住宅省エネ2025キャンペーンとは?事業内容や注意点を徹底解説

2024年度に引き続き、2025年度もリフォームで活用できるお得な補助金制度「住宅省エネ2025キャンペーン」のスタートが決定。給湯器の交換や断熱リフォーム、子育て世帯向けのリフォームなど、さまざまな工事で活用できる補助金となっています。

今回は、「住宅省エネ2025キャンペーン」の内容や、補助金を活用してリフォームする際のよくある質問などを解説します。少しでもお得にリフォームしたい方は、ぜひチェックしてください。
※2025年3月時点で発表されている情報をもとに作成しています。


1.「住宅省エネ2025キャンペーン」とは?

出典:住宅省エネ2025キャンペーン公式ホームページ

「住宅省エネ2025キャンペーン」とは、エネルギー効率の良い住宅(省エネ住宅)にするための工事に使える、新築やリフォームを対象にした補助金制度です。

これは、国土交通省、経済産業省、環境省が一緒に進めているもので、リフォームには4つの支援事業があります。


2.「住宅省エネ2025キャンペーン」4つの事業内容

本キャンペーンには4つの支援事業があり、「ワンストップ」で申請できます。ワンストップ申請とは、1回の手続きでまとめて補助金を申し込めるという便利な仕組みです。複数の工事を組み合わせることで、最大280万円の補助金を受けることができます。

ワンストップ申請を利用する場合、申請するそれぞれの工事において事業者登録している業者を選ぶ必要があるため注意しましょう。

補助金制度 工事内容 補助額
先進的窓リノベ
2025事業
【必須工事】
・窓の断熱リフォーム

【必須工事を行った場合に対象となる工事】
・ドアの断熱リフォーム

上限200万円/戸
子育てグリーン
住宅支援事業

【必須工事】
・開口部の断熱リフォーム
・躯体の断熱リフォーム
・省エネ化設備の設置

【必須工事を行った場合に対象となる工事】
・子育て対応リフォーム
・バリアフリーリフォーム
など

【必須工事3種をすべて実施】
上限60万円/戸

【必須工事の3種のうち2種を実施】
上限40万円/戸

給湯省エネ
2025事業
【必須工事】
・戸建、共同住宅における高効率給湯器の設置

【必須工事を行った場合に対象となる工事】
・電気蓄熱暖房機の撤去
・電気温水器の撤去

【基本額】
最大16万円/台
(設置する給湯器による)

【性能加算額】
最大7万円/台
(設置する給湯器による)

【撤去加算額】
最大8万円/台
(工事の内容による)

賃貸集合給湯省エネ
2025事業
対象となる既存賃貸集合住宅における、
補助対象の小型の省エネ型給湯器への交換
【基本額】
最大7万円/台
(設置する給湯器による)

【加算額】
(追い炊き機能の有無や
工事内容によって加算される)
3万円/台

2-1.「先進的窓リノベ2025事業」

「先進的窓リノベ2025事業」は、戸建てや共同住宅にかかわらず、既存住宅の窓やドアを断熱リフォームで利用できる補助金です。

2024年11月22日以降に着工した工事が対象で、補助金の申請は、リフォームを依頼する人ではなく登録された施工業者(登録事業者)が行います。

断熱性能の高い複層ガラス等への交換や内窓の設置、外窓の交換が対象。また、これらの窓の断熱リフォームと同時に行う場合に限り、断熱性能の高いドアへの交換も補助対象とされます。

補助額は以下の表をご覧ください。

上限額 200万円/戸
工事内容別補助額

※補助金額の合計が5万円以上で申請可能

窓ガラス交換 0.5~5.5万円/枚
内窓設置 1.2~10.6万円/製品
外窓交換 【カバー工法】
5.8~26.6万円/製品

【はつり工法】
4.6~26.6万円/製品

ドア交換

※窓の断熱リフォームと同時に行う場合のみ可

【カバー工法】
5.8~26.6万円/製品

【はつり工法】
4.6~26.6万円/製品

※補助額はガラスの性能、サイズなどによって変動します。

▼詳しくはこちらをご覧ください。

先進的窓リノベ2025事業を詳しく解説|補助金額・対象工事・申請方法は?
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2-2.「子育てグリーン住宅支援事業」

