和室や床の間によく利用され、趣ある空間を演出できる砂壁。しかしボロボロと落ちてくる砂の掃除に手間がかかったり、砂が剥がれた部分の見た目が気になったりすることも。そろそろ砂壁を塗り直すか、それとも他の壁材にリフォームしようかと検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、砂壁のリフォーム方法や費用相場について解説します。失敗しないリフォーム会社選びのポイントや安く抑える方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
1.砂壁ってどんな壁材?メリットとデメリット
砂壁とは、石膏ボードやモルタルで作った下地の上に、色砂と糊液を混ぜ合わせたものを塗って仕上げた壁のこと。日本では古くから和室などの壁材として使われてきました。
色砂には、天然石・貝殻粉・金属粉・砕石などが用いられます。砂の色を変えると、ピンク・ブルー・黄色など、多彩なカラー表現が可能です。
メリット | デメリット |
---|---|
・部屋の湿度を調整する ・趣のある独特な風合い ・カラーバリエーションが豊富 ・防火性に優れている |
・砂や粉が落ちて掃除の手間がかかる ・表面が剥がれると見た目が悪くなる |
2.砂壁リフォームを検討するべきタイミング
次のような困りごとが出てきたら、砂壁のリフォームを検討しましょう。
- 砂壁にカビが生えている
- 触っていないのに表面の砂がボロボロ落ちる
砂が自然に落ちるようになったら、床の掃除も頻回になり大変です。砂のはがれた砂壁は見た目も悪いですし、せっかくの調湿効果も損なわれている可能性があります。
カビが生えている場合は、気づかないうちにカビの胞子を吸い込んでしまう危険性があるので、できるだけ早くリフォームすることをおすすめします。
3.砂壁のリフォーム方法と費用相場
砂壁をリフォームする方法は、大きく分けて「砂壁のままリフォームする」「他の壁材にリフォームする」の2種類。
ここでは、それぞれのリフォーム方法と費用相場を解説します。
3-1.砂壁のままリフォームする:6~10万円
砂壁の劣化具合によって、そのまま塗り重ねたり砂を剥がして塗り直したりします。「砂壁の風合いが好き」「元の綺麗な砂壁に戻したい」という方には、砂壁を塗り替えるリフォームがおすすめです。
床の間の有無 | 費用相場(6畳) |
---|---|
床の間あり | 7~10万円 |
床の間なし | 6~8万円 |
3-2.ペンキで塗装する:6~10万円
砂壁をペンキで塗装すると、見た目が美しくなり砂が落ちにくくなります。6畳程度であれば6~10万円でリフォームできるので、「できるだけ費用を抑えてリフォームしたい」という方におすすめです。
ただしペンキを塗った場合、砂壁ならではの風合いやメリットである調湿効果は失われてしまいます。
リフォーム方法 | 費用相場(6畳) |
---|---|
ペンキ塗装 | 6~10万円 |
3-3.壁紙(クロス)を貼る:8~16万円
お手入れを楽にしたいなら、砂壁の上にクロスを貼る方法がおすすめ。豊富なデザインから選べるので、和室から洋室へのリフォームなど、部屋のイメージをガラッと変えることも可能です。傷や汚れに強いものや調湿効果があるものなど、機能性に優れた製品が選べるのも嬉しいポイント。
ただし砂壁はザラザラしているため、綺麗に壁紙を貼るには滑らかな下地を作る必要があります。
リフォーム方法 | 費用相場(6畳) |
---|---|
壁紙 | 8~16万円 |
3-4.珪藻土・漆喰で塗る:12~19万円
砂壁の調湿機能や風合いに魅力を感じている方は、自然素材の珪藻土や漆喰の塗り壁リフォームがおすすめです。塗り方でいろんな模様がつけられるので、趣を感じられるような風合いを残せるでしょう。珪藻土は植物性プランクトンの化石から、漆喰は消石灰からできており、砂壁同様に調湿性に優れているのも嬉しいポイントです。
ただし6畳で12〜19万円程度と、リフォーム費用は最も高額になります。
リフォーム方法 | 費用相場(6畳) |
---|---|
珪藻土・漆喰 | 12~19万円 |
4.砂壁リフォームは簡単にDIYできる?プロに依頼すべき?
