
「部屋のイメージを変えたい」「印象に残るおしゃれな部屋にしたい」と考えている人もいるでしょう。そんな皆さんにおすすめしたいのが、アクセントクロスです。
アクセントクロスは、壁や天井の一部を変えることで、部屋の印象をガラッと変えることができます。また、単調になりがちな部屋をオシャレに見せる効果が期待できます。
そこで今回の記事では、アクセントクロスの選び方や注意点など、アクセントクロス選びで失敗しない方法について詳しく解説します。
1.アクセントクロスを選ぶ際のコツと注意点
アクセントクロスで失敗しないためにも、選ぶ際のコツと注意点を押さえておきましょう。
印象的なお部屋を演出できるアクセントクロスですが、イメージと違った場合は悪目立ちする可能性も考えられます。施工後に後悔しないためにも、以下のポイントをチェックしてください。
1-1.アクセントクロスを貼る場所は目につくところ一面を選ぶ
アクセントクロスは部屋の目につくところに貼りましょう。
なぜなら、アクセントクロスは部屋のコンセプトを決める大きなポイントであり、目につくところに貼ることによって効果的に印象付けることができるからです。
出典:https://www.reform-guide.jp/topics/case/aichi-h-zenmen/
また、アクセントクロスを貼る理想的な面積は、部屋の壁面積の20~30%と言われています。
これは部屋の4枚ある壁のうちの約1枚分の大きさを表します。
アクセントクロスは、他の壁紙が白やベージュ等のシンプルな色の中にあることでパッと目を引き、部屋の雰囲気やイメージを作ります。そのため、貼る面積が40~50%というように壁面積の大部分を占めてしまうとアクセントになりません。
特に柄が大きめのものであればあるほど、この面積を守らないとかえってごちゃごちゃした印象になってしまいします。
1-2.家具や床の色と合わせて選ぶ
アクセントクロスを選ぶ際の2つ目の注意点は、もともとある家具や電化製品、床の色に合わせてアクセントクロスを選ぶということです。
次のように、部屋の中でアクセントとなる色や家具の雰囲気に合わせて選ぶことで、アクセントクロスの良さを最大限生かすことができます。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/1637 https://www.reform-guide.jp/topics/case/aichi-a-zenmen/ https://www.artreform.com/example/2018/ https://www.artreform.com/example/863/
床の色に合わせてアクセントクロスを選ぶことも重要で、床の色との組み合わせを考慮せずに選んでしまうと、イメージしていた空間と異なるものになってしまいます。
アクセントクロスを選ぶ際にはご自宅の床の色と大きめのサンプルを照らし合わせてみてください。
1-3.濃い目の色を選ぶ
アクセントクロスを選ぶ際の3つ目の注意点は、濃い目の色を選ぶということです。
次の表の上段のような薄めの色を選んでしまうと、他の壁との違いがあまりわからず部屋がぼんやりした印象になってしまいがちです。
アクセントクロスの特長を活かすためにも思い切って下段のような濃い目の色を選ぶと良いでしょう。
1-4.色が与える印象を理解した上で選ぶ
色のあたたかさ、明度、彩度を考えることも大切です。例えば同じ青色であっても明度の低い青と、高い青では部屋の印象はガラッと変わります。
それぞれ詳しく解説しますので、これらも理解した上でアクセントクロスの色合いを決めていきましょう。
色のあたたかさ
いわゆる「暖色」と「寒色」と呼ばれる、色のあたたかさと、それによる感じ方の違いを理解しておきましょう。
「暖色」は、赤、オレンジ、黄色など、太陽や炎を連想させ、「情熱」「行動的」「刺激的」などのイメージがあるため、人にパワーを与える色といえるでしょう。また、色のあたたかさは、優しさや温もり、幸福感など、人としてのあたたかな感情も想起させます。
一方、青やグレーなどは「寒色」と呼ばれ、涼しさを感じさせる色です。さらに、寒色は「静寂」「清潔」「クール」「知的」などのイメージを持つため、気持ちを落ち着かせたいときも最適な色です。
緑や紫は「中間色」と呼ばれ、暖色と寒色の間にある色を指します。暖色と寒色の双方のイメージを併せ持つため、周囲の色と馴染みやすいという特徴があります。
色の明度
明度は色の明るさを表していて、明度が最も高い色は「白」、明度が最も低い色は「黒」です。明度が明るい色は、白、ベージュ、パステルカラーなどがあり、部屋を軽やかで明るい印象にします。また、明度の高い色は、光を反射させるため部屋を広く見せる効果も期待できます。
