
戸建てのリフォームをする際に、どれだけの工期や費用がかかるかは、たいへん気になるところです。
「戸建てのリフォームの工期について知りたい」「一戸建てのリフォームの箇所別の工期や費用が知りたい」
このように考えている方も多いはず。そこで、この記事では戸建てのリフォームの工期について、以下の内容について説明していきます。
- 戸建てのリフォームの工期の見積もり方
- リフォームの工期を決める要因
- 戸建てのリフォーム箇所別の工期と費用
- 工期が長くなってしまう要因とその対策
リフォームについて、工期や費用のことで悩んでいる場合はぜひ参考にしてみてください。
目次
1.戸建てのリフォームの工期の見積もり方
戸建てのリフォームする場合、家全体の内装や設備を改修する「全面リフォーム」と、キッチンや浴室など部分的に改修する「箇所別のリフォーム」の、大きく2つにわけて考えることができます。
まずは、全面リフォームの工期について説明していきます。
1-1.全面リフォームの工期について
全面リフォームのスケジュールについて、リフォーム工事の工期だけでなく、それ以外の期間も含めて具体的に説明します。
リフォームの計画を立てる
全面リフォームをするにあたっては「どの箇所をどのようにリフォームしたいのか」をしっかりとまとめる必要があります。あいまいな部分があったり、家族の中で意見が違ったままでいると、リフォーム会社との打合せの際に希望や意見をまとめる時間が余分にかかってしまいます。例えば、「キッチンのリフォームで間取りも変える」「トイレのリフォームで内装は改修しない」など具体的にリストアップしておきます。
リフォームの内容が決まったら、リフォーム会社を決めることになります。リフォームの実績や得意な改修箇所、評判などをもとにして、複数の会社に見積もり(相見積もり)を取り決定します。
全面リフォームの計画を立てるのにどれだけの期間がかかるのかは一概に言えません。予算のことも含めて、家族の意見をまとめることになりますので、1カ月かそれ以上の期間を見ておくといいでしょう。
リフォーム会社との打ち合わせ・契約
リフォーム会社が実際に現地を訪問し、現状を調べて改修の範囲・方法などを確認します。
その後、要望や予算をもとにして、リフォーム会社が「リフォームプラン」を作成してくれます。
そして、仕上がり具合や費用など、納得するまで繰り返し打ち合わせをします。実際に目で確かめたい場合は、ショールームなどに行って確認することもあります。およその工期もここでわかります。
この段階で工事担当者からリフォームの完成予定日が伝えられます。ただし、実際に工事が始まってから劣化状態や改修範囲が詳しくわかり、追加工事が発生することがあり、正確な工期や費用、完成日が決まるのは工事に取り掛かった後になります。
リフォームの内容や工期、費用などが納得できたら、リフォーム会社と契約します。ただし、契約後も色の選択などの細かな打ち合わせが入ることが一般的です。
契約から工事が始まるまで、近隣へのあいさつや仮住まいの準備などがあり、最も忙しい期間となります。
リフォーム会社との打ち合わせから契約まで、およそ2カ月から3カ月かかるようです。
リフォーム工事
工事の前にリフォーム会社の担当者が自宅を訪問し、最終的な確認作業をします。その後、実際のリフォームの工事が始まります。リフォームの工期というのは、この実際の工事期間をいいます。
外装や外構の工事がある場合、天候などの影響で工期が伸びてしまうことがあります。規模や改修範囲によって幅がありますが、リフォーム工事の工期(工事期間)はおよそ1.5カ月から4カ月程度が多いようです。
工事が完成したら「完成検査」を行い、双方が納得して引き渡しとなります。
全面リフォームの工期のまとめ
戸建ての全面リフォームの工期や期間についてまとめます。
内容 | 期間 | 詳細 |
---|---|---|
リフォームの計画を立てる | 一般に1カ月以上 | |
リフォーム会社との打ち合わせ・契約 | 2~3カ月 | 現地訪問、打ち合わせ、契約 |
リフォーム工事(このリフォーム工事の期間が「工期」のことです) | 1.5~4カ月 | 工事前確認、工事、完成検査 |
期間合計 | 4.5~8カ月以上 |
1-2.リフォーム箇所別の工期について
リフォームの箇所別の工期については、場所や環境、規模や改修範囲などによって随分違ってきます。箇所別の工事期間(工期)についての詳細は、後述の「3.戸建てのリフォーム箇所別の工期と費用」で、それぞれの改修箇所の工期と、およその費用について説明します。
2.リフォームの工期を決める要因
ここでは、「全面リフォーム」と「リフォーム箇所別」2つにわけて、リフォームの工期を決める要因についての説明をしていきます。
