおきて、すぐに再工事が必要になるかもしれません。
さねを切り落とす方法は、部屋の真ん中のフローリングを部分張り替えしたい場合によく使われる方法です。
②さねを残す
2つ目は、部屋の端から交換する部分まで順番にフローリングを取り外して傷んだ部分を張り替える方法です。
さねを残すのでフローリング同士がつながった状態を維持でき、張替え部分が浮きにくいのがメリットといえます。ただし、張り替え部分までのフローリングをすべてはがしていかなければなりません。手間がかかるため施工費用がかさむ点には注意が必要です。壁に近い部分のフローリングを張り替えたい場合に最適な方法です。
3.フローリングの部分張り替え費用
1日で終わる作業を想定した場合、フローリングの部分張り替えにかかる費用相場は以下の通りです
フローリングの種類 | 費用相場(1日で終わる作業を想定) |
---|---|
合板フローリング | 2万円〜4万円 / 日 |
無垢フローリング | 3万円〜8万円 / 日 |
数万円で部分張り替えができるケースが多いですが、フローリングの種類により費用感は変わってきます。
(参考)合板フローリングと無垢フローリング
フローリングは、大まかにいうと合板タイプと無垢タイプにわけられます。
合板フローリングとは、合板などの基材の上に天然木や木目調のシートを張り合わせて作られた床材です。比較的安価なものが多く、最も普及しているタイプといえるでしょう。
無垢フローリングとは、天然木から木材を切り出して一枚板に加工した床材のことをいいます。木の風合いや質感を楽しめますが、合板フローリングと比較すると高価です。部屋全体を張り替えるとなれば、6畳でも10万円以上はかかるでしょう。
4.フローリングの部分張り替えのメリット・デメリット
フローリングの部分張り替えは手軽にできるイメージがあるものの、違和感のある仕上がりになりやすいなどのデメリットも見られます。
ここでは、フローリングを部分張り替えする場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット:手軽に工事を終えられる
①家具の移動が不要
部分張り替えの場合、家具の移動が不要なケースが多いです。全体を張り替える場合は、その空間の家具などをすべて運び出さなければならないため、手間がかかります。
家具移動をせずに張り替えできるのは、メリットの1つです。
②工期が短い
フローリングを一部分のみ張り替えるため、工期が短いのもメリットです。張り替え範囲にもよりますが、数時間で工事が終わるケースも。
全体を張り替える場合は数日かかる可能性があるので、生活への影響が少ないのはメリットです。
③費用を抑えられる
材料が少なく工期も短いため、全体を張り替える場合と比較して費用が抑えられます。使用するフローリング材にもよりますが、6畳の部屋全体を張り替えるとなると、材料代と手間代を合わせて12万円〜20万円程度は必要になるでしょう。
部分張り替えなら、数万円で済む可能性があります。
デメリット:工事後の問題が出る可能性がある
①違和感のある仕上がりになりやすい
部分張り替えの一番のデメリットは、違和感のある仕上がりになりやすいことです。というのも、既存のフローリングと同じ商品を見つけられないことが多いからです。
フローリング材は、5年前後で廃盤になるケースが一般的です。廃盤になっていれば、似た色や木目のフローリングを利用することになりますが、微妙な違いがあるので仕上がりに違和感が出ます。
また、同じ商品があったとしても、既存のフローリングに色褪せや経年劣化がが発生していて、自然な見た目にはならないケースよく見られます。
そのため、特に築年数の古い家では、フローリングの部分張り替えよりも全面張り替えにした方が良いと言われることが多い点を認識しておきましょう。
②交換部分のフローリングが浮いてくる可能性がある
交換部分のフローリングが浮いてくる可能性があることも、部分張り替えのデメリットです。
さねを切り落とす方法で部分張り替えをしたときに、接着剤のみでフローリングを張るためです。接着剤が弱まったときに、フローリングが浮いたり外れたりすることがあります。
一方で、さねを切り落とさない方法で部分張替えしたときや、全体を張り替えした場合はフローリングすべてがさねでつながっているため、浮きにくく床鳴りもしづらいといえます。
特にさねを切り落とす部分張り替えをする場合は、施工後に交換部分が浮き上がるリスクを考慮に入れておきましょう。
5.フローリングの部分張り替え以外の選択肢
フローリングの部分張り替え以外にも以下のような選択肢があるため、状況に応じて検討してみましょう。
- フローリングの全面張り替え
- フローリングの補修
①フローリングの全面張り替え
傷の範囲が広い場合や、既存のフローリングが廃盤になっていて見た目を合わせられない場合や、経年劣化・色あせが出ている場合は、部屋全体を張り替えたほうがよいかもしれません。
部分張り替えは費用を抑えられますが、見た目を合わせられない場合は違和感が残り後悔する可能性もあります。
なお、フローリングを全面張り替えする場合の費用相場は、以下のとおりです。
部屋の広さ | 床材の種類 | |
---|---|---|
合板フローリング | 無垢フローリング | |
6畳 | 12〜17万円 | 15〜20万円 |
8畳 | 14〜20万円 | 18〜25万円 |
10畳 | 16〜23万円 | 22〜29万円 |
12畳 | 20〜29万円 | 26〜35万円 |
既存のフローリングが古くて廃盤になっている場合は、仕上がりがきれいな全面張り替えがおすすめです。


②フローリングの補修
傷が浅く範囲がせまい場合は、補修で目立たなくできる可能性があります。
フローリング用のクレヨンや補修液などもあるため、DIYに挑戦してみるのもよいかもしれませんが、目立たないように仕上げるのは難しいでしょう。
補修専門の業者に依頼すると、傷が浅ければまったく目立たないように仕上げられます。簡単な補修であれば、1万円前後で対応してくれる可能性もあります。
フローリングの補修を検討する場合は「(お住まいのエリア) フローリング補修」などのキーワードで補修業者を探してみましょう。
6.まとめ
フローリングの部分張り替えは可能ですが、マンションや賃貸物件の場合、まずは管理組合や管理会社などへ問い合わせましょう。
フローリングの部分張り替え費用の相場は、1日で済む範囲であれば2万円〜3万円が目安です。施工方法やフローリングの種類などによって異なります。
また、状況によっては全面張り替えを選択したほうが良いかもしれませんので、施工業者と相談しながら進めましょう。小さな傷であれば、補修で対応してもらってもよいでしょう。
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