「ベランダを塗装するタイミングや費用を知りたい」「DIYでベランダの塗装はできるのか」こう考えている人は多いでしょう。この記事では、ベランダの塗装を補修するタイミングや費用について紹介します。ベランダの補修時期や費用がわかれば、無駄な工事費用を支払うリスクを抑えられるでしょう。
目次
1.ベランダを塗装で補修する時期の目安をチェック
ベランダに塗装が必要かどうかは劣化状況によって決めます。ベランダ補修の目安となる劣化状況の例として以下の4つがあります。
1-1.ひび割れ
ベランダの塗装表面や下地がひび割れている劣化症状です。ひび割れを放置すると隙間から雨水が浸入して雨漏りを引き起こします。小さなひび割れが1つや2つだけなら問題はありません。ひび割れが多数の部位で確認できるとか、下地素材まで割れている場合は補修が必要です。
1-2.剥がれ
ベランダの塗装が剥がれている劣化症状です。塗装には、外壁の素材を紫外線や雨から保護する役割があります。塗装が剥がれてしまった壁や床は、雨が染み込むとか紫外線を防げなくなります。ベランダの多くの部位で塗装が剥がれている場合は補修を検討しましょう。
特にベランダの床は「防水加工」といって水を通さない塗装をしているため、剥がれると雨漏りを引き起こしやすくなります。
1-3.ふくれ
ベランダの塗装がふくれてしまう劣化症状です。「ふくれ」は、塗装の内部が剥がれてしまって表面がふくらんでいる状態です。ふくれは内部に水が溜まってしまうと下地が侵食されてしまうため、剥がれよりも厄介な状態といえます。 1箇所や2箇所であれば問題は少ないですが、外壁の多くの場所でふくれが見つかったら塗装が必要です。
1-4.外壁や床の破損
ベランダの外壁や床の素材が破損している場合は補修が必要です。破損状況が激しい場合は塗装だけでは直しきれず、下地素材から修繕しなくてはいけません。ベランダで起こりやすい破損としては、笠木の変形やサビ、外壁の欠けがあります。破損した部位から雨水が侵入するため早急に補修をしましょう。
2.ベランダ塗装の種類を解説
ベランダで利用する塗装には「防水加工」と「外壁塗装」の2種類があります。
「防水加工」はベランダの床を施工する工事で、「外壁塗装」は床以外を補修します。防水は水を絶対に通さないことを最優先にした施工方法です。外壁塗装は水以外に風や紫外線も遮断し、デザイン性も重視しています。
2-1.防水加工
ベランダの床は防水加工が必要です。防水加工とは、水分を弾く塗料を塗って雨が床に染み込まないようにする工事で、水が溜まりやすい場所に施工します。ベランダの防水塗装には以下の2種類があります。 価格や特徴が異なるため、予算に応じて種類を決めるとよいでしょう。
2-1-1.FRP防水
紫外線や劣化に強い硬質な塗料を塗る防水加工です。次のウレタン防水より高額ですが耐久性に優れています。また、ウレタン防水よりも乾燥が早い特徴があります。
2-1-2.ウレタン防水
FRP防水よりも安価な一方で耐久性はやや劣ります。手作業で塗装をするため防水の厚さにムラができやすい工事方法です。安価で最低限の防水機能が手に入るため、多くのベランダで利用されている防水方法です。
2-2.外壁塗装
ベランダの床以外は外壁塗装を行います。外壁塗装は防水加工とは別物で、利用する塗料や依頼する業者が異なります。外壁塗装には防水機能がほとんどないため、雨漏りを起こしやすい床には使いません。「外壁塗装に防水機能がないのなら、床だけではなく壁や天井も防水加工をすればいいのでは」と考える人もいるでしょう。
壁や天井まで防水加工をすると補修費用が高額となってしまいます。また、防水加工はデザイン性が低いためベランダの見栄えが悪くなります。外壁や天井は床と違って水が溜まる場所ではないため、防水加工ではなく外壁塗装の性能で十分なのです。
ベランダで利用する外壁塗装は主に4種類が存在します。
塗料名 | ㎡単価の目安 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|---|
ウレタン塗料 | 2,100〜3,100円 | 8〜10年 | 価格は安いが耐用年数が短い |
シリコン塗料 | 2,730〜4,140円 | 10〜15年 | 信頼性が高くコストパフォーマンスに優れる |
フッ素塗料 | 3,690〜4,700円 | 15〜20年 | 高品質で耐用年数が長いものの価格が高い |
無機塗料 | 3,680〜5,080円 | 18〜22年 | 高価だが耐久性に優れている |
どの外壁塗料を使うかは悩むことでしょう。塗料ごとの特徴を解説していきます。
2-2-1.ウレタン塗装