2-1.全面リフォームの工期を決める要因
全面リフォームの場合は特に、築年数、家の規模、搬入や搬出のしやすさ、内部の状態や配管の取り回し、天候などによって大きく変動します。
築年数が古い戸建ての場合は、平面図や仕様書がそろっていなかったり、素材や施工の仕方がわからなかったりすることがあります。その場合は実際に工事をしながら施工方法や素材を考えていくことになり、その分の工期が伸びてしまうことになります。
また、それぞれの箇所においての工事の複雑さや範囲によっても工期が変わってしまいます。
2-2.リフォーム箇所別の工期を決める要因
箇所別のリフォームに関して工期を決める要因はさまざまです。家の築年数も大きな要因になりますが、どこまでの範囲でリフォームするのかでも工期が変わってきます。
例えば玄関のリフォームについては玄関扉の形状や大きさを変えるのかどうか、玄関まわりの工事はどこまでするかなどで工期は大きく変わります。
浴室についても、浴槽だけの交換なのか、浴室の内部までリフォームするのかで工期が変わってきます。
リフォーム会社との打ち合わせの際に、何をどこまでリフォームするのかを、しっかりと確認しておきましょう。
3.戸建てのリフォーム箇所別の工期と費用
戸建てのリフォーム箇所別の工期と費用について、以下の箇所について順に説明します。
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- リビングの内装
- 外構・エクステリア
- 収納
- 耐震リフォーム
3-1.キッチンのリフォームの工期と費用
キッチンのリフォーム工事は規模によってわけられます。ここでは工期や費用について、それぞれ説明します。
小規模の工事の場合はキッチンの位置は変えずに、キッチン単体を新しく変えることになります。工事にかかる内訳の工期と費用は以下のようになります。
工事の内容 | 工期・費用 |
---|---|
既存部分の解体・廃材の撤去 | 1日 |
キッチン床の下地補修・配管替え | 2~3日 |
キッチン機器の取付け・配管・電気工事 | 1~2日 |
工期合計 | 4~6日(※1) |
費用 | 約50~90万円 |
※1 内装工事(床・壁・天井)が発生する場合はさらに5日~7日の工期とその分の費用がかかります。
大規模の工事の場合はキッチンの配置換えや間取りの変更なども発生するため、工期と費用は以下のようになります。
工事の内容 | 工期・費用 |
---|---|
小規模工事とほぼ同様の工事 | 1週間 |
旧キッチンと新キッチンの下地補修 | 3日 |
内装工事・壁の撤去・新設 | 4日 |
造作キッチンなどに伴う諸工事がある場合 | さらに1週間程度 |
工期合計 | 2~3週間 |
費用 | 約100~200万円が中心 |
給湯・給水管や下水管の移設工事、あるいは床や壁、天井などの工事が必要となる場合があります。その場合は「水周り」「キッチン取り付け」「パテ塗り」「クロス塗り」でそれぞれにプラス1日ずつかかると考えるとよいでしょう。
3-2.浴室のリフォームの工期と費用
浴室のリフォームで浴槽本体だけを変えるような場合、バスタブだけの交換となるので1日で完了します。また、コンクリートを打設するような基礎工事は、季節によって乾くまでの時間が変わります。そのためリフォームの時期や気候などによって工期が伸びてしまうことも注意してください。
システムバスの交換工事について以下の表にまとめました。
工事の内容 | 工期・費用 |
---|---|
既存部分の解体・廃材の撤去 | 1~2日 |
下地補修・配管替え | 1~2日 |
内装工事(床・壁・天井) | 1~2日 |
配管・電気工事・器具取付けなど | 1~2日 |
工期合計 | 約1週間 |
費用 | 約50~100万円 |
工事の内容 | 工期・費用 |
---|---|
既存部分の解体・廃材の撤去 | 1~2日 |
内装工事(床・壁・天井) | 2~3日 |
配管・電気工事・器具取付けなど | 2~4日 |
工期合計 | 約2週間 |
費用 | 約100万~150万円が中心 |
3-3.トイレのリフォームの工期と費用
トイレのリフォーム工事の内容それぞれについて、工期とおよその費用を以下の表にまとめました。
工事の内容 | 工期 | 費用 |
---|---|---|
便器交換(洋式から洋式へ) | 半日~1日 | 5~25万円(機器による) |
便器交換(和式から洋式へ) | 2~3日 | 15~60万円(機器による) |
内装工事のみ(※2) | 1~2日 | 4~11万円 |
