壁紙塗装の後悔しないやり方とは?業者に依頼する場合との比較も

壁紙は室内で占める割合が大きく、部屋の印象を左右する要素のひとつです。
自宅の壁紙に子供が小さい頃につけてしまった傷や経年劣化による汚れなどがある場合、きれいにしたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

DIYでコストを抑えたい、ペンキ塗りを楽しみたいという方も近年増えています。

そこで本記事では、DIYによる壁紙塗装のやり方や塗装可能な壁紙の種類、DIY塗装と業者に張り替えを依頼する場合のそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

「壁紙は自分で塗装できる?」「プロに依頼すべき?」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。


1.壁紙の上からDIY塗装しても大丈夫?

結論から述べると、壁紙(クロス)の上からDIY塗装を施すことは可能です。ただし、先述したように失敗するリスクもあるため、確実に綺麗に仕上げたい場合は業者による張り替えをおすすめします。その上で、どうしてもご自身で塗装したい方向けに、ここでは塗装可能な対応品や塗装ができない壁紙について紹介します。

1-1.ビニールクロスであれば塗装可能

DIYによる塗装が可能なのは、自宅の壁に「ビニールクロス」を使用している場合です。日本の住宅で広く使われている種類で、水性塗料を用いることで塗装できます。

水性塗料は、臭いが少なくて扱いやすいとの特徴があるため、「塗装中のにおいが心配」というDIY初心者でも使用しやすいでしょう。
ただし、ビニール壁紙に対応していない塗料を使うと乾燥後に壁紙がベタつくなど、仕上がりに問題が生じることもあるので、塗料選びには注意してください。

1-2.壁紙によっては失敗することも

壁紙の素材によっては、失敗リスクが高くなることがあります。

例えば、紙製の壁紙は破けやすく、布製は吸収率がよいので大量に塗料が必要になり、思ったような色に仕上がりません。

また、撥水性や防汚性のある壁紙は塗料がはじかれてしまうので、何度も塗り重ねが必要になったり、剥離しやすかったりします。

1-3.塗装できる壁紙か確認する方法

壁紙への塗装を検討している方の中には、そもそも自宅の壁紙の素材が分からないという方も多いのではないでしょうか。

実際に塗装を施す前に、まずは塗装できる壁紙かどうかチェックするため、以下のいずれかの方法で確認してみましょう。

方法 結果
霧吹きで壁紙に水を吹き付ける 吹き付けた水が壁紙になじむようであれば塗装可能
水が流れ落ちる場合は撥水性があるため、塗装は難しい。
セロハンテープを貼って剥がす テープが壁紙にしっかりと貼りつくなら塗装可能
貼りつかない場合は密着性が悪いため、塗装は難しい。
目立ちにくい部分で試し塗りをする 塗装して時間が経った際に、塗料が弾かれていなければ塗装可能
塗料が弾かれている場合、塗装は適さない。

壁紙の状態を事前に確認し、塗装の適否をしっかりと見極めることが大切です。


2.DIYで壁紙の上から塗装をするやり方・準備するもの

壁紙をDIYで塗装するのに必要な材料や道具と、塗装の手順をご紹介します。

2-1.壁紙塗装に必要な材料や道具は?

必要な材料や道具は以下のとおりです。

接着剤 壁紙が剥がれている場合、そのままでは塗装できません。
壁紙専用の接着剤や木工用ボンドで補修しましょう。
新聞紙やビニールシート 塗装部分以外を汚さないよう保護するものとして、新聞紙やビニールシート、
古いシーツやレジャーシートなどを用意しましょう。

新聞紙は余った塗料を処分する際にも使えます。

マスキングテープ(養生テープ) 塗装したくない箇所を保護するテープです。
伸縮性が低いので、曲面よりも直線的に貼る場合に適しています。
養生シートや新聞紙などをとめる際にも便利です。