一方、明度の低い色は、黒、ダークグレー、ネイビーなどが挙げられます。明度の低い色は、シックで高級感があり、落ち着いた雰囲気になります。ただし、部屋全体で使用すると暗い印象になり、部屋が狭く感じてしまうことも。そのため、明度の低い色を取り入れる際は、床や天井とのバランスを考慮して色選びを行いましょう。
色の彩度
彩度は、色の鮮やかさを表します。近年は、彩度の高い色を「ビビットカラー」、低い色を「くすみカラー」と呼ばれることもあります。
彩度が高い色は、目を引く鮮やかさが特徴的で「個性的」「明るい」「元気」などの印象を与えます。ただし、部屋に多用するとごちゃごちゃとして、居心地の悪い空間になってしまう可能性があるため注意しましょう。彩度の高い色を取り入れる際は、他の色との組み合わせを考慮しながら、アクセントとして使用するのがおすすめです。
彩度が低い色は、優しく落ち着いた雰囲気が演出できます。「ナチュラル」「落ち着き」「静か」などのイメージを持つため、アクセントクロスとしても使いやすいでしょう。ただし、くすんだ色であるため、地味な印象を与えること。与えたい印象を考えて選ぶようにしましょう。
メリハリのある空間にするためには、色を「足す」ばかりではなく、ときに「引く」ことも大切です。部屋の壁、天井、床、インテリアなどの色バランスを考慮しながら、部屋全体のバランスを考えましょう。
1-5.部屋全体を3色でまとめる
色の名称 | 内容 | 比率 |
---|---|---|
ベースカラー | 床や壁、部屋の大部分の面積を占める色 | 70% |
メインカラー | 家具やカーテン、ラグなど部屋の主役となる色 | 25% |
アクセントカラー | クッション、絵、小物など空間のアクセントになる色 | 5% |
部屋全体の色の数を3色ほどにすると、きれいにまとまります。
そのためアクセントクロスを選ぶときは、「メインカラー」と「アクセントカラー」を意識して色を選ぶとうまく調和が取れるでしょう。たとえば、ソファやラグとアクセントクロスの色を合わせると、部屋に統一感が生まれます。
1-6.大きめのサンプルを取り寄せて実際に確認する
アクセントクロスを選ぶときは、カタログに掲載されているような小さなサンプルだけで判断するのは控えましょう。小さなサンプルでは、実際の色味や質感をつかむことは難しいためです。
また、面積が大きくなると色は薄く見える傾向にあります。そのため、広い面積に貼ると少し薄く見えることを意識しながら選ぶと、イメージに近い色が選べるでしょう。
「イメージと違った」とならないよう、大きめのサンプルを取り寄せてより明確にイメージを膨らませることが失敗しないための秘訣です。
1-7.好みのクロス素材を選ぶ
クロスの素材で代表的なものといえば、「ビニール」「紙」「織物(布)」があります。これらは、素材によって質感、機能性、価格など、特徴が大きく異なります。そのため、クロス選びで迷ったときは、素材で決めるのもおすすめです。
それぞれの素材の特徴について見ていきましょう。
ビニールクロス
日本の住宅で最も使用されているのが「ビニールクロス」です。ビニールクロスは、塩化ビニル樹脂を主原料としているため、耐久性が高く、水を通さないため汚れを落としやすいという特徴があります。
また、比較的安価で、デザインの種類が豊富なのも魅力。さらに近年は、防臭(消臭)、抗菌、防カビ、防汚などの機能面が充実しているクロスも増えています。
小さな子どもがいるご家庭や、ペットを飼っているご家庭におすすめのクロスです。
紙クロス
パルプを原料とする「紙クロス」は、欧米で多く使用されているクロスです。吸音性に優れ、空気を通しやすいという特徴があります。また、柔らかな雰囲気の見た目も印象的です。
輸入物のクロスは、独特なデザインも多いため海外風のコーディネートやホテルライクなイメージにぴったり。また、和紙でできた紙クロスは、和の空間によく馴染むでしょう。
ただし、ビニールクロスに比べて厚みがなく、施工には多少手間がかかります。耐水性も劣るため、湿気の多い部屋には不向きといえます。
織物クロス
織物クロスは、織物に裏打ちの紙を貼って丈夫にしたものです。麻、綿、絹、ポリエステル、レーヨンなどが原料となっており、プリントや型押しにはない質感や風合いが魅力。
また、光を柔らかく受け止めるため、落ち着きと高級感のある雰囲気を演出してくれるでしょう。
さらに、織物クロスは水に濡れても伸びにくく、破れにくい頑丈さも兼ね備えています。通気性や調湿性も優れているため、さらっと気持ちの良い空間になるでしょう。
一方で水拭きには適しておらず、汚れが落としにくいというデメリットも。また、火を扱う場所には不向きであるため、使用する場所や扱い方には注意が必要です。
2.部屋別!おしゃれなアクセントクロスの選び方
アクセントクロスを選ぶ際は、部屋の用途に合わせてイメージやコンセプトを考えることも大切です。
