
引っ越しで部屋を退去するときにトラブルになりやすい壁紙の張替え。
こうしたトラブルは借主が思っている補修部分と、実際に補修する部分の範囲に大きな差があることが原因で発生します。
一方で、費用負担が貸主にあるにも関わらず、借主に壁紙の張替え費用を請求している場合や、敷金を超えた範囲で過剰に請求している場合もあります。
この記事では、
- 借主が費用を負担する場合と貸主が費用を負担する場合の違い
- 壁紙の張替えで負担する費用相場
を解説。借主負担になった場合の費用を抑える方法も解説しています。
この記事を読んで、どんなケースでいくら費用負担が必要なのかを把握して、気持ちよく退去できるようになりましょう!
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目次
1.賃貸の壁紙張替え費用負担はどっち?
画鋲で壁にポスターを張ったときの費用負担は貸主か借主、どちらの負担になるでしょうか?
実は、この場合の壁紙張替えの費用負担は貸主です!
賃貸物件から退去する際に壁紙張替えが必要となる場合の費用負担者は、壁紙のキズや汚れの原因によって異なります。
どのような場合に借主または貸主の費用負担になるのかは次の表の通りです。
壁紙のキズや 汚れの原因 |
雇用負担者 | |
---|---|---|
貸主 | 借主 | |
経年劣化 | 〇 | ー |
故意や不注意 | ー | 〇 |
ここでは、賃貸物件の壁紙張替えの費用をどちらが負担しなければいけないのかということについて説明致します。
1-1.経年劣化の場合は貸主の負担(前回の張り替えから6年は経年劣化)
経年劣化とは具体的には日照などによる日焼け、画鋲やピンの穴、テレビや冷蔵庫裏の黒ずみ汚れなどのことを指します。このような、通常消耗の場合は貸主が壁紙の張替え費用を負担することになります。
また、借主負担となるキズや汚れがあっても壁紙を張り替えてから6年経過している場合は、壁紙のキズや汚れの原因を問わず貸主の負担となります。なぜなら、壁紙の耐用年数は6年とされており、国土交通省の発行するガイドラインでもそのように規定されているからです。
そのため、経年劣化なのにも関わらず壁紙の張替え費用を請求されてしまった場合は、契約書や国土交通省の発行するガイドラインを確認しましょう。壁紙張替えについては18ページから27ページに詳しく書かれているので参照してください。その上で、記載されている内容と異なる場合にはその旨を伝え、交渉してみましょう。
1-2.故意または不注意の場合は借主の負担
タバコによるヤニやキッチンの過度な油汚れ、結露を放置したことによるカビやシミ、ペットの引っ掻き傷といった通常消耗以上の場合は借主の負担となります。
しかし、壁紙全体ではなく一部分だけにキズや汚れをつけてしまったといった場合には部屋全面の壁紙張替え費用を負担する必要はありません。このような場合、借主が負担すべき費用はキズや汚れをつけてしまった一面のみで、色を合わせるための他の壁紙の費用は貸主の負担となります。
出典:https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-9-jyuutaku.pdf
このような理由から、故意や不注意による破損であったとしても通常請求額は少額で済むことが多いです。
もし、一部の破損にもかかわらず壁全面分の高額請求をされてしまった場合には、貸主の負担であるということを管理会社等に伝え、不当な請求を受けないようにしましょう。
2.賃貸の壁紙張替え負担費用相場
壁紙の張替え費用が借主の負担であった場合、いったいいくら払うべきなのでしょうか?
賃貸物件の壁紙張替えで払うべき費用は次の2つの要素によって決まります。
- どのくらいの面積の壁紙を張り替えるか
- 壁紙は耐用年数の内何年経過しているか
ここでは、この2つの軸によってどのくらい費用が変わるのかをまとめました。
部屋の大きさ | 経過年数 | ||
---|---|---|---|
1~2年 | 3~4年 | 5~6年 | |
6畳(45㎡) | 3.6~4.5万 | 2.3~3.2万 | 0~1.4万 |
8畳(54㎡) | 4.3~5.4万 | 2.7~3.8万 | 0~1.6万 |
10畳(64㎡) | 5.1~6.4万 | 3.2~4.5万 | 0~1.9万 |
2LDK(350㎡) | 28~35万 | 17.5~24.5万 | 0~10.5万 |
3LDK(400㎡) | 32~40万 | 20~28万 | 0~12万 |
※()内の平米数はおおよその壁・天井面積
※費用は単価1,000円/㎡で計算
これは壁紙張替えのみの概算費用なので、人件費や諸経費などをこれにプラスして3万円程度かかるものだと考えてください。
壁紙の経過年数によって負担額が異なるのは、入居年数が長いほど大きな経年変化や通常消耗が起こるため、年数関係なく同額となるのは不公平ということからこのような規定になりました。
出典:http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/honbun2.pdf
概算費用は上記の費用から敷金を引いた分が借主の負担分となりますが、具体的な費用については、貸主との契約内容によって異なります。契約書には敷金内で済ませるという場合や、状態があまりにもひどい場合には敷金を越えて多く請求することもあるので、詳細については契約内容を確認しましょう。
3.地元の優良工務店に依頼して賃貸の壁紙張替え費用を抑えよう
多くの方が管理会社から渡された原状回復のための請求書を受け取り、その通りに支払わなければいけないと思っていませんか?
意外と知られていないかと思いますが、実は借主側から自ら施工業者を手配し、費用を抑えるということが出来るのです!
そのため、賃貸物件退去時の壁紙張替え費用を借主が負担しなければならない場合、費用を抑えることの出来る地元の内装工事を得意とする工務店に依頼しましょう。
大手リフォーム会社は工務店に下請けを出したり、広告費をかけたりしているため、マージンとしてその分を費用に上乗せしています。その一方で、施工以外にお金をかけない地元の工務店では費用を抑えることができます。
しかし、優良工務店をご自身で見つけることはかなり難しいと思います。
そんなときは、リフォ―ム会社紹介サイトでその業者が行った施工事例やそれに対する口コミ等をチェックして、ご自身に合う業者を見つけましょう。
紹介サイトでは、各工務店のホームページの情報以外に、お客様からの口コミや独自取材の内容により、どの工務店が壁紙の張替えが得意か、お客様からの評判がよいかという情報が集約されております。また、複数一括で紹介を受けることで、自分に合う工務店かどうか比較検討することができます。
そのため、紹介サイトを通じて、あなたも手間をかけずに失敗しないリフォーム会社探しができるようになります。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。
賃貸物件の壁紙張替えの費用負担はどのような場合に誰がすべきか、支払う場合にはどのくらい負担する必要があるのかということについてご理解頂けたかと思います。
賃貸物件退去時にトラブルなく、お互いに良い気持ちで引き渡せるよう国土交通省の発行するガイドラインをよく読んだうえで負担費用について見直してみて下さい。
また、借主側の負担で費用を抑えたい場合にはリフォームガイドにご相談頂けると、実績を持ちながらも低価格で壁紙張替えをしてくれる工務店をご紹介することもできます。
お困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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