
「屋根の破風(はふ)って何?」
「破風の補修費用を知りたい」
こういった疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。この記事では、屋根の破風の役割や工事費用などを紹介します。具体的には以下の内容を解説します。
- 屋根の破風の役割
- 他の部位との違い
- 屋根の破風を修理する方法
- 破風を修理する費用相場
- 屋根の破風を修理する際の業者の選びかた
屋根の破風の役割を知って適切なメンテナンスを行うことで、雨漏りなどの不安がない生活を送れるようになるでしょう。
目次
1.破風の役割やケラバとの違い
破風とは、屋根の側面についている板のことです。特に、雨樋(雨を流すための道具)が付いていない面を指します。
1-1.破風が持つ3つの役割
破風には3つの役割があります。
- 屋根を強風で飛びにくくする
- 雨が侵入しにくいようにする
- 屋根を美しく見せる
詳しく見ていきましょう。
屋根を強風で飛びにくくする
破風を付けないと屋根が台風などで吹き飛びやすくなります。屋根は、側面や下部からの風に弱いためです。破風を設置することで側面や下部からの風を遮断できるのです。
雨が侵入しにくいようにする
破風がないと屋根の側面が露出した状態になり、雨水が入りやすくなります。そのため、破風には雨漏りが起こるのを防ぐ役割があると言えるでしょう。
屋根を美しく見せる
破風には屋根を美しく見せる役割もあります。屋根に破風がないと側面の構造が丸見えとなってしまい美観が悪化します。
1-2.「破風」と似ている「鼻隠し」や「ケラバ」の違い
破風と似ている部位として「鼻隠し(はなかくし)」と「ケラバ」があります。
「鼻隠し」とは、屋根の側面の板のうち雨樋を取り付ける面を指します。基本的に屋根の最も低い位置に取り付けられています。雨樋を取り付けない面が「破風」です。
「ケラバ」とは外壁より外側に出ている屋根部分を指します。ケラバの端のうち雨樋が付いている面が「鼻隠し」、付いていない端部分が「破風」です。
2.屋根の破風を修理する方法と費用相場
屋根の破風を修理する方法は3つあります。
- 塗装する
- 金属で覆う
- 交換する
上記の工事方法と費用を詳しくチェックしてみましょう。
2-1.塗装する
破風の塗装が剥がれてきた場合は塗り直しが必要です。既存の塗膜を剥がしてから新しい塗装を行います。
費用の相場は1メートルあたり500〜1,500円程度です。破風の塗装が必要な場合は外壁や屋根の塗膜も寿命を迎えているケースが多いです。
塗装工事をする場合は、破風だけではなく屋根や外壁も一緒に行うことで長期的には足場や養生などの費用を抑えられます。
2-2.金属で覆う
破風自体の劣化が進んでいる場合は塗装では対処できません。劣化がひどい場合は金属で覆う方法があります。
費用の相場は1メートルあたり3,000〜5,000円程度です。既存の破風の上から金属で覆うため重量が増えます。また、既に金属で覆っている破風を補修する場合は、さらに金属で覆うことは難しいです。
2-3.交換する
破風が大きく破損していたり、雨で侵食されていたりする場合は金属で覆うよりも素材の交換が望ましいです。ほかにも、金属質な破風ではなく木材を使いたい場合にも適しています。
費用の相場は1メートルあたり4,000〜6,000円程度です。材料があれば、元の破風と同じ質感を再現できる点も魅力でしょう。
価格の一覧を以下に作成しました。参考にしてみてください。
3.屋根の破風を修理する際の業者の選びかた
屋根の破風を修理する場合、業者選びが最も重要です。
悪徳業者に依頼すると、手抜き工事をされて1年で破損してしまったり、詐欺によって相場の2倍以上を請求されたりするでしょう。
業者を選ぶ際は以下の3つのコツを把握してください。
- 専門業者に依頼する
- 訪問営業をする業者は避ける
- 相見積もりのポイントを把握する
この3つを把握しておけば致命的な失敗を避けやすくなるでしょう。
3-1.専門業者に依頼する
破風の補修は、工事の方法によって依頼する業者が違います。
- 「塗装」なら塗装業者
- 「金属で覆う」か「金属素材に交換」なら板金業者
