
地震に備えるために行う耐震工事には高い技術力と知識が求められるため、慎重に業者選びを進める必要があります。
しかし、どうやって業者を選べばいいのかと悩んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、耐震工事の依頼先の探し方や業者選びのポイントを解説します。
家は大切な家族を守るためのシェルターです。
本記事を参考に、安心して任せられると思える業者を探してみてください。
目次
1.まずは耐震診断を受けよう
耐震工事を行うにあたって、まずは『耐震診断』を受ける必要があります。
耐震診断は文字通り、住宅にどのくらいの耐震性があり、どの部分に補強が必要なのかを調べるために行う調査です。
診断結果から耐震設計を行い、それをもとに壁や柱、基礎などの耐震が必要な箇所に補強工事を行います。
耐震診断をまだ受けていない場合は、工事の前にまずは自治体の窓口などで耐震診断を受けたい旨を相談してみるとよいでしょう。
診断費用は10〜20万円ほどかかりますが、1981年(昭和56年)5月以前に建てられた旧耐震基準の住宅であれば、自治体から補助金が支給されている場合もあります。うまく活用すれば費用負担を抑えながら耐震診断を受けることができるでしょう。
耐震診断の費用や方法、補助金について詳しく説明した記事がありますので、ぜひこちらも参考にしてください。


2.耐震工事はどこに頼める?
耐震工事を行う依頼先の候補としてまず挙がるのは、家を建ててくれた建築会社や工務店です。
家を建ててくれた会社であれば、構造や工法を確認できる図面が保管されているはずなので、相談から工事までスムーズに進められるでしょう。
家を建ててくれた会社が倒産してしまった場合や、中古住宅を購入してリフォームを行う(施工会社が不明な)場合などは、地元の工務店に相談するのが安心です。
この場合は、耐震リフォームの実績が多く、耐震診断士が在籍している会社を選ぶとよいでしょう。
3.耐震工事に対応できる会社の探し方
前章では地元の工務店に相談するのが安心だとお伝えしましたが、工務店とひとくちに言っても、新築、リフォーム、古民家再生など、会社ごとに得意分野が異なります。
すべてに対応している会社もありますが、耐震工事を行うのなら耐震に関する知識と技術力が高い会社に依頼したいもの。しかし、どのように探せばいいのでしょうか?
ここでは、耐震工事を依頼できる会社を探す4つの方法を紹介します。
3-1.自治体の窓口で相談してみる
自治体によっては、耐震工事に限らず地域のリフォーム会社を紹介する窓口を設けているところもありますので、耐震診断ですでに自治体に相談している方は、そのまま業者の紹介を受けるのも一案です。
3-2.自治体や組合が公表している業者リストを確認する
自治体や組合が公表しているリストの中には、その自治体もしくは組合が設けた基準をクリアした業者のみが掲載されているので、安心して依頼できます。
業者リストはお住まいの地域を管轄する自治体のホームページに掲載されていることがほとんどですので、まずはお住まいの自治体のホームページから確認してみましょう。
組合から探す場合におすすめなのは、『日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)』です。
木耐協は全国約1,000社の工務店・リフォーム会社・設計事務所などから構成される団体で、国土交通省の登録団体となっています。
耐震診断の専門的な知識や情報を習得されていることを認定する『耐震技術認定者』を独自発行するなど、事業者の耐震診断と補強レベルの向上を図っているのが特徴です。
組合員は『会員紹介・検索(組合員資格要件)』から調べられますので、お住まいの地域で対応できる会社がないか探してみましょう。
3-3.自分で探す
Googleで検索すれば、所在地やウェブサイトだけではなく写真や口コミまで確認できるので便利です。
また、InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などに施工事例をアップしている業者も多いので、それらも参考にしながら依頼先を探してみるとよいでしょう。
3-4.リフォーム会社紹介サイトを利用する
ここまで説明したように、耐震工事の依頼先を探す方法はいくつかあります。
しかし数ある業者の中から依頼先を自力で探して決めるのは、とても手間と時間がかかるもの。
ホームページや口コミをひとつずつ見て候補を絞ったり、1件1件問い合わせるたびに要望を伝えて現地調査の日程調整をするのは、時間がない方にとってはかなり大変な作業となるでしょう。
さらに耐震工事を行っている会社の中には悪質な工事をしたり、追加費用によって高額な費用を請求したりする悪質な業者もあるので、いい会社を見極めることも容易ではありません。