接着力が強めのビニールタイプは、曲面やしっかり貼りたい場合に適しています。
和紙タイプは、粘着力が弱いので下地材を傷めません。

マスカー(養生シート) 養生テープとビニールシートが一体型の便利なテープです。
広い面を簡単にカバーできるので、作業効率が上がります。
コーキング材 隙間を埋める材料です。
凹凸のある壁紙をマスキングテープで養生すると隙間から塗料が入り込み、
塗り際のラインが歪んでしまいます。そのようなときに
コーキング材を使用して凹凸を埋めておくと、真っ直ぐなラインを
出すことができます。
水性塗料(ビニールクロス対応) ビニールクロスに適した水性タイプの塗料を使います。
匂いが少ない、人体にやさしい、抗菌・抗ウィルスなど、
メーカーや製品によって塗料の特性や色展開が異なるため、
好みのものを選びましょう。
ローラー・刷毛 広い面の塗装にはローラー、細かい部分には刷毛を使います。
ローラーや刷毛は大小サイズ違いで揃えておくと便利です。
ローラートレイ(バケット) ローラーを使用するのに適した容器です。
ローラーに余分に含まれた塗料の量を調節しやすいよう作られています。
マイナスドライバー コンセントカバーを外すときに使用します。
カバーを外さずマスキングして塗装することもできますが、
外して塗装をすることで際がきれいに仕上がります。
脚立 天井が高く、椅子に乗っても養生できない、
ローラーや刷毛が届かない、といった場合には、
脚立を使用しましょう。

2-2.後悔しないDIY壁紙塗装のやり方を詳しく解説

次に、塗装の手順を解説していきます。

①壁紙を補修する

壁紙が剥がれている場合、そのままでは塗装できないので、壁紙専用の接着剤や木工用ボンドで補修します。

➁塗装する箇所をきれいにする

壁についたホコリや汚れ、油分などは雑巾で拭き取りましょう。汚れが酷い場合には薄めた中性洗剤を使い、しっかり落とします。

➂コンセントやスイッチのカバーを外す

ローラーで塗装しやすくするために、マイナスドライバーを使ってカバーを外しましょう。外せない場合は、カバーをマスキングしてから塗装します。

④養生をする

塗装する部分以外に塗料がつかないよう、マスカーやマスキングテープ、新聞紙などを使用してエアコンや巾木、床などを覆います。思いもよらないところにペンキが飛んでしまうことがあるので、初心者は広めにカバーしておくと安心です。

マスキングをきれいに行うと、仕上がりがきれいです。テープが浮いてしまうと隙間から塗料が入り込んでしまうので、上から押さえてしっかり密着させてください

➄1回目の塗装をする

まず、塗料をしっかり混ぜてからローラートレイ(バケット)に移します。

先にローラーでは塗りづらい細かい部分を刷毛で塗り、その後ローラーで広い面を塗ると、仕上がりがきれいです。厚塗りしないよう気をつけましょう。

⑥仕上げ塗装をする

1回目の塗装が乾いたら、2回目を塗ります。薄く重ね塗りすることが、きれいに仕上げるポイントです。

⑦塗料が半乾きになったらマスキングテープを剥がす

完全に塗料が乾いてからテープを剥がすと、塗料も一緒に剥がれてしまいます。また、早過ぎると、テープについた塗料が飛んだり垂れたりするので、「半乾き」になったら剥がすようにしましょう。


3.壁紙の上から塗装するのにオススメの塗料とその選び方

ビニールクロスの壁紙に対応した水性塗料で塗装しましょう。さまざまなメーカーや種類があるので、その一部をご紹介します。

ケリーモアペイント
(KELLY- MOOR PAINTS)

