「バルコニーで使うFRP防水って何?」
「FRP防水のメンテナンス時期や費用を知りたい」
こういうような疑問を持っている人は多いでしょう。この記事では、バルコニーで使うFRP防水の特徴や費用相場などを紹介します。
具体的には以下の内容を解説します。
- バルコニーで使うFRP防水の特徴
- FRP防水のバルコニーをメンテナンスする時期
- FRP防水のメンテナンス方法
- バルコニーのFRP防水にかかる費用の相場
- バルコニーのFRP防水をメンテナンスするポイント
バルコニーのFRP防水の知識を持つことで、適切な工事を適正価格で不安なく行うことができるようになるでしょう。
目次
1.バルコニーに使う「FRP防水」とは?
FRP防水とは、バルコニーやベランダの雨漏りを防ぐために使う塗装方法の一種です。ガラス繊維などを使って強化したプラスチック塗料を利用します。
1-1.FRP防水のメリット
FRP防水には3つのメリットがあります。
- 仕上がりが美しい
- 摩擦に強い
- 複雑な形状の下地でも利用できる
FRP防水は表面に光沢があるため、他の防水加工に比べて美しい仕上がりとなります。摩擦に強く、バルコニーやベランダのような人が頻繁に歩くような場所に適しているでしょう。
また、FRP防水は塗料を使うため、施工する場所の形状を問いません。狭い場所でもしっかりと防水加工ができ、パイプやエアコンの室外機があるバルコニーでも利用に問題はないでしょう。
1-2.FRP防水のデメリット
FRP防水には2つのデメリットがあります。
- ひび割れしやすい
- 紫外線に弱い
FRP防水は、材質が硬いためひび割れしやすい欠点があります。また、他素材に比べて紫外線による劣化が進行しやすいため、太陽光が常に当たる「屋上」には適していません。
こうしたことからFRP防水は、屋上よりも雨が入りにくく、屋根や壁によって太陽光が遮断されている「バルコニー」に適した塗料です。
2.FRP防水のバルコニーをメンテナンスする時期
バルコニーのFRP防水をメンテナンスする時期は2つの方法で確認できます。「年数」と「劣化状況」です。
2-1.年数でチェック
バルコニーのFRP防水は、前回の工事から10年程度でメンテナンスが必要です。15年程度はもつ場合もありますが、手遅れになると雨漏りのリスクがあるため10年に1度は点検することをおすすめします。
2-2.劣化状況を確認
FRP防水のメンテナンス時期は劣化状況から判断するほうが確実です。メンテナンスが必要な劣化の例としては以下の4つがあります。
- 塗装のふくれ
- 塗装の剥がれ
- ひび割れ
- 水たまり
具体的に解説していきましょう。
塗装のふくれ
FRP防水の塗装がふくれている現象です。塗膜の耐久性が限界を超えている場合に起こりやすいでしょう。放置すると、塗装が剥がれてバルコニーの床材の寿命が短くなります。
塗装の剥がれ
防水塗装が剥がれている現象です。塗膜の耐久性が限界を超えている場合に起こりやすいでしょう。
放置すると、むき出しとなったバルコニーの床材が雨にさらされてしまい寿命が短くなります。
ひび割れ
塗装やバルコニーの床材がひび割れている現象です。塗装の耐久性が低下している場合に起こりやすいでしょう。放置すると、雨漏りのリスクがあります。
水たまり
雨がやんだのにバルコニーに水が溜まりやすくなる現象です。バルコニーの床の傾斜に異常がある場合に起こるでしょう。放置すると、塗装や床材が劣化したり雨漏りしたりするおそれがあります。
3.FRP防水のバルコニーをメンテナンスする方法
FRP防水をしたバルコニーをメンテナンスするには3つの方法があります。
- トップコートのみ塗替え
- 防水層からの塗替え
- 床材からの補修
FRP防水は、雨を通さない「防水層」と表面を保護する「トップコート」から作られています。図にすると下のような構造となっています。
以下では、それぞれのメンテナンス方法を詳しく見ていきましょう。
3-1.トップコートのみ塗替え
防水層を保護している「トップコート」のみを塗装するメンテナンス方法です。トップコート部分の塗装がふくれていたり剥がれたりしている場合に行います。
3-2.防水層からの塗替え
床材を保護している防水層とトップコートの両方を塗装するメンテナンス方法です。防水層まで塗装がふくれていたり剥がれていたりする場合や、ひび割れがある状態でも行います。
3-3.床材からの補修
