
室内ドアを引き戸に交換するリフォームは、既存のドアの状態や新しく選ぶドアの種類、追加工事の必要性などによって費用が大きく変わります。
引き戸へのリフォームを検討しているなら、まずは費用目安を把握したうえで、予算を考えましょう。
本記事では室内ドアを引き戸へとリフォームするときの費用目安をはじめ、費用を左右する要因や費用負担を抑えるためのポイントを、わかりやすく解説します。
引き戸の種類や工法などの基本部分も説明しますので、ぜひ参考にしてください。
▼室内ドアの交換についてはこちらで詳しく解説しています。


目次
1.室内の引き戸をリフォームするときの費用目安
まずは、室内ドアを開き戸から引き戸へとリフォームするときの費用目安を確認しておきましょう。ここでは、費用総額とオプション費用の目安をそれぞれ説明します。
1-1.引き戸の種類と費用総額の目安

引き戸リフォームの費用は、「引き戸の本体の価格」と「取付工事費・諸経費」を合計した金額で決まります。
ドアを交換するだけなら20万円以内で抑えられるケースもありますが、グレードが高い商品を選んだり、付帯工事が必要になったりすると、40万円を超えることも。
とくに開き戸から引き戸へリフォームする場合には、付帯工事費用が高くなる傾向があります。
1-2.付帯工事(オプション)費用の目安
引き戸のリフォームにかかる費用は、ドアの交換以外にかかる「付帯費用」によって大きく変わります。作業内容ごとの費用目安を見てみましょう。
| 作業内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 部分的な壁紙・床材の補修と交換 | 3万~7万円 |
| 壁の撤去(解体・撤去・廃材処理など) | 5万~10万円 |
| 電気工事(配線・コンセント移設など) | 2万~5万円 |
| 壁の補強 | 3万~7万円 |
これらの付帯工事の中でも、もっとも発生しやすいのが壁紙や床材の補修と交換です。
既存の開き戸を撤去した部分には、枠の跡や壁紙を剥がした跡が残ってしまうため、見た目を整える目的で部分的な補修が行われます。
また、引き戸のサイズが合わないときには開口部の調整が必要になり、上吊り戸を設置するためには壁の補強が必要になることも。
費用を左右するポイントについては、次章で詳しく説明します。
2.ココで差が出る!費用を左右する「4つの要因」
1章で説明したように、引き戸リフォームの費用は建具の仕様や工法、付帯工事の内容など、さまざまな要因によって大きく変わります。
これらの要因を把握せずに予算を決めてしまうと、想定外の費用によって、予算を大きくオーバーしてしまうことも。
そうした事態を防ぐためにも、費用を左右する要因をしっかり把握しておきましょう。
2-1.扉のデザインとグレード
ひとくちに「引き戸」と言っても、シンプルなデザインのものから、採光性や機能性に優れた高機能タイプまで、種類はさまざま。
同じシリーズでもスタンダードグレードとハイグレードが用意されていることが多く、選ぶ仕様によって建具本体の価格は大きく変わります。
とくに費用が高くなりやすいのは、次のような仕様の引き戸です。
- 防音性や断熱性に優れた高機能タイプ
- ガラス入りなど意匠性の高いデザイン
- サイズやデザインを自由に決められるオーダー品
- 天井近くまでの高さがあるハイドア
「機能性やデザイン性にこだわりたい」「既存の開口寸法が規格サイズと合わない」という場合には、上記のような引き戸になるケースがほとんど。
1章で説明した費用目安よりもやや高く、予算を見積もっておいたほうがよいでしょう。
2-2.工事範囲と付帯工事の有無
「どこまで工事をするか」も、費用総額を大きく左右する要因のひとつです。
たとえば、壁を壊さず、レールを壁の外側に設置するアウトセット工法なら、費用を抑えやすくなります。
一方で、枠ごと交換する場合や、開口部の調整、壁紙・床材の補修が必要になる場合は、付帯工事費として10万〜30万円程度の追加費用がかかることも。
同じ引き戸のリフォームでも「壁を壊さず取り付けるのか」、それとも「枠の交換や周辺の補修まで必要になるのか」によって費用は大きく変わります。
【部分的な交換よりも、全体をリフォームしたほうがいいケースも!】
ドアの交換にともなう壁紙や床材の補修は、部分的な交換で対応できます。
ただし、既存の内装材が色褪せや日焼けしている場合には、新しく交換した部分だけが目立ち、仕上がりに違和感が生じることも。
内装材のリフォーム頻度は10~15年前後が一般的なので、時期が近づいている、または劣化が目立つなら、引き戸とあわせて室内全体の内装リフォームを検討しましょう。