1600を超える圧倒的な色数を誇る塗料。
屋内用塗料のデュラポキシーは、体に有害な成分VOC
(揮発性有機化合物)を全く含んでいないので
安心して使用できます。

J COLOUR 匂いが少なく、シックハウス症候群などの原因とされるVOCも
少ない塗料。カラーは約200種類あります。
Navia カバー力があるため塗りやすく、きれいに仕上げやすい塗料。
匂いが少なく、消臭効果と防カビ性に優れています。
NEW水性インテリアカラー屋内カベ用 無臭で塗料に含まれるVOCは0.1%以下と体にやさしい塗料。
防カビ材を配合しているため、カビの発生を防ぎます。
コージーパック・エアー 光触媒機能で、ウィルスを4時間、各細菌を8時間で
99.9%抑制させる塗料。
消臭機能や空気清浄効果があり、VOCを配合していません。
ノボクリーン(艶消し) コストパフォーマンスのよい業務用塗料。
量が多いので広い面積を塗るときに適しています。
臭気が少なく、体に有害なVOCを配合していません。

4.壁紙は「DIY塗装」か業者による「張り替え」どっちがいい?

壁紙をDIYで塗装する場合と、業者に依頼して張り替えをする場合では、仕上がりや費用に差があります。メリットやデメリットと合わせて、2つの違いをご紹介します。

4-1.費用や仕上がりを比較

DIY塗装 張り替え(業者に依頼する場合)
仕上がりの違い 塗りムラができる場合がありますが、
塗装ならではの味わいを楽しめます。
プロが施工するので、
新築の壁のような仕上がりです。
費用 塗料の種類によって費用は変わりますが、
6畳で1~2万円程度見ておきましょう。
重ね塗りが増えれば、その分塗料代が上がります。
壁紙のグレードによって費用は変わりますが、
6畳で4~5万円程度見ておきましょう。

4-2.DIY壁紙塗装をするメリット 

まずは、業者に依頼せず、DIYで壁紙を塗装する場合です。
費用面や施工面などを中心に、次の3つのメリットについて確認していきましょう。

費用が安く済む

DIY塗装であれば、必要経費は塗料や道具(ローラーや養生テープなど)の購入だけで済むため、人件費や施工費がかかりません。業者に依頼するよりもトータルコストを安く抑えながら、部屋の雰囲気を手軽に変化させられます。
必要に応じて自分で材料を調達できるので、費用管理もしやすいでしょう。

多様なバリエーションから色を選べる

基本的に単色をベースとした塗装ではありますが、豊富な色の中から自分好みのカラーが選べます。
例えば、一口にベージュといっても濃淡が異なるさまざまな種類の塗料があるので、理想の部屋に合うこだわりのカラーを見つけられるでしょう。オーダーメイドや複数の塗料を混ぜ合わせてオリジナルのカラーを作れば、市販には真似できない独自の魅力も引き出せます

一部分だけ塗り直すことができる

落ちない汚れや目立つ傷が付いた際に、部分的に塗り直して修復できることも魅力のひとつです。
壁紙の場合、たとえ補修したい箇所が一部分のみであっても、「同じ壁紙の在庫がない」「壁全体が変色していて、一部分のみを張り替えると周りの壁と色が合わなくなる」などの理由から、全体的な張り替えが必要となることがあります。
しかし塗装であれば色の微調整が可能で、問題の箇所のみを塗り直すことができるため効率的で柔軟な補修対応が可能です。

4-3.DIY壁紙塗装をするデメリット 

さまざまなメリットがある一方で、DIYによる壁紙塗装にはいくつかのリスクも伴います。
メリットだけでなく、次の3つのデメリットもしっかりと押さえておきましょう。

失敗した場合は手間と費用が余計にかかることも

例えば下地の色が濃い場合、上に重ねた色がきれいに出ないことがあります。仕上がりが思い通りにいかず、再度塗り直すことになった場合、結果的に手間と費用が余計にかかってしまうでしょう。
前述の通り、施工費用を安価に抑えられることがDIY塗装の魅力のひとつですが、場合によってはそのメリットを活かしきれない可能性があります。