ウレタン塗装は耐用年数が短いですが費用が安い特徴があります。耐久性が低いため長持ちする塗装方法ではありません。「ベランダの補修をしたいけれど費用は抑えたい」と考える人にウレタン塗装は向いているでしょう。
2-2-2.シリコン塗装
シリコン塗装は外壁塗装で一般的に利用される塗装方法です。耐用年数はそこそこで、耐久性と費用を考えた場合のコストパフォーマンスに優れています。「コストパフォーマンスが高い塗装で補修をしたい」と考える人にシリコン塗装は向いているでしょう。
2-2-3.フッ素塗装
フッ素塗装は耐用年数が長く工事費用がかかる塗装方法です。耐久性が高いため、補修を行うとしばらくはメンテナンスが必要なくなるでしょう。「費用が高くなってもいいから長持ちする塗料で補修したい」と考える人にフッ素塗装は向いています
2-2-4.無機塗装
無機塗装は耐用年数が最も長いですが費用が非常に高額です。長持ちする塗料の代表格ですが、商品によって品質差が激しい塗装方法でもあります。無機塗料は、無機成分を多く含んだ塗料ほど耐久性が高くなりますが、業者任せにしていると低品質な無機塗料を使用される危険性があります。「無機塗料の良し悪しが見抜ける人」に無機塗装は向いているでしょう。
3.ベランダ塗装にかかる費用について
ベランダを塗装で補修する場合にかかる費用に相場はありません。補修面積や工事内容によって価格は変動するため、見積もりを取得するまでは明確な数字はわからないでしょう。
しかし、工事ごとにおおよその目安はあります。補修範囲によってかかる費用としては以下を参考にしてください。
工事内容 | 費用の目安 |
---|---|
防水+外壁 | 30〜70万円 |
防水のみ | 20〜50万円 |
外壁のみ | 10〜30万円 |
上記は目安でしかありません。実際に見積もりを取得すると費用が大きく異なる場合があります。自分の家のベランダ補修はどれが適しているのかは劣化状態によって決まります。基本的には劣化している部位はすべて補修することを前提として、
- 床が劣化していた場合は防水加工
- 床以外が劣化していた場合は外壁塗装
- 床と外壁の両方が劣化していた場合は全面的な塗装が必要
と考えるとよいでしょう。
3-1.全面的な塗装をする場合
防水と外壁の両方を塗装する場合、30〜70万円程度の費用が必要です。価格はベランダの広さによって変動します。30㎡を超える広いベランダを工事する場合は100万円を超えるケースがありますまた、雨漏りが起こっている場合はさらに20万円程度が修繕費として必要となる可能性があります。
3-2.防水加工のみの場合
防水加工のみの工事費用は20〜50万円程度が目安です。ただしベランダの面積が50㎡メートルを超える場合は防水工事のみで100万円を超えるおそれがあります。防水の表面部だけが劣化している状況であれば10万円以内での工事が可能です。
しかし、ベランダに水たまりができやすい場合は床の傾きに問題があるため左官工事が必要です。
3-3.外壁塗装のみの場合
ベランダの外壁塗装のみであれば10〜30万円程度で工事が可能です。一部だけの補修であれば10万円未満での工事も実現するでしょう。ベランダの外側を塗装する場合は足場が必要となるケースがあります。足場を設置する場合は5〜10万円程度の費用が追加でかかるでしょう。
4.ベランダ塗装をDIYできるのか?
ベランダ塗装をDIYで行うことは困難です。なぜなら、外壁塗装・防水加工のいずれも専門的な知識と技術が欠かせない工事だからです。専門的な知識と技術がない人が工事をすると、高確率で塗装の剥がれや雨漏りを引き起こすでしょう。DIYで行うと費用が安くなると考えている人もいるかもしれません。
しかし、道具や材料を揃えて作業を行うのなら最低でも2万円以上はかかるでしょう。自分で安く工事を行っても1年で塗装が剥がれたり雨漏りが起こったりしてしまい、結局は業者に依頼しなおすというケースもあります。雨漏りや塗装ミスを確実に避けるためには業者に依頼しなくてはいけません。
5.ベランダ塗装で業者を選ぶ際の注意点
業者に依頼をしてベランダを塗装する際には3つの注意点があります。以下の注意点を無視すると悪徳業者に騙される危険性が高まるため、依頼前に把握しておきましょう。
5-1.相見積もりをとる
ベランダ塗装業者を探す際に最も重要なのが相見積もりです。相見積もりとは、複数の会社に見積もりを同時に依頼することです。3社以上の会社から見積もりを取得して比較する ことで、工事内容のおかしな点や価格の違いを知ることができます。悪徳業者は価格を高額に設定するケースが多いため、相見積もりをするだけで騙されるリスクを大幅に下げられるでしょう。
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