
「子供部屋を増やしたい」「リモートワークのスペースを確保したい」など、2LDKから3LDKへのリフォームを検討する人も多いでしょう。
戸建てであれば増築も考えられますが、建ぺい率や容積率の問題でできないケースもあります。また、マンションだと増築は不可能なため、リフォームにより部屋数を増やすことになります。
部屋数を増やす方法はいくつかあり、予算や目的、広さなどを考慮して最適なものを選びましょう。
本記事では、2LDKから3LDKへの間取り変更の方法やリフォーム時の注意点について解説します。間取り変更リフォームを検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 2LDKから3LDKへ:部屋数を増やすリフォーム方法と費用相場
2LDKから部屋数を増やし、3LDKにするためには、壁や家具、カーテンなどを使って仕切る方法や、ロフトで上下に分ける方法などがあります。
ここでは、それぞれのやり方について、メリットやデメリット、費用の目安を紹介します。
1-1. 壁を新設して仕切る
壁を新設すると、完全に独立した部屋を増やすことができます。防音性やプライバシー性の高い部屋を作りたい場合にもおすすめです。
ただし、照明やコンセント、冷暖房なども追加する必要が出てきます。
また、部屋の条件によっては、一方の部屋の風通しや日当たりが悪くなる可能性もあります。将来1つの部屋に戻したいときに、壁の撤去や床の修繕が必要になる点もデメリットです。
費用の目安 | 約13~40万円 |
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▼壁を作るリフォームについては以下の記事で詳しく解説しています。


1-2. 造作家具や可動式家具を置いて分割する
造作家具や可動式家具を設置することで、壁の新設よりも比較的楽に部屋を増設できます。
例えば、収納家具を空間の中央に置いて部屋を区切れば、それぞれの部屋に収納を備えることが可能です。
家具の種類やサイズが豊富なので、用途や広さに応じて選びやすい点もメリットです。デメリットとしては、間仕切り壁を新設するよりも遮音性が低い点が挙げられます。
費用の目安 | 約20万円~ |
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1-3. カーテンや襖など開閉できるもので間仕切りする
部屋の間仕切りにアコーディオンカーテンやロールスクリーン、パネル、障子や襖など開閉できるアイテムを設置することで、手軽に空間を区切れます。
カーテンやロールスクリーンなどはホームセンターで購入し、設置するだけで完成します。デザインや機能性が幅広く、設置場所や目的に合ったものを選べる点もメリットです。
また、ドアやガラス戸を用いると必要に応じて開閉でき、間取りの自由度が増えます。襖やアコーディオンカーテンなど、物によってはある程度の密閉度を確保できますが、完全な個室ではないため壁の新設よりも遮音性やプライバシー性は低いでしょう。さらに、物によってはリフォーム工事が必要になり、費用も比較的高くなります。
アコーディオンカーテン | 約2~5万円/1枚 |
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カーテン・ロールスクリーン | 約8,000~3万円/1か所 |
パーテーション・パネル | 約15~20万円/1枚 |
障子・襖 | 約3~6万円/1枚 |
格子戸 | 約15~20万円/1枚 |
間仕切りドア・ガラス戸 | 約15~20万円/1枚 |
1-4. ロフトを造る
床面積が取れない場合、ロフトを新設することで部屋数を増やすことが可能です。
8畳の部屋を4畳ずつに分けると1部屋が狭くなりますが、ロフトを設置すればスペースを有効活用できます。育ち盛りの子供が秘密基地のように使う家庭もよく見られます。
将来子供が巣立った後、収納スペースとして使いやすい点もロフトの魅力です。ただ、天井が低くなるため、用途が限られるでしょう。
また、大掛かりなリフォーム工事が必要になり、一度作ってしまうと撤去することが難しいため、よく考慮する必要があります。
費用の目安 | 約50~100万円 |
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間取り変更リフォームの費用について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。


