
「リフォームをしたいけれど、予算が700万円に限られている」
「そもそも何をリフォームするべきなのかわからない」
こんな悩みはありませんか?
予算が限られている場合、思い通りの家にならないかも…と不安になるかもしれませんが、実は、リフォーム箇所を厳選して行うことで、700万円でも十分満足できるリフォームが実現可能になります。
ここでは、実際に700万円でリフォームをした物件を紹介したのち、リフォームをする箇所を決定するときのポイントをお伝えします。
この記事を読んで、あなたの理想のマイホームを手に入れてください。
目次
1.700万円でできるリフォーム事例
700万円でどの程度リフォームが可能なのか、写真と合わせて事例を見ていきます。
【戸建てフルリフォーム 施工費711万円】
施工箇所:水回り・和室・玄関
<洗面所・トイレ>
トイレと洗面所は元々別の場所にありましたが、一体化しました。また、トイレの背面の壁にアクセントがつき、よりオシャレに仕上がっています。
<浴室>
ドアを開いた先にすぐ洗い場があった浴室も、縦長の設計に変更したことで、よりスペースに余裕ができました。お風呂も足を伸ばせそうな長さに。
<和室>
畳を淡い緑色にすることで、和室の雰囲気が一新されています。冬は中央濃紺の畳部分に掘りごたつを設置することができ、季節を問わず過ごしやすい空間になっています。
<玄関>
開口部は変更せず、断熱仕様のドアに入れ替えました。
出典:https://www.artreform.com/example/detail.php?id=9&c1=1&c2=4
ここまで、700万円で行われたリフォームを紹介し、おおよそどれくらいの規模の工事となるのかイメージしてもらいました。
しかし、リフォームしたい箇所が複数あった場合、第一にリフォームを行うべきなのはどんな状態にある設備なのでしょうか?
2.優先的にリフォームすべき箇所をプロの視点から整理
ここでは、プロの解説を取り入れながらリフォームの際の優先順位をお伝えします。
以下の順番を参考にリフォーム箇所を考えてみてください。
優先順位① 劣化のある場所の修繕
リフォームにあたり、家全体で壊れている・不具合を起こしている設備を修繕しましょう。
故障が明らかな部分はもちろんですが、柱や外壁など見えない部分も建物の耐震性や傷み具合に大きく関わるため、専門業者に確認してもらったのち、最優先に修繕するものを決定しましょう。
<設備別リフォーム予算>
設備 | リフォームにかかる金額 |
---|---|
キッチン | 50~150万円 |
浴室 | 50~150万円 |
トイレ | 20~50万円 |
洗面所 | 20~50万円 |
リビング | 100~300万円 |
玄関 | 20~30万円 |
外壁 | 100~200万円 |
屋根(金属) | 100~300万円 |
窓まわり | 4~12万円 |
優先順位② 各設備のリフォーム周期に沿ったメンテナンス
次にリフォームしておきたい箇所は、交換のタイミングを迎えている設備です。
周期に合わせて取り換えを行うことにより設備が長持ちし、コストの面においても長期的に支出を抑えることができます。
定期的なメンテナンスを行わず不具合が起きた際にリフォームを行った場合、壊れた設備の修繕や取り外し、新たな設備の設置など余計な費用を支払わなくてはいけません。
以下に設備ごとのリフォーム周期をまとめていますので、取り換えを行うかどうか検討する参考にしてみてください。
<設備別リフォーム周期>
設備 | メンテナンスの目安 |
---|---|
キッチン | 10~20年 |
浴室 | 10~15年 |
トイレ | 10~20年 |
洗面所 | 10~20年 |
リビング | 15~20年 |
玄関 | 20~30年 |
外壁 | 15~20年 |
屋根(金属) | 10~20年 |
窓まわり | 20~30年 |
優先順位③ 住みやすさに合わせてリフォーム箇所を追加
①・②のポイントののち、予算に余裕があった場合、住みやすさの視点からリフォーム箇所を追加していきましょう。
例えば、高齢の方との同居が予定されている場合には、バリアフリーに特化した設備を整えることで住み心地のよい空間が再現できます。また、結露や日当たりに悩みがある場合は、その原因となっている壁や窓を取り払うことで、住まいがより開放感のあるものになります。
「住宅の老朽化」「将来のため」など、リフォームを決意した理由は環境や家族構成によりさまざまですが、それぞれの状況に合わせてさらにリフォームしたい部分をプラスすることで、より便利な家づくりが実現できます。
<階段昇降機の取り付けリフォーム>
自動車いすスロープの設置により、長い階段も安全に昇り降りが可能になりました。
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=2750
<特殊設備 設置費用>
設備 | 費用 |
---|---|
スロープ | 5~20万円 |
手すり | 5~10万円 |
階段昇降機 | 50~150万円 |
防音壁 | 10~30万円 |
防音窓 | 7~12万円 |
断熱窓 | 7~20万円 |
3.一押し700万円リフォームプランの提案
最後に、700万円で実現できるリフォームプランを紹介します。これから紹介する複数のリフォーム箇所の組み合わせから、どのパターンがあなたのニーズにマッチしているか確認してみましょう。
プラン⑴ 水回り+各部屋全面改修
部屋数の変更は必要ないものの、住宅環境に悩みを抱えている、またはこだわりがある場合には、全体的な内装の改修を検討しましょう。
自分の趣味に合わせて間取りを変更できるほか、子どもや高齢者など住んでいる人のニーズに合わせた特別な設備も導入が可能です。
【中古戸建 リノベーション 施工費690万円】
<キッチン>
薄暗い雰囲気を刷新するために、壁のタイルの張り替えや古くなったシンクの交換を行いました。
<浴室>
白を基調とした内装に仕上げることにより、開放感のある浴室になりました。自動給湯器や鏡も新たに設置され、より快適に利用することができます。
<部屋>
風通しの良さはそのまま生かしつつ、和室から洋室へと大幅に内装改修を行いました。障子で区切られていた廊下は部屋の一部となり、入口にはドアが設置されています。
<玄関>
昇りにくいドア前の段差も、手すりやスロープを付けることで改善されました。インターホンやドアも最新のものに交換され、よりモダンな玄関になっています。
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=446
プラン⑵ 水回り+部屋の増築
多世帯住宅や出産など居住人数が増える場合には、部屋を増やす必要があります。また、水回りは特にトラブルが起こりやすいほか、住宅内の施設の中でも使用頻度が高いため、最新の設備に入れ替え不測の事態を未然に防ぐのが効果的です。
【水回り+部屋の増築 施工費 計715万円】
①戸建て浴室 施工費58万円
段差やカーテンの影響でお手入れのしにくい浴室でしたが、弾力性のある滑りにくい床面に交換し、冬場も冷え込みを気にせず入浴できるお風呂になりました。
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=2604
②戸建て増築 施工費657万円
二世帯居住に向けて、元々あった奥側の白基調の戸建てに付随するように増築しました。
出典:https://www.reformwing.jp/case_reform/slug-f5a467cde65e3b57d17d4da186a13b0a
プラン⑶ 水回り+外装修繕
リフォームしたい建物が木造である、もしくは築年数が非常に長いなど耐久性に不安がある場合は、水回りに加えて外装の改修も視野に入れましょう。
建物の見た目が整うだけでなく、断熱効果や耐震性が高まることで、より快適で安心できる住宅づくりが可能です。
【水回り+外装修繕 施工費 計720万円】
①水回りリフォーム 施工費320万円
<浴室>
白を基調とした壁のタイルと石目調のアクセントパネルから、高級感のある浴室に仕上がりました。
<キッチン>
キッチンからリビングがより見えやすいようシンク上部の戸棚を撤去し、スタイリッシュな仕上がりになりました。
<洗面台>
鏡の裏に収納を取り付けたことで、洗面台まわりをすっきりさせることができました。またタッチレス水洗に変更し、使いやすさが大幅に向上しました。
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2399
②外装工事 施工費400万円
<外壁>
劣化や破損のあるタイルを張り替え、塗装部分の汚れも塗り替えられてきれいになっています。
<屋根>
屋根にも汚れが見られましたが、立平を利用したものに一新されています。
出典:https://www.ishome.ltd/jirei/detail.php?pid=2405
4.リフォーム開始までの流れを紹介
※中古住宅を購入してリフォームする方は、こちらの記事をご覧ください。
>>中古住宅を購入してリフォームする流れ
1)リフォームを依頼する業者を探す
各会社のホームページやカタログを見ながら、それぞれの会社が得意とするリフォームを比べ、複数候補を選びます。業者に問い合わせをする時は、しっかりと予算や要望を伝えるようにしましょう。
2)現地調査・見積もりを作成してもらう
依頼の後、専門業者がリフォームを検討している箇所に加えて、住まいの設備に不備や故障がないかどうか実際に訪問して確認する「現地調査」を行います。依頼主の希望する施工が可能かどうか建物や設備のサイズを計測することで、安全なリフォームのための見積もりを出すことができます。建物の状況を慎重に分析し、正確な見積もりを提案してくれる業者を選びましょう。
3)契約・着工
リフォーム箇所、見積金額を確認し、納得ができれば契約を結びます。契約の際に決められた日時より工事がスタートするため、仮住まいの確保や家具の移動、近隣への挨拶回りをスタートさせましょう。


