
「屋根のメンテナンスって必要なの?」
「メンテナンスにかかる費用や工事期間を知りたい!」
このように考えている人は多いでしょう。
この記事では、これから屋根のメンテナンスを検討している人が求める情報をまとめました。
具体的な内容としては、
- 屋根のメンテナンスをしないとどうなるか
- メンテナンスにかかる費用の目安
- 屋根メンテナンスにかかる工事期間
- メンテナンスを業者に依頼する手順と注意点
について紹介いたします。
屋根のメンテナンスに関する不安が解消する記事ですので、悪質業者にだまされたくない人は確認をおこたらないようにしましょう。
目次
1.屋根のメンテナンスをする前の確認事項
屋根のメンテナンスをする前には劣化状態の確認や、劣化を放置したらどうなるかといった知識が重要です。
何も知らずにメンテナンスを始めてしまうと、必要のない工事にお金を支払うことになりかねません。
業者の言いなりにならないよう、劣化状態やメンテナンス方法について知っておきましょう。
1-1.屋根の種類や劣化状態を確認する
屋根の種類によってメンテナンス時期は異なります。
以下のように種類ごとに適したメンテナンス時期を選びましょう。
屋根の内部には防水シート(ルーフィング)が組み込まれています。
防水シートの耐用年数は20年〜30年です。
50年以上の耐用年数を誇る日本瓦でも下地の防水シートを交換しなくてはいけないため、20年〜30年に1度はメンテナンスをしなくてはいけません。
メンテナンスの年数は目安でしか無いため、工事をするかどうかは劣化状態で判断します。
以下のように、屋根の種類ごとに劣化状況は異なります。
スレート屋根の劣化症状
アスファルトシングルの劣化症状
金属屋根の劣化症状
瓦屋根の劣化症状
※屋根素材が日本瓦の場合は塗装でのメンテナンスができません
深刻度2〜4の劣化症状は、塗装によるメンテナンスだけでは対処ができないことが多いです。また、深刻度4は屋根の下地が寿命ですので葺き替え工事が必要です。
屋根にのぼるのは非常に危険ですので、劣化状態の確認は業者に任せましょう。
業者に屋根の調査を依頼する目安としては、前回のメンテナンスから8年〜10年が経過した頃が望ましいです。
8年が経過していなかったとしても地上から見て明らかに問題があると判断できる状態だったり、屋内に雨漏りがあったりするなら業者に調査を依頼しましょう。
1-2.屋根のメンテナンスを行わないで放置したら何が起こるのか
屋根のメンテナンスや修理を行わないと以下のような症状が発生します。
- 雨漏り
- すきま風
- 虫の侵入
- 屋根素材が落下する危険性がある
- 屋根が崩れる可能性がある
屋根は放置することで素材の耐久性が低下してしまい、雨水や風、虫の侵入を許してしまいます。また、屋根素材が剥がれたまま長年放置すると、強風で落下する恐れがあるでしょう。
瓦屋根などの場合は、瓦が外れたまま放置していると重みで屋根全体が崩れる危険性もあります。
1-3.屋根のメンテナンス方法を選ぼう
屋根のメンテナンス方法は主に3つあります。
- 塗装
- カバー工法
- 葺き替え
メンテナンス方法は自由に選べるわけではなく、屋根の劣化具合によって決まります。
前述した深刻度1の症状であれば塗装で対処できることが多く、深刻度2〜3はカバー工法などで対応できる場合が多いでしょう。深刻度4は下地素材が寿命ですので葺き替え工事が必要です。
塗装によるメンテナンス
屋根素材の表面を塗装することで経年劣化を防ぐメンテナンス方法です。
コケや藻、色あせなどの表面的な劣化症状を改善します。
カバー工法
すべての屋根に適用できるわけではなく、下地素材が寿命を迎えている場合は葺き替えが必要です。
葺き替え
下地から交換する大規模な工事です。
3つの屋根工事のなかで最も費用が高いですが内部の劣化まで修復ができます。
2.屋根のメンテナンス費用はどのくらい?
