玄関は増築できる? 費用相場と失敗しないための注意点を解説

デザインの調和を考える「持ち物や靴が増えて、玄関が狭く感じる」「物があふれていて気になる」
そんな悩みを感じているなら、思い切って玄関を増築してみませんか?
増築と聞くと大がかりな工事をイメージしますが、方法によっては費用を抑えながら改善できるケースもあります。

そこで本記事では、増築をはじめとした玄関を広げる方法と、その費用目安、押さえておきたい注意ポイントなどをわかりやすく解説します。


1.玄関を広げる2つのアプローチ方法

玄関を広げる方法には、主に2つのアプローチがあります。1つ目は、外壁を部分的に解体して外側にスペースを増築する方法です。
2つ目は、増築を行わずに既存の間取りを変更することで玄関スペースを確保する方法で、外壁の解体が不要な分、費用を抑えやすいのが特徴です。

まずは自分たちの希望や家の状態などから、どの方法が合いそうなのかをチェックしてみましょう。

1-1.【あなたに合うのはどっち?簡単診断】

増築と間取り変更のどちらが適しているかは、家の間取りや敷地条件、予算などによって変わってきます。
まずは以下のチャートを使って、自宅の状況を確認してみてください。

ポイントとなるのが「駐車場や庭の空きスペース」です。
玄関を増築すると家の面積が大きくなるので、敷地面積にある程度の余裕がなければ工事自体ができません。

一方、間取り変更の場合も、「面積を減らしても問題のない部屋やスペース」があるかどうかが、判断材料になってきます。
まずは、広げたい面積分(一般的には1〜3畳)くらいのスペースを確保できるのかを、確認してみてください。

1-2.【外へ広げる】増築型リフォーム

増築は、家の面積そのものを増やす方法です。
外壁を部分的に解体して、庭や駐車場側に基礎を新設し、玄関スペースを拡張します。

増築した分面積が大きくなるため、土間を広く取ったりシューズクロークを設けたりと、間取りの自由度が高くなる点が大きなメリットです。
部屋や廊下が狭くなるなど、今の生活空間に影響する心配もありません。

ただし、解体工事や基礎工事などを伴うため、雨仕舞(あまじまい)が不十分だと、雨漏りが起こることも。工事規模が大きくなる分、費用も高額になりがちです。

他にも建築基準法による制限など、施工前に知っておくべき注意点がいくつかあるので後ほど解説していきます。
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1-3.【中で広げる】間取り変更型リフォーム

玄関付近に部屋や収納スペースがあるなら、その部分を一部取り込むことで、玄関を広げるという方法もあります。
間取り変更なら外壁の解体工事を行わないため、増築より費用を抑えやすくなります。
「シューズクロークがほしい」「靴の着脱がしやすいように、土間部分を少しだけ広げたい」といった悩みなら、間取り変更で十分に改善できるでしょう。

ただし、間取り変更を行うときには壁の撤去工事を伴うため、構造上の問題で壊せない壁や柱がある場合は、希望どおりの広さを確保できない可能性が出てきます。
こうした構造上の判断は専門知識が必要となるため、リフォーム会社に現地調査を依頼して、どこまで変更できるのかを事前に確認してもらいましょう。

【二世帯住宅化なら、次のような選択肢も!】

完全分離型の二世帯住宅へとリフォームする場合は、ただ玄関の面積を広げるのではなく、「第二玄関を新設(増築)する」という方法もあります。
費用は高くなりやすいものの、玄関の位置を変えたり、新たに外階段を設けて2階部分に設置したりすることで玄関と生活動線を分ければ、プライバシーを確保できます。


2.玄関を増築するときの費用相場

玄関の増築を考えたときに、もっとも気になるのが費用面ではないでしょうか。
玄関のリフォームの費用は 「外に広げるか」「中で広げるか」 によって大きく変わります。

施工内容 費用目安
玄関を増築する 80万~150万円(1坪あたり)
玄関を広げる(間取り変更) 30万~50万円
収納の設置 5万〜40万円
玄関の位置変更 150万~300万円
玄関ポーチの拡張 20万~35万円

