
「ドアの閉まりが悪くなってきた」「扉の傷や色あせが気になる……」
一般的に、建具は8~15年程が耐用年数といわれています。不具合が気になり始めたら、交換やリフォームを考えてもよいかもしれません。
この記事では、建具をリフォームする方法や費用の目安、事例、工事の依頼先まで分かりやすく解説します。
DIYは可能か、マンションでのリフォームは可能かなど、よくある質問もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.建具リフォームの方法と費用相場
建具リフォームの費用相場は、建具の種類やサイズ、工事内容によって7~50万円程と幅があります。
建具本体を交換するほか、引き戸や折れ戸への変更といった、建具の種類を変えるリフォームも可能です。
尚、建具は開口部に取り付けられた窓やドア、襖などを総称したものを指します。本記事内では、室内の建具として解説します。
| 開き戸 | 折れ戸 | 引き戸 | |
|---|---|---|---|
| 建具本体のみ交換 | 7~17.5万円 | 10〜18.5万円 | 7万円〜22.5万円 |
| 枠ごとの交換 | 9~30万円 | 12〜33万円 | 13.5〜40万円 |
| 別タイプの建具からの交換 | 16〜38万円 | 16.5〜40万円 | 16.5〜50万円 |
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1-1.建具本体の交換
建具の本体部分だけを交換することも可能です。
枠に大きな損傷がない場合は、建具本体だけを交換すれば費用を抑えられます。
ただし、枠と建具の色を統一したい場合は、枠ごとの交換を検討しましょう。
1-2.枠ごとの交換
枠ごとの交換には2つの方法があります。
ひとつは、カバー工法と呼ばれるものです。既存枠の上から、新しい枠を被せて建具をセットします。壁を壊す必要がないので、費用や工期の面からメリットが大きい方法です。
ただし、枠の歪みが大きい場合は、カバー工法で対応できない場合もあります。
もうひとつは、建具と一緒に、古くなった枠の部分も取り外す方法です。
壁や床を部分的に解体するので費用や工期がかかりますが、枠の不具合や歪みを根本から改善することができます。
1-3.別の建具に変更
例えば、開き戸から引き戸へ変えるといった、別の建具への変更もできます。
見た目が新しくなるのはもちろん、使い勝手も変えられる方法です。
ただし、費用が最もかかり、家具の配置や生活動線に影響する場合もあるので、慎重に決めましょう。
2.建具リフォームの費用内訳
建具リフォームの費用は、建具の種類や工事内容によって変わります。
ここでは、建具本体(開き戸)を交換する場合の主な費用内訳をご紹介します。
| 既存撤去及び廃材処分費 | 1~3万円程度 |
|---|---|
| 新規建具代 | 2~9万円程度 |
| 新規建具取り付け費 | 1.5万円程度 |
| 引き渡し清掃費 | 1万円程度 |
| 諸経費 | 1.5~3万円程度 |
3.建具の種類
建具には、大きく3つの種類があり、それぞれ開き方が異なります。間取りや用途に合わせて、適切な建具を選びましょう。
3-1.開き戸
住宅において最も一般的な建具です。レバーを回して開閉します。
使い勝手とコストのバランスがよく、デザインのバリエーションも豊富。スリットや透光窓が施された、採光できる開き戸もあります。
本体価格の目安は2~9万円程です。
| 開き戸のメリット | 開き戸のデメリット |
|---|---|
| ・気密性が高い ・デザインが豊富 |
・開閉時にスペースが必要 ・開放したままの使用には適さない ・他にも開き戸が近くにあると、開閉時に干渉する |
3-2.折れ戸
折れ戸は、蝶番で連結した複数の扉を折りたたむようにして開閉する建具です。
クローゼットでよく使われています。
本体価格の目安は5~10万円程ですが、折れ戸の枚数によって価格が変わります。
| 折れ戸のメリット | 折れ戸のデメリット |
|---|---|
| ・開閉しやすい ・省スペースに設置できる |
・手を挟みやすい ・開口部の端に、折りたたんだ扉を納めるスペースが必要 |
3-3.引き戸
引き戸は、横にスライドして使う建具で、開き戸が一般的になる以前によく使われていました。現代では、和室に使われるほか、回遊動線を取り入れたい箇所にも使われます。
本体価格の目安は2~14万円程ですが、扉の枚数や設置方法(上吊り式・アウトセット式など)によって費用に幅があります。
| 引き戸のメリット | 引き戸のデメリット |
|---|---|
| ・開閉時にスペースをとらない ・開放したままでも使える |
・気密性が低い ・扉を引き込むスペースが必要(家具の配置にも注意が必要) ・周辺にスイッチやコンセントがある場合は、移設工事が必要になることがある |
【目的・用途別】おすすめの建具
建具の種類に迷った場合は、目的や用途から選んでみましょう。
| 目的・用途・要望 | 建具の種類 |
|---|---|
| デザインで選びたい | 開き戸 |
| 家具を自由に配置したい | 引き戸 |
| 開口部を大きくしたい | 折れ戸 |
| 扉を開放したまま使うことがある | 引き戸 |
| バリアフリー環境にしたい | 引き戸・折れ戸 |
| ペットが行き来できるドアにしたい | 開き戸(ペットドア付き) |
4.建具をリフォームした事例
開き戸・引き戸・折れ戸、それぞれのリフォーム事例をご紹介します。
4-1.ブルーグレーの開き戸で北欧風の玄関に
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出典:株式会社イズホーム
玄関のリフォームに際して、室内ドアをシックで落ち着きのあるブルーグレーに交換。
ホワイト×ナチュラルな空間の中に、ブルーグレーの扉が映える印象的な玄関になりました。
4-2.開け閉めしやすい引き戸にリフォーム
