
食器や調理器具、家電類は、住む年数が長くなるにつれて、どんどん増えていくものです。住んでいるうちに「食器が入りきらない」「収納スペースが足りない」などの悩みが出てくることもあると思います。
そんなときには、収納棚のリフォームを検討しませんか?
本記事では「収納棚」にフォーカスして、種類や費用相場、リフォームのポイント、事例などをお伝えします。ぜひ参考にしてください。
1.キッチン収納棚の種類と特徴
収納棚にはいろいろな種類があり、それぞれ設置する場所も違うので、収納棚のみのリフォームで済むケースもあれば、キッチン本体の交換が必要になるケースもあります。
そのためまず考えなくてはならないのは、「収納棚の種類」です。キッチンの収納棚は大きく分けて、
- 背面(壁面)収納棚(カップボード)
- カウンター下収納
- 吊戸棚
の3種類があります。
背面(壁面)収納棚(カップボード)
収納量を一気に増やせるのが、『カップボード』の設置です。
コンパクトな間口で大容量収納ができるものが増えているので、カップボードを交換するだけでも収納量をぐっと増やすことができます。
ただし、カップボードは設置タイプや種類が豊富な分、価格幅も大きいので、安価なものは数万円、高価なものだと100万円を超えることも。予算に合うものを選びましょう。
カウンター下収納棚
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/836
既存のキッチンが対面式なら、ダイニング側のカウンター下に収納棚を設置して収納量を増やすことができます。
カウンター下収納はカップボードにプラスαの形で設置できるので、既存のカップボードを撤去したり交換したりすることなく、手軽に収納量を増やせるのが魅力です。
ただしカウンター下収納はダイニングやリビング側から収納棚が丸見えになってしまうため、デザインによっては室内に圧迫感が出てしまう心配があります。
部屋をスッキリと見せるためには、室内のデザインに合わせるなどの工夫が必要です。
吊戸棚
壁の天井付近に取り付ける形で設置する吊戸棚は、使用頻度の低い調理器具や家電を収納するのにとても便利です。
吊戸棚の魅力は、壁やキッチン上のデッドスペースを活かして収納量を増やせることです。
とくにカップボードを置けないような通路幅が狭いキッチンでは、吊戸棚の有無がキッチンの収納量を大きく左右します。
しかし対面キッチンに吊戸棚を設置すると、視界が遮られてしまう点がデメリットです。対面キッチンの良さである開放感が半減してしまうため、リフォームを機に撤去する方も少なくありません。広々としたキッチンにしたい方は、吊戸棚以外の収納を選んだほうが良いでしょう。
収納棚には据え置き・造り付けの2タイプがある
カップボード、カウンター下収納、吊戸棚収納の3つに共通する設置タイプのメリットとデメリットは、こちらの表を参考にしてください。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
据え置きタイプ (吊戸棚以外) |
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造り付けタイプ |
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造作タイプ |
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2.キッチン収納棚リフォームの費用相場
リフォームを考えたとき、やはり気になるのが費用面ですよね。
ここでは、収納棚の費用相場と費用を抑えるポイントを見ていきましょう。
棚の種類別リフォーム費用相場
さっそく、収納棚の種類と設置タイプごとの費用相場を見てみましょう。
費用相場 | |
---|---|
カップボード |
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カウンター下収納 |
|
吊戸棚 |
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表を見てわかるように、収納棚は種類やタイプにかかわらず100万円以内でできる場合がほとんどです。しかし100万円の中では価格幅があり、とくに造作タイプはデザインや棚の数によって費用に大きな差が出ます。
費用を抑えるポイント
収納棚の設置で費用を抑えるためには、予算と優先順位を明確化させることが大切です。
リフォームにかけられる予算を決めてから、希望の収納量やデザイン、設置場所などの希望を洗い出し、その中で優先順位を考えてみてください。
予算の中で希望を取捨選択すれば、自然と費用を抑えられるはずです。
「とにかく費用を抑えたい」という方は、造作で扉のないオープンタイプにするのもひとつ。見せる収納として、おしゃれさも演出できるでしょう。ただしオープンタイプは棚にホコリが溜まりやすかったり、整理整頓が難しかったりするので、「扉を付ければよかった」と後悔する方も少なくありません。
費用だけにとらわれず、自分の特性や価値観も大切にしましょう。


3.キッチン収納棚リフォームのポイント
キッチンの収納棚をリフォームするときには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
キッチンスペースの広さ合わせて種類を選ぶ
キッチンスペースの広さも、収納棚の種類を選ぶときに重要です。
たとえば広いキッチンなら大型のカップボードやパントリーを設けて、収納量を大きく増やすことができます。
しかし狭いキッチンに大型のカップボードを置いてしまうと、収納量は増えたとしても通路が狭くなったり圧迫感が出たりすることも。
コンパクトなキッチンに収納棚を設けるときには、オープンシェルフや奥行きの浅いカップボードを選ぶなどの工夫が必要です。オープンシェルフや浅型タイプのカップボードでも、造作タイプで床から天井までをすべて収納にすれば、ある程度の収納量は確保できるでしょう。
キッチンスペースの通路幅に合わせて扉タイプと開き方を選ぶ
収納棚の扉タイプには、『開き戸』『引き戸』『引き出し』の3種類あるので、キッチンスペースの通路幅に合わせた扉タイプを選ぶのがポイントです。
通路幅が広いキッチンならばどの種類を選んでも問題ありませんが、狭いキッチンで開き戸や引き出しを選んでしまうと、扉を開けたときに作業スペースが狭くなったり人が通れなかったりして、使いづらさを感じる恐れがあります。
扉タイプを選ぶときには、キッチンスペースの通路幅からも考えてみてください。
