
「キッチンの寸法」こう聞くと、システムキッチンその物のサイズの他に、キッチンスペース自体、部屋としての空間のサイズを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれせん。快適なキッチンづくりに役立てていただけるよう、ここだけ考慮すれば大丈夫という12の寸法について紹介させていただきます。
目次
1.キッチンスペース・部屋自体の寸法
まず、現在のキッチンの寸法を把握しましょう。
キッチンの寸法には、「部屋としての空間の寸法」とシステムキッチンなど設備機器の寸法が存在します。快適で使いやすいキッチンは、適切な寸法を知ることから始まります。イラストとともに、まずは空間の寸法から説明させていただきます。
※キッチン寸法の概念を示す立体イラスト(イラスト2点(立体・平面)と文章中の①〜⑫の番号は連動しています)
イラスト中の①〜⑫の番号に則ってご説明します。
「寸法」にはまず、キッチンスペース自体の広さである、①床から天井までの高さと、キッチン自体の部屋の寸法である②縦と②横があります。
部屋自体の寸法を把握することで、ご自身のキッチンスペースにどのくらいの寸法のシステムキッチンやその他の収納家具などを設置できるのかが把握できます。言うまでもないかもしれませんが、こちらは全て設備機器や家具設置の基本となります。
キッチンスペースの寸法に対してシステムキッチンの寸法である③幅や④高さや⑤奥行き、⑥調理スペースのサイズ、⑦シンクのサイズといった設備機器のサイズ、あるいは、空間のサイズとして、システムキッチンと壁の間に確保される⑧通路の寸法などがあります。
2.システムキッチンなど設備機器の寸法
次は、システムキッチンなど設備機器自体の寸法についてご説明します。次項の2-1で解説するサイズなどを目安にしていただければと思います。
2-1. システムキッチンの各パーツで作業しやすい寸法を知る
システムキッチンの調理台と言われるカウンタートップには、調理の際に材料を用意する準備スペースとまな板や包丁などを使うための調理スペース、洗い物になどをするシンクが必要となります。
それぞれに必要な広さ、間口寸法(③キッチンの幅寸法)は、目安として以下となります。
⑩準備スペース /30cm~60cm
⑪シンク/60cm~120cm
⑫調理スペース /60cm~90cm
調理スペースは、食材やボウル、まな板などの調理器具を置けるゆとりがあるかどうかをよく検討しておくことが大切です。実際の調理の際などの動作をイメージしながら確認すると良いと思います。
③間口にゆとりがない場合は、⑤奥行きにゆとりをもたせる方法もあります。どちらにしてもキッチンスペースの中でどれだけのサイズが可能か、検討を重ねていただきたいと思います。こちらの寸法確認は、後々のキッチンの使い勝手に大きく影響してくる部分となります。
2-2.身長に合わせた寸法選び
こちらでは「高さ」のお話しです。全てのタイプのキッチンにおいて重要なのが調理台ともなる、キッチンカウンターの高さです。調理台の高さは作業効率や疲労感などに深く関わってきます。
高すぎると腕が疲れますし、低すぎると腰が疲れます。キッチンカウンターの高さは、JIS規格で80cm、85cm、90cm、95cmと規定されています。ですが、現状はどのメーカーでも希望に合わせて高さの調整に対応してくれていますので、そのシステムをぜひフル活用して使いやすい高さを探していただきたいと思います。
出典:http://www.lixil-reform.net/
使いやすい高さの目安として、一般的には調理台を最も使う方の身長に合わせた高さで選ぶと良いとされています。その目安は
キッチンの高さ=身長÷2+5 cm(160cmの場合は160÷2+5=85cmが目安)
となります。ただし個人差もあり、あくまで目安となるので可能な限り、ショールームやご自宅のキッチンでの実際の使用感などを基に選ぶと良いと思います。
2-3.間取りに合わせた寸法選び
システムキッチンの形状の基本形で、最も多いのは、シンク・コンロ・調理台が一列になった、いわゆるI型キッチンでしょう。どんな空間にも収めやすく、使い勝手の良さもある程度確保されているはずですので、選びやすいのではないでしょうか。
選択すべき寸法としては、動線となる通路の寸法(約90㎝~110㎝)を考慮した上で、システムキッチンの幅と奥行きをキッチンスペースのサイズ内とすれば設置可能です。
逆に、L型や対面式、アイランド型などのキッチンは、設置する際にI型キッチンより、少し余分に広いスペースを必要とします。なぜならL型は、I型キッチンの間口と奥行き部分に加えて、コーナーを使用し、もう一方側のキッチンカウンターとなる部分の幅と奥行きが必要となるからです。
下記イラスト内はI型キッチンです。
対して、L型キッチンのケースでは、下記イラスト内のワゴン、収納や冷蔵庫を設置しているスペースを空けないと設置できなくなります。このように、I型以外の変形パターンのキッチンではスペースにゆとりが必要となります。
また、システムキッチン寸法や大きさも大切ですが、そのサイズに加え、人の動線や、冷蔵庫や食器棚など家具配置のためのスペースの確保も必要です。
まずは現在のキッチンスペースの寸法を計測し把握した上で、好みのキッチンを選んでください。その後可能であれば、ご自宅のキッチンの図面に寸法を書き込むなどして確認すると失敗が少ないと思います。
キッチン内の動線として、カウンタートップ背後に来る通路(イラスト内⑧)は約90cm~110cmを目安に確保すると動きやすいキッチンとなります。こちらもぜひ抑えておきたいポイントとなっています。
2-4.キッチン収納や棚の寸法
吊戸棚やシンク上部の収納位置は、身長に合わせて、高くなりすぎず、低くなりすぎず、取り出しやすい位置にあるのが理想です。
システムキッチンの規格や付属設備によって、それぞれ違いが出るケースもありますので難しい点でもありますが、使う人の身長に合わせ床から吊戸棚の底辺部(1.で使用のイラスト内⑨の高さ)が、使う人の目の高さの範囲に収まるようにすると良いでしょう。
その高さであれば、使う頻度が高い物を目の高さの取り出しやすい場所に置けるので収納しやすくなります。
リフォームなどの際は、リフォ―ム会社と相談しながら使いやすい高さとなるよう相談しみてください。
>>キッチンリフォームの会社選びで注意すべき3つのポイント
3.まとめ
以上、寸法とは様々な物や空間に存在しています。
寸法やサイズは目には見えませんが使い勝手の良さはもちろん、機能的でスッキリしたキッチンを実現させる上でとても重要なポイントです。
ご自宅のキッチンスペースの広さや使う方の身長なども踏まえて、一番使いやすい寸法のキッチンを手に入れる参考になれば幸いです。
こちらでも、キッチンの寸法やサイズについて解説しておりますので併せてご覧ください。「使いやすいキッチンレイアウトを完全解説!食器棚の配置や収納術も!」
その他、以下の記事にもキッチンをリフォームする上で役立つこと間違いなしの情報が満載です。是非ご参考ください。
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