
「ベランダの防水をDIYできるか知りたい」
「ベランダをDIYで防水工事する方法を知りたい」
こういった疑問を持っている人は多いでしょう。
この記事では、ベランダの防水をDIYでおこなう方法や、メリット・デメリットなどを紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- ベランダをDIYで防水するメリットとデメリット
- ベランダ防水をDIYでおこなう場合のおすすめ工法
- ベランダをDIYで防水する手順
- ベランダ防水を業者ではなくDIYにした場合の費用や工期
- ベランダ防水をDIYで施工する際の注意点
上記を把握しておけば費用を抑えつつ手順に迷うことなく防水工事ができるでしょう。
目次
1.ベランダ防水をDIYでおこなう場合のメリットとデメリット
ベランダの防水をDIYでおこなう最大のメリットは、工事価格が安くなる点です。一方で、デメリットは工事に失敗するリスクが高いことでしょう。
他にもベランダ防水のDIYにはメリットとデメリットがあるためチェックしてみてください。
1-1.DIYのメリット
ベランダ防水をDIYするメリットは以下の3つです。
- 工事価格が安くなる
- 他人を家に入れる心配がない
- 業者に騙される心配がない
具体的に解説していきます。
工事価格が安くなる
ベランダの防水をDIYでおこなうと、業者に依頼するよりも5〜8割程度の価格で工事が可能です。理由は、手間賃がかからないためです。
ただし、工事用具を揃えるために余計な費用がかかるため、小規模な工事だと業者に依頼する場合と大差がないこともあります。
他人を家に入れる心配がない
ベランダの防水を業者に依頼する場合、職人を家に入れなければいけません。ベランダに長時間いることはもちろん、移動の際には室内を通りますし、トイレを貸すこともあるでしょう。
他人を家に入れたくない場合にはDIYが適しています。
業者に騙される心配がない
ベランダの防水を業者に依頼すると悪徳会社に騙される危険があります。悪徳会社にだまされると、高額な費用を請求されたり手抜き工事をされたりするでしょう。
ただし、悪徳業者は対策をすることでほとんど見抜けます。業者に騙されたくないためにDIYをして失敗する人もいます。
悪徳業者を避けたいだけの理由でDIYをするのはやめましょう。
1-2.DIYのデメリット
ベランダの防水をDIYするデメリットは以下の3つです。
- 防水がすぐに剥がれやすい
- プロによるアフターケアが受けられない
- 防水層の施工は困難
上記を知らずにDIYで工事すると後悔するでしょう。
防水がすぐに剥がれやすい
プロによる施工ではないためDIYで工事をした防水は剥がれやすくなります。ベランダの防水には国家資格が存在するほど専門的な知識と技術が要求されます。
素人が防水をしても失敗する可能性が高いため、材料本来の耐用年数まではもたないことを理解したうえでDIYをおこないましょう。
プロによるアフターケアが受けられない
ベランダの防水工事を業者に依頼した場合は、すぐに剥がれてしまったとしても無償で補修してくれるケースが多いです。
一方で、DIYによる工事だと防水が剥がれた場合は自分で材料を調達して補修しなくてはいけません。
防水層の施工は困難
ベランダの防水を塗装で行う場合、DIYだと「防水層」の施工は難しいです。なぜ防水層の施工が困難かというと、専門性が高すぎてDIYだと失敗しやすいためです。
「防水層」とは、ベランダの防水塗装で下地に当たる部分です。防水機能があるため防水塗装には必須の素材となります。
防水層を保護する塗装として「トップコート」があります。トップコートであればDIYが可能です。
ベランダの防水塗装が「防水層」まで劣化している場合はDIYが困難ですので、業者に依頼しましょう。
以上のことから、工事に失敗しても構わない人や、高度な技術を持っている場合にDIYは適しているでしょう。
2.ベランダ防水をDIYでおこなう場合のおすすめの工法
ベランダの防水をDIYでおこなう場合におすすめなのは「トップコートのウレタン防水塗装」です。
以下では、ベランダにおける防水工事の種類や、DIYでトップコートの塗装をおすすめする理由を解説します。
なお、ベランダの形状やタイプによってDIYできないということはありません。工法のみでDIYできるかどうかを判断しましょう。
2-1.ベランダ防水の工法の種類
ベランダで可能な防水の工法は3種類です。
- ウレタン防水
- FRP防水
- シート防水
それぞれどのような工法なのでしょうか。
ウレタン防水
ウレタン塗料を塗って防水をする工法です。
シート防水と比べて、ベランダの形状を問わず細かい部分も防水できるメリットがあります。また、FRP防水よりも価格が安いメリットがあります。
一方で、シート防水よりも価格が高いでしょう。また、FRP防水に比べると耐久性が低く、塗りムラが発生しやすいです。
DIYで防水工事をする場合は、施工難易度が最も低い「ウレタン塗装」が基本となります。
FRP防水
ガラス質のプラスチック塗料を塗って防水をする工法です。
シート防水と比べて、ベランダの形状を問わず細かい部分も防水できるメリットがあります。また、ウレタン防水よりも耐久性が高いです。
一方で、シート防水やウレタン防水よりも価格が高額というデメリットがあります。業者がベランダの防水をする場合に利用することが多い防水方法です。
シート防水
シート状の防水素材を敷くことで防水をする工法です。ウレタン防水やFRP防水と比べて価格が安いメリットがあります。