ここでは、実際に行われた事例とともに、部屋別ではどのようなアクセントクロスを選ぶのが良いかを解説します。
2-1.リビングのアクセントクロスの選び方
リビングは家族が集まり食事をしたりくつろいだりする空間です。
そのため、暗めの色よりは温かみのある暖色系、寒色系を使いたい場合は柔らかいイメージのパステルカラーが適しているといえます。
リビングにアクセントクロスを採用する場合、一般的にはテレビの後ろの壁やソファーの後ろの壁といった、比較的物があまり置かれない場所に貼られるケースが多いです。
リビングのアクセントクロスおすすめ色一覧
リビングでアクセントクロスを取り入れる際のおすすめ色と、施工事例を画像付きで紹介します。
出典:https://shinagawahatanodai-nikka.com/works/mansion/20171007094827.html
↑落ち着いた赤のアクセントクロスを貼ることで、温かみのあるリビングになりました。
出典:https://www.aigisetsubi.com/works/works-10455/
↑キッチン前に青・緑調のアクセントクロスを貼ることでさわやかな印象のお部屋になりました。
出典:https://www.aigisetsubi.com/works/works-10782/
↑ほんのり緑に色づいたアクセントクロスを貼ることで柔らかい雰囲気のリビングになりました。
出典:https://www.artreform.com/example/4489/
↑植物のインテリアと合わせてコーディネートすることで自然の暖かみがあるお部屋になりました。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/415
↑柄物アクセントクロスを貼ることで、ほかの部屋とはガラッと印象が変わるリビングになりました。
出典:https://www.artreform.com/example/2531/
↑同系色の家具との組み合わせでシックな落ち着いた雰囲気のお部屋になりました。
出典:https://www.artreform.com/example/4472/
↑シックな雰囲気の柄のアクセントクロスを貼り、大人な雰囲気のお部屋になりました。
出典:https://www.artreform.com/example/4667/
↑黒のアクセントクロスをを取り入れることでお部屋全体を引き締め、落ち着いた雰囲気になりました。
2-2.子ども部屋のアクセントクロスの選び方
子ども部屋はお子様が宿題や勉強、お友達と遊ぶための空間です。
そのため、明るい雰囲気でありながらも、落ち着いて集中力を高められるような色を選ぶと良いでしょう。
子ども部屋のアクセントクロスおすすめ色一覧
子ども部屋でアクセントクロスを取り入れる際のおすすめ色と、施工事例を画像付きで紹介します。
出典:https://www.8044.co.jp/gallery/868
↑グリーンのアクセントクロスを貼ることで可愛らしい、かつ落ち着いた印象のお部屋になりました。
出典:https://www.aigisetsubi.com/works/works-013/
↑ピンクのアクセントクロスを貼ることで子どもらしい可愛いお部屋となりました。
2-3.寝室のアクセントクロスの選び方
寝室は、一日の疲れを癒すためにも落ち着ける空間にしましょう。
落ち着いた空間にするために、以下のような色をベッドの後ろの壁に貼るとリラックスできるお部屋となります。
寝室のアクセントクロスおすすめ色一覧
寝室でアクセントクロスを取り入れる際のおすすめ色と、施工事例を画像付きで紹介します。
出典:https://www.artreform.com/example/2531/
↑パステルカラーの青のアクセントクロスを貼ることで、リラックスして眠れそうなお部屋になりました。
出典:https://www.artreform.com/example/2018/
↑濃い目の青にリーフ柄の入ったアクセントクロスを貼り、高級感のある落ち着いた寝室になりました。
出典:https://www.artreform.com/example/1720/
↑グレーのアクセントクロスを貼ることで、暖かみのある落ち着いた寝室になりました。
出典:https://www.artreform.com/example/1824/
↑寝具と壁紙の色を合わせ、シックで高級感のある寝室になりました。
2-4.トイレ・洗面所のアクセントクロスの選び方
トイレや洗面所は閉じられた空間かつ、他の部屋とは異なり居室ではないため思い切った色やデザインを選びたい方はここで挑戦してみましょう。
トイレであれば便座の後ろまたは手洗い場に、洗面所では洗面台の後ろか隣に貼るとパッと目を引く空間になります。
出典:https://www.reform-guide.jp/topics/case/mansion-mizumawari/
