
子供の誕生、入学、巣立ち、定年退職。ライフスタイルが変わると今の間取りでは住みにくくなることも。
「子供部屋をつくってあげたい」
「狭い部屋をつなげて広いリビングにしたい」
「キッチンや浴室の位置を変えて使いやすくしたい」
などさまざまな間取り変更リフォームが検討されます。しかし間取り変更というと「どんな工事ができるの?かかる費用はどのくらい?」といった不安もありますよね。
今回はよくある間取り変更リフォームの内容とともに費用相場を解説。リフォーム前に知っておきたい注意点もご紹介します。
1.よくある間取り変更リフォームの内容と費用相場
まずは、具体的にどのような間取り変更リフォームが考えられるのか、費用とともに紹介していきます。
1-1.間仕切り壁を壊す(2部屋を1部屋につなげる)|10万円~
「リビングと隣室を繋げて広いLDKをつくりたい」「洋室2つをつなげて広い部屋にしたい」といった場合は、間仕切り壁を撤去する工事が必要です。壁を撤去後、どのような仕上がりにするのかによって工事内容や費用が変わります。
間仕切り壁の撤去+補修 | 10万円~ |
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間仕切り壁の撤去+引き戸の設置 | 20万円~ |
リビングと和室をつなげる(畳→フローリング) | 55万円~ |
リビングと和室をつなげる(フローリング・クロス全面貼り換え) | 142万円~ |
洋室2つをつなげる(フローリング上張り) | 50万円~ |
洋室2つをつなげる(フローリング・クロス全面貼り換え) | 70万円~ |
壁を撤去するだけでいい場合は10万円~、もともと一つの部屋だったかのように仕上げる場合は、クロスやフローリングを全面的に張り替えるため70万円~、100万円を超えることもあります。
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1-2.間仕切り壁を作る(1部屋を2部屋に/部屋を増やす)|13万円~
「大きな子供部屋を2部屋に仕切りたい」「リビングの一角を仕切って書斎をつくりたい」「来客時に部屋の一部を目隠ししたい」というときは、新しい間仕切り壁を設置します。
壁を作る | 13~15万円 |
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壁を作る+1室にドア新設・電気配線など | 33~40万円 |
それぞれ、以下のようなメリットがあります。
- 間仕切り壁:防音性が高くプライベート感のある部屋になる
- 引き戸:扉を閉めれば個室になり、開くと広いスペースとしても使える
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1-3.水回り設備を移動・増設する|20万円~
大規模な間取り変更をするなら水回りの移動は必ず伴います。代表的なのが「壁面キッチンを対面キッチンに変える」「介護のため寝室の近くにトイレや浴室を移動する」などのケースです。また二世帯同居のために、水回り設備を増やすこともあります。
壁面キッチンを対面キッチンに変更 | 140〜210万円 |
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キッチンの増設 | 30〜100万円 |
ユニットバスの増設 | 70〜250万円 |
洗面化粧台の増設 | 20〜60万円 |
トイレの増設 | 50〜100万円 |
出典:対面キッチンにリフォームしたい!費用や事例、メリット・デメリットは?
出典:二世帯住宅のリフォーム費用を完全解説!お得な業者選び・補助金も
水回りの移動や増設は、給排水管や電気配線などを動かす工事や、周りの壁・床・天井を壊したり作る工事が発生するため費用が高くなりがちです。できるだけ水回りの移動が発生しない間取りにプランニングできれば費用を抑えることができるかもしれません。
(注:マンションでは水回りの大幅な移動ができない場合が多いですので、事前に確認しておきましょう。)
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1-4.収納を増やす|10万円~
収納スペースが足りないと、部屋が散らかりやすくなることも。「子供部屋を2つに仕切る」「書斎をつくる」「家全体の間取りを変更する」などの工事と合わせて収納を増やすと、すっきりと片付けやすい住まいになるでしょう。
壁付けクローゼットの増設 | 10〜48万円 |
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ウォークインクローゼットの増設 | 18〜80万円 |
壁付けクローゼットを作るには、部屋の一角にクローゼットの背面・両サイドの壁を造作して、棚や扉を取り付けます。
ウォークインクローゼットは、使っていない部屋や空間に棚やハンガーパイプを取り付けて作ることができます。間取り変更のプランニングでよく取り入れられます。
1-5.ドアや窓を増やす|5万円~
間取り変更で動線や日当たりの悪い部屋ができる場合、ドアや窓をつくることで住み心地がよくなるかもしれません。
間仕切り壁を開口して室内ドアを取り付け | 10〜20万円 |
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間仕切り壁を開口して採光用の小窓を取り付け | 5〜15万円 |
2階の外壁を開口して採光用の小窓を取り付け | 10〜15万円 |
1階の外壁を開口して腰高窓を取り付け | 30〜40万円 |
1階の外壁を開口して掃き出し窓を取り付け | 35〜45万円 |
出典:窓の増設・大きくするリフォームにかかる費用相場を徹底解説!
室内窓・室内窓を作るには、比較的簡単な工事で費用も5万円~ですが、屋外に面した窓を作るなら、外壁の工事が必要になるため費用が高くなりがちです。
費用の面だけでなく、外壁を開口して窓やドアを取り付ける場合は、耐震性の観点から不可能である場合もあります。希望の工事が可能かどうか、リフォーム会社に相談しましょう。
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2.間取り変更リフォームをするときの注意点
希望の間取り変更をするには、いくつか注意点があります。
重要な構造部分は壊せない
間取り変更をするとき、建物を支えている壁や柱は原則として残さなければなりません。建物は「線で支える構造」と「面で支える構造」の大きく2種類に分けられ、どちらの構造かによって間取り変更の自由度が大きく変わってきます。
線で支える構造 | 面で支える構造 |
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柱や筋かいなどで主に支える =間取り変更の自由度が高め |
壁面や床面などで主に支える =間取り変更の自由度が低め |
<例> ・木造軸組工法(在来工法) ・鉄骨造 ・RC造ラーメン構造 |
<例> ・木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法) ・RC造壁式構造 |
大きな間取り変更をしたいなら、線で支える在来工法やラーメン構造の方がプランを立てやすいでしょう。しかしツーバイフォー工法や壁式構造でも間取り変更ができないわけではなく、アイデア次第で理想の間取りに近づけられます。
水回りは移動に制限があることも
水回りの移動ができるかどうかは、床下を通っている排水管が重要なポイントです。
排水管には勾配がついており、自然と水が流れる仕組み。水回りを移動させて排水管が長くなればなるほど、勾配をつけるのに床下空間の高さが必要になります。
戸建て住宅の床下は十分に高さがとられており、水回りの移動に大きな制約が生じないことがほとんど。しかしマンションでは、水回りの移動に制約がでてくることも少なくありません。
例えば古いマンションでは、排水管が下階の天井裏を通っているケースがあります。この場合は排水管に手を加えられないため、水回りの移動が難しくなるでしょう。
最近は床下にゆとりがある二重床工法のマンションが多く、水回りの移動がしやすくなっています。床下にあまり高さがないマンションでは勾配不足の恐れがあるため、床をかさ上げして対応することもあります。
▼詳しくはこちら