砂壁の状態が良好であれば、DIYで砂壁をリフォームすることも可能です。DIY初心者には難易度が高いですが、DIYに慣れた方だと下地の調整をしてペンキを塗るなど、比較的挑戦しやすいかもしれません。
ただし表面にカビが生えているなど、砂壁の状態が悪いままでペンキや珪藻土を塗り重ねるのは避けたほうがよいでしょう。カビの除去や砂壁を剥がすなどの作業が必要なので、DIYでなくリフォーム会社などのプロに依頼するのがおすすめです。
またペンキや塗り壁ではなく壁紙を貼りたい場合も、プロに依頼するのが無難。下塗りで砂壁を固めただけで壁紙を貼ると、下の凹凸を拾ってしまうことがあります。パテで凹凸を埋める、砂壁を剥がす、下地としてベニヤ板や石膏ボードを貼るなどの下準備をするのはとても大変です。リフォーム会社に依頼するか、ペンキなど凹凸があっても仕上げられる壁材も検討してみましょう。
リフォーム費用の比較
DIYでは道具や必要な材料の購入費がかかりますが、プロに依頼する場合と比較するとトータル費用は半額以下で収まることも多いです。手間はかかりますが、DIYに自信がある方は自分でリフォームするのも一つの手です。
DIY | プロに依頼する | |
---|---|---|
道具 | 0.2〜1万円 | ー |
下塗り材 | 1~2.5万円 | ー |
砂壁仕上げ | 1~3万円 | 6~10万円 |
ペンキ仕上げ | 1~3万円 | 6~10万円 |
壁紙仕上げ | 1~1.5万円 | 8~16万円 |
珪藻土・漆喰仕上げ | 1.7~5万円 | 12~19万円 |
5.砂壁をDIYでリフォームする手順
業者に依頼するよりも費用が安く抑えられるDIYリフォーム。そこで気になるのが、実際にどのくらいの手間がかかるかという点です。ここからは砂壁をDIYでリフォームする手順を詳しく見ていきましょう。今回はDIYでも挑戦しやすい、ペンキ・珪藻土・漆喰で仕上げる場合について解説します。
準備するもの
<必須>
養生テープ・マスカー・補修用パテ・砂壁用下塗り剤・ローラー・ハケ・バケツ
<ペンキで仕上げる場合>
水性ペンキ
<珪藻土・漆喰で仕上げる場合>
珪藻土または漆喰・コテ・コテ板・スポンジ・攪拌機
下準備
ペンキで塗装する場合も、珪藻土・漆喰を塗りつけて仕上げる場合も、同様の下準備が必要です。作業ができるように養生などをして、古くなった砂壁が落ちてこないように下塗り剤で表面を固めます。
①養生
天井やコンセントなどが汚れないように、砂壁との境目をマスキングテープで養生します。床や窓のような面積が大きい部分は、テープとシートが一体化した「養生マスカー」を使うと、作業効率がアップします。
②壁の補修
砂壁のひび割れや、柱との間に隙間があればパテで埋めます。
③下塗り材を塗る(2〜3回)
表面のもろくなっている砂やホコリは、ホウキで掃いてある程度落としておきましょう。その後、砂壁用の下塗り剤を塗り、表面を固めます。広い面はローラー、細かい部分はハケを使いましょう。
1回目に塗る下塗り材は、ほとんど壁に吸い込まれてしまいます。そのため完全に乾燥するまで1日以上おいて、2回目も重ねて塗りましょう。2回目を乾燥させてもツルツルしない場合は、3回目も塗り重ねます。
ペンキで塗装する場合
仕上げの水性ペンキは、下塗り材が完璧に乾いたてから塗り始めます。ジメジメした日は冬場は乾くのが遅いので、完全に乾燥するまで1日以上かかる場合もあります。
①水性ペンキを塗る(1回目)
水性とはいえペンキを使うため、必ず窓を開けて換気をしながら作業をしましょう。最初にコンセント周りや壁の四隅など細かいところをハケで塗り、広い範囲をローラーで塗ります。
②水性ペンキを塗る(2回目〜)
一度で綺麗に塗るのは難しいので、ムラがなくなるまで何度か塗るのがポイントです。2回目以降を塗り重ねるときは、1回1回きちんと乾燥させましょう。
ペンキが乾ききる前にマスキングテープを剥がします。完全に乾いた後は剥がれにくくなるので注意してください。
珪藻土・漆喰で塗り替える場合
珪藻土と漆喰仕上げの場合も、下塗り材が完璧に乾いたことを確認して始めましょう。どちらも同じ手順で進めます。
①珪藻土・漆喰を練る
バケツに規定量より少なめの水と、珪藻土もしくは漆喰を入れます。攪拌機でよく練り合わせたら、水を少しずつ足しながら固さを調整しましょう。ダマができるのでつぶしながら練り合わせます。
攪拌機がない場合は、少量ずつヘラなどを使って練っていくのがおすすめです。練済みの珪藻土や漆喰も売られているので、そちらを使うとこの工程を省略できます。
珪藻土:コテですくっても垂れない
漆喰:コテですくうとポタッと落ちる
②珪藻土・漆喰を塗る(1回目)
適量の珪藻土や漆喰をコテ板に乗せてコテでならし、壁に平らに塗りつけていきます。左端からスタートして、下から上に塗り上げ、右に向かって塗り広げていくのがコツです。