一般的な30坪の住宅において、塗装、カバー工法、葺き替えにかかる費用の目安は以下のようになります。
塗装が最も安く、葺き替えが高額になりやすい傾向があります。
使う塗料や屋根素材によって費用は変わります。
2-1.塗装メンテナンスでの費用
塗装にかかる費用としては「工事費用」と「塗料代」の2種類があります。
工事費用
足場の組み立て、養生、飛散防止シート、ゴミ廃棄料などにかかる費用です。
30坪程度の住宅において屋根塗装だけをする場合に10万円〜20万円程度がかかります。
塗料代
屋根に使う塗料は主に4種類あります。
ウレタン系塗料の特徴
4種類の塗料のなかで最も安いですが、耐用年数6〜10年と短いため使用頻度は低下しています。
シリコン系塗料の特徴
最も利用されている塗料で、コストパフォーマンスが高く耐用年数は8〜15年です。迷ったらシリコン系塗料を利用すれば間違いはありません。
ラジカル系塗料の特徴
コストパフォーマンスが最も高いと言われている塗料です。ただし、登場して数年しか経っていないためメーカーが申告している耐用年数12〜15年を超えた実例が存在しません。
フッ素系塗料の特徴
耐用年数15〜20年と特に長い塗料ですが価格が高いです。実績がある塗料のため東京スカイツリーや公共工事などで利用しています。
2-2.カバー工法、葺き替えでの費用
カバー工法と葺き替えは工事内容が似ています。
主にかかる費用としては、工事費用、材料費があります。
工事費用
足場の組み立て、下地処理、棟(屋根の頂点部分などのこと)の修理、防水シートなどにかかる費用です。カバー工法では20〜90万円、葺き替えでは40〜120万円ほど掛かります。
材料費
新たに取り付ける屋根の材質によって価格が異なります。
化粧スレートの特徴
工事が簡単で取り扱う業者が多いため低価格という点が魅力です。
色の種類が豊富というメリットもあります。ただし、耐用年数20〜30年と短くてメンテナンスも頻繁に必要です。
アスファルトシングルの特徴
柔らかい屋根素材のため曲線の屋根でも使用できる低価格の素材です。
一方で、耐用年数20〜30年と短くてメンテナンス頻度が高く、コケなどの汚れも付きやすいです。
ガルバリウムの特徴
耐用年数30~50年と長く、メンテナンス頻度も少なめであることが特徴です。
デザイン性が高いため日本の住宅に適しています。
しかし、化粧スレートに比べると費用が高くなる傾向があります。
セメント瓦の特徴
セメントと砂を使って作られた瓦で耐用年数は30年~40年です。
劣化しやすいデメリットがありますが、北欧風の家に見せることなどができるため独特のデザインの屋根を作れます。
日本瓦の特徴
日本では多くの住宅で使用されている屋根素材です。
耐用年数が50〜100年以上と非常に長く、デザイン性も高いことから人気があります。
一方でメンテナンスや初期費用が高額になるというデメリットがあります。
3.屋根のメンテナンスにかかる期間は?