マンションの管理規約をチェックする
管理規約とは、マンションに住むうえでのルールブックのようなもの。リフォームについても記載があり、管理規約の範囲を超えるリフォームはできません。
<リフォームに関してよくある管理規約の制限>
- 電気やガスの容量上限がある
- 水回りの大きな移動ができない
- 床材の遮音性能が定められている
間取り変更には直接の影響がなくても、希望の床材が使えなくてデザインに統一感がでないなどの可能性もあります。マンションによって規約は違うので、事前にどのような工事ができるか把握しておきましょう。
▼マンションでできるリフォーム・できないリフォームはこちらの記事で解説しています。


大規模なリフォームでは仮住まいが必要になる
骨組みのみのフルスケルトン状態にしてから間取り変更するとなれば、当然ながら住んだまま工事はできません。工事が終わるまで過ごす仮住まい先の手配が必要になります。ホテルやマンスリーマンションに宿泊したり、荷物をトランクルームに入れたりとさまざまな方法が考えられるでしょう。
部分的な間取り変更なら住みながら工事できることもありますが、職人の出入りや工事中のホコリや臭いが気になる方も。水回りの工事をしている最中は、入浴や料理ができないなど暮らしの制約もあります。ご家庭の状況に合わせて、仮住まいを検討するのがおすすめです。


3.間取り変更リフォームでよくある質問
最後に間取り変更リフォームに関してよくある質問と回答をご紹介します。
Q.木造住宅ツーバイフォー工法の家は間取り変更できますか?
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Q.鉄骨造の家は間取り変更できますか?
Q.RC造の家は間取り変更できますか?
Q.リフォーム費用を抑えるポイントは?
Q.どのようなリフォーム会社を選べばいいですか?
マンションのリノベーションをお考えの方は、マンションのプロであるあなぶきグループが運営する「リフォームガイド」のマンションリノベをご利用されてはいかがでしょうか。
リノベーション会社と言っても、「マンションはあまり得意ではない会社」「施工は可能だけど大規模なリノベーションはあまり実績がない会社」なども存在します。ご希望に沿うマンションのリノベーションをするには会社選びは非常に重要です。
「リフォームガイド」のマンションリノベは、マンションのリノベーションが得意かつ審査基準をクリアした会社のみをご紹介。見積もりのサポートをします。ぜひご利用ください。
4.まとめ
間取り変更を成功させるカギは、リフォーム会社の提案力。どのリフォーム会社に依頼をするのかで、プランも見積もりも満足度も大きく変わってきます。実績が豊富なリフォーム会社なら、プロの目から見て「どうすれば予算内で悩みを解決して、要望を叶えられるか?」を提案してくれるでしょう。
しかし数多くのリフォーム会社の中から、間取り変更リフォームが得意な会社を見極めるのは難しいもの。たくさんの工務店が登録している紹介サイトに相談しながら、最適なリフォーム会社を探すのも一つの手です。専門のコンシェルジュに悩みや要望を整理してもらい、リフォームの内容に合わせた評判のいいリフォーム会社を紹介してもらうことができます。

