
「ベランダが雨漏りしているけれど対処法や費用を知りたい」ベランダで雨漏りを見つけたら、このように考えるでしょう。この記事では、ベランダが雨漏りした際の対処法などを紹介します。
具体的には、
- 雨漏りの原因箇所と対処法
- 修理にかかる費用
- 修理手順や依頼する際の注意点
を解説します。ベランダが雨漏りしても慌てずに、この記事を読んで適切な対処を行いましょう。
目次
1.ベランダが雨漏りする原因と対処法
ベランダに限らず、雨漏りした原因を特定するのは簡単ではありません。特に室内まで雨漏りしている場合は、特殊な調査をしなければ原因を知ることはできないでしょう。ベランダが雨漏りする原因には以下の6つがあります。
- 外壁の破損
- 防水加工の劣化
- シーリングの破損
- 排水口の詰まりや劣化
- 笠木(かさぎ)の破損
- 施工不良
基本的に、自分で雨漏りの部位を特定することはできません。ほとんどのケースで業者に調べてもらわなければいけないため、下記の原因の予測が立たない場合は雨漏りの専門業者に調査を依頼しましょう。
1-1.外壁の破損
外壁が破損してベランダ内部に雨漏りするケースです。ベランダ周辺の外壁に亀裂が入っている可能性が考えられます。雨漏りしている箇所の裏側や、周辺を調べてみて破損している外壁がないかを調べましょう。雨水の侵入部位が特定できれば隙間を補修することで雨漏りを防げます。
1-2.防水加工の劣化
ベランダの床にほどこされている防水塗装が劣化して、室内に雨漏りを引き起こすケースです。防水加工は10年もすれば劣化するため、再塗装が必要です。ベランダ床の防水にひび割れや劣化が見られる場合は、再塗装をすれば雨漏りを防げるでしょう。
1-3.シーリングの破損
ベランダのサッシや外壁素材には、「シーリング」と呼ばれるゴム状の素材が埋め込まれています。シーリングが劣化すると亀裂が入り、雨水が侵入して雨漏りの原因となります。古いシーリングを剥がして充填し直すことで雨漏りを防げます。
1-4.排水口の詰まりや劣化
ベランダの排水口が落ち葉や土で詰まるとベランダに雨水が溜まり、雨漏りが発生するケースがあります。排水口の一部が劣化して、雨水を逃がすパイプに亀裂が入ってしまうこともあるでしょう。排水口が詰まっていないかを確認し、パイプが怪しいようなら業者に修理してもらいましょう。
1-5.笠木の破損
笠木とは、ベランダで手すりの下などにかぶせる素材を指します。笠木が破損すると隙間から雨水が侵入し、雨漏りの原因となります。原因となる部位を補修することで雨漏りは解決するでしょう。
1-6.施工不良
ベランダを作った業者がミスをしたために雨漏りを引き起こすケースがあります。シーリングで隙間を埋めきれなかったとか、排水口や笠木に隙間があるといった場合に雨漏りが起こるでしょう。明らかに施工不良とわかる場合は、工事をした業者に修理を依頼すれば無償で対応してくれるかもしれません。
2.ベランダの雨漏り修理にかかる費用を知ろう
ベランダの雨漏りを修理する費用は工事方法によって異なるため、5万円〜50万円程度と幅が広いです。大規模な補修工事が必要な場合は100万円を超えるケースもあります。
2-1.調査費用
雨漏り修理では、修理費用以外にも調査費用がかかります。雨漏りの調査方法には以下の4種類があります。
検査方法 | 相場 | 検査内容 |
---|---|---|
目視検査 | 0〜5万円 | 目で見てチェックする |
散水検査 | 5〜10万円 | 雨漏りの原因らしき部位から意図的に水を流して確認する |
発光検査 | 15〜20万円 | 紫外線を当てると発光する液体を、雨漏りの原因と思える場所に流して調べる |
赤外線検査 | 18〜30万円 | 天井や壁の温度を観察して、建築材に異常がないかを調査する |
多くの場合、目視と他の検査を組み合わせて原因を特定します。目視検査は目で見て確認するだけですが、散水検査だと実際に水を流して調査します。光検査は複数の箇所から雨漏りしている場合に使うことが多く、赤外線検査は建築材が雨水で劣化していないかを調べます。
2-2.修理費用
雨漏りの修理費用は明確な相場がなく、工事内容や業者によって変わります。軽い症状で、一部を補修する程度なら3〜10万円程度で済むでしょう。床を全面的に修繕する場合は、
- 防水の再塗装
- 排水口の交換
- ベランダ床の角度をつけ直す