③珪藻土・漆喰を塗る(2回目)
1回目に塗ったものが完全に乾き切らないうちに、2回目を重ね塗りします。表面に模様をつけたい場合は、コテやスポンジで模様をつけましょう。乾き切る前に養生テープを剥がしたら完成です。
6.砂壁リフォームを依頼する会社の選び方
砂壁リフォームを依頼する場合に大切なのが、リフォーム会社選び。リフォーム会社のWebサイト・チラシ・口コミサイトなどを参考に、以下の3つのポイントをクリアする会社を選びましょう。
- 砂壁リフォームの施工実績が豊富
- 実際にリフォームした利用者の口コミが高評価
- 担当者が誠実で信頼できる
しかし、1社ずつ調べて比較するのはなかなか大変です。「複数の会社を一気に比較したい」「絶対にいい会社にお願いしたい」という方は、一括見積もりサービスを活用しましょう。
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リフォームガイドは、ヒアリングしたお客様のお悩みやリフォーム内容から、最適なリフォーム会社を厳選してご紹介しています。
- 登録されているリフォーム会社は審査基準をクリアした優良企業のみ
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- 各社への連絡、現地調査のアポイントもお任せください!
7.砂壁リフォームでよくある質問
最後に、砂壁リフォームでよくある質問にお答えします。
Q.砂壁リフォームと同時にした方がいいリフォームは?
築年数のたった住宅の場合、壁だけリフォームすることで、他の古い部分が目立ってチグハグした印象になってしまうことも。せっかく砂壁リフォームを業者に依頼するなら、部屋全体を使い勝手よくおしゃれにリフォームするのもいいでしょう。
例えば、砂壁リフォームと同時に畳をフローリングに、押し入れをクローゼットにリフォームすると、部屋全体が統一感のある洋室へ生まれ変わります。部屋の用途に合わせて、デスクや収納を造作するのも一つの手です。
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Q.砂壁リフォームにはどのくらい施工期間がかかる?
砂壁リフォームにかかる施工期間は、1〜4日程度です。壁材ごとの施工期間は、下記の表を参考にしてください。
リフォーム方法 | 工事期間の目安 |
---|---|
砂壁→砂壁 | 2~4日 |
砂壁→ペンキ | 2~4日 |
砂壁→壁紙 | 1~2日 |
砂壁→珪藻土・漆喰 | 2~4日 |
Q.砂壁リフォームはどのような業者に頼めばいい?
壁の仕上がりの綺麗さは職人の技術力によって変わります。実績が豊富なリフォーム会社に依頼しましょう。
利用者の口コミチェックや、担当者との相性も大切なポイントです。会社を探すのが難しい場合は、一括見積もりサービスをご活用ください。審査にクリアした優良会社から、希望に合ったリフォーム会社を紹介してもらえます。
Q.砂壁リフォームを安く抑える方法は?
最もリーズナブルなのは、DIYです。ただし素人には難しく、上手く下処理をしないと仕上がりが悪かったり長持ちしなかったりする可能性があります。結局何度もやり直して、余分な手間とお金がかかってしまうケースも。DIYに自信がない方は、リフォーム会社に依頼するのがおすすめです。
リフォーム会社に依頼するときは、内装リフォームに強い会社を選ぶのが費用を抑えるポイント。日頃から内装リフォームの材料をたくさん仕入れており、メーカーとのパイプが太いことから、材料の仕入れ値を抑えられます。
また大手企業に依頼すると、工事自体は下請け業者へ委託しているケースも多いので注意が必要です。自社施工をしている地元のリフォーム会社に依頼すれば、仲介手数料がかからずに費用を安く抑えられるでしょう。
最後に、複数のリフォーム会社の見積もりを比較することも、もちろん費用を抑えるために大切です。地域のリフォーム会社といってもたくさんの会社があるため、複数社から見積もりをとれるサービスを活用しながら、施工内容や料金を比較してコスパのいい会社を選びましょう。
8.まとめ
日本ならではの風合いが感じられる砂壁。調湿効果があるというメリットの一方で、砂が落ちるというデメリットもあります。砂が落ちると見た目も悪いですし、掃除も大変です。
表面にカビが生えていたり砂がボロボロと落ちるようになったら、砂壁リフォームを検討しましょう。ペンキ・壁紙・珪藻土・漆喰などにリフォームすれば、和風の雰囲気をガラッと変えることもできます。砂壁の状態判断も難しいので、一度リフォーム会社に相談してみましょう。
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