「子育てグリーン住宅支援事業」は、戸建てや共同住宅において、ZEH水準などの基準を満たした新築や、省エネ目的などの既存住宅の対象リフォームに利用できる補助金制度です。

2024年11月22日以降に着工した工事が対象で、補助金の申請は登録された施工業者(登録事業者)が行います。

リフォームにおいては、「3種の必須リフォーム」と「5種の任意リフォーム」の8種のリフォームが補助金の対象です。
必須リフォームは3種のうち、2種または3種のリフォームを行わなければなりません。
また、任意のリフォームにおいては、必須リフォームの2種以上のカテゴリーを同時に実施した際に補助金の対象となります。

リフォーム内容と補助額は以下の表をご覧ください。

上限額 必須リフォーム3種をすべて実施 60万円/戸
必須リフォーム3種のうち2種を実施 40万円/戸
リフォーム内容 工事内容別補助額
必須リフォーム 開口部の断熱リフォーム ・窓ガラス交換:0.4~1.4万円/枚
・内窓の設置:1.1~1.7万円/箇所
・外窓の交換:2.2~3.4万円/箇所
・玄関ドアの交換:4.3~4.9万円/箇所
躯体の断熱改修 ・外壁の断熱:16.9万円/戸(8.4万円/戸)
・屋根、天井の断熱:6万円/戸(3万円/戸)
・床の断熱:10.5万円/戸(5.2万円/戸)
 ※()は部分断熱の場合
エコ住宅設備の設置 ・太陽熱利用システム:3万円/戸
・節水型トイレ:2.1~2.3万円/台
・高断熱浴槽:3.2万円/戸
・高効率給湯器:3万円/戸
・節水水栓:0.6万円/台
・蓄電池:6.4万円/戸
任意リフォーム 子育て対応改修

【家事負担の軽減のための設備の設置】
・ビルトイン食器洗機:2.5万円/戸
・掃除しやすいレンジフード:1.3万円/戸
・ビルトイン自動調理対応コンロ:1.5万円/戸
・浴室乾燥機:2.3万円/戸
・宅配ボックス:1.1万円/戸(住戸専用)/1.1万円/ボックス(共用)

【防犯性向上のための開口部の改修】
・外窓交換:2.2~3.7万円/箇所
・ドア交換:3.8~5.3万円/箇所

【生活騒音への配慮のための開口部改修】
・窓ガラス交換:0.3~1.1万円/枚
・内窓設置:0.85~1.25万円/箇所
・外窓交換:1.7~2.5万円/箇所
・ドア交換:3.2~3.6万円/箇所

【キッチンセットの交換を伴う対面化改修】9.1万円/戸

防災性向上改修 ・窓ガラス交換:0.7~1.8万円/枚
・外窓交換:1.6~4.1万円/箇所
バリアフリー改修 ・手すりの設置:0.6万円/戸
・段差解消:0.7万円/戸
・廊下幅等の拡張:2.8万円/戸
・衝撃緩和畳の設置:2.1万円/戸
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 2~2.7万円/台
※冷房能力によって変動
リフォーム瑕疵保険等への加入 0.7万円/契約

▼詳しくはこちらをご覧ください。

【2025年】子育てグリーン住宅支援事業でお得にリフォームする方法
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2-3.「給湯省エネ2025事業」

「給湯省エネ2025事業」とは、戸建や共同住宅においてエコキュートやエネファームなどのエネルギー効率の高い給湯器の設置や、蓄熱暖房機・電気温水器の撤去に利用できる補助金制度です。