上からペンキを塗っても壁紙の劣化は防げない

塗装すれば汚れや傷が隠れて見た目はきれいになりますが、壁紙の劣化や老朽化を防ぐことはできません。根本的な解決にはならず、塗装したことでかえって壁紙の寿命を縮めてしまうこともあります。
一般的に壁紙の寿命は5~10年程度とされており、塗装前から壁紙が傷んでいる場合はトラブルにつながる恐れもあるため、このような場合はプロに相談しましょう。

ペンキの臭いがしばらく残る 

人によって感じ方は異なりますが、ペンキを使用する上でにおいの問題は避けて通れません。時間が経つにつれて徐々に軽減されていくものの、しばらくはにおいが残るでしょう。
塗装する際は十分な換気が不可欠ですが、寒い季節や換気が難しい場所ではにおいが長引くこともあるので、注意してください。

4-4.業者に依頼して壁紙を張り替えるメリット 

次に、業者に壁紙の張り替えを依頼するメリットについて確認してみましょう。業者に依頼することで、以下のような3つのメリットが得られます。

種類やデザインが豊富で大幅に雰囲気を変えられる

塗料とは異なり、壁紙にはレンガ調や木目調など多彩なデザインがそろっています。素材の種類も豊富で、壁紙を新しくするだけで部屋の雰囲気を大きく変えることが可能です。
例えば、リビングは北欧風、寝室はホテルライクにするなど、部屋ごとに異なるテイストで演出することもできます。プロがいるので、選択肢の多さに悩むことがあっても気軽に相談できる点もメリットです。

DIY塗装よりムラなくきれいに仕上がる 

リフォームのプロである業者に張り替えを依頼することで、ムラのないきれいな仕上がりになります
壁全体を美しくするには塗装もひとつの方法ですが、ムラがなく均一に仕上げるには技術が求められるため、素人のDIYでは限界があることも。
その点、業者に張り替えを頼めば、凸凹やムラのない新築のような仕上がりになります。

防水性・防汚性に優れた壁紙を選ぶとお手入れが楽 

壁紙には、消臭や抗菌などさまざまな機能を備えているものがあります。
なかでも、防汚性・防水性に優れた壁紙は、汚れがつきにくく、手入れも簡単なため、たとえ水や汚れがついてもサッと拭き取るだけで済みます
毎日の掃除に手間がかからないので、清潔できれいな状態を維持しやすく、イヤなにおいの発生なども抑えられるでしょう。

4-5.業者に依頼して壁紙を張り替えるデメリット 

プロの業者に依頼することで多くのメリットが得られますが、依頼する際はデメリットも考慮しなければなりません。具体的なデメリットについて解説します。

施工費や人件費がかかる 

壁紙の張り替えを業者に依頼する場合、材料費に加えて施工費や人件費が発生します。特に大きい部屋や張り替える面積が広いと、その分作業時間や職人の労力が増えることでコストが上がる傾向にあります。
下地の状況や建物の築年数などによっても費用は異なりますが、予想以上に高額になる可能性もあるため注意しましょう。


5.まとめ

一般的に、日本の住宅の壁紙はビニールクロスのため、専用の水性塗料で上から塗装が可能です。

DIYで塗装すれば、時間や日にちを気にすることなく自分のペースで作業でき、費用を抑えられるメリットがあります。思い出作りに子供といっしょに塗るのも楽しいでしょう。

ただし、塗装に慣れていないと作業に時間がかかり、塗りムラや思ったような仕上がりにならないかもしれません。

一方、業者に張り替えを依頼する場合は多少費用がかかりますが、きれいな仕上がりで髙い満足度を得られます。

DIY塗装か張り替えかで迷ったら、一度業者に相談してみることをおすすめします。

部屋に適したデザインや壁紙選びなど、さまざまな相談に乗ってもらえるので、思い描いている理想のイメージを実現できるでしょう。

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