便器交換・内装工事 | 1~2日 | 14~35万円(機器による) |
温水洗浄便座への交換 (コンセントがある場合) |
1~2時間 | 5~10万円(機器による) |
※2トイレの内装工事のみで床材だけを張り替える場合に、いったん便器をはずす必要もあります。リフォーム会社に前もって確認しておくとよいでしょう。
3-4.リビングの内装のリフォームの工期と費用
リビングの内装の工期は、「何を改修するのか」「リビングの広さはどれくらいか」などによって大きく変わります。工期や費用の目安を以下の表にまとめました。
また、収納の追加や配線の変更、窓の増設などがあるとさらに工期は長くなり、費用もかかります。
工事の内容 | 工期 | 費用 |
---|---|---|
クロスの張り替え(10畳) | 1~4日 | 5~12万円 |
フローリングの張り替え(10畳) | 2~5日 | 11~20万円 |
間仕切りの設置 | 1~6日 | 10~20万円 |
間仕切りの除去 | 4~8日 | 8~25万円 |
床暖房の取り付け | 2~4日 | 1畳あたり5~11万円 |
フローリングの張り替えはリフォーム前と後のそれぞれの床材によって費用が変動します。また、床暖房には「温水式」と「電気式」があり、温水式は広範囲で長時間使用するのに向いています。設置費用は電気式の方が割安ですが、ランニングコストは温水式の方が安くなります。
なお、温水式の床暖房を新設する際、ヒートポンプやエコ給水器の設置が必要になることがあり、その場合はさらに25万円~100万円の費用がかかります。
3-5.外構・エクステリアのリフォームの工期と費用
外構・エクステリアとは住宅の外側にある構造物の総称で、フェンス、門扉、門柱、カーポート(ガレージ)などの部分になります。
門扉や門柱の取り付け、カーポートの補修やアプローチ整備などであれば、50万円以下でできる場合がほとんどです。
工事の内容 | 工期 | 費用 |
---|---|---|
玄関ドアの交換 | 1日 | 17~40万円 |
門扉の交換 | 1日 | 10~50万円 |
車庫・ガレージ新設 | 1カ月~3カ月 | 100~300万円 |
ブロック塀・フェンスの設置 | 2週間 | 約100万円 |
費用について、ドアや門扉の値段、車庫は大きさや構造で異なります。
3-6.収納のリフォームの工期と費用
収納のリフォームについては、以下の表にあるように「玄関収納」「床下の収納」「屋根裏・ロフト収納」「押入れをクローゼットにする」の4つの場合があります。
工事の内容 | 工期 | 費用 |
---|---|---|
玄関収納 | 1~2日 | 20~35万円 |
床下の収納 | 1~2日 | 10~15万円 |
屋根裏・ロフト収納 | 1~3日 | 20~35万円(※3) |
押入れをクローゼットにする | 3~4日 | 10~20万円 |
※3これとは別に、換気扇(約3万円)、開口手すり(約3万円)、固定階段(約15万円)などのオプション費用がかかります。
3-7.耐震リフォームの工期と費用
耐震リフォーム工事の工期は規模や工事方法によって大きく変わります。簡単な工事なら3日程度、大規模な工事になると約1カ月かかることがあります。
ここでは、木造住宅の一般的な耐震リフォームの工期と費用を表にしました。
工事の内容 | 工期 | 費用 |
---|---|---|
柱の交換・補強、壁の入れ替え、基礎の補強 | 10日 | 約150万円 (旧耐震基準の場合は約180万円) |
4.工期が長くなってしまう要因とその対策
工期が長くなる原因として以下の5つが考えられます。
- 家の規模が大きい
- 施工そのものに時間がかかってしまう
- 天候
- 周囲の状況
- 築年数が20年を超えている
これらの原因については天候以外、前もって予測できる場合がほとんどです。見積の時点などの工事前の段階で、リフォーム会社が以下の2点をしっかり説明してくれているのか注意しましょう。
- 工期が長くなる可能性を説明しているか
- 解体後に発生する問題を想定している
5.まとめ
戸建てのリフォームの工期や費用は、改修の範囲や内容、機器の種類などにより大きく変動しますが、およその数字を知っていただけたと思います。
工期や費用が適正な範囲で完了するためには、信頼できる担当者を見つけることが大切です。いろいろな理由で工期が伸びてしまう場合でも、担当者がしっかりと説明して対処しくれれば安心して任せることができます。
また、実際にリフォームをするときは追加工事や仕様変更など、工期や費用に変更があっても問題なく対応できるよう、工期や日程はもちろん、費用の面でも余裕をもって計画を立ててください。