2024年11月22日以降に着工した工事が対象で、補助金の申請は、工事を依頼する人ではなく、登録された施工業者や販売事業者などの登録事業者が行います。

対象の機器や補助額は、以下の表をご覧ください。

(1)省エネ法に基づく高効率給湯器を導入する場合の補助額

※戸建て住宅:いずれか2台まで、共同住宅等:いずれか1台まで

設置する給湯器 補助額(機種の性能によって変動)
ヒートポンプ給湯機(エコキュート) 6万円/台、10万円/台、12万円/台、13万円/台
ハイブリッド給湯機 8万円/台、13万円/台、15万円/台
家庭用燃料電池(エネファーム) 16万円/台、20万円/台

(2)高効率給湯器設置と併せて、蓄熱暖房機または電気温水器を撤去する場合の補助額

撤去する機器 補助額
蓄熱暖房機 8万円/台(上限2台)
電気温水器 4万円/台(給湯器設置で補助を受ける台数まで)

2-4.「賃貸集合住宅給湯省エネ2025事業」

「賃貸集合給湯省エネ2025事業」とは、対象となる既存賃貸集合住宅において、従来の給湯器を小型の省エネ給湯器(エコジョーズやエコフィール)に交換する際に利用できる補助金制度です。交換には、リースの利用も含みます。
給湯器交換時に行うと補助額が加算される対象工事もあるため、確認しておきましょう。

2024年11月22日以降に着工した工事が対象で、補助金の申請は、工事を依頼する人ではなく、登録された施工業者やリース事業者などの登録事業者が行います。

対象の機器や補助額は、以下の表をご覧ください。

(1)給湯器導入の基本額

設置する給湯器 追い焚き機能 補助額(いずれか1住戸1台まで)
小型の省エネ型給湯器
(エコジョーズ・エコフィール)
なし 5万円/台
あり 7万円/台

(2)給湯器導入の際の加算額

追い焚き機能 加算対象工事 補助額
なし 共用廊下を横断するドレン排水ガイド敷設工事 3万円/台
あり 浴室へのドレン水排水工事
(三方弁工事、三本管(二重管含む)工事)

▼詳しくはこちらをご覧ください。

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3.「住宅省エネ2025キャンペーン」の申請期間は?

各支援事業の申請期間については以下のとおりです。事前によく確認しておきましょう。

「先進的窓リノベ2025事業」

交付申請期間 2025年3月下旬~予算上限に達するまで
(遅くとも2025年12月31日まで) (予定)

※集合住宅の一括申請は5月中を目途に受付開始予定

交付申請の予約受付期間 2025年3月下旬~予算上限に達するまで
(遅くとも2025年11月30日まで※) (予定)
※予算の執行状況により、交付申請の受付を終了した場合、同日まで。

※集合住宅の一括申請は5月中を目途に受付開始予定

「子育てグリーン住宅支援事業」

交付申請期間 2025年3月下旬~予算上限に達するまで
(遅くとも2025年12月31日まで)
交付申請の予約受付期間 2025年3月下旬~予算上限に達するまで
(遅くとも2025年11月30日まで)

「給湯省エネ2025事業」

交付申請期間 申請受付開始~予算上限に達するまで
(遅くとも2025年12月31日まで) (予定)
交付申請の予約受付期間 現時点で公表無し

「賃貸集合住宅給湯省エネ2025事業」

交付申請期間 申請受付開始~予算上限に達するまで
(遅くとも2025年12月31日まで) (予定)
交付申請の予約受付期間 現時点で公表無し

早期に予算の上限へ到達すると、期間の途中であっても締め切られるため注意が必要です。
まだ公表されていない情報もあるため、こまめに情報の更新を確認しておくと良いでしょう。


4.「住宅省エネ2025キャンペーン」の申請の流れは?

ここでは、例として既存の戸建て住宅をリフォームする場合の申請の流れをご紹介します。

4-1.【流れ1】リフォーム会社を探す

まずは、希望する工事ができるリフォーム会社を探しましょう。施工エリアが対象かどうかや希望の工事内容が得意かどうかを確認することが大切です。

また、住宅省エネ2025キャンペーンを利用するには、事業者登録をされた会社に依頼する必要があります。ご自身で会社を探すのが難しい場合は、見積もりサービスの活用もおすすめです。

補助金が活用できる会社はリフォームガイドで探そう!