床材を補修してから防水層とトップコートを塗装するメンテナンス方法です。床材までひび割れている場合のほか、傾斜に異常がある場合に行います。
4.FRP防水のバルコニーをメンテナンスする費用相場
バルコニーのFRP防水をメンテナンスする際の費用相場を、以下の3種類に分けて紹介します。
- トップコートのみ塗替えする場合
- 防水層から塗替えする場合
- 床材から補修する場合
確認して無駄な費用をかけないよう、見積もり段階から金額をチェックしておきましょう。
4-1.トップコートのみ塗替えする場合
FRP防水のトップコートのみを塗替えする場合の費用は4〜7万円です。現在の防水塗装の上にトップコートを塗ります。防水の表面がほとんど劣化していない場合にのみ利用できる方法です。
4-2.防水層から塗替えする場合
防水層から塗替えする場合は9〜13万円が必要です。トップコートと防水層を剥がしてから塗替えをします。塗装が劣化している場合は基本的に防水層から塗替えが必要です。
4-3.床材から補修する場合
床材から補修する場合は10〜50万円が必要です。傾斜を直すだけの簡単な補修なら価格は安いですが、木材や金属の床材が劣化していて交換となれば30万円を超えるでしょう。
バルコニー全体が劣化していたり、水たまりができやすくなっていたりする場合に行う方法です。
5.FRP防水のバルコニーをメンテナンスするポイント
FRP防水のバルコニーをメンテナンスする際は2つのポイントを意識してください。
- DIYではなく業者に依頼する
- 相見積もりで優良業者を探す
具体的にどのように気をつければよいのでしょうか。
5-1.DIYではなく業者に依頼する
FRP防水DIYでの工事は可能です。ただし難易度が高く、失敗すると1年ともたずに剥がれます。
再塗装も含めると最初から業者に頼んだほうが安いため、確実性を高めるため防水会社に依頼しましょう。
5-2.相見積もりで優良業者を探す
FRP防水は施工技術によって耐用年数が変わります。このため、優良業者に依頼することが何より重要です。
優良業者を探すには相見積もりがおすすめです。相見積もりとは2社以上の業者に同じ工事内容で見積もりを依頼することです。
相見積もりのポイントは3つあります。
- 雑な工事内容には注意する
- 塗装面積が「一式」なら注意
- 極端に値引きする業者は注意
見積書の確認の際には上記をチェックしましょう。
雑な工事内容には注意する
現在の防水塗装が剥がれかけているのに、ケレン(劣化した塗装を剥がす作業)もせずに塗り直すだけの業者は危険です。剥がれかけている塗装は、ケレン作業なしで塗り直しても1年以内に剥がれる可能性が高いです。
既に防水塗装が剥がれている場合は、見積もり段階で「ケレン」の作業があるかどうかを確認しましょう。
塗装面積が「一式」なら注意
塗装面積の数量が「一式」でまとめられている業者はおすすめしません。
なぜなら、「一式」だと工事面積がわからないため金額を業者が自由に決められるからです。誠実な業者であれば「平方メートル」で表記してくれます。
ただし、バルコニー工事の場合は一式と表記するケースは珍しくありません。それでも「平方メートル単位」で面積を記載する業者の方が信頼性は高いでしょう。
極端に値引きする業者は注意
工事金額の3割以上を値引きする業者には注意してください。バルコニーのFRP防水による業者の利益はさほど多くありません。工事金額の3割も割引していると赤字となるでしょう。
大幅な割引をする業者は、もともとの見積額が高額なケースが多いです。価格を抑えるために手抜き工事をするおそれもあるため、値引き額が大きい業者には注意しましょう。
6.まとめ
バルコニーのFRP防水は、10年おきに劣化状況をチェックすることが望ましいです。
工事方法としては、「トップコートの塗替え」「防水層の塗替え」「床材からの補修」の3種類があります。劣化状況に応じて工事内容を業者と相談しましょう。
FRP防水のメンテナンスにかかる費用は4〜13万円程度が目安となります。床材まで劣化している場合は30万円を超えるおそれもあるでしょう。
また、バルコニーの防水方法はFRPだけではありません。他の塗装方法も知りたい場合はバルコニーの外壁&防水塗装の種類・費用・時期をチェック!で紹介しています。
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