屋根のメンテナンスにかかる工事期間としては以下が目安となります。
塗装は価格が安いですが、塗る作業が何度もあるため乾燥で工期がかかりやすいです。
工期が延びる可能性があるケース
屋根のメンテナンスで工期が延びるケースがいくつかあります。
雨の日が多い
塗装工事の場合は雨の日に工事ができません。このため梅雨の時期や台風が来た場合には工期が延びることがあります。
屋根の勾配が急すぎる
屋根の角度があまりにも急な場合は足場の設置が必要だったり手間がかかるため工期が延びやすいでしょう。
瓦屋根の葺き替え
瓦屋根を葺き替えする場合はすべての瓦を撤去するのに時間がかかります。
このため他の屋根素材よりも工期が2日〜3日ほど延びる傾向があります。
4.屋根のメンテナンスを業者に依頼する手順
屋根のメンテナンスを業者に依頼するにはどのような手順を取れば良いのでしょうか。
ここでは業者に依頼する手順を紹介いたします。
4-1.3社以上から見積もりをとる
絶対に行なってほしいのが「相見積もり」です。
1社だけの見積もりではその業者が適正価格で提示したのかどうかが判別できません。
複数の会社に見積もりを依頼することで適正価格を見抜きやすくなるのです。
おすすめは3社以上の見積もり取得です。3社の見積もりであれば、2社は金額が近くなりやすいので適正価格が見抜きやすくなるでしょう。
良い業者を見抜くポイントとしては、具体的に項目を記載しているかどうかが重要です。
基本的に項目数は細部まで描かれているほど信用性が高いですので見積書の比較の際の参考にしてみてください。
もし業者選びで迷うようならリフォームガイドで見積もりを取得すれば比較的安心して選ぶことが可能でしょう。リフォームガイドは審査を通過した優良な業者のみが登録されています。その中からお客様のお住まいや要望に合った業者をピックアップし、同時に複数社から見積もりを取ることができますので、ぜひ活用してみましょう。
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4-2.業者に屋根を調べてもらい適切なメンテナンス方法を選択してもらう
メンテナンスが必要かどうかを判断するために自分で屋根にのぼってはいけません。
非常に危険ですので、屋根の調査は業者に依頼してください。
メンテナンスの目安としては、前回のメンテナンスから8年〜10年ほど経過した時期がおすすめです。
業者に劣化状況を調査してもらって塗装、カバー工法、葺き替えのどれが適切なのかを判断してもらいましょう。
5.仮見積もりの段階で注意すべきポイント
業者に見積もりを依頼した際に注意しなくてはいけないポイントがあります。
見逃してしまうと悪質業者にだまされるため、見積書を確認する際には必ずチェックしましょう。
5-1.訪問営業している業者は選ばない
訪問営業をしている業者は基本的に悪質業者です。
優良業者であれば自分から営業をする必要がありません。仮に必要があったとしても企業相手に営業をするだけで、個人住宅にわざわざ訪問することはありません。
訪問営業をしている業者は企業相手にはできない詐欺まがいの手法をとっているために、だまされやすい個人住宅を意図的に狙っている可能性がありますので注意してください。
5-2.見積書の項目が「一式」でまとめられていないか確認
見積書の項目が「一式」ばかりの業者は注意が必要です。
ゴミ処理費用などが「一式」なら問題ありませんが、塗装面積や足場面積を「一式」と書いている業者は避けたほうが良いでしょう。
面積は業者の利益が決まる重要な部分です。この部分をいい加減に表記している場合は、面積が予想以上にあったとしても十分に利益が出るよう高額な費用を請求しているのかもしれません。
悪質業者に依頼すると、あなたは無駄な費用を支払ってしまうことになるでしょう。塗装面積や足場面積を「一式」で表記する業者は選ばないようにしましょう。
5-3.税込表記か確認
2021年の3月末までは消費税の税込表記が義務付けられていません。
このため税抜表記をあたかも税込表記であるかのように記載する業者がいるようです。
100万円以上の工事費用となると消費税だけで10万円近くがかかります。無視できる金額ではありませんので「税込」という表記が見当たらない場合は業者に税込みかどうかを確認してください。
6.まとめ
屋根のメンテナンス方法は主に塗装、カバー工法、葺き替えの3つがあります。
屋根の劣化状況に応じてどのメンテナンスが最適かを判断しますが、自分で屋根にのぼるのは非常に危険ですので業者に調査してもらいましょう。
調査してもらうタイミングとしては、前回のメンテンナスをしてから8年〜10年程度が最適です。
見た目が明らかに劣化したとわかる状態はもちろん、一定周期でチェックや必要があればメンテナンスをしてもらうようにしましょう。それをすることが家を守る最善の方法になります。
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