増築で、住宅ローン控除を併用することはできるのか?

増築ローン控除

新しい住宅を購入した際には、「住宅ローン控除」を受けたケースもあるでしょう。

そして、「住宅ローン控除を受けている最中に増築を含むリフォームをした場合、控除は併用できるのか?」という疑問を抱いている人も多いはずです。

本記事では、そんな疑問に答えて、こんなポイントを解説します。

  • 増築における住宅ローンの控除の適用について
  • 適用するための条件
  • 申請のための確定申告の手続き

増築と住宅ローン控除について疑問を持っている人は、参考としてください。


1.増築における住宅ローン控除の適用について

結論から言えば、増築でも住宅ローン控除が適用されます。
これは既存の住宅ローンが現在控除適用中であっても、併用して控除を受けることが可能です。

また、現在借りている住宅ローンに増築費用を上乗せして、借り換えるケースもあります。ローンが一本化でき、金利の高いリフォームローンではなく低金利の住宅ローンにリフォーム費用も組み込める魅力的な方法です。
この場合、もともと借りていた住宅ローンが、控除の適用条件から外れないよう、借り換え時には注意が必要です。

ただし後述するように、増築でも住宅ローン控除が適用されるには、適用条件に当てはまる必要があります。
この点についてはやや複雑ですが、増築分も控除が受け取られるよう、しっかり確認しておかなければいけません。

なお、増築と住宅ローンについては、国が詳しい指針と概要をまとめています。
詳しくは、「国税庁:No.1211-4 増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」を参照してください。

そもそも住宅ローン控除とは?

念のため、住宅ローン控除について解説しておきます。

住宅ローンの控除とは、一言で言えば「住宅ローンを使って新築や中古住宅の取得・増改築などをした場合、一定条件を満たしていれば、ローン残高の0.7%が、向こう10年間の間、所得税から控除される」というものです。

対象期間控除対象限度額控除率
10年間年末残高最大2000万円0.70%

※適用期間:令和4年1月1日から令和7年12月31日までの間
(令和3年12月31日までに住宅ローンを利用し住宅取得や増築リフォームした場合は「No.1216 増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」を参照)

控除率はわずか0.7%といえども、元の金額が大きいので、やはり軽視できません。

2000万円が借入の限度額となるため、年末の残高が向こう10年間2000万円最大であった場合、最高140万円(2000万円×0.7%×10年)の控除が受けられます。

住宅ローン減税やその他のリフォームにおける減税制度について、こちらの記事でくわしく解説しています。

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2.増築で住宅ローン控除の対象となる要件

住宅ローン控除が適用となる対象者・対象工事・対象要件を解説します。ご自身が当てはまるかどうか確認しましょう。

対象者:

住宅ローン等を利用してマイホームの増改築等をした方

対象工事:

  1. 建築基準法に規定する大規模の修繕または模様替え、改築、増築
    ※家屋の壁(建築物の構造上重要でない間仕切壁を除く)、柱(間柱を除く)、床(最下階の床を除く)、はり、屋根または階段(屋外階段を除く)のいずれか1箇所以上について行う過半の修繕・模様替え
  2. マンションなどの区分所有部分の床、階段、壁の過半についておこなう修繕または模様替え
  3. 居室、調理室、浴室、便所、洗面所、何度、玄関、廊下の一室の床または壁全部についておこなう修繕または模様替え
  4. 現行の耐震基準に適合させるための耐震改修工事
  5. 一定のバリアフリー改修工事
  6. 一定の省エネ改修工事

控除適用要件:

以下すべての要件を満たす必要があります。

  • 住宅に住めるようになってから6ヶ月以内に、居住し始めている
  • 控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住している
  • 控除を受ける年の合計所得金額が2000万円以下である
  • 増築したあとの床面積が50平方メートル以上、かつ床面積の1/2以上が居住スペースである
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上である
  • 増築における住宅ローン控除を受ける人が、住宅の所有者かつ居住者である
  • 増築にかかる費用(リフォーム料金)が、補助金などを除き100万円以上である