2-3.オプション機能の有無
建具本体の価格はやや高くなりますが、バリアフリー化や利便性の向上を目的とする場合、以下のようなオプション機能を追加することが可能です。
- ソフトクローズ機能(ゆっくり閉まり、指はさみ防止に効果的)
- 鍵付き仕様(トイレや寝室など、プライバシーを確保したい場所に)
- ペットドア付き(ペットが自由に出入りできる)
- 防音・断熱性能を高めた高機能タイプ
これらのオプションは、標準仕様に追加できるものもあれば、あらかじめ機能が組み込まれた建具として販売されているものもあります。
オプションの内容によってはスタンダードグレードより1.5倍〜2倍ほど高くなる可能性もあるため、目的や使用する人の状況を考慮しながら、本当に必要な機能だけを厳選しましょう。
2-4.壁の補強工事の必要性
アウトセット引き戸や上吊り引き戸のように、レールを壁の上部や天井に取り付ける引き戸を採用する場合には、戸の重量を支えるための十分な下地強度が必要です。
固定部分の強度が不足していると、ぐらつきや開閉不良、破損の原因になるため、下地の状態によっては補強が必要になるケースもあります。
とくに築年数が経過している住宅やもともと開き戸が設置されていた場所は、引き戸の荷重を支えるための下地が入っていないことも多く、補強が必要になるケースが多くみられます。
3.どれが使いやすい?引き戸の代表的な「種類」
引き戸にはいくつか種類があり、それぞれ開き方や必要なスペースが異なるため、設置する場所や目的によって適したタイプを選ぶことが重要です。
3-1.片引き戸|省スペースでどんな部屋にも馴染みやすい

引き戸の中でもっとも一般的なのが、戸を左右どちらか一方にスライドして開閉する「片引き戸」です。
シンプルな構造で開き戸からの変更にも対応しやすく、費用と使いやすさのバランスに優れています。費用をできるだけ抑えたいなら、片引き戸がおすすめです。
リビングはもちろん、洗面脱衣室やトイレなどにも設置できます。
3-2.引き違い戸|左右どちらからでも開閉できる

「引き違い戸」は、2枚の戸を左右にスライドさせて開閉するタイプの引き戸です。
戸は左右どちらからでも開閉でき、動線に合わせて柔軟に使えるのが特徴。開口部も広く取れるので、物の出し入れが多いパントリーやクローゼットなどに多く採用されています。
また、部屋の幅に合わせて戸を3枚、4枚と増やすことができるので、必要に応じて空間を仕切ったり、大きく開放したりと、用途に応じた使い方ができます。
場面に応じて部屋を区切りたいときなどにおすすめです。
3-3.両引き戸(両開き)|中央から大きく開き、開放感のある空間に

「両引き戸(両開き)」は文字通り、中央から左右に戸をスライドさせて開閉するタイプの引き戸です。
開口部を広く確保しやすく、隣接する2つの部屋をゆるやかに仕切りたい場合や、必要に応じて空間を一体的に使いたい場合に適しています。
ただし、戸を左右にスライドさせるための壁面スペースが両側に必要になるため、設置できる場所は限られます。また、家具を置けるスペースも減ってしまうため、間取りだけではなく、家具のレイアウトまで含めてプランニングが重要です。
3-4.上吊り引き戸(吊り戸)|掃除が楽でバリアフリー

