
「費用は限られているけれど、何とかリフォームしたい」
「低予算でできるリフォームってどんなもの?」
こんなお悩みはありませんか?
実は、以下の3点に工夫を加えることで、格安リフォームを叶えることができます。
- 施工業者の選び方
- 見積書の取り方
- 優遇制度の使い方
この記事では、費用を極力抑えながら希望のリフォームを実現するためのテクニックについてまとめています。
良質かつリーズナブルなリフォームのためのノウハウをプロの視点から整理するほか、施工事例等様々ご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
▼リフォーム費用を抑える方法はこちらの記事でも解説しています。あわせてご覧ください。


目次
1.格安でも納得のリフォームを叶えてくれる業者を選ぶ<3つのポイント>
この章では、格安リフォームを実現させるための施工業者のタイプについて解説します。
リフォームを依頼する際に最も重要なポイントの1つといえるのは、「誰が施工するか」というところです。
適切な施工業者を選ぶことによって、質の保たれたリフォームが可能になります。
では、格安でリフォームを行ってくれるのはどんな会社なのでしょうか。専門的な目線も含めて紹介していきます。
1-1.大量仕入れを行っている会社
一般的なリフォーム会社とは異なり、大量仕入れを行っている会社では、それまでのリフォーム実績や社内の予算をもとに建材店へ仕入れ値を交渉します。建材店から承認をもらえると交渉価格で商品の大量仕入れが可能となるため、リフォームを行う際も費用を抑えることが可能になります。
大量仕入れを行っている会社の特徴としては、
- 特定のリフォームに特化している
- 新築の施工をメインで承っている
などがあげられます。ぜひ参考にしてみてください。
1-2.セットやパックプランのある会社
リフォーム会社の中には、複数の設備が1つのセット価格で交換できるプランを用意している会社もあります。特に水回りの施工は配管の工事と一緒に行われるため、まとまっている場合が多いです。
パックになったリフォームは、個別のリフォームと比べて安価になります。理由としては、複数の箇所を一括リフォームすることで人件費や現場管理費の支払いを一度にできる、ということが言えます。
パックになっている設備はリフォーム会社が仕入れているものになるので、自分が求めている設備であるかどうか事前にパンフレットやショールームを確認し、購入を検討しましょう。
1-3.自社施工をしている会社
自社施工とは、自分の会社で直接工事を行うことを指します。大手のリフォーム会社は、リフォームに関する営業やお客様の対応を中心に行い、リフォーム工事専門の会社を別に手配して施工を進めています。
自社施工の会社の場合、リフォームの引き受けから工事まで全て同じ会社で行うため、別業者に依頼する際の仲介手数料が発生しません。そのため、リフォーム費用も安価になる場合があります。
小規模の会社でも、格安かつ丁寧な施工を行ってくれる会社はたくさんありますので、大手の業者とあわせて検討してみてください。
▼このようなリフォーム会社を見つけたい!という場合は、こちらの記事も参考にしてください。


2.格安でも納得のリフォームを叶えられる見積もりを取る<3つの手順>
リフォームをする際、見積もりの作成はリフォーム費用を左右する重要なプロセスとなります。これから紹介するコツをおさえておくことによって、思いがけないコストカットが可能になるかもしれません。格安でのリフォームを叶えるためにも、以下で解説する点に注意しながら見積書を依頼してみてください。
2-1.複数のリフォーム会社に見積もりを依頼する
見積もりは必ず3社程度に依頼し、複数の見積もりが比較できるようにしましょう。
また、全ての会社に同じリフォーム内容で見積もりを依頼することも重要です。条件をそろえて見積もりを作成してもらうことにより、どの会社が最も費用を抑えた施工をしてくれるかわかるほか、値段交渉もしやすいです。適切なリフォーム会社を選ぶためにも、いくつかの見積もりの中から選択できるようにしましょう。
2-2.設備に求める性能をリクエストして見積もり依頼する
見積り依頼をする際は、設備に求める性能やその品質などをあらかじめリフォーム会社に伝えておきましょう。
リフォーム会社はお客様からの要望をもとに、それぞれの強みとするメーカーから適切な設備を選んで見積書を作成してくれます。
あらかじめ設備に備わっていてほしい機能やクオリティをリクエストすることにより、各会社から提案された商品が同グレードで揃います。
見積り依頼の際は一度担当者に相談し、リクエストしてみてください。
▼下記の記事には水回り設備をリフォームした際の費用をランク別にまとめています。ぜひ参考にしてください。


2-3.全ての見積もりの詳細を確認する
全ての会社の見積もりが揃ったら、見積書に書かれた項目を必ず確認しましょう。全体の施工費だけでなく内訳まで一つ一つ確認することで、さらに費用が抑えられる可能性があります。
例えば、グレードを指定して新しく設備の交換を依頼し、施工業者がオプションを付けて見積書を作成していた場合、不要であればオプションを外して費用を下げることができます。
見積書には専門用語が使われている箇所が多いので、必ず担当者と一緒に内訳を確認し、不明な点は必ず質問しましょう。
以下は実際の見積もり書と見ておきたい項目をまとめています。総額についつい目がいきがちですが、施工の詳しい内容を知るヒントが様々ありますので、一つ一つ確認しておきましょう。
<見積書 表紙ページ>
<見積書 内訳ページ①>
<見積書 内訳ページ②>
また、見積もりの確認の際、以下に当てはまる項目があれば要注意です。見積書には決まった形がないため、リフォーム会社はリフォームの内訳を自由に書くことができてしまい、悪徳な業者の場合内容が乱雑な場合もあります。確認を怠ったまま契約してしまうとトラブルの原因に繋がりますので、担当者には必ず説明を求めましょう。
【見積もり確認の際の注意点】
- 社名、担当者名の記名や捺印がない
- 商品のメーカー、製品番号が記載されていない
- リフォーム工事以外にかかる費用が「諸経費」と1つにまとめられている
- 同じ工事に2度見積もりがなされている etc.