バリアフリー・省エネ・多世帯同居のための改修工事を含む増改築であれば「住宅特定改修特別税額控除」が受けられる

【住宅特定改修特別税額控除とは】

  • バリアフリー改修工事
  • 省エネ改修工事
  • 多世帯同居改修工事

上記いずれかの工事を含む増改築等をした場合、受けられる税額控除(減税)です。

ただし、これらの控除を受けられる方は、住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は同時に受けられないので、どちらか一方を選択する必要があります。

最大控除額は60万円ほどで、工事の翌年の所得税から控除されます。ご自身の場合は住宅ローン控除とどちらがお得か、計算してみましょう。

ちなみに「住宅特定改修特別税額控除」はローンの有無を問わず控除が受けられる減税制度となります。

所得税の減税(控除)まとめ表

出典:【2023年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!

適用条件や手続きに関してはこちらをご覧ください。

No.1219 省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
No.1220 バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
No.1224 多世帯同居改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)


3.増築で住宅ローン控除を使うための手続きについて

増築で住宅ローン控除を実施するうえでは、所定の手続きが必要です。

手続きの内容は、

  • 住宅購入後、1年以内か
  • 住宅購入後、2年以降か

によって変化します。

それぞれについて解説するので、該当するほうを参考としてください。

4-1. 控除を受ける最初の年

控除を受ける最初の年は、確定申告書に必要事項を記載・添付し、納税地(原則として住所地)の所轄税務署長に提出します。

確定申告のタイミング:入居した年の翌年の確定申告期間

【確定申告書に添付する書類】

  1. 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
    →国税庁のサイトから作成します。(国税庁:所得税の確定申告の「確定申告特集」が見やすくおすすめです)
  2. 金融機関等から交付された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」
    →住宅ローンを借り入れている金融機関から送付されます。
  3. 家屋の「登記事項証明書」
  4. 増改築等の「請負契約書」の写しなど増改築等の費用の額を明らかにする書類
  5. (補助金の交付を受けた場合)市区町村からの補助金決定通知書などの補助金等の額を証する書類
  6. (住宅取得等資金の贈与の特例(措法70の2、70の3)を受けた場合)贈与税の申告書など住宅取得等資金の額を証する書類の写し
  7. 建築士等(※)が発行した「増改築等工事証明書」

4-2. 2年目以降

2年目以後の年分は、下記2点の提出となります。

  1. 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
  2. 「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」

また、給与所得者は、控除を受ける最初の年分については、同様に確定申告書を提出する必要がありますが、2年目以後の年分は、勤務先による年末調整でこの特別控除の適用を受けることができます。


5.増築における住宅ローン控除とともに、おさえておくべき減税措置・補助金

ここまでで、増築における住宅ローン控除について解説しました。

ただし増築では、住宅ローン控除以外にも、たいへん役立つ減税措置・補助金があります。
もちろん条件しだいですが、適用されればより低価格で増築することが可能です。

増築における住宅ローン控除だけを追いかけていると、いずれかを見逃して損するかもしれないので、注意してください。

利用できる可能性のある減税措置・補助金には、たとえば、このようなものがあります。

  • 既存住宅において特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除
  • 固定資産税の減税
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業による補助金
  • 家族から住宅を譲り受け、増築した場合の「贈与税の非課税措置」

詳しくはこちらの記事をご確認ください。

【2024年度版】リフォームの減税(控除)制度を分かりやすく解説!
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6.まとめ

増築で住宅ローン控除を併用することは可能です。

住宅購入時にローンを受けているかどうかは、関係ありません。現在継続して住宅ローン控除を受けている場合でも、併用して控除を受けることが可能です。

工事内容や対象条件など、適用条件をクリアしていることが必要になります。

また、現在借りている住宅ローンに増築費用を上乗せして、借り換える場合も、増築分を含めて住宅ローン控除が受けられます。もともと借り入れていた住宅ローンが控除対象から外れないように、注意して借入れましょう。

なお、増築やリフォームの工事内容が住宅ローン控除の対象として認められるか、わかりづらい部分もあるはずです。

条件や手続きで確かなことを確認しておきたいなら、国税庁や市役所、税務署やリフォーム業者へ問い合わせることをおすすめします。

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