2. 事例で見る|部屋数を増やす間仕切りリフォーム
ここからは、実際に2LDKから3LDKへリフォームした事例を紹介します。
2-1. 1つの洋室を2つの子供部屋へ
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出典:https://www.8044.co.jp/gallery/203
子供の成長に伴い、部屋数を増やすために間仕切りを新設した事例です。
既存の間仕切り戸を撤去し、各部屋用のクローゼットを設置して部屋を分割しました。壁面に棚板を取り付けることで、スペースを有効活用しています。
2-2. 間取り変更を機にフルリフォーム

出典:https://www.8044.co.jp/gallery/5
子供部屋を作る際に、設備のアップデートを含むフルリフォームを行った事例です。
約8畳の洋室を分割して2つの子供部屋を設置。各部屋はクローゼット付きで、部屋を分ける壁の上部に窓を設けて風通しを確保しています。
2-3. 間仕切りでワークスペースを確保
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出典:https://freshhouse.co.jp/case/22824/
ダイニングに間仕切りを設置し、ワークスペースを設けたリフォーム事例です。
ワークスペースを使わないときは、扉を開けてひと続きのスペースとして使えます。間仕切りとしておしゃれな引き戸を使うことで、空間の印象が一新されています。
3. 2LDKから3LDKへのリフォームで注意すること
2LDKから3LDKへのリフォームでは、間取りの変更に伴う設備工事や将来撤去する可能性についても考慮する必要があります。
また、マンションの場合は管理規約を事前に確認し、トラブルにならないよう注意が必要です。それぞれの注意点について詳しく解説します。
3-1.電気工事費や配管工事費も考える
間仕切り壁にコンセントやエアコンなどの設備を設置する場合、配管や配線工事も必要です。その場合、リフォームが比較的大掛かりで、費用も高くなります。
特に、キッチンやお風呂、トイレなど水回りに絡む工事は高額な傾向がありますので、間取りの変更に合わせて水回りのリフォームが必要な場合は予算をオーバーしないかどうか注意が必要です。
費用を抑えたい場合は、できるだけ既存の設備を活かす方向でリフォームできないか検討しましょう。
3-2.マンションの場合は管理規約をチェックする
マンションでリフォームを検討する際には、管理規約を必ずチェックしましょう。多くのマンションでは、リフォームに関する制限や禁止事項を管理規約内で定めています。
建物の構造によっては排水管や配管が床スラブに埋まっているなどで、水回り設備の移動ができず、希望通りの間取り変更ができない可能性があります。そのため、工事を決める前に必ず管理規約を確認しましょう。
3-3.間仕切りを撤去するときのことも考える
間仕切りを設置して部屋を増やすリフォームでは、間仕切りを撤去するときのことも考慮しましょう。
将来、家族構成やライフスタイルが変わって間仕切りが不要になった場合、撤去するのにも工事が必要です。
工事費用は間仕切り壁を撤去するだけであれば、6畳間サイズの場合で約5~10万円が相場です。しかし、撤去後の壁跡が気になる場合や壁紙・床材をつなげる部屋と合わせたい場合は別途壁や天井、床の補修費用が発生します。
壁跡の補修だけであれば約5万円~できますが工事内容によっては50万円を超える場合もありますので注意してください。
将来的に撤去する予定がある、撤去するかもしれないといった方には、初めから撤去を見越してリフォーム会社に撤去しやすい間仕切り壁の設置をお願いするのもよいかもしれません。
▼壁を撤去するリフォームについては、以下の記事もご覧ください。




4.まとめ
2LDKから3LDKへ間取りを変更するリフォームでは、間仕切りを設置して部屋を増やす方法が一般的です。
部屋を区切る方法には、壁を新設する方法から可動式家具や開閉するアイテムの設置、ロフトの造作までさまざまなやり方があるので、予算や用途に応じて選ぶと良いでしょう。
また、2LDKから3LDKへ間取り変更をするリフォームにはいくつか注意点もあります。特にマンションのリフォームについては、管理規約内の規制や禁止事項を確認した上で検討することが大切です。
今回紹介したリフォーム事例も参考にして、間取り変更リフォームを検討してみましょう。