収納量と収納物に合わせて種類を選ぶ
収納量と収納物も、種類選びで重要なポイントのひとつです。
たとえば調理器具や家電のような大きな物をしまうのなら、吊戸棚やカップボードのような収納力のある種類が適しています。
一方で食器類や食品、ストック類が入りきらないのなら、カップボードのようにすぐに取り出せる収納棚のほうが使いやすいかもしれません。
どこに設置するのかも重要ではありますが、収納量と収納物からも、どの種類の棚が適しているのかを考えてみてください。
4.キッチンの収納棚リフォームの事例
ここでは実際にキッチンリフォームをした方がどのような収納棚を設置したのか、事例をいくつか見てみましょう。
背面カップボード設置でスッキリした対面キッチンに
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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1647
動線が悪かったダイニング側の収納棚から、カップボードへと交換した事例です。
もともとキッチンの背面側にはパントリーとコンパクトな収納棚がありましたが、リフォームを機にどちらも撤去。
キッチン側の吊戸棚も取り払い、開放感のあるオープンタイプの対面キッチンへと交換しています。背面側には収納力が高いハイカウンターで据え置きタイプのカップボードと吊戸棚を設置し、収納量を確保しつつもスッキリとした見た目のキッチンに生まれ変わりました。
背面とカウンター下収納棚で収納効率のいいキッチンに
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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/836
カップボードとカウンター下収納で、大容量収納を実現した事例です。
キッチンに付いていた吊戸棚と既存のカップボードを撤去したことで収納量が減ったため、新たに吊戸棚付きのカップボードと、造り付けタイプのカウンター下収納を設置。
見た目はスッキリさせつつも、収納はしっかりと確保できるリフォームとなりました。
オープンな造作収納でおしゃれ&取り出しやすい収納棚に
出典:https://freshhouse.co.jp/case/17051/
壁付けキッチンを対面キッチンへと交換し、背面に造作のカップボードと棚を取り付けた事例です。
リフォーム時に背面収納に使える幅を広くしたので、カウンタータイプのカップボードでも収納力はバツグン。見せる収納として補助的に造作棚を2段設置しています。
開放感のあるキッチンにたっぷりの収納で、おしゃれさも意識しつつ実用性も高いキッチン空間へと生まれ変わりました。
アイランドキッチン背面の壁一面にカップボードを設置した事例
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出典:https://freshhouse.co.jp/case/30085/
デッドスペースが多かった独立キッチンをリフォームし、収納量をぐっと増やした事例です。リフォーム前はキッチンスペースが特殊な形状だったため、デッドスペースが多く、収納棚を置ける場所と広さが限られていました。
そこでリフォーム時に、キッチンスペースを有効活用できるように壁を撤去し、アイランドキッチンに。
さらにキッチン横の部屋をなくし、造り付けタイプのカップボード、パントリー、冷蔵庫を設置しています。
無垢のカップボードでカフェのようなキッチン収納に
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出典:https://www.artreform.com/example/5345/
開き扉のカップボードを、引き出しタイプの無垢素材のカップボードへとリフォームした事例です。
開き扉のカップボードは収納力は高いものの、キッチンの通路幅が狭く扉を開けにくかったため、収納力を確保しつつも開きやすいスライドドアのカップボードを採用。
吊戸棚も設置し、収納量はバツグンです。配置と間口は変えず、カップボードと造作棚の設置で収納量をしっかりと確保しています。
棚板の高さや幅をオーダーメイドで設計した背面収納
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出典:https://www.artreform.com/example/7343/
収納量が足りなかったカップボードから、棚板を活かした大容量の背面収納へとリフォームした事例です。リフォーム前もカップボードがありましたが収納量が足りず、ダイニングに既製品のカップボードを置いていました。
リフォーム時にキッチンの背面収納は撤去し、造作のキャビネットと収納物の高さに合わせた棚板を設置。引き戸になっているので、扉を閉じれば中身をスッキリ隠せます。
床から天井までしっかりと収納量を確保し、たくさんの物をしまえる収納へと一新しました。
フレームキッチンと棚を組み合わせたカスタマイズ収納
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出典:https://www.artreform.com/example/2552/
昔ながらのキッチン下収納を、おしゃれなオープンタイプの収納棚へとリフォームした事例です。シンクとコンロが向かい合うⅡ型のキッチンは、ほぼ収納がありませんでした。
そこでリフォームを機にキッチンは窓のある壁側、収納はダイニング側の壁に設置することで収納を確保。本来ならばリビングの飾り棚として使う板をオープンシェルフとして使うなど、リフォーム会社のアイデアが光るリフォームになりました。
5.まとめ
キッチンの収納量を増やしたいときには、背面にカップボードまたは吊戸棚を設置する方法や、カウンター側に収納棚を設置する方法があります。
さらにその中でも据え置き、造り付け、造作にタイプが分かれており、サイズやデザインも含めると選択肢は数え切れないほどあるでしょう。
自分の予算に合わせて希望をしっかりと反映するためには、キッチンリフォームを得意とするリフォーム会社に相談するのがおすすめです。キッチン間口や通路幅、リビングとダイニング部分との兼ね合いも考えながら、最適な方法を提案してもらえるでしょう。
リフォームガイドでは、お客さまの希望をもとに、専用のコンシェルジュがキッチンリフォームを得意とする優良業者を紹介します。
「収納棚を交換したい」「収納量を増やしたい」などのお悩みがある方は、ぜひリフォームガイドをご活用ください。