「上吊り引き戸(吊り戸)」は、戸を上部のレールで支えて開閉するタイプの引き戸です。
段差ができず床面がフラットになるので、レールにゴミやホコリが溜まる心配がなく、段差による転倒の心配もありません。
掃除のしやすさや安全性の面から小さなお子さんがいる家庭や、バリアフリーリフォームで多く採用されています。
ただし、2章「2-4.壁の補強工事の必要性」でも説明したように、戸の重量を支えるために壁や天井に補強が必要になる可能性があります。
4.工期と費用を左右する、引き戸リフォームの2つの「工法」
引き戸リフォームには、「アウトセット工法」と「壁解体工法」の2つの工法があります。
どちらを選ぶかによって、費用や工期、仕上がりの見た目が大きく変わるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
4-1.壁を壊さない:アウトセット工法
アウトセット工法はレールを壁の外側に設置するため、壁を解体することなく引き戸へ交換できる施工方法です。工期も半日〜1日程度で完了します。
ただし、壁面に戸をスライドさせるためのスペースが必要になるので、スイッチやコンセントなどに影響すると、電気工事を行わなくてはなりません。
また、レールを取り付ける際に壁紙の下地に強度が足りない場合には、レールを固定するための補強工事が必要です。
費用ははつり工法よりも抑えやすくはなりますが、追加工事が発生しやすいので、見積もり内容をよく比較したほうがよいでしょう。
4-2.枠ごと交換:はつり工法(壁解体工法)
「はつり工法(壁解体工法)」は、既存のドア枠や壁の一部を解体し、新しい枠と引き戸を設置する施工方法です。
壁を一部解体する工事になるため、開口サイズの変更や、戸を壁の中に収納する「引き込み戸」への交換も可能です。
ただし、はつり工法では壁の解体や補修が必要になるため、カバー工法より工期が長く、費用も高くなるケースがほとんど。工期は2日〜4日ほどかかります。
壁の構造によっては、電気配線の移設や壁の補強などの付帯工事も必要になるため、現地調査を行ってから予算を考えたほうがよいでしょう。
5.和室の「襖(ふすま)」を引き戸にリフォームする方法
和室の襖(ふすま)はもともと引き戸の一種ですが、経年劣化によって開閉しにくくなったときや、デザインへと一新したいときにはリフォームを検討しましょう。
工法別の費用目安は以下のとおりです。
| 工法 | 費用目安 |
|---|---|
| カバー工法 | 3万~10万円 |
| はつり工法 | 12万~15万円 |
| 洋風の壁紙を貼る | 1,000円~3,000円 |
※戸の枚数によって費用は変わります
襖は既存枠を再利用しやすいので、戸だけを交換するカバー工法を選ぶのが一般的です。選ぶ戸の種類によっては、5万円以下でリフォームできます。
「デザインを一新したい」「劣化が目立つ」などで枠のデザインや建付け調整まで行いたい場合に、はつり工法を検討するとよいでしょう。
とにかく費用を抑えたいときには、襖の上から洋風の壁紙を貼る方法もあります。費用は数千円程度で、DIYも可能です。
6.引き戸のリフォーム費用を賢く抑える3つのコツ
引き戸のリフォーム費用は、工法や建具の種類、さらには依頼先によって大きな差が出ます。とはいえ、安さだけを売りにする業者に依頼して、後悔するのも防ぎたいもの。
ここでは、費用を抑えつつ、満足度が高いリフォームにするための3つのコツを押さえておきましょう。
6-1.既製品・標準グレードから選ぶ
費用を抑えたいときにもっとも効果的なのが、「建具(戸)本体の価格を調整する」ことです。シンプルなデザインと機能の既製品や標準グレードを選びましょう。
メーカーがあらかじめサイズや仕様を規格化して量産している既製品なら、オーダー品に比べて大きく費用を抑えられます。
ガラス面積が大きいデザインや天井高さのハイドア、無垢材などは費用が高くなる傾向があるので、費用を優先するなら「シンプルさ」を意識しましょう。
6-2.地元の工務店に依頼する