※建物の構造や使用する建材などによって費用は前後します

玄関を外側に増築する場合は、新たに基礎を設けたうえで、外壁や屋根を既存の建物につなぐ必要があります。
そのためどうしても工事規模が大きくなり、費用は付帯工事などを含めると100万円を超えるケースがほとんどです。
増築にあわせてポーチ部分も拡張すると、追加で20万〜35万円ほどの費用がかかるので、プランによっては200万円を超えるケースもあるでしょう。

一方、間取り変更によって玄関を広げる場合は、部屋や廊下、収納スペースの一部を取り込むため、費用を抑えやすくなります。
目安としては30万〜50万円程度で、シューズクロークを新たに設置したとしても100万円以内で抑えられるでしょう。

ただし、上記はあくまで目安なので、家の状態や構造、追加工事の有無、選ぶ素材などによって、実際の工事費用は大きく変わります。

予算オーバーを防ぐためには、予算決めの段階で「自分の家ではどこまでできるのか」「どの方法が最適か」などを、専門家に確認することが重要です。
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3.玄関を増築する前に必ず確認したい、法的制限と家の条件

「敷地の広さに余裕があるから」「戸建住宅だから」といって、必ずしも自由に増築できるわけではありません。法的な制限や建物そのものの状態によっては増築ができないケースもあるため、事前にポイントを押さえておきましょう。

3-1.増築ができない、または制限がかかる場合

増築ができない、または制限がかかる可能性があるのは主に次のようなケースです。

  • 建ぺい率・容積率がすでに上限に近い、または上限に達している
  • 既存建物とは異なる工法で増築したいとき

    建ぺい率と容積率は、どちらも「敷地に対してどれくらいの大きさの建物を建てられるか」を定めたルールです。建ぺい率は敷地面積に対する建物の面積の割合を示し、容積率は敷地に対する延床面積の割合を表します。

    「自治体に申告しないなら、増築しても問題ない」と思うかもしれませんが、たとえ建築確認申請が不要な工事であっても、定められた範囲内までしか増築できません。
    自宅の建ぺい率と容積率は、地域の「都市計画情報マップ」や市区町村の建築指導課、重要事項説明書で調べられるので、事前に確認しておくと安心です。

    3-2. 玄関の増築ができる家の条件

    一方で、増築がしやすいのは次のような条件を満たしている住宅です。

    • 建ぺい率と容積率に余裕がある
    • 玄関付近に十分なスペースを確保できる
    • 建物の基礎や構造がしっかりしている

      中でもとくに重要なのが、「玄関付近の広さ」です。
      広げたい面積分のスペースを問題なく確保でき、門柱やフェンスなどの障害物もなければ、工事を進めやすくなります。

      また、建物の基礎や構造の強固さも、増築の可否や費用に大きく影響します。
      この部分に不安要素があると、既存の建物を増築部分をつなげる際に補強工事が必要になり、費用が一気に高くなってしまうからです。

      「増築ができる」という部分だけで判断せず、図面の確認や現地調査を行ったうえで、どの程度の費用がかかるのかまで含めて検討することが大切です。
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      4.玄関の増築で注意しておきたいポイント

      玄関の増築は、暮らしを大きく改善できる一方で、判断を誤ると「思っていたのと違った」「やらなければよかった」と後悔につながりやすいリフォームでもあります。
      そうした事態を防ぐためにも、事前に注意点をしっかりと押さえておきましょう。

      • 雨仕舞(あまじまい)を徹底する
      • デザインの調和を考える
      • 動線を確認する
      • 近所に配慮する

      ひとつずつ説明していきます。

       

      4-1.雨仕舞(あまじまい)を徹底する

      「雨仕舞(あまじまい)」とは、雨水が建物内部に侵入しないように、適切に外部へ排水・誘導するつくりのこと。きちんと雨仕舞をすることで、雨漏りや内部の劣化を防ぎます。
      しかし、この部分の処理が甘いと、完成直後は問題がなくても数年後に雨漏りしたり、水の侵入によって腐食・腐朽したりするリスクが出てきます。

      そのため、業者選びの際には価格面だけではなく、施工実績の多さや技術力、説明の丁寧さなども含めて会社を選ぶことが重要です。
      フォロー体制が整っている会社なら、万が一雨漏りなどのトラブルが起こった場合にも、すぐに対応してもらえるでしょう。