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3.リフォームの補助金制度も確認しよう
ここでは、リフォーム費用をより抑えるために使える補助金や優遇制度について解説します。リフォームを行う際、国や自治体が定める条件を満たしていれば、補助金が認められることがあります。着工後の補助金申請は受理されないため、リフォームの前に必ず確認しておきましょう。
ここではリフォームで使える補助金・優遇制度の一例をまとめています。
制度名 | 助成金額 |
---|---|
長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 最大80万 (長期優良住宅認定を取得した場合)160万円 |
断熱リフォーム支援事業 | 戸建て:最大120万円 マンション:最大15万 |
介護・バリアフリーに関する戸建てリフォームへの補助金 | 最大18万円 |
3-1.長期優良住宅化リフォーム推進事業
この事業では、建物の性能を向上させるための工事を補助対象としています。具体的には、耐震工事や省エネ対策、劣化対策などです。
一定の基準まで建物の性能を引き上げる工事に対し、3分の1の補助率で、上限80万円/戸、長期優良住宅認定を取得した場合は160万円/戸が受け取れます。
なお、この制度を使用する場合にはリフォーム前に「インスペクション(物件調査)」を行う必要があります。
3-2.断熱リフォーム支援事業
この事業は、一定の条件を満たす断熱工事に対し国が補助金を支給するものです。特殊な窓ガラスや電気ヒートポンプ式給湯器など断熱性の高い設備の設置を補助することにより、省エネ対策を推進しています。戸建てリフォームでは最大120万円、マンションリフォームでは最大15万円の補助金が利用可能です。
建物の形態により、適用になる工事は異なります。
3-3.介護・バリアフリーに関する戸建てリフォームへの補助金
介護保険制度により、「高齢者住宅改修費用助成制度」が適用可能な場合があります。この助成は、対象者が要介護もしくは要支援の介護認定を受けている必要があります。具体的には、手すりの設置や段差の撤廃、和式トイレから洋式トイレへの交換などがあげられます。最大で18万円の補助を受けることができるため、同居者に該当する人がいれば利用を検討しましょう。
▼リフォームの補助金制度は年度ごとに内容の見直しがあります。こちらの記事でリフォームの補助金情報をまとめていますので参考にしてください。
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4.格安リフォームをする際気を付けたい注意点
ここでは、格安リフォームをする際に注意すべき点を解説します。格安リフォームを行う会社の中には、低価格なものの劣悪な工事をする会社も存在します。リフォームをやり直す場合余計な費用が発生してしまうため、リフォーム内容の決定や業者選び慎重に行う必要があります。
以下では格安リフォームにおける注意点をまとめていますので、チェックしてください。
4-1.見積書への署名は絶対にしない
見積書に署名や捺印を求める項目があった場合は、絶対にその場で署名や捺印をしてはいけません。まれに見積書への署名をもって契約とする悪徳会社が存在します。本来見積書と契約書は別物ですので、必ず署名求められたら理由を聞くようにしましょう。
4-2.リフォーム会社の施工実績は確認する
値段が安くても実績の不透明な会社には注意が必要です。良質な工事を行っている会社は、施工実績を会社のホームページや資料に掲載していることが多いです。また、各会社の得意な工事や自分の希望するテイストにあうかどうかもわかります。
見積もりを依頼する前に、必ず選んだリフォーム会社の施工実績を確認しておきましょう。
4-3.アフターフォローの有無は確認する
リフォーム後の保障を省くことで、格安リフォームを引き受けている会社にも注意が必要です。リフォーム後に発生したトラブルは、アフターフォロー制度のある契約の場合無料で対応してもらえます。定期メンテナンスも行ってくれる業者もありますので、アフターフォローの有無は必ず確認しておきましょう。
5.格安リフォームの施工事例
ここからは、実際に行われた格安リフォームの事例を紹介していきます。複数のリフォーム内容や施工費用のほか、同じ内容でリフォームした際の平均価格もまとめていますので、どの程度お得になっているか確かめてみてください。
事例① 戸建て水回りリフォーム
参考:水回りリフォーム平均費用 約240万円→施工費:172万円 |
・施工箇所:浴室、トイレ、キッチン