リフォーム会社紹介サイトであれば、初めからお住まいの地域に対応可能な耐震工事ができる業者を絞って紹介してもらえるため業者探しの手間を省くことができます。
また、リフォームガイドでは、プロのコンシェルジュがお客様の要望に合わせて依頼先を絞り、現地調査の日程調整まで代行するため、一度要望を電話で伝えるだけでかなりの手間を省くことができます。
4.耐震工事で自分に合った優良会社を選ぶためのチェックポイント
自治体や組合で業者を検索したり、紹介サイトを利用したりすれば、複数社まで候補を絞れます。
しかし最終的に耐震工事を依頼する会社は、自分たちで決めなくてはなりません。では、具体的にどのような部分を比較して決めればよいのでしょうか。
最後に優良会社を選ぶためのチェックポイントを確認しておきましょう。
4-1.耐震工事の実績があるか
施工事例やGoogleの口コミなどをもとに、耐震工事を多く行っている、あるいは耐震工事にこだわりのある会社を探しましょう。
また、自治体の耐震診断資格者や木耐協の耐震技術認定者のような、耐震工事にかかわる資格を有しているのかも判断ポイントのひとつです。
4-2.補助金や助成金が利用できるか
耐震診断や耐震工事では、自治体が設けている補助金や助成金制度を活用できる場合があります。
補助金を活用する際は申請書類の準備などで業者の力を借りる必要がありますので、補助金制度に詳しく対応に慣れている業者に相談することがおすすめです。
たとえば愛媛県松山市で補助金を受けるためには、愛媛県木造住宅耐震改修事業者の登録を受けている業者の中から依頼先を決めなければなりません。
まずはお住まいの自治体のホームページから活用できる制度がないか、対象要件で業者指定があるかどうかを確認することから始めてみましょう。
4-3.リフォーム事業者団体に属しているかどうか
例えば、木耐協は国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度の登録団体となっている信頼性のある団体です。
また、組合員に向けて最新技術や知識のアップデートを定期的に行っているため、そこに属している会社であれば耐震リフォームの専門性が高く信頼できる会社と言えるでしょう。
4-4.アフターフォローや保証があるか
たとえば、引き渡し後に定期点検を行っている会社や、不具合や困りごとが起こったときすぐに駆けつけてくれる会社に依頼すると安心です。
また、工事の欠陥に備えるためには、『リフォーム瑕疵(かし)保険』に登録している会社を選ぶのも一案です。
加入するためには一定の要件を満たす必要があり、工事中と完了後には第三者検査が入るので、施工品質がある程度担保されるのが魅力。
検査時や施工後に万が一欠陥が見つかった場合にも、保証がうけられるので安心です。
工事費用に対して1〜3%程度の保険料がかかりますが、万が一に備えられるのはメリットと言えるでしょう。
4-5.質問にわかりやすく丁寧に答えてくれるか
耐震工事はただ壁や柱、金具を追加すればいいという、単純なものではありません。
初めて自宅の耐震工事を行うのなら、「本当にこれで大丈夫なのか?」と心配に思うこともあるはずです。
工事に対する疑問や不安を伝えたときに、耐震の仕組みや製品、仕様などを丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。
4-6.複数の会社に相見積もりを取る
自治体の登録業者の登録要件はさまざまなので、必ずしも自分に合った対応で、なおかつ工事内容に満足できる会社と契約できるとは限りません。
相見積もりをとると工事費用の相場を知ることもできます。ご自宅に必要な耐震工事の費用相場をつかむことで、相場より高すぎる会社や安すぎる会社をはじくことができるメリットも。
「会社探しが面倒」「自分に合った会社を見つけることができるか不安」と感じる方は、3章でお伝えしたように、リフォーム紹介会社紹介サイトの利用がおすすめです。
リフォームガイドであれば、プロのコンシェルジュがお客様の要望に合わせて依頼先を絞り、現地調査の日程調整まで代行しています。
一度のヒアリングで要望に合った会社から相見積もりが取れ、見積もりを受け取った後もコンシェルジュに相談しながら会社選びを進めることができるので、お困りの場合はぜひご活用ください。
5.まとめ
この記事では、耐震工事の依頼先の探し方や業者選びのポイントを解説しました。
耐震工事には高い技術力と知識が求められるため、慎重に業者選びを進める必要があります。
依頼先は自治体の窓口やホームページ、リフォーム会社紹介サイトを利用して探してみましょう。
業者選びは、耐震工事の実績や口コミ、木耐協などの専門団体への加盟状況、アフターフォロー体制など、さまざまな視点から検討することが大切です。
記事で紹介した内容を参考に、自分の希望や予算に合う業者を探してみてください。