引き戸リフォームの費用を抑えるためには、依頼先の選び方も重要なポイントです。
一般的に、大手リフォーム会社は広告費や管理費などが工事費に含まれるため、施工内容によっては費用が高くなる可能性があります。
そのため、費用を抑えつつも満足度が高いリフォームを実現したいなら、リフォームにも対応している地元工務店に相談するのがおすすめです。
自社施工または少人数体制で対応するケースが多く、中間マージンや管理費が少ないため、大手より費用を抑えられる傾向があります。
現地調査や施工後のアフター対応も速い会社が多いので、建具の調整や不具合などを気軽に相談しやすい点も魅力のひとつです。
6-3.相見積もりをとる
納得できる内容と適切な費用で工事を行うためには、相見積もりが重要です。2~3社程度に見積もり依頼をして、価格と提案内容を比較しましょう。
同じように引き戸のリフォームを依頼しても、会社ごとに提案内容も費用もさまざまです。
たとえば、A社では片引き戸がよいと提案されても、B社では上吊り戸がよいといわれることも。提案内容が異なれば、費用も変わります。
見積書は工事費用の総額だけでなく、建具本体の価格、工事費、付帯工事費などの内訳も必ず確認してください。
7.引き戸リフォームでよくある質問
最後に、引き戸リフォームでよくある質問にお答えします。
事前に注意点や制約を理解しておけば、トラブルを避けながらスムーズにリフォーム計画を進められます。
7-1.DIYで対応できる?
アウトセット引き戸のように、壁の外側にレールを取り付けるタイプなら比較的施工しやすく、DIY向けの商品も多く販売されています。
DIYすれば商品購入代金のみで交換できるので、費用を大きく抑えられます。
ただし、引き戸へのリフォームでは戸の水平・垂直の精度がとても重要で、斜めになっていると開閉がスムーズにできず、レールの固定が不十分だと戸が外れることも。
さらに壁の下地がない部分にレールを取り付けると、強度不足による破損や事故につながる恐れもあります。
安全性と耐久性を確保するためには、建具の調整や下地の確認を含めて、リフォーム会社に依頼するのが安心です。
7-2.マンションでも引き戸にリフォームはできる?
室内ドアは専有部分にあたるため、所有者の判断で自由にリフォームを行うことができます。
ただし、壁の構造によって選べる引き戸の種類や工法が限られる可能性があり、管理規約の内容によっては管理組合の承認や事前申請が必要になります。
マンションでのリフォームは戸建住宅よりも制限が出やすいので、リフォーム会社に事前調査を依頼し、対応可能な工法を提案してもらいましょう。
7-3.引き戸をリフォームするときにとくに注意したいポイントは?
引き戸は壁に沿ってスライドするため、スイッチやコンセントが干渉する位置にあると、電気配線の移設工事が必要になり、追加費用が発生することもあります。
また、戸をスライドさせるための壁面スペースが必要になるため、扉の近くに家具や大型家電を置いている場合には、レイアウトの見直しも必要です。
リフォーム後のトラブルや後悔を防ぐためにも、現地調査で設置条件を確認し、自宅の構造や生活動線に適した工法や建具を提案してもらいましょう。
8.まとめ
室内ドアを引き戸へとリフォームすれば、廊下や室内を広く使えるようになるのはもちろん、開閉動作がスムーズになります。
ただし、ひとくちに「引き戸」と言ってもさまざまな種類や工法があり、ただ扉を交換するだけではなく、壁の補強やドア枠の交換のような付帯工事が必要になる可能性があります。
そのため予算内で満足度が高いリフォームを行うためには、自宅の状況とリフォームの目的、予算に合う方法を選ぶことが大切です。提案内容と費用を比較するためにも、2〜3社に相談して相見積もりをとりましょう。
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