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  • ご紹介するのは厳しい審査をクリアしたリフォーム会社のみなので安心です
  • 専属のコンシェルジュが日程調整やキャンセル対応までサポートします

4-2.【流れ2】リフォーム工事をする

希望に合ったリフォーム会社が見つかったら、次は現地調査と見積もりを依頼します。
リフォーム内容や金額に納得ができたら、工事請負契約を結び、リフォーム工事に入ります。

補助金の対象となるリフォーム

工事着手日:令和6年11月22日以降

交付申請の予約(任意)

住宅省エネ2025キャンペーンを利用する場合は、工事が始まった時点でリフォーム会社に交付申請の予約をしてもらうと、予算が確保できて安心です。

4-3.【流れ3】交付申請をして補助金を受け取る

工事完了後には、リフォーム会社が補助金の交付申請手続きをしてくれます。

交付申請に不備がなければ、リフォーム会社を通して補助金を受け取れます。給付された補助金は、最終的なリフォームの支払いから差し引かれることが一般的です。


5.「住宅省エネ2025キャンペーン」でよくあるQ&A

ここではよくある質問とその回答をご紹介します。

5-1.申請は自分で行わなければなりませんか?

補助金の申請は、自分では行いません。

「注文住宅・賃貸住宅の新築工事」、「新築分譲住宅の販売」、「既存住宅のリフォーム工事」を行う事業者などが行います。
また、申請ができるのは「住宅省エネ2024キャンペーン」に登録済み、もしくは、新規で「住宅省エネ2025キャンペーン」に登録済みの事業者でないといけないため、事前に確認が必要です。

5-2.住宅省エネ2024年キャンペーンとの併用はできますか?

併用はできません。

「住宅省エネ2024年キャンペーン」の補助金制度で交付を受けた工事は対象外となります。

5-3.同じ工事箇所において複数の制度を利用できますか?

「住宅省エネ2025キャンペーン」には4つの補助金制度がありますが、同じ補助対象の工事を複数の制度に申請することはできません。

例えば、窓の断熱リフォームを「先進的窓リノベ2025事業」で申請した場合、同じ工事を「子育てグリーン住宅支援事業」で重ねて申請することはできません。

5-4.申請はどのタイミングで行いますか?

補助金の申請は、【工事が完了した後】に行います。申請の期限をよく確認しておきましょう。

また、期限内でも補助金の予算が無くなり次第終了となってしまうため、注意が必要です。補助金交付申請を事前に予約して補助金を確保することもできるため、ぜひ活用しましょう。

5-5.申請してから承認されるまでどのくらいかかりますか?

「住宅省エネ2024年キャンペーン」においては、承認まで1.5~2か月程度が目安とされていました。

しかし前事業の「子育てエコホーム支援事業」では、システムトラブルなどの影響で3、4か月以上待つ事例もあったため、予定の審査期間より長引く可能性もあります。

5-6.他の補助金制度と併用はできますか?

原則として、同じ補助対象の場合、国の他の補助金制度を併用することはできません。

しかし、地方公共団体の補助金制度については、国費が充てられているものを除き併用可能です。

また、「住宅省エネ2025キャンペーン」が実施する4つの制度については、ワンストップ申請に対応をしているため、補助対象が重複しなければ併用可能となっています。

【2025年度の情報も】リフォームで使える補助金を一覧で紹介!申請方法も解説
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6.まとめ

「住宅省エネ2025キャンペーン」とはエネルギー効率の良い住宅を推進するために3省(国土交通省、経済産業省、環境省)が連携して行う制度です。4つの支援事業があり、これらの事業はまとめて申請手続きをすることができます。
まだ公表されていない項目もありますが、随時発表されるため、ホームページなどを確認しておくことが大切です。

「支援事業の内容が難しくてよくわからない…」という方は、補助金制度に詳しいリフォーム会社に一度相談してみることがおすすめです。
プロのサポートを受けながら、これらの補助金制度を使ってお得にリフォームをしましょう。

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