一方で、ウレタン防水やFRP防水よりも形状の変化が難しく、単純な四角形の床でしか使用できません。
このため、20平方メートルを超えるような広いベランダでなければシート防水は向いていないでしょう。
2-2.ベランダ防水はトップコートのみ可能
ベランダ防水には雨水の侵食を防ぐ「防水層」と、防水層を保護する「トップコート」の塗装があります。
このうちDIYで工事ができるのは「トップコート」のみです。理由は、防水層の施工難易度が高いためDIYだと失敗しやすいからです。
ベランダの劣化が防水層まで届いているかは目視で確認しましょう。ベランダの床のモルタルやコンクリートが露出している場合は防水層がはがれています。
一方で、下地のような分厚い塗装が無事であればトップコートの補修のみで対処が可能です。
3.ベランダ防水をDIYでおこなう手順も理解しよう
ベランダの防水をDIYでウレタン塗装する場合は以下の2つの手順で工事をします。難易度は高くありませんが、下地調整をおろそかにしないよう注意してください。
DIYでおこなう場合には以下の道具が必要です。
- 汚れてもよい服
- 軍手
- スクレーパー(金属ベラ)
- 塗装用ローラー
- ローラーバケツ
- ハケ
- 高圧洗浄機(ホースでも可)
- ほうき
- チリトリ
- 養生テープ
- 養生ビニルシート
- トップコート用塗料
- 下塗り塗料
服以外は、すべてホームセンターで揃えることが可能です。
以下では、詳しい手順を紹介します。
3-1.下地処理
剥がれた防水を処理して新しい塗装が付着しやすいようにする工程です。剥がれかけているトップコートを金属ベラといった道具で剥がします。その後、ホースや高圧洗浄を使って床を洗浄してホコリや汚れを除去しましょう。
下地処理が不十分だと異物が塗料の隙間に入ってしまいトップコートが剥がれてしまいます。重要な工程ですので念入りに作業を行いましょう。
3-2.トップコート塗装
下地処理を済ませたらウレタン塗料を2回塗ります。下地が荒れている場合は密着性を高めるために下塗り(プライマー)をする場合もあります。
2回塗る理由は、塗装の厚みを確保するためです。塗料は、1回で塗装できる適切な厚さが決まっているため、耐久性を高めるために2回塗装するのです。
4.ベランダ防水を業者ではなくDIYにした場合の費用や工期
ベランダ防水をDIYでした場合の費用は、業者に依頼した場合の5〜8割程度です。また、工期は業者よりも長くなるでしょう。
以下では具体的な費用や工期を解説します。
4-1.ベランダ防水にかかる費用の目安
ベランダ防水にかかる費用の相場は5〜20万円が目安です。一般的な4平方メートルの住宅であれば10万円以下で済むケースが多いでしょう。
一方で業者に依頼した場合は2〜30万円程度となります。DIYだと道具一式を揃える費用が必要なため、ベランダの一部だけの補修だと業者の方が安くなる可能性があります。
4-2.ベランダ防水にかかる工期の目安
ベランダ防水の工事にかかるDIYでの工期は1〜5日です。業者に依頼した場合は1日で終わるため、工期は長くなるでしょう。
DIYでの工期が延びる理由としては、慣れていないため作業に2倍以上の時間がかかることと、1日に作業できる時間が限られていることが原因です。
5.ベランダ防水をDIYで施工する際の注意点
ベランダの防水をDIYでおこなう場合には3つの注意点があります。
- 塗装がすぐ剥がれる危険性がある
- 隣家に塗料が飛散するリスクがある
- 悪臭で近所からクレームが来やすい
具体的にどのような問題が起こるのでしょうか
5-1.塗装がすぐ剥がれる危険性がある
ベランダの防水塗装をDIYでおこなうと、1年以内に塗装が剥がれる危険性があります。防水塗装の手順はインターネットで調べる人が多いでしょう。
しかし、インターネット上の情報は実際に工事をしたことがない素人が書いていたり、細かい作業内容が省かれていたりするケースがほとんどです。
必要な知識が無い状態で工事をするため塗装が剥がれやすくなります。再塗装をすることになると、最初から業者に依頼するよりも費用が高額となるでしょう。
ベランダの防水塗装で確実性を重視する場合は、DIYではなく業者に依頼することをおすすめします。
5-2.隣家に塗料が飛散するリスクがある
ベランダで防水塗装をすると塗料が隣家に飛散して弁償するリスクがあります。塗料は液体であり、風によって簡単に飛んでいきます。
どれほど注意していても飛散は完全には避けられないため、DIYで工事する場合は隣家の物を弁償する覚悟が必要です。
5-3.悪臭で近所からクレームが来やすい
ベランダ防水で使う塗料は基本的に悪臭がします。5メートル離れていたとしても気になるほどの臭いがするため、近所からクレームが来る可能性が高いでしょう。
業者に依頼するなら我慢してくれる住人は多いと考えられますが、DIYだと「なぜ業者に依頼しないのか」と文句を言われる危険性が高まるでしょう。
また、業者に依頼しておけばクレームは業者が受けてくれます。DIYだとクレームはすべてあなたが処理しなくてはいけません。
クレーム処理に労力や時間を割かれたくない人はDIYではなく業者にベランダの防水工事を依頼しましょう。
6.まとめ
ベランダの防水をDIYでおこなう場合は「トップコート」のみが可能です。利用する工法は、手軽で価格が安い「ウレタン防水」が最適でしょう。
ただし、DIYで工事をすると塗装が剥がれやすくなり、1年で再塗装をする可能性があります。
再塗装になるくらいなら、最初から業者に依頼しておいたほうが工事価格は安くなるでしょう。
確実性を重視する場合は、ベランダの防水工事は業者に依頼するようにしましょう。