
10年、20年と住んでいるとお家の不便なところが目につくようになるのではないでしょうか。
「部屋と部屋をもっと楽に行き来できたら…」
「納戸からものを取り出しやすくしたい…」
そのような生活動線のお悩みは壁にドアをつけるリフォームで解決できます。
一見、簡単にできるリフォームだと思われがちですが、壁に穴をあける際には注意すべき点が多く、必要な知識をつけずにリフォームにのぞむと予想以上に費用がかかったり、リフォームの規模が大きくなってしまったりします。
リフォーム後に後悔しないためにも、この記事では費用の相場やリフォームをする際に注意すべき点、ドアの選び方までを詳しく説明していきます。
目次
1.壁にドアをつけるリフォームの費用
1-1.壁にドアをつけるリフォーム費用の相場
室内の壁を開口してドアを取り付けるリフォームの費用は、10万~20万円くらいが相場ですが、ドアの種類によって費用が変わってきます。
ドアの種類とその費用相場をまとめました。
できるだけ安価に、一般的な家庭で使用されるドアでリフォームをした場合、このくらいの費用がかかるというイメージでご覧ください。
もしドアの材質が無垢材(1つの丸太から切り出した木材)だったり、ガラス部分があって採光機能を持つドアを選ぶのであれば、この費用相場プラス5万円前後となります。
これらの費用の差はドア本体の商品代の差によるものが大きいです。商品代は開き戸、折れ戸、引き戸の順で高くなっていきます。
特に引き戸は開口部が大きいのに加えて、開口部以外のスペースにも施工が及ぶため、他と比べて費用が大きくなります。
1-2.具体的な費用の内訳
具体的にはどんな費用がかかるの?と気になった方もいらっしゃるかと思います。
壁にドアを付けるリフォームは以下の費用がかかります。
- ドア商品代(シンプルなもの)
開き戸4万~6万円
折れ戸5万~7万円
引き戸6万~8万円 - ドア取り付け費 2万~2.8万円
- 壁開口ならびに開口部の補修費 2万~4万円
- 廃材処理費 5万~1万円
- 諸経費(職人さんの手間賃や交通費を含む) 2万~3万円
ここで実際にリフォーム会社が提示した見積もり例をとおして費用の内訳を確認しましょう。
これは納戸に通じる出入り口を増やすために開き戸タイプのドアを取り付けた場合の見積もり例です。
業者によってはドア取付工事費は安いけど廃材処分費は高くとるなど、費用構成にバラツキがあるため、トータルの費用で適正なのかどうかを判断するとよいでしょう。
また、注意する部分として「壁開口ならびに開口部の補修費」(赤で囲った部分)は壁や床の状況によって大幅に変動してしまうので、しっかりと現地調査で費用を査定してもらうべきです。この例では現状の壁や床が良好だったため簡単な補修のみで済み、2.5万円となっています。
築年数が古く壁がすでに弱体化しているなど壁の状態が悪い場合、その部分を開口すると開口部の補修では済まず壁全体の補強費用が5万~10万程度かかってくるので注意が必要です。業者に壁の状況を査定してもらう際に、補強費用がかかるのか確認してから施工するか判断するといいでしょう。
2.ドアの種類と選び方
室内ドアは大きく分けて、開き戸タイプ/折れ戸タイプ/引き戸タイプの3種類があります。ここではそれぞれのメリット・デメリットを踏まえて、どんな人におすすめなのかを紹介します。
開き戸
出典:https://sumai.panasonic.jp/
1番オーソドックスな形のドアタイプになります。メリット・デメリットは以下です。
先ほどの費用相場をみても分かるように、価格が安いことが最大のメリットといえます。さらに冷暖房設備があるお部屋では気密性の高い開き戸が多く使われています。
逆に、ドアが開くスペースが必要になるので、廊下や室内が狭い場合は生活動線の邪魔になる可能性があります。一般的にドア幅は60㎝~70㎝なので、ドアの幅と人が通るスペースも計算して設置する必要があります。
ドア周辺のスペースに余裕があるなら、安く済ませたい人や冷暖房の漏れが気になる人は開き戸を選ぶと良いでしょう。
折れ戸
出典:https://sumai.panasonic.jp/
クローゼットのドアのような室内ドアです。メリット・デメリットは以下です。
下図のように、開き戸と比較して狭いスペースにも設置できることが一番のメリットです。