・築年数:47年
・介護保険制度適用
<浴室>
冷たい印象のタイルを張り替え、在来浴室からユニットバスへの交換も行い、快適で優しい雰囲気のある浴室に仕上がりました。
<トイレ>
手すりを木製の凹凸のあるものに交換し、より握りやすくなりました。
<手洗い器(トイレ)>
出っ張りの大きい手洗い器を奥行きの小さいものに交換し、通路にゆとりができました。
水栓もハンドル式になり、使いやすくなっています。
<キッチン>
長年の使用により機能しなくなっていた換気扇を新調し、掃除も簡単になりました。
出典:https://www.is-cross.co.jp/jirei/detail.php?pid=2858
事例② 中古物件全体リフォーム
参考:築20年の一戸建てリフォーム平均費用 約270~380万円→施工費298万円 |
・施工箇所:リビング、キッチン、浴室、洗面、トイレ、和室
・築年数:20年
<和室・リビング(間取り変更)>
和室とリビングの間の間仕切り壁を撤去し、より開放的になりました。リビングの天井も和室の雰囲気と合うよう木目調のクロスを採用しています。
<キッチン>
キッチンは設備の交換とともに食洗器を新たに設置しました。
<浴室>
白と黒を基調としたスタイリッシュな仕上がりになりました。雨の日の洗濯に便利な換気乾燥暖房機もついています。
<洗面所>
洗面台周りの収納を残しつつ、幅の広い三面鏡を採用しました。水栓も最新の仕様になっています。
<畳部分>
黒ずみの目立つ畳はグリーンを基調とした畳に一新しました。壁紙も畳の縁と似た色を採用し、統一感のある見た目に仕上がっています。
出典:http://www.8044.co.jp/gallery/209
事例③ 賃貸マンションフルリフォーム
参考:マンションフルリフォーム平均費用 250~900万円→施工費:270万円 |
・施工箇所:和室から洋室に変更、壁、床、キッチン、ユニットバス、トイレ、洗面
・築年数:35年
・建物形態:鉄筋コンクリート造/5階建て3階部分
<LDK>
4.5畳の和室と手前のダイニングキッチンをつなげるために、間仕切りを撤去しました。風通しと日当たりのよいLDKができています。
<キッチン>
コンロが別に必要なブロックキッチンをシステムキッチンに新調しました。性能とともに見た目もすっきりし爽やかな仕上がりになっています。
<洋室6畳(和室6畳からの変更)>
和室についていた襖を扉と交換し、キッチンへの見通しが良くなりました。収納が壁いっぱいにあり、借り手のニーズに充分応えられる内装に仕上がっています。
<収納(洋室6畳)>
押し入れと天袋だった収納は奥行きを変えず、大型の家電や布団が入るようになっています。扉が折り戸になったことで出し入れがしやすくなりました。
<浴室>
浴室の扉の位置を変更し、以前よりも広く使えるユニットバスに変更しました。旧型タイプだったシャワーや給湯機能も最新仕様になっています。
<洗面所>
洗面台の位置を変更したことにより、洗濯機置き場が確保できました。賃貸物件に最適なコンパクトタイプの洗面台が採用されています。
<図面>
2部屋あった和室を全てフローリングに変更したことにより、今後のメンテナンスにも優しい間取りになりました。洗濯機置き場の設置と日光条件の良いLDKにより、借り手にも便利な部屋に仕上がっています。
出典:https://www.yutoriform.com/products/full/remodeling/case/renthouse/06/
6.まとめ
今回は、格安でリフォームを行いたい場合の様々なポイントについて解説しました。特に注意しておきたい点は、以下の通りです。
①格安リフォームが可能な会社を選ぶ
- 大量仕入れを行っている会社
- セットやパックプランのある会社
- 自社施工を行っている会社 など
②以下の手順に沿って見積もりを取る
- 複数の会社に依頼して比較できるようにする
- 設備の性能をリクエストする
- 内訳は詳細まで確認する
③以下のような優遇制度・補助金制度が利用できるか確認する
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 断熱リフォーム支援事業
- 介護・バリアフリーに関する戸建てリフォームへの補助金 など
また、格安と称して悪質なリフォームを行う業者も少なくありません。見積書に署名欄を設けている会社には理由を説明してもらい、施工実績が不透明な会社やアフターフォローの無い会社には注意しましょう。
格安かつ良質なリフォームを実現させるために、以上のポイントをおさえながら、リフォームプランを考えてみてくださいね。