- 「木材に交換」なら大工や屋根工事業者
上記以外の業者は専門外のため、工事後に問題が起こるおそれがあります。破風の修理は、それぞれの方法に適した業者に依頼しましょう。
インターネットで「板金業者」や「屋根工事業者」で検索するとたくさん出てきます。調べた業者で相見積もりをすることで良し悪しを判断しやすくなるでしょう。
相見積もりをする際のポイントは後ほどご紹介しています。
3-2.訪問営業をする業者は避ける
自宅に唐突に訪問してくる業者に工事を依頼してはいけません。なぜなら、訪問営業をしている業者は、技術が未熟か、悪徳業者の危険性が高いからです。
優良な業者なら、口コミや評判がよいため営業をしなくても仕事が舞い込んできます。もし仕事が舞い込んでこなかったとしても、個人住宅よりも企業に営業をかけるのが一般的です。
個人住宅に唐突に訪問してくる営業マンは、個人で工事をしていたり詐欺をしていたりするために仕事が入ってこない業者だと考えられます。
訪問営業の業者は「おたくの破風が破損していて危険です」「今すぐ契約したら半額で工事します」など緊急性を主張して契約を急がせようとします。
すぐに契約を決めずに、業者が語ったことが事実かどうかを他の会社にも確認してもらいましょう。
もちろん、訪問営業をしている会社の中には優良な工事をしているケースもあります。しかし、悪徳業者の割合が高いため選別するのに時間と労力がかかるでしょう。
無駄な時間と労力を使いたくないのなら、訪問営業をしている業者は避けることをおすすめします。
3-3.相見積もりのポイントを把握する
優良業者を選ぶ際に欠かせない手法が「相見積もり」です。相見積もりとは、2社以上の会社に同じ条件で工事の見積もりを出してもらうことです。
相見積もりでは以下の3つのポイントをチェックしてください。
- 価格が離れすぎていないか
- 工事内容が具体的か
- アフターケアが万全か
具体的に解説していきます。
価格が離れすぎていないか
3社程度に相見積もりをしてみて、他の2社よりも価格が安すぎる、あるいは高すぎる業者は危険です。
なぜなら、工法や材料が同じなら見積額が極端に離れることはほとんどないからです。
工事費が極端に安い場合は、材料を偽装したり工程を省いたりといった手抜きの心配があります。一方で、価格が高すぎる場合は金額を水増ししているおそれがあります。
このため、極端に金額が離れている業者には依頼しないほうがよいでしょう。
工事内容が具体的か
見積書の数字や工程が具体的かどうかも優良業者の判断基準となります。優良業者であれば、破風の塗装や交換範囲を「平方メートル」または「メートル」単位で出してくれます。
「破風一式」といったように数字も書かずに金額を出してくる業者は、信頼性が低いと言えるでしょう。
なぜなら、「一式」で記載すると工事面積を自由に設定できるため、依頼主にとって不親切だからです。優良企業であれば、わかりやすいように工事面積を記載してくれます。
アフターケアが万全か
工事後の対応も検討しなくてはいけません。施工してから1年で塗装がはがれてしまったり雨漏りが起きたりしては意味がありません。
工事をする際は施工保証がついているかどうかも確認してください。一般的な業者であれば一定期間は無償で対応してくれるでしょう。保証は5〜10年程度の企業が多いです。
逆に、15年や20年といったように1社だけが極端に年数が長い場合は、期間が長すぎて倒産の危険が高まるため注意が必要です。企業の寿命は年々短くなっているため、大手でも20年後には倒産するおそれがあります。
他社との保証年数の差も考慮して依頼する業者を決めてください。
4.まとめ
「破風」は、美観のほかに屋根が吹き飛ばないようにする役割があります。屋根や外壁と同じように、定期的に補修をしなければ雨漏りの危険があるでしょう。
破風の修理が必要なときは屋根も劣化しているケースが多いです。屋根のメンテナンスについては屋根のメンテナンス費用から工事が必要な時期までチェック!を確認して、備えておきましょう。
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