がセットになった工事で合計18万円程度となります。室内に雨漏りが発生して壁紙などを交換する場合は、追加で5〜15万円程度かかるでしょう。ベランダの防水やシーリング補修のほか、ベランダ以外の部位まで補修が及ぶ大規模な工事の場合は修理費が50万円を超えるおそれもあります。
3.ベランダの雨漏りを修理する手順
ベランダの雨漏りを修理する際に、どのような手順で工事依頼をすればよいのでしょうか。雨漏りが発覚したら、以下の手順で依頼しましょう。
- 専門業者を呼ぶ
- 現地調査
- 修理
各手順について解説していきます。
3-1.専門業者を呼ぶ
まずは雨漏り専門の業者を探しましょう。雨漏りの原因が特定できている場合は、各部位ごとの専門業者を呼ぶのがおすすめです。外壁の劣化なら左官や塗装業者、防水加工が原因なら防水業者、シーリング部ならシーリング専門業者が存在します。しかし、優良な専門業者を選ぶのは知識がなければ難しいでしょう。
3-2.現地調査
業者を選定したら現地調査をしてもらいます。雨漏りの調査方法によって価格が異なるため、予算を業者に伝えておきましょう。雨漏りの状況によっては高額な調査が必要となる場合もあります。調査の費用を惜しんだために原因が特定できなくなっては本末転倒です。修理に必要な調査であれば費用を捻出したほうがよいでしょう。
3-3.修理
雨漏りを修理するのなら工事開始は早いほうがいいですよね。修理は可能な限り最速で行ってもらいましょう。ただし、修理箇所によって対応する業者が異なります。ベランダの雨漏りで対応する可能性がある工事としては、左官、塗装、防水、シーリング、屋根などがあります。それぞれ専門的な技術が要求されるため、同じ業者がすべてに対処することはできません。
雨漏り業者であれば自社で対応できない場合は下請け会社に依頼してくれるでしょう。ベランダ全域を工事するにもかかわらず、同じ人が左官や塗装、防水など多数の作業をしているのなら注意が必要かもしれません。
4.ベランダの雨漏りを修理業者に依頼するときの注意点
ベランダの雨漏りを業者に依頼する際の注意点を3つ紹介します。以下の点に気をつけないまま業者に依頼すると、工事後に後悔するでしょう。
4–1.保証内容を確認する
ベランダの雨漏りは再発しやすいです。このため、工事後の保証内容を確認しましょう。工事後1年間は無償で修理するといった業者なら、アフターケアも万全です。
4–2.ベランダの雨漏りに火災保険は適用できるか確認する
雨漏りは火災保険を適用できる可能性があります。住宅の火災保険における「風災」という項目が該当するかもしれません。火災保険が適用できれば修理費用の一部を節約できるでしょう。保険を適用したい場合は、保険適用に詳しい業者を選ぶ必要があります。
4–3.急ぎでなければ相見積もりで業者を選ぶ
今すぐ雨漏りを修理したい場合は別ですが、少し余裕があるのなら相見積もりを行ってください。相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼する方法です。適正価格を知ることができるため費用の節約が可能です。相見積もりでは以下の3点に注意しましょう。
- 工事条件を揃える
- 極端に価格が高い・安い業者は避ける
- 商品名を記載していない業者は避ける
同じ工事条件でなければ比較ができません。相見積もりでは工事内容を揃えましょう。極端に価格が高い、あるいは安い業者は注意が必要です。高い業者はボッタクリで、安い業者は手抜き工事の可能性が高まります。防水加工などで塗料の商品名を見積書に記載していない会社は悪徳業者のおそれがあります。最低でも商品名を見積書に記載する業者を選びましょう。
もし業者探しで迷うようなら、リフォームガイドで見積もりを取得すれば比較的安心して選ぶことが可能です。 リフォームガイドは審査を通過した優良な業者のみが登録されています。その中からお客様のお住まいや要望に合った業者をピックアップし、同時に複数社から見積もりを取ることができますので、ぜひ活用してみましょう。
5.まとめ
ベランダやバルコニーの雨漏りは自分で原因を特定するのが困難です。基本的には雨漏り専門業者に調査を依頼しましょう。調査や修理にかかる費用は5〜50万円程度が多いでしょう。全面的な工事をする場合は100万円を超えるケースもあります。
雨漏りはしているけれど、ベランダやバルコニーが原因かはわからない人も多いでしょう。原因特定が難しい場合は「雨漏りの原因を特定する方法から発生した際の対策までを解説」をチェックすると特定しやすくなります。