出典:https://sumai.panasonic.jp/
逆にデメリットは開いた時にドアが邪魔して通りづらくなることです。人が通る幅が狭くなるので、ご高齢の方や体が不自由な方がご利用の場合はお勧めしません。
廊下が狭い場所にドアを付けたい人、納戸などの狭い部屋につけたい人は一度検討してみると良いでしょう。
引き戸
出典:https://sumai.panasonic.jp/
横にスライドするタイプのドアです。メリット・デメリットは以下です。
通行スペースが広いためお年寄りや、体の不自由な方でも通行しやすいです。さらに、開閉時の音が静かなので夜中に物音が気になることもありません。
逆にデメリットは、費用相場をみても分かるように価格が高いことです。また、サイドにスペースが必要であるためこちらも狭い部屋には向かないです。
予算に余裕があり、お家のバリアフリー化をしたい人や寝室に使用する人は引き戸を選ぶといいでしょう。
3.リフォームするうえでの注意点
どの壁にでもドアをつけられるわけではない
建物には構造上取り除くことのできない壁があります。建物を支える壁を開口してしまうと、建物自体の耐震性が低下するからです。特に、柱の代わりに壁で建物を支えているツーバイフォー工法の住居は注意が必要です。新築時の図面や現状を踏まえて、壁が開口できるものなのかを必ず業者に診断してもらいましょう。
電気配線が通っている壁は追加費用がかかる
電気配線が通っている壁は避けた方がいいです。電源の移設費用や配線工事費用のような追加費用がかかるためです。コンセントのある壁は配線が通っている可能性が高いので要注意です。
このように余計な追加費用がかかってしまうと満足のいくリフォ―ムにはなりません。事前に業者と費用のすり合わせをしっかりと行い、納得した上で施工してもらいましょう。
賃貸の場合はリフォームの許可が必要
賃貸物件には管理規約があり、リフォームの禁止・制約が記載されていることが多いです。この規約に違反すると退去を命じられることもあるので、賃貸物件にお住まいでリフォームを検討される方は管理会社や大家に相談してください。
4.満足度高い業者選びのコツ
壁にドアをつけるリフォームは、開口する部分の選定に業者との相談が必須になので、業者の質がリフォームの満足度に直結します。
ここでは費用を安く抑えつつクオリティの高いリフォームをしてくれる業者選びのコツを紹介します。
業者選びのコツは以下の2点です。
- 地元の内装工事が得意な工務店に依頼する
- リフォーム紹介サイトを活用して、優良工務店を探す
地元の内装工事が得意な工務店に頼もう
費用を抑えながらも仕上がりの綺麗なリフォームをするなら、地元の内装工事が得意な工務店に依頼しましょう。
リフォームとなると「安かろう、悪かろう」というイメージが強いかとは思いますが、きちんとした施工をしてもらうために、必ずしも高い費用を払って名前の知られた大手リフォーム会社に依頼いなければいけないということではありません。
なぜなら、大手リフォーム会社は広告費や下請けに出すことで発生するマージンを上乗せしているため、費用が高く請求されます。一方、地元の工務店ではその分の費用を抑えることができるため、相場の中でも安い方で仕上がりの良いドアリフォームを行うことができます。
リフォーム会社紹介サイトを活用しよう
地元の工務店・リフォーム会社のなかで「内装工事を得意」としている会社を見つけようと思っても、ホームページなどを見ただけでは正しい判断ができません。
そこで無料の紹介サイトの利用をおすすめします。
紹介サイトでは、各工務店のホームページの情報以外に、お客様からの口コミや独自取材の内容により、どの工務店がドアリフォームを得意としているか、お客様からの評判がよいかという情報が集約されております。また、複数一括で紹介を受けることで、自分に合う工務店かどうか比較検討することができます。
5.まとめ
今回紹介した壁にドアをつけるリフォームは、生活動線を改善する方法の1つです。壁自体を取り払ってしまうことや部屋の配置を作り変えてしまうこともできます。大切なのはあなたの生活に最適な間取りにリフォームすることです。間取り変更に興味がある方は、こちらの記事も参考にしてください。



