
お風呂の水漏れは、誰もが経験する可能性のあるトラブルです。放置すると水道代が増えるだけでなく、下の階への被害やカビの発生といった二次被害を招く恐れもあります。そのため水漏れが発生している箇所を早急に特定して、迅速に対応する必要があります。
今回の記事では水漏れの原因や簡単な対処方法、業者に依頼する場合の費用相場について詳しく解説します。お風呂で水漏れが発生している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.お風呂の水漏れは劣化と破損が原因
お風呂の水漏れは、主に設備の劣化と破損が原因で発生します。長年使用していると、浴槽や配管、パッキンなどの部品が経年劣化し、ひび割れや隙間が生じることがあります。特に、ゴム製のパッキンやシール材は時間とともに硬化し、水をしっかりと密閉できなくなるため、水漏れの原因となりやすいです。
また、強い衝撃や無理な力が加わることで設備が破損し、水漏れが発生することもあります。例えば、浴槽の底に重いものを落としたり、排水口に異物が詰まって圧力がかかったりすると、ひび割れや破損を引き起こす可能性があります。さらに、給湯管や排水管の接続部分が緩んでしまうと、そこから水が漏れるケースも少なくありません。
水漏れを防ぐためには、定期的な点検やメンテナンスが不可欠です。パッキンやシール材の交換、配管のチェックなどを行うことで、トラブル防止につながります。仮にお風呂で水漏れが発生してしまった場合は、早めに修理を行い、被害を最小限に抑えましょう。
2.【ケース別】お風呂の水漏れの対処法
お風呂の水漏れは発生箇所によって、対処法が異なります。
下記では、お風呂の水漏れの対処法をケース別にご紹介します。
2-1.蛇口からの水漏れ
お風呂の水漏れで最も多いのが、蛇口からの水漏れです。一般的に蛇口の寿命は、10〜15年程度と言われています。前回の交換から10年以上経っている場合は、劣化が原因の可能性が高く、専門業者に交換を依頼することで解決できます。
使用年数が10年未満の場合は、蛇口の内部にあるパッキンの劣化が原因であるケースがほとんどです。パッキンはゴム製であるため劣化しやすく、使用状況によっては10年未満でも破損する可能性があります。パッキンはホームセンターなどで販売されており、自分でも交換できます。パッキンを交換しても水漏れが改善されない場合は、専門業者に原因の特定・修理を依頼しましょう。
2-2.シャワーヘッドやシャワーホースからの水漏れ
シャワーヘッドやシャワーホースからの水漏れは、接続部分の緩みやパッキンの劣化が主な原因です。まず、接続部分がしっかり締まっているか確認し、緩んでいる場合は締め直しましょう。それでも改善しない場合は、ゴムパッキンが摩耗している可能性があるため、新しい製品の交換が必要です。
パッキンを交換しても改善されないときは、水漏れしている箇所の製品自体を交換するのが最前策となります。DIYで対応する場合は、必ずメーカーと型番を確認してから製品を購入しましょう。シャワーホースは製品によって長さも異なるので、好みに応じて選びましょう。
2-3.浴槽の排水口からの水漏れ
浴槽の排水口には2ヶ所あり、1つはお湯を溜める際にゴム栓をはめる部分です。この箇所が水漏れしている場合は、ゴム栓の劣化が原因なので、交換することで解決できます。ただし、さまざまなサイズがあるので、排水口に合う製品を購入しましょう。
排水口のもう1つは、給湯器と浴槽をつないでいる配管部分にあります。この箇所にあるパッキンが劣化することでも水漏れは発生しますが、修理する場合は分解する必要があるので専門業者に依頼しましょう。
2-4.換気扇からの水漏れ
換気扇から水がぽたぽた落ちてくるのは、厳密に言うと水漏れではなく溜まった水が出ている状態です。湿気の多い環境による結露が主な原因で、特に冬場など室内と外気の温度差が大きいと、換気扇の内部に水滴が発生し、それが水漏れのように見えることがあります。
換気扇内の水をしっかり拭き取っても改善されない場合は、内部の部品が劣化している可能性が考えられます。換気扇内の修理を自分で行うのは難しいので、専門業者に依頼しましょう。
2-5.浴槽からの水漏れ
浴槽自体からの水漏れは、ひび割れが主な原因です。一定の水位以上、水が溜まらないときは、その水位付近で水漏れが発生している可能性が高いです。軽度のひび割れであれば、市販のパテや防水テープなどで対処することができます。ただし、あくまで一時的な応急処置となるので、専門業者に浴槽ごと交換してもらうことをおすすめします。
2-6.給湯器からの水漏れ
給湯器からの水漏れは、配管の接続部分の緩みや内部の腐食が原因となるケースが多いです。まず、給湯器の周囲を確認し、どこから水が漏れているのかを特定します。給湯器の配管部分が緩んでいる場合は、レンチを使って締め直すことで改善することがあります。
しかし、内部の部品が腐食している場合やタンクに問題がある場合は、自分での修理は難しいため、専門業者に点検を依頼するのが最適です。
また、給湯器の寿命は一般的に10〜15年程度と言われているので、長期間使用している場合は交換を検討しましょう。給湯器からの水漏れを放置すると、ガスの不完全燃焼による爆発や一酸化中毒の危険性が高まるので、すぐに専門業者へ依頼することが大切です。
2-7.床や壁からの水漏れ
床や壁からの水漏れは、給排水管の破損やシーリング材の劣化が原因となることが多いです。まず、床から水漏れしている場合は、浴槽や排水口、給湯器周辺の水漏れが原因で床に水がしみ込んでいないか確認しましょう。