↑ピンクのアクセントクロスを貼ることで優しい雰囲気の落ち着くトイレになりました。
出典:https://www.reform-guide.jp/topics/case/nerima-h-toilet/
↑柄物のアクセントクロスを貼ることで印象的で楽しい空間となりました。
出典:https://www.artreform.com/example/2299/
↑水色がパッと映える鮮やかな空間になりました。
出典:https://www.artreform.com/example/3392/
↑インパクトのある大きめの柄の壁紙を貼ったることで、目を引くおしゃれな空間になりました。
出典:https://www.artreform.com/example/4449/
↑明るいオレンジベースに柄の入ったアクセントクロスを貼ることで、ホテルのような高級感のある空間になりました。
出典:https://shinagawahatanodai-nikka.com/works/mansion/20171007094827.html
↑ビビットカラーのアクセントクロスを貼ることで、明るい雰囲気の空間になりました。
3.アクセントクロス失敗例から学ぶ選び方
おしゃれな空間づくりに欠かせないアクセントクロスですが、しっかりイメージを膨らませておかないと失敗する可能性があります。
ここからは、アクセントクロス選びでありがちな失敗例を2つご紹介します。
3-1.アクセントクロスが部屋に馴染まない
失敗例の1つ目は、アクセントクロスが部屋になじまずに浮いてしまうケースです。これは、全体のバランスを考慮せずにアクセントクロスのデザインだけで決めてしまうことで起こります。
先にお伝えしたように、アクセントクロスを選ぶときは色の持つイメージをしっかり想像することが大切です。また、インテリアとの配色バランスを意識することも重要です。
アクセントクロスの主張が強すぎると、部屋のイメージとミスマッチして悪目立ちしてしまいます。そのため、部屋全体を3色でまとめ、なるべくシンプルなデザインを選ぶのがおすすめです。大きな柄や個性的な柄を取り入れる場合は、ベースのクロスはシンプルな無地を選ぶとよいでしょう。
3-2.お店でみた印象と異なり明るすぎる・暗すぎる
2つ目は、お店でみた印象と異なり、明るすぎる・暗すぎるという失敗例です。クロスは、照明によって見え方が変わります。そのため、お店と自宅の照明が違えば、見た目や色味が異なることは多々あります。これによって、イメージより明るすぎる・暗すぎるという失敗が起こるのです。
この失敗を防ぐためには、クロスのサンプルを取り寄せて自宅の照明で確認してみることが大切です。
ただし、サンプルの大きさには限度があり、壁一面に貼って試すことはもちろんできません。したがって、お店と同じクロスでも、取り入れる場所や照明によっては、「お店と全く同じ印象にはならない」ということを念頭に置いておきましょう。
4.アクセントクロスの貼り替え費用の相場は?
6畳の部屋の1面分にアクセントクロスを貼る場合の施工費用は、25,000円~45,000円が相場となります。
アクセントクロスの貼り替えでかかる主な費用は「クロスの材料費」と「施工費」です。一般的に、クロスは平米(㎡)で販売されるため、壁の大きさに応じて材料費が変わります。材料費は選ぶ素材やグレードによって異なりますが、1平米あたりおおよそ1,000〜2,000円程度です。
6畳の部屋の壁一面を貼り替える場合、壁一面分の面積は一般的に10㎡ほどになります。そのため、材料費は10,000円〜20,000万円程度です。
施工費は会社によって大きく差がありますが、ここでは15,000円〜25,000円として計算します。
この条件で施工した場合、アクセントクロスの貼り替え費用は下表のようになります。
費用(6畳の部屋 1面分) | |
---|---|
材料費 | 1,000円~2,000円/㎡ |
施工費 | 約15,000円~25,000円 |
総額(10㎡の場合) | 25,000円~45,000円 |
上記よりも広い部屋の貼り替えを行う場合や、1面でなく部屋全体の貼り替えを行う際はさらに金額が上がります。
具体的な費用について知りたい方は、施工会社やハウスメーカーに見積もりを出してもらいましょう。
▼壁紙全体の貼り替え費用についてはこちらの記事をご覧ください。


5.まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は部屋に合わせたアクセントクロスの選び方と、アクセントクロスを選ぶ上でのポイントや注意点について解説しました。
アクセントクロスは部屋を印象付ける大きな要素の一つです。
イメージするお部屋を実現させるためにも、このポイントを参考にしてアクセントクロスを選んでみてください。