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開口部を拡張し、引き戸にリフォームした事例です。
全面ガラスのスライドドアで、明るく開放感のあるお部屋に変わりました。
4-3.クローゼットの折れ戸を交換
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長年の使用で開閉しづらくなった折れ戸を交換した事例です。
新調した折れ戸は軽く、ストレスなく開閉できるように。扉がホワイトでお部屋の印象も明るくなりました。
5.建具のリフォームのポイント
建具のリフォームは、デザイン・機能・コストのバランス、家具の配置や生活動線を妨げないかなど、様々な視点から検討することが大切です。
5-1.空間に馴染むデザインにする
建具は壁の大きな面積を占めるので、空間に馴染むデザインを選ぶのがポイントです。
建具単体のデザインだけで選ばないようにしましょう。
建具が部屋全体の雰囲気と合っているか、廊下から見たときに違和感を覚えないか、建具を設置する両側の空間からイメージしてみてください。ショールームで実物を見るのもおすすめです。
5-2.建具の種類は間取りや生活動線で選ぶ
建具はデザインだけでなく、間取りや生活動線に合っていることも重要です。建具の選び方ひとつで、日常的にストレスを抱えてしまうかもしれません。
例えば、開き戸が近い距離に複数あると、開閉時に干渉する場合があります。筆者の自宅はこのケースに該当しますが、忙しい時間帯はドアがぶつかり合い、危ないなと日々感じています。
このような事例もあるので、建具の種類の選び方は重要です。
建具の種類を変える場合は、家具の配置や生活動線に影響しないか、しっかりシミュレーションしておきましょう。
5-3.複数の業者に見積もりを依頼する
建具をリフォームする際には、複数の業者から相見積もりをとりましょう。
同じ建具へのリフォームでも、メーカーからの仕入れ値が異なったり、施工のノウハウが違ったりして、見積もり金額に数万円の差が出ることもあるからです。
3社程度から相見積もりをとると、希望するリフォームの相場が分かります。
極端に安い見積もりには注意し、費用の内訳が分かりやすく記載された業者を選ぶようにしましょう。
6.建具リフォームの依頼先は地元の工務店がおすすめ

建具リフォームの依頼先には、工務店やリフォーム会社、建具専門店、ホームセンターなど様々な選択肢がありますが、特におすすめなのが地元の工務店です。
名の知れたリフォーム会社は、テレビCMやチラシなどの広告費、実際に工事をする下請け業者への工賃を上乗せしているため、費用が割高になる傾向があります。
対して地元の工務店は、自社の職人で施工する「自社施工」がメインです。広告費もあまりかけないため、費用を抑えられる傾向にあります。
また、きめ細やかなアフターフォローや、何かあった時にすぐ駆けつけてもらえる安心感も、地元の工務店ならではといえるでしょう。
お客様の評判がよく高品質で施工できる工務店をお探しなら、弊社リフォームガイドをご活用ください。
リフォームガイドでは、専任のコンシェルジュがお客様のご要望を伺い、加盟店の価格情報や他サイトを含めたお客様の口コミ情報を元に、低価格で高品質のリフォーム会社を一括でご紹介いたします。

7.よくある質問
建具のリフォームでよくある質問をまとめました。
7-1.マンションでも建具のリフォームはできる?
室内の建具は専有部分に該当するため、マンションでも基本的にリフォームは可能です。
ただし、マンションには管理規約があり、騒音や工事可能な時間帯についてルールが定められています。事前に管理規約を確認しておきましょう。
7-2.建具のリフォームは、どれくらいの工期がかかる?
工期は、建具本体だけの交換なら数時間で完了します。
枠ごと交換する場合は、カバー工法の場合で約1日。周辺の壁の解体・復旧作業が伴う場合は、3日から1週間程度要することがあります。
また、オーダー品の建具の場合は、製作から納品まで期間を要することもあるので、スケジュールに余裕をもって計画しましょう。
いずれにしても、具体的な工期を判断するには現地調査が必要です。
7-3.建具のリフォームは、DIYできる?
建具のリフォームはDIYも可能ですが、工事内容によって難易度が変わります。
例えば、取手や蝶番の交換程度であれば、DIYでも十分対応できるでしょう。
一方で、建具表面に化粧シートを貼るのは、意外と難易度の高い作業です。
あとからシートが剥がれないように下地処理をしっかり行い、シワや気泡が入らないように平滑にシートを貼るのは至難の業。
仕上がりや耐久性を考慮すると、業者に依頼したほうが良いでしょう。
7-4.建具は再利用できる?
建具の再利用は可能ですが、傷が付かないように取り外し、養生して家の中で保管しておく必要があります。再利用のために、建具の塗り替えやシートの貼り直しをするのであれば、その費用も必要です。
新品に変えるのと大差ないケースもあるので、一般的な既製品であれば、新品への交換をおすすめします。
一方で、ヴィンテージ品や家族の思い出が詰まった建具は、再利用の価値があることも。そのような特別な建具は、再利用を前向きに考えてくれる業者に相談してみましょう。
7-5.建具の表面だけでもきれいにできる?
建具を交換せずに、新しいシートを貼って表面をきれいにすることもできます。
ただし前述の通り、シートを貼る作業は難易度が高いので、業者に依頼するのがおすすめです。
費用は、室内ドア1枚の場合(両面施工)で、2.8~5万円程が目安になります。
枠にもシートを施工する場合はプラス2万円、ドア面材の穴補修を行う場合は5千円程の費用もかかります。工期は1日で終わるケースが大半です。
8.まとめ
建具の不具合は、日常的なストレスにつながりやすいので、できるだけ早く解消することをおすすめします。
建具は間取りや生活動線、ご家族の状況にあっていることも大切。生活しづらいと感じる場面があれば、リフォーム会社に相談してみましょう。
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