壁から水漏れしている場合は、浴室のタイルやシーリング材の隙間から水が侵入している可能性があります。シリコンコーキングを塗り直すことで一時的に修復できますが、内部の給排水管が破損しているときは根本的な修理が必要です。水漏れが広範囲に及んでいると、建物の構造にも影響を与える可能性があるため、専門業者に相談することをおすすめします。
3.お風呂の水漏れを修理業者に依頼するときの費用相場
お風呂の水漏れを自分で対処するのが難しい場合は、できるだけ早く修理業者に依頼しましょう。業者へ修理を依頼する際の費用相場は以下の通りです。
修理箇所 | 費用相場 |
---|---|
シャワーヘッドやシャワーホースから水漏れ | 5,000~15,000円 |
蛇口からの水漏れ | 5,000~35,000円 |
換気扇からの水漏れ | 20,000~150,000円 |
給湯器からの水漏れ | 10,000~30,000円 |
浴槽からの水漏れ | 70,000~200,000円 |
床や壁からの水漏れ | 20,000~100,000円 |
上記はあくまでも目安であり、修理する規模や状況によって金額は異なります。
部分的な故障ではなく、全体的にお風呂の経年劣化が進んでいる場合は、リフォームを検討しましょう。お風呂全体をリフォームする際の費用相場は、以下の通りです。
リフォーム内容 | 費用相場 | 工期 |
---|---|---|
ユニットバス全体を交換 | 50〜150万円 | 1週間前後 |
在来浴室からユニットバス | 65〜150万円 | 1週間前後 |
在来浴室から在来浴室 | 50〜200万円 | 2週間〜1ヶ月 |
浴室の拡張 | 75〜250万円 | 1週間〜1ヶ月 |
浴室の移動・増築 | 75〜250万円 | 2週間〜1ヶ月 |
お風呂全体をリフォームする場合は、最低でも数日以上かかります。そのため、工事期間中は、お風呂をどこで済ませるのか事前に決めておくことをおすすめします。


4.お風呂の水漏れの修理費用を安くするコツ
お風呂の水漏れは規模が大きくなるほど、修理費用が高くなりがちです。
ここでは、お風呂の水漏れの修理費用を安くするコツを3つご紹介します。
4-1.相見積もりを取る
お風呂の水漏れ修理を依頼する際、できるだけ費用を抑えるためには、複数の業者から相見積もりを取ることが重要です。業者によって料金設定や作業内容が異なるため、比較することで適正価格を把握できます。また、相見積もりを取ることで、過剰な作業を提案してくる業者を避けたり、価格交渉の材料にすることも可能です。
特に、大規模な修理や浴槽の交換など高額になりやすい工事の場合は、最低でも2〜3社に見積もりを依頼するとよいでしょう。見積もりの際は、費用の内訳や追加料金の有無を確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
4-2.定期的に点検を行う
水漏れ修理の費用を抑えるためには、そもそも水漏れが発生しないようにすることが最も効果的です。定期的な点検を行い、劣化や破損の兆候を早めに発見しましょう。具体的には、以下のポイントを確認しましょう。
- 水を止めた際に、蛇口からぽたぽたと水が垂れていないか
- シャワーヘッドの接続部分から水が漏れていないか
- シャワーホースにひび割れや亀裂がないか
- 排水の流れが悪くなっていないか
- 換気扇の周辺に水漏れの跡はないか
- 給湯器の下や配管周辺に水漏れの跡はないか
異常があればすぐに対応することで、修理費用の高騰を防げます。
換気扇の水漏れや結露によるカビの発生は、こまめな掃除とメンテナンスで未然に防げるため、日頃からの管理が大切です。
4-3.火災保険を利用する
お風呂の水漏れによる修理費用は、場合によっては火災保険で補償されることがあります。特に、マンションで水漏れが発生し、階下の住人や建物に損害を与えた場合、保険適用の対象となることが多いです。
保険が適用されるケースとしては、「給排水設備の故障による水漏れ」や「突発的な事故による浴槽の破損」などがあります。一方で、経年劣化や通常の使用による損傷は補償対象外となることが多いため、保険の契約内容を確認しましょう。修理費用が高額になる場合は、まず加入している火災保険の補償範囲をチェックし、適用されるかどうかを確認するとよいでしょう。
保険が使える可能性があるケース・範囲 | 対応する保険 |
---|---|
漏水箇所が共用部分の場合 |
|
3年以内に発生した事故や地震以外の災害などが原因の場合 |
|
地震が原因の場合 |
|
下の階など、近隣住戸の被害箇所の修繕費 |
|
出典:https://www.reform-guide.jp/topics/leak-repair/
5.まとめ
お風呂で水漏れが発生した場合、原因は経年劣化であるケースがほとんどです。パッキンの交換やナット・ボルトの締め直しであれば自分でも対処することもできますが、中途半端な知識で対応するとさらなるトラブルにつながる可能性もあります。そのため、確実に直したい場合や他の箇所は問題ないか点検して欲しい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。
お風呂の寿命は15〜20年程度と言われており、全体的に経年劣化が進んでいる場合は部分的な修理よりもリフォームした方が良いでしょう。
リフォームガイドでは、お風呂のリフォームが可能な業者をご紹介しております。お客様が安心して依頼できるようサポートいたしますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。