      4-2.デザインの調和を考える

      増築では、完成イメージ図で外観バランスを必ず確認することが重要です。

      外壁は日々雨風や紫外線にさらされているため、たとえ同じ外壁材や色味を選んだとしても、まったく同じ色にはできません。
      そのため素材や色味だけで合わせようとすると、「玄関だけ浮いて見える」「ちぐはぐさが目立つ」といった「後付け感」が出てしまう可能性があります。

      外観の調和を保つためにも、完成イメージ図で全体のバランスを確認するようにしましょう。

      4-3.動線を確認する

      玄関を増築する際は、広さや形状・配置を決める前に、日々の動線をしっかりイメージすることが大切です。

      玄関の増築の目的は単に面積を広げることではなく、「日々の使い勝手をよくすること」だからです。靴の脱ぎ履きや収納の位置、家族が同時に出入りしたときの動きなどを具体的にイメージしながら、広さや形状、配置を検討しましょう。

      シューズクロークを設置する場合も同様で、靴の量や種類、取りやすさを意識しながら大きさと種類を選ぶことがポイントです。

      4-4.近所に配慮する

      増築では解体工事を伴うため、騒音や車両の出入りが発生します。とくに敷地境界に近い部分に増築する場合は、近隣住民への配慮が欠かせません。

      工事の開始前に、工事日・期間・時間などを記載した案内文や粗品をもって事前に挨拶まわりを行うなど、トラブル対策を考えておきましょう。
      こうした近隣対応まで含めてサポートしてくれるかどうかも、リフォーム会社選びにおいて重要な判断材料のひとつです。


      5.玄関の増築で費用を抑えるコツ

      2章でも触れたとおり、玄関の増築費用は100万円を超えることが多くなります。
      とはいえ、費用を抑えたいからといって価格だけで業者を選び、仕上がりに不満が残る工事になってしまっては本末転倒です。
      工事の質を落とさずにコストを抑えるために、知っておきたいポイントを紹介します。

      5-1.補助金を活用する

      リフォームを行うと、補助金制度が使える可能性があります。
      ただし、玄関の増築のみでは利用できないケースが多いので、補助金制度を利用するなら、省エネ性を高める工事やバリアフリー工事などとあわせて行わなければなりません。
      その際に利用できる可能性があるのが、次のような補助金制度です。

      • 国の省エネ補助金(みらいエコ住宅2026事業)
      • 介護保険(高齢者等住宅改修費補助)

      国の省エネ補助金は、開口部(窓やドア)などの断熱性を高める工事と同時に増築を行えば、対象となる可能性があります。
      ただし、省エネ補助金は対象となる製品や工事内容が細かく指定されており、登録業者でなければ申請できない点にも注意が必要です。

      また、介護保険制度では、増築にあわせて、手すりの設置や段差の解消、玄関扉などの変更を行えば、対象となる可能性があります。
      補助金制度の仕組みはとても複雑なので、利用を希望する方は、リフォーム会社への相談時に必ず補助金を利用したい旨を伝えましょう。

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      5-2.相見積もりを取る

      同じように玄関の増築を依頼しても、提案内容や費用はリフォーム会社ごとに異なります。
      1社だけの見積もりで判断してしまうと、「その金額が妥当なのか」「提案内容は適切なのか」などを比較することができません。

      納得する内容・費用でリフォームを行うためにも、最低でも2〜3社で相見積もりを取ることをおすすめします。
      その際には金額だけではなく、見積書やアフターフォローの内容、説明のわかりやすさなども比較し、もっとも信頼できると感じた会社に依頼することが大切です。


      6.まとめ

      「玄関が狭い」「使いにくい」と感じるときには、増築や間取り変更で玄関スペースを広げる方法があります。どちらが向いているのかは、希望や予算だけではなく、家の状態や敷地の条件によっても変わってくるので、まずは今回紹介したチャートを参考に自宅に合いそうな方法を考えてみてください。

      ただし、最終的な判断は、専門家の意見を聞いたうえで行うのが安心です。
      まずは2〜3社に相談して提案内容や費用を比較しつつ、安心して工事を依頼できそうなリフォーム会社を探してみましょう。

      その際には、ぜひ「リフォームガイド」をご活用ください。
      お客さまのお住まいの地域や予算、希望などをもとに、専属のコンシェルジュが増築の実績が豊富な優良会社のみを複数社ご紹介します。
      相見積もりまでしっかりサポートいたしますので、玄関の増築をお考えの方は、まずはご相談ください。

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