5.リフォーム会社を選ぶ時のポイント
リフォームを依頼する際は各業者からの見積もりを照らし合わせることはもちろん、以下のような基準も選定のポイントとなります。見積もりの価格だけではなく様々な観点から比較して決定しましょう。
ポイント① これまでのリフォーム実績
リフォーム会社のホームページでは、これまでに行ったリフォームの施工事例を見ることができます。会社によって得意とするリフォームに差がある場合があるので、自分の希望するリフォームと似た事例を探し、相性の良い会社を見つけましょう。
ポイント② 優良なリフォーム資格を持っているかどうか
安心してリフォームを依頼できるさらなる証として、資格の有無があります。実は、リフォーム総額が500万円未満であれば、資格がなくともリフォームができてしまうのです。自分の希望に対して柔軟かつ安全に対応してくれるか不安、という方は、その会社に有資格者がいるかどうかを確認してみましょう。
ポイント③ アフターサービスは充実しているか
施工中の事故・リフォーム後に欠陥が見つかった場合など、万が一の際にしっかりと保証してくれるのかどうかも必ず確認しておきたい項目です。工事終了後どれくらいの期間の保証がつくのか、問題発生時にできる工事はどういったものかなど、詳細まで聞いておくことにより、未然にトラブルを防ぐことができます。


6. まとめ
700万円と予算が限られている中でリフォームプランを考える必要がある場合、まずは目に見えない部分も含め損傷のある部分を洗い出し、最優先にリフォームする必要があります。
また、設備によっては交換周期を迎えている可能性があるので、故障設備に次いで、リフォームを検討することが大切です。
なお、予算に余裕がある場合、住みやすさを考えたリフォーム&設備の導入もおすすめです。
リフォームの内容が決まったら、要望に沿って見積もりやカウンセリングを行ってくれる業者にリフォームをお願いし、理想のマイホームを手に入れましょう。
▼中古住宅を購入してリフォームする場合、こちらに流